ワンパンマン世界に怪人TS転生だって?   作:八虚空

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三十六話 S級の戦闘速度

 カルバリン砲の砲撃は一見ビーム兵器のように見えるが、正体は弾丸を魔力の膜で覆った実弾兵器だ。

 魔力自体が高度なエネルギーを秘めているのか弾丸が直撃しなくても掠めただけでヘリの装甲を溶かす程の威力を持っている。直撃した際の威力と衝撃は考えたくもない。

 

 故に避けるしか対処法はないのだけれど、カルバリン砲の弾速もまたフランシス・ドレイクの性能強化の恩恵を受けているのか反応仕切れず。

 カルバリン砲の砲口初速、砲口から弾丸が発射された時の速さは秒速500メートルだとされている。この速度は拳銃の砲口初速、秒速381メートルを上回っていて決して遅くはない。その弾速が体感では倍の速度に強化されているように思える。

 

 秒速を時速に変換するとカルバリン砲は音の速さである1225キロを軽く凌駕する。その倍の速さだとすると、音の三倍の速さ。マッハ3か。

 前世の最新鋭戦闘機の速さが確かマッハ3だったわね。つまり、戦闘機の突撃を躱せと強要されているようなもの。

 

 単なる投げ槍で戦闘機を撃墜してのけたベディヴィエールといい、S級は狂っている。

 本人は単に目が良いだけだと謙遜していたが冗談じゃない。あの妙技は数キロ先の光景を視認できるだけでは達成できない。音速を超える速さの機体に反応できる超人的な動体視力と精密な未来予測が最低限必要なのだ。何せベディヴィエールが投擲していた槍は私でも反応できた。つまり、槍の投擲速度は拳銃並だったという事。奴は拳銃で戦闘機を撃ち落としていたのだ。

 

 こちらの大型ヘリコプターの推奨巡航速度は時速250キロ。専属の眷属が操縦して時速360キロ。災害レベル鬼である私なら頑張れば時速500キロは行く。

 つまり拳銃の砲口初速の半分程度のスピードだ。

 

 その程度のスピードじゃ放たれてから2,3秒で襲い掛かってくるカルバリン砲は避けられない。そもそも私が反応仕切れない。

 

「ガァッッ!」

 

 当然の帰結として、カルバリン砲は私が操縦するヘリコプターに大穴を開け、ついでとばかりに副操縦席に座っていた私を焼き焦がした。

 

 

 

「やってくれる」

 

 ヘリのメインローターを破壊されて墜落していく僚機を見て私は舌打ちをした。

 内部で私が生存しているのは分裂した私自身の事だから分かるが、戦列復帰には多少の時間が必要だ。ちょっとでも時間稼ぎをしなくてはならない。

 

 敵のガレオン船に接舷するには距離が離れすぎている。推奨巡航速度の倍は速度を出せる私でも30秒は必要だ。3回の宝具掃射を受けて無事でいられる訳がない。そもそも最短距離で近付く想定に無理がある。近接戦闘には5回は宝具を対処する必要がある。

 

「損切りしなきゃか」

 

 この後の戦闘でフランシス・ドレイクを捕まえて魂を奪える可能性はゼロに近い。なら今回の出兵はたとえ勝ったとしても無意味。

 戦闘を続行する事、そのものが無駄だ。だが、現状では逃亡すらも難しい。

 

 この場を切り抜けて生存するにはフランシス・ドレイクに深追いは危険だと判断させるしかない。

 

「ノイ、その身を捧げなさい」

「はっ」

 

 私が操縦しているヘリコプターはノイ達、バンパイア傭兵団だけが搭乗している機体だ。何をやろうと反対する人員などはいない。

 操縦席に即座に集まるよう団員に指示をするとノイは無骨な隊服を破り首筋を曝け出した。私が何をしようとしているか察したらしい。話が早い。

 

「良い娘」

 

 微かに微笑むと私は頬を赤く染めたノイの首筋に噛みついた。牙がガブリと食い込む感触が堪らない。

 

「ああっ」

 

 血を吸われる事に快感を覚えているのか身動ぐノイを抱きしめて私は血を啜った。血を吸う度に性感を刺激していたから条件付けされちゃったのね。

 まるでブドウジュースを飲んでいるかのような甘くてまろやかなノイの血は精気と魂の吸収による強化も相まって心身を高揚させる。ワインを思わせる程、熟していないのもイケない事を教えているようで楽しい。血の味わいは個々によって千差万別で奥が深い。

 

 まあ、時に外れもあるけれど。対象が病気だったりすればヘドロを口にしたような不快感で吐きそうになるから。不潔な奴隷を取り込む際に味わってしまった。それ以後はお風呂に入れたり十分な食事を提供したりと健康的な生活をさせるよう心掛けている。

 

「よし、行ける」

 

 吸魂して灰となったノイのオカゲで身体中に力が満ちている。今なら多少の無理が利く。

 私はローマ帝国の錬金術師、いえ科学者の魂に記録されている兵器の設計図をダウンロードして搭乗しているヘリコプターへと導入した。

 元々、このヘリコプターは血液を材料に私が産みだした物。接触しているならその場で多少の修復・改造は容易い。

 

「そっちがビーム兵器なら、こっちは機関砲に空対空ミサイルを使うまで」

 

 幸い、弾は私の後ろで整列して待機してくれてるわ。




実際、音速のソニックは音速に近い速度で行動できると言われているのでS級のスピード自慢はマッハ単位の世界で勝負してる。凄い。
所で貴方がライバル視している閃光のフラッシュは計算してみたらマッハ3くらいの速さで動いているのですが……。
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