ローマ帝国で錬金術師の魂を獲得してから、私はジャブジャブ貴金属や宝石を血液から錬成してヘルウェティイ族経由で換金し続けていた。
で、その金で生け捕りにされた賞金首や敵国の捕虜や奴隷を購入して魂と更なる貴金属の材料をゲットするという、好循環が発生している。高ランクの賞金首は捕獲の難しさから金額が高騰していて、それでも購入できてないけれどね。無理矢理に命令を聞かせるフィクションによく登場する奴隷の首輪でもあるのかしら。
なら低レベルで良いからと、ピクト人の魔法やセインツの奇跡にドルイドの精霊術といった摩訶不思議な力を持った人間の奴隷を優先して回してもらえないかとヘルウェティイ族に頼んだら、それぞれB級並の知識と異能を持った魂を手に入れられた。奇跡は何故かセインツの経路で力を引き出そうとするとかなりの抵抗があるけれど。
地球意思に拒絶されてる感じじゃなくて、仕様外の存在が無理矢理に力を引き出そうとするせいでエラーが出ちゃってる感じなのよね……。これに関してはもっと、比較対象が欲しい。
ヘルウェティイ族側も有象無象の能力持ちが高目で売れてホクホクだったしウィンウィンね。私が裏切った場合、裏目に出るけれど。まあ、ヘルウェティイ族の執念深さは心の底から理解してるから敵に回そうとは思わない。5,6世紀近くも延々と復讐の機会を狙い続けてきた一族に恨まれるのは勘弁だ。
でも、竜術は竜盟会の血族内の結束が固くて犯罪者だろうと金じゃ手に入らなかったし、黒魔術はローマ帝国の秘奥らしく厳重な警護が敷かれてて
ま、ジェノスを改造したクセーノ博士のような天才、被造物がS級の実力を持つようなS級科学者じゃなかったけれど。潜入して襲った錬金術師の爺さんもA級並の実力は備えていた。ガトリング銃や軽戦車くらいなら一から設計できる。
呪術はヘルウェティイ族から幅広く学んでるし、こっちもA級、いやA級上位並の実力には達しているんじゃないかな。私の実力も災害レベル鬼の上位には届いたかも。
分かりやすくステータスに表すとこんな感じ?
・カーミラ ・災害レベル鬼+ ・怪人バンパイア女王 ・発生から2年3ヶ月
| (筋力/頑丈/敏捷/器用/耐久/回復/異能/知力/意思/武装/知名度/勢力) |
|---|
| (鬼- 鬼- 鬼+ 鬼+ 竜- 竜- 鬼+ A+ B- A- A A-(S)) |
・習得技能
| バンパイア異能S++(コウモリ化・無機物生成・ソナー・眷属生成・吸魂) |
|---|
| 爆裂流A、幻影飛翔剣A、暗殺殺法(血化粧)A+ |
| 気力放出B+、物欲センサーC、強者擬態C、嫉妬エネルギーC |
| 呪術A+、魔法B-、精霊術B-、奇跡C-、錬金術A+ |
| 装飾品作成A+、兵器作成A+、語学S、薬学A |
ゲーム脳だけど、こういうステータス表記にすると滅茶苦茶わかりやすい。怪人換算が鬼や竜で、ヒーロー換算がAやS表記。
勢力の(S)はヘルウェティイ族を私の配下換算した場合ね。S級ナイトのブルーノの陣営にバンパイア一族が吸収されてるのが実情だけれども。
筋力と頑丈はこれでもゴッサムの魂を得てかなり強化されてるのよね。逆に耐久と回復は最初から竜並にあったと思う。バンパイアは血液さえあれば不老不死に近い。異能は成長性を考えなきゃこんなもので、敏捷と器用はヘルウェティイ族の素質で向上している。
敏捷と器用の能力アップといい呪術に暗殺殺法といいヘルウェティイ族は本当に私の強化に貢献してくれてるわね。知り合えて良かった。
お礼に錬金術を利用して現代兵器の代名詞たる銃や、ローマで最先端の医薬品を彼らに卸したりもしている。幾つかの素材は購入してるけれど、その気になれば部品も薬品も無機物生成で血液から作れるんだからバンパイアはズルいわ。ヘルウェティイ族も貴金属と宝石の流通に価値の低い欠損奴隷の処分先に情報収集と既に私を切り捨てる事は出来ないでしょうね。
ノイ達バンパイア傭兵団も私謹製の現代兵器スタイルでヘルウェティイ族に教えを請うた暗殺部隊としての動きをするようになったからA級傭兵でも上位のグループとして最近では頭角を現わしてきている。下手に有名になりすぎるのも考えものだけれど、少し羨ましい。
賞金首には脅威度として階級が付くけれど、賞金狩りは基本的には依頼を受注せず、指名手配書を見て動き成果と引き換えに金を受け取るスタイルだからこういう階級制度がないのよね。普段、狩っている賞金首から便宜的にA級相当S級相当と勝手に噂が出回るけど、賞金狩りは秘密主義が多いし実力も能力も分からない奴らばかり。
原作で世に出なかった実力者は多かったし、実は賞金狩りの中にS級ナイト並の猛者もいるのかもね。傭兵はゲルマン戦線かローマ戦線に実力者が出向いているのかキャメロットじゃS級ナイトと並ぶと思う傭兵団には出会わなかった。
少なくとも私が見た有名なS級傭兵は軍団規模に人数と装備を整えた軍勢ばっかでS級ナイトに比較する個人は見たことがない。
原作時期と違い、今は魔法文明が隆盛してるせいで摩訶不思議な一品物の魔道具を持ってる奴も多いから格下だと油断したらマズいけどね。
私もクソ高い金額をオークションで払って一つ魔道具を手に入れている。
ローマ帝国の闇市から流れてきた黄の重装歩兵が愛用してる籠手だ。気とも魔力とも違う未知のエネルギーを噴射して打撃の威力を高めるとか何とか。
それを見て、パワードアーマーの腕部分だと分かった時、色持ちの重装歩兵の正体を悟って頭が痛くなったけどね。
もう既に原作に登場したバトルスーツの雛形が完成しているのだ。魔法技術も盛り込まれた量産品には不向きな一品物っぽいけど、職人が手作業で一部隊分は揃えてしまっているようね。
最近は錬金術師の知識を利用してパワードアーマーをこちらも作成できないか基礎研究を始めたりしている。私が魂を吸い取った錬金術師は兵器研究の専門家だったし出来なくはない。資格習得のノリで日本の薬剤師並の知識と鉱石知識を蓄えてた生き字引だし、生前の私とは頭の出来が違うのだ。
魔法や精霊術と興味深い知識体系も習得したし、最近は机で作業してる時間の方が多いな。おまけにキャメロットは武官ばかりでこういう事に向いた人材は少なく、色々と手広くやってるとあれもこれもと依頼が殺到する。キャメロットには農薬すらないと知った時の私の驚きが分かるだろうか。
これは偶には前線で暴れないと取り返しが付かないかもね。戦場に出るなんてとんでもないと非戦闘員化する未来が見える。
「非戦闘員化と言えば……」
この間、ハーレムメンバーはどうしているかと様子を見に行った時、農地を耕してたボンゴに呼び止められたんだけれど。
何と嫁が出来たからバンパイアの眷属にしてくれってお願いされた。
へーって何というか、どういう反応をすれば良いのか分からなくなった。ボンゴは髭の生えたダンディ系のオッサンだが、生後2年の生まれたばかりの子供でもあるのよね。まあ、生まれた直後から眷属に手を出してる私が言うことじゃないけども。
嫁さんは普通の容姿で食指がそそられなかったし、普通に眷属にしてあげた。マジで感謝して欲しい。
気になって少年タイプの眷属ファーンの様子を見に行ったら、こっちはハーレムめいたラブコメやってた。しかも私が性癖を歪めたリリシアの女友達。
こう、微妙にファーンが中心じゃなくて女同士で嫉妬し合ってたあたりちゃんと爪痕は残せたらしい。とりあえず干渉せずに見守る事にした。リリシアが日記に詳しい事情を書き綴ってたので、無断で見たら意外と面白かったし。恥ずかしがるリリシアと合わせて二重に美味しかった。
ドロドロとした昼ドラはキャサリンとイワンで堪能できているので、あっちには甘酸っぱい青春を期待しよう。蹂躙するばかりがエロじゃない。
「円卓の騎士も昼ドラ的なドロドロとした関係を伝説じゃ築いていたけどね。実際に調査してみればイゾルデを取り合うはずのトリスタンとパロミデスは単なる女友達だし、アーサー王とランスロットの決裂の原因の王妃の不倫もない。せいぜい、未亡人モルゴースの年若い愛人であるラモラック卿が火種になりそうなくらいかしら。亡き父親の仇の息子と関係を持った母親に円卓の騎士ガウェイン卿の弟のガヘリス卿がキレて母親をぶっ殺すのが伝承の流れなのよね」
A級ナイトではあるがS級の円卓の騎士と同等の武力を持つラモラック卿と、S級のガウェイン卿に同じくS相当かもしれないA級ナイトのアグラヴェイン卿、ガヘリス卿、ガレス卿が対立する構図になっている。ラモラックの兄弟には同じ円卓の騎士であるパーシヴァル卿もいて、A級ナイトにトー卿、アグロヴァル卿もいる面倒くさい状況。
「いや、それ以前に」
ガウェインの父親であるロット王を殺したペリノア王が生きて円卓の騎士として活躍しているのだ。
S級ナイトの中でも更に上位の災害レベル竜を殺せる人類のハイエンド。ペリノア王。
ロット王がアーサー王に反逆した故にペリノア王に討伐されたって頭では分かってるだろうけれど、バリバリに子供達はペリノア王に隔意があるのよね。騎士にとって肉親の復讐は美徳とされる文化があるし……。
そりゃアーサー王も伝承でランスロットを処罰したがらないわ。こんな面倒くさい対立構造がある中で、アーサー王が王として即位する為のブリテン統一戦争に力添えをして結果として自分の国を滅ぼされたバン王の息子がランスロットなんだし。バン王と同じ経緯を辿っている兄弟のボールス王の息子のボールス卿とライオネル卿もランスロットの派閥だろうし、ランスロットの息子のガラハッド卿は聖杯探索を成功させた騎士の一人だしランスロットの異母弟にS級ナイトのパーシヴァル卿と同等の勝負をしたエクター・ド・マリス卿もいる。
円卓の騎士は複雑怪奇な人間関係と派閥問題があるのだ。
おそらくアーサー王のガリア遠征は祖国を滅ぼされたランスロット派閥の為だった一面もある。バン王とボールス王の国があった場所こそがガリアだし。
伝承上でもランスロットはアーサー王を討ち取れる状況であったにも関わらず、止めろと部下のボールス卿を止めてアーサー王の命を救ってるのよね。アーサー王側も最初は不義の罪で火刑にしようとしていたはずの王妃を一度ランスロットが救った後、アーサー王の許に戻ってきてるのに有耶無耶にして処罰してないし。体面上、仕方なく罰則を与えたに過ぎなかったのが分かる。お互いに馴れ合って本格的な戦争に発展していないのだ。
アグラヴェイン、ガヘリス、ガレスと三人も弟をランスロットに殺されているガウェインは怒り心頭だったでしょうね。よくまあ、最後までアーサー王に従って反逆しなかったものね。ガウェインはラモラックを弟達とモードレッドを加えた四人掛かりで殺したりと結構ネチネチと何時までも恨みを忘れないウジウジした側面もあるが、その忠義は本物だっていう。自分がランスロットを許さなかったせいでアーサー王の国が滅亡すると死に際に後悔してるし。
「バン王とボールス王の末路は伝説と同じなのよね。舞い戻ったガリアで国を守って戦死してる。ロット王も普通に反逆してるし、全ての歴史がアーサー王の望み通りには進んでいない。いや、アーサー王の覇道を考えれば好都合なのか?」
ペリノア王が円卓の騎士の中で一人だけ王の呼称で呼ばれているように、ラウンドナイト内でアーサー王は必ずしも絶対的な権力を持っていない。
アーサー王を玉座へと導いたマーリンの影響力も大きいし、国家の政権としてみると実はグダグダなのだ。
円卓の騎士をアーサー王が同じテーブル席につかせ身分の上下はないと宣言したのは、実はそうでもしないと国として纏められなかったという側面もある。
実権を手にできない情勢下であったからこそ、アーサー王は理想の王として敬われる必要性があったのだ。
「だからこそ王妃の不倫は致命的だった。アーサー王を偶像から人へ戻してしまった」
さて、この世界でアーサー王は地球意思の期待通りの理想の王たり得るのか。ちょっと楽しみね。
ロット王の系譜
・ガウェイン ・アグラヴェイン ・ガヘリス ・ガレス
ペリノア王の系譜
・アグロヴァル ・トー ・ラモラック ・パーシヴァル
バン王とボールス王の系譜
・ランスロット ・ボールス ・ライオネル ・エクター・ド・マリス ・ガラハッド
※どいつも英雄な上に湖の乙女のような人外に祝福されてたり神器を持っていたりアーサー王より強い奴がいたりするぞ。
ランスロットと敵対したらガリア支配の正当性が揺らぐし、ロット王の系譜とペリノア王の系譜の争いを止める中立が消えるぞ。
ちなみにガウェインはアーサー王の甥で、ランスロットの父親は国を亡くしてまでアーサー王の王位確立に尽力した立役者で、ペリノア王はアーサー王に勝ったにも関わらずマーリンの説得に応じて配下に加わった客将だ。ロット王を討伐したのはアーサー王に逆らったからでペリノア王に瑕疵はないぜ。