用務員の日常   作:八雲 紅

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デトろ!開けロイド市警だ!

遊戯王ではよくある会話しろよフェイズに突入させてもらうぞ


用務員、巻き込まれる

用務員って意外と原作に関われない、レッド寮の食事を準備しながらそう思った。ちなみに今日のメニューはシチューだ。

 

「やったぜ!今日はシチュー召喚の日だ!」

 

「1週間に一度の健斗さんの日は嬉しいっス!」

 

「たくさん食えよ」

 

十代はいつの間にか万丈目を倒していた。

そしてレッド寮に残る事を嬉嬉として報告して来たので状況を理解した訳だが。

当然、断るなんて勿体無いとか色々説得したが「イエローに行ったら健斗さんの料理が食えなくなっちまう」と言われたら「好きなだけ残れ!」と答えてしまう。

いや違うだろあの時の自分、イエローまで出前してやる!くらい言ってやるべきだったろう。今はまだ良いが十代のこのスタイルが後の悲劇の引き金になるのを知っている自分としては微妙な心境だ。

料理を褒められるのはとても嬉しいんだよ、うん。

 

「うめぇー!うめぇーよ!」

 

笑顔でシチューをかき込む十代。その表情から心の底から自分の料理を美味しく食べてくれているのが分かるので憎めない。

次も作ろうってなるじゃないか……。

 

「いやー、十代くんは残るみたいだけれど、これでレッド寮がまだまだやれるんだぞ!っていうのは証明された訳だし今日は健斗さんからのお祝いだにゃー」

 

大徳寺先生の言葉に食堂内に歓声が上がる。寮生は口々に十代を讃え、十代はシチューをもぐもぐしながらそれに応えている。

とりあえず落ち着いて飲み込んで欲しい。

さて、次のイベントは何だったかな……。

 

 

 

十代が万丈目を昇格戦で下してから数日後

いつものように自分の小屋で眠りについているところ、騒がしい車の走行音で目を覚ます。

 

「誰だ」

 

睡眠を邪魔された怒りのままに小屋のドアを開くと1台のトラックがレッド寮へ向かっていくのを発見する。

その車両に心当たりのある俺は舌打ちをしながら靴を履いてレッド寮へと走り出した。

 

「開けろ!すみやかに開けないとこのドアを爆破する!」

 

「その扉は誰が直すと思ってんだ、あぁ?」

 

集団はレッド寮の一室……十代の部屋の前を占拠しわざわざメガホンまで用いて怒鳴っているリーダー格の女性に後ろから悪態をつく。

 

「貴様は不法侵入容疑者の遊佐健斗!」

 

「安眠を妨害されて絶賛不機嫌の遊佐さんですよ。朝早くからご苦労さまです倫理が通じな委員会の皆様」

 

俺の姿を確認するなりそう言い放つメガホン女に青筋を立てながらそう返す。

 

「まさか今回の件に貴様も関わっているのか!?」

 

「どの件だよ全く分からねぇよ。倫理も論理も会話も通じな委員会に改名しろ今すぐにだ」

 

売り言葉に買い言葉、いつの間にか他の寮生や大徳寺先生が騒ぎを聞き付けドアの隙間から様子を伺っている。そして「ちょっと待ったー!」という言葉と共にドアが開き十代が出て来た。

 

「首謀者の遊城十代、並びに丸藤翔を査問委員会まで連行する」

 

「え、首謀者?何の事だよ」

 

「査問とサモン(召喚)を掛けたギャグ凄いですね、帰っていいぞ、帰れ」

 

「この際だ、貴様も来い!」

 

何が何だか分かって居ない様子の十代、翔、そして完全についで扱いの俺達3人はトラックに乗せられ連行。着いた場所は巨大モニターに覆われた部屋。

それぞれのモニターにメガホン女、鮫島校長、クロノス教諭、あと他の教師とかその辺の偉い人数人が映し出されている。

 

「どうしてシニョール健斗が居るノーネ?」

 

「彼は我々の行いを邪魔しました、よって今回の件に関係があると疑われます」

 

「あ、そうナノーネ……」

 

クロノスは十代に対しては当たりが強いが意外にも俺には何も無い。

今も俺がついでに連行されてきたのを見て少しメガホン女に引いてるし申し訳なさそうな視線も感じるけどその優しさを十代に分けてやって欲しい。

 

「遊城十代並びに丸藤翔、お前達2人は立ち入りが禁止されている廃寮へ勝手に侵入し内部を荒らしたと報告が来ている。重大な校則違反により退学処置もやむを得ない。そして遊佐健斗、お前はこの2人に廃寮の情報を流し侵入を唆したに違いない」

 

「ち、ちょっと待ってくれ!廃寮に入ったのは間違い無いけど健斗さんは関係ない!」

 

「そうです!それに廃寮に入ったのは明日香さんが不審者に拐われたからそれを助けに行ったんです!」

 

「なに?」

 

メガホン女の滅茶苦茶な発言に待ったをかける十代、そしてそれに続いた翔の発言に一同が驚く。

 

「あー、とりあえず証拠の提示をお願いします。監視カメラとかなんか色々あるでしょ?なんせ十代くんと翔くんが廃寮に入った事が分かってるんですから他の人間が廃寮に入った事も調べたら分かりますよね、あともし十代くんの言う通り不審者が島に入っている事実があるとしたら島のセキュリティ管理の問題も浮上しますねぇ」

 

「貴様……!」

 

「あと唆したってありますけど、廃寮があるけど入っちゃいけないよ、っていう注意も唆したうちに入るんですかね」

 

「ふむ、君たちの話はよく分かった。これから話し合い、追って処遇を伝えよう」

 

「鮫島校長!」

 

「元々は2人から話を聞くのがこの査問の目的の筈だ。では3人とも時間を取らせて済まなかった」

 

俺の皮肉を皮切りにメガホン女との舌戦が繰り広げられるかと思ったがそこに鮫島校長が待ったを掛け、処遇は後に報告するという形で解散した。

 

 

「ちくしょう、健斗さんは悪くないのに!」

 

「いいんだよ十代くん」

 

その帰り道、悔しそうに声を上げる十代を宥める。

 

「俺あいつら嫌いだし、寝起きでイライラしてたからちょっとやり過ぎた」

 

「ちょっとどころじゃなかったし、なんならキャラも変わってたような……」

 

翔の呟きにハハハ、と笑って答えるのみに留めておく。

翔は「絶対に怒らせないようにしよう」と小さく呟いた。

 

「とりあえず、何があったのか話を詳しく聞かせてくれるかな?」

 

「実は……」

 

そして十代から改めて夜の出来事を聞いた。

原作通り肝試しに廃寮へ行くと明日香が連れさられタイタンと闇のデュエルを繰り広げた、という。タイタンは途中で姿が消えて自分達は朝になったので急いで帰った、で十代は話を締めくくる。

 

「次は健斗さんの番だぜ」

 

「俺?」

 

「僕も気になるっス、健斗さんがあんなに怒ってるの初めて見たっス」

 

つまりは倫理委員会との馴れ初め(笑)の話だろう。

いいか、と前置きして俺はアカデミアに流れ着いた時の話をするのだった。

 

「えーっとつまり健斗さんは元々プロを目指してたけど両親の借金で借金取りに捕まって」

 

「船に乗せられて決死の覚悟で逃げたけど船が難波して」

 

「運良くアカデミアに流れ着いたけど持ち物は無くて、おまけに倫理委員会に不法侵入者として捕まった……いや、すげぇよ健斗さん」

 

「本当に生きてて良かったっス」

 

「転覆した船と捕まった船員の話もあるのに未だに疑ってきてるんだよ、本当に人の話聞かないし」

 

話を聞いた十代と翔は引きつった笑みで返事をするが、素直に俺が無事だったことを喜んでくれた。

こちらこそ君たちに会えた事にお礼を言いたい気分だ。

 

「まぁ校長達がなんとか話を付けてくれるだろう、じゃあ俺は寝直すから2人はまっすぐ帰るんだぞ」

 

話していると小屋の近くに着いたので2人に別れを告げてその場を去る。睡眠を邪魔されて気分が悪いし今日は用務員の仕事も無いし二度寝に限る。

 

 

「健斗さん、本当に機嫌悪かったな」

 

「口調とか普段と全然違ってたから実は怖かったっス……」

 

「翔、健斗さんだけは怒らせないようにしような」

 

 

 

この時の自分の行動ほど後悔した事は無い。

後日、俺と十代のタッグによる制裁デュエルが行われる事が決定した。

 

 




巻き込まれる(自分から)

原作十代ここで「なんでもするからチャンスくれよ!」って言ってるんですよね……ん?今なんでもするって言った?
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