どうも。ワンパンマン世界にTS転生したバンパイアレディ、カーミラちゃんです。
女に生まれてしまったものは仕方がないと百合百合しい妖しげな女バンパイアを目指して頑張っている所です。
試しに森に生息していた猿を仕留めて血を飲んでみればちゃんと糧になりました。魂をゲットしたオカゲで群れの位置も把握できるし完璧。これで人間が滅んでも安心ですね。
はい、とりあえず今は怪人側として活動するつもりでいます。
サイタマが生まれる前に人間を滅ぼせば怪人側の勝ちじゃね? と思い付いたんで仕方ないね。時間切れになったら姿を消します。
「今はその人間を発見できないのだけれどね。もう3日、彷徨ってるわ」
怪人なので木の上で寝ても問題ないし何なら寝る必要もないんですが、こんな原始的な生活をチート転生したのに送りたくない。
元現代人なので虫が湧く森でずっと暮らすとかメンタル的に無理。昨日なんて吸血鬼なのにヒルに血を吸われたし。
人間を滅ぼすにしても文明は維持しなくっちゃ。
「カーミラ様。野生のイノシシを捕獲しました。お召し上がりください」
「ありがとうねノイ」
「勿体なきお言葉」
スッと音を立てずに現れたのが私の生み出した眷属、ノイちゃん。
災害レベルは虎で大した強さじゃないけど、それでも普通の人間では勝ち目のない怪人。
猿の群れを乱獲した程度の血液で生み出せたし、とってもリーズナブル。思ったより真祖の吸血鬼ってヤバい。
ま、眷属を維持するのにも血液は必要だし現状じゃ増やし過ぎると痛い目を見るけどね。他の勢力に目を付けられるだろうしジワジワやらないと。
でも自分好みの黒髪ショートのナイスバディな美女を簡単に生み出せるこの力はベネ。夜のお世話もOKな絶対服従の配下とか別の意味でヤバい。
ガチャで大当たりを引いた気分だ。もっとガチャして好みの美女眷属を揃えてハーレムを作らなきゃ。
「でも魂の蒐集を選択して良かったわ。まさか眷属の実質的な不死化を実現できそうだなんて」
血を材料に生み出した眷属も魂はちゃんとある。今はまだ眷属が死んだら同一個体を再誕させる事は出来ないけれど、私の内部に魂を確保したまま外部端末を動かすように身体を操る形にまで持って行ければ私が死なない限り眷属も死ななくなる。戯れにノイの血を飲んでみたら、そんな感触を得た。
死ぬことのない吸血鬼勢力が世界に広がったら人を滅ぼすなんて実は簡単なのではないだろうか。勝ったなガハハ。
「んあっ!」
パーンとハゲマントに粉々にされる未来が見えて思わず悲鳴を上げてしまった。
そうよね。私が死んだら全部解決するとかワンパンマンのストーリー的にはむしろお約束な展開だったわ。
「カーミラ様!?」
想像だけでハゲマントにダメージを負わされた私をノイが心配して慌ててくれている。
良い娘だ。うん。諸共死ぬ危険性はあるけど死なせたくないお気に入りは不死化処置が出来るよう頑張ろう。それ以外はもう野良でいいや。よく考えたら嫌いな奴が死なないとか逆に不都合だし。
今はそんな心配するような段階じゃないけどね。ノイの持ってきてくれたイノシシでも食べて英気を養おう。
そんなこんなで一週間。やっと人間の集落を見つけました。
マジで大昔の農村。日々の暮らしがやっとのギリギリ状態でガリガリ。うーん、マズそうだなぁ……。
ここら辺の土地って痩せてて大した作物が収穫できてないみたいなのよね。それなのに森には入ろうとしない謎の生活様式。もしや森に入るにも税金を払わなきゃ駄目だとか?
疑問に思って聞いてみようと村に侵入したら話が通じない。せやった千年前の海外やん。
「ニャモゴゥノオンゾ」
「ピッチフォークと言ったかしら。武器を向けてきたんだし一人くらいは殺して良いわよね」
食器のフォークを大型化したような農機具を向けて威嚇してきたのがいたんでサクッと血を吸って魂を奪いました。
村人が騒いで悲鳴を上げている。ククッ。怪人となってから弱者を踏みにじるのが楽しくて仕方ない。この全能感は癖になる。人間の血は野生動物よりも臭みがなくて飲みやすくて美味しいし。
野生になっている青臭くて酸っぱい果実と品種改良されたフルーツくらいの違いはある。怪人は美味しいとは限らないし毒の心配もしなきゃいけないから人間が吸血鬼の主食になるのは仕方ないな、これ。
で、人間の魂を奪って発覚したんだけど、ここは西ローマ帝国が衰退して人口が減少した暗黒の時代である中世前期のヨーロッパだった。5,6世紀くらいかな。
移民に戦争に疫病にと史実でもヤバいらしいってアニメで見たことあるけど、ワンパンマン世界じゃ更に怪人が跋扈してる。
森に入らないのは怪人に襲われるから。何時、村が消滅してもおかしくない瀬戸際だったみたいね。
別に村が滅びるのはどうでもいいけど、また野宿はな。近場に村もないらしいし、しばらくの拠点にしたい。
「そこのお前。死にたくなきゃ村長の家に案内しなさいな」
「ひゃ、ひゃい!」
「ノイ。今は村の人間を殺しちゃ駄目よ」
「仰せのままに」
魂を得てここらの言語をマスターした私は村長を丁寧に説得してこの村の実質的な領主になった。
国家滅亡の只中だし武力独立なんて珍しくもない。しばらくはこの農村を実効支配しようかな。