「見つけたわよ、ことり!」
「あれ? にこちゃんだ。どうしたの?」
「どうしたのはこっちのセリフよ! 家行ったら出かけたって理事長に言われるし、穂乃果も海未も居場所知らないって言うし、おまけに今日暑いし!」
「最後のは……関係ないんじゃないかなぁ」
「とにかく探したわよ。何やってたのよ」
「ずっとお家にいたんだけど、アイデアが降ってきたからちょっと衣装作りしてたの。でもワンポイントにする小物がちょうどいいの無くて……」
「それで買い物に来てた、と」
「うん」
「ま、大体予想通りね」
「え、予想できちゃってたの?」
「はっ、衣装担当はあんた一人じゃないのよ? 何度も一緒に作業してれば、ことりが何考えてるかなんてすぐ分かるのよ」
「にこちゃんすご〜い。流石お姉ちゃんだね」
「……なんか褒められてる気がしないのよね。──ってかそれより!」
「あ、そういえば、どうしてにこちゃんはことりを探してたの?」
「そうやって作業に没頭するおかげで助かってる節は多いけど……時と場合によるのよ。──時間!」
「時間?」
「今が何時なのか知らないの?」
「ケータイ置いてきちゃったし、そんな長居する予定でも……あれ? ──あれれれ⁉︎」
「やっと気付いたわね……。もう集合時間過ぎてんのよ!」
「ふええ〜……もっと早く言ってよにこちゃ〜ん!」
「それは確かに申し訳なかったけど……こっちだって探し回ったのよ! ホラ急ぐ! 穂むらでみんな待ってるんだから!」
「うん? つまり、探しに来たのってにこちゃんだけ?」
「そうよ」
「どうしてわざわざにこちゃんが?」
「私が探しに来ちゃマズかったかしら?」
「そんな事はないけど……ちょっと意外で」
「大した理由は無いわよ。みんな忙しかったから」
「んふふ〜、そっかぁ」
「……何よ」
「海未ちゃんがスカート丈と露出に本気で恥ずかしがってるのか照れてるだけなのか、見極めなくちゃいけないから♪」
「……中々に策士でちょっと怖いわ。てゆーか何の話よ」
「だってにこちゃんは、お料理担当じゃない?」
「…………」
「お料理の仕上げってすっごく大事だから、最後を誰かに任せるなんてしないと思うんだけどなぁ〜」
「…………はあ。分かったわ、私の負けよ。やっぱり、他の二人と違ってあんたは手強いわね」
「え〜そんな事ないよ〜。穂乃果ちゃんも海未ちゃんも、可愛いだけだもん♪」
「説明になってないのよ……。──まあいいわ、ハイ」
「? これは?」
「何って、今日はことりの誕生日でしょうが。誕生日に渡すモノなんて、決まってるわよ」
「あ、誕生日プレゼントか。でも何で今? 後でパーティーの時に、みんなで渡すよって穂乃果ちゃん言ってたよ?」
「サプライズの意味分かってんのかしらあの子は……。──さっきも言ったでしょ。あんたの考えなんてお見通しだって」
「? うん……」
「それ、開けてみなさい」
「──わっ、ブローチ……? 可愛い〜……!」
「ワンポイントアクセントの、アイデアになったでしょ?」
「うんっ! にこちゃんありがとう!」
「喜んでくれたなら良かったわ。でも忘れるんじゃないわよ。衣装担当は、ことり一人じゃないんだからね! ちゃんとにこ達を頼る事!」
「うっ、うん! 気を付けます!」
「分かればいいのよ」
「ちょうどイメージ固める為に、試着して欲しい服装が溜まってきてて……。お願ぁい!」
「…………それとこれとは話が別!」