We are born, so to speak, twice over; born into existence, and born into life.   作:Towelie

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 黒い天幕を掛けた車窓からの流れにぽつぽつとした小さい光が時折、混ざるようになった。

 それは小平口町に入った合図でもあった。

 小平口町は近隣の町々と比べて照明も、舗装された道路の数も多かった。

 駅前はそこそこといった様相だが、それでも商店はそれなりにあり、生活に必要なものは十分に揃えるほど整ってきていた。

 鉄道を含めた町の存続が危ぶまれていた時期もあったが、今はどこ吹く風といった様子で、町は独自の発展を遂げていた。

 近隣との町の合併はまたしても白紙に戻っていた。

 何の気なしに始めたキャラクターを使ったPR効果が思ってた以上に効果を発揮していた。
 表立った伝承も名勝地もなく、これといった名産品もまだ生み出していないというのに。

 狐につままれたような感じはあったが、財政が潤ってくれる分には誰も文句はなかった。
 それが例えどのような力の奔流であったとしても。

 ただ、この話は何度も持ち上がるだろう。

 何れ、町が市に変わるときが来るのかもしれないが、それには解決せねばならないことがまだまだ山積みであった。

『長らくのご乗車ありがとうございます。間もなく終点の小平口駅……お出口は──』

 くたびれた感じのアナウンスが再度車内に流れる。

 いつも思うが、本当に長い道行だと思う。

 自動音声じゃないアナウンスにも疲労が色濃く聞こえるほどに。

 ぎいいぃぃっ。
 金切り声のようなブレーキ音が車体を大きく揺らす。

 壊れるのではないかと思うほどの音を出して列車が速度を落とし始めると、比較的滑らかだった走行音が急にがたがたとし始める。

 これはいつもの光景だったのでそれほど慌てることはなかった。

 よたよたと不安定に左右に揺れながら、旧式の列車は停車する準備をし始めたようだった。

「んしょ、と」

 燐はそのタイミングで上体を起こすと、傍らに置いていたバックパックを肩にかけた。

 すっかり見慣れたバックパックだが、常日頃から使っているせいか、汚れと傷が大分目立つようになってきている。

(そろそろ買い替え時かなぁ? 結構気に入ってるんだけど)

 バックパックを背負ったまま燐は立ち上がると、その場でぴょんぴょんと跳ねたりしてフィーリングを確かめてみる。

 小さい傷や色のくすみはどうしようもないが、まだまだ使えそうな気配はあった。

 燐が不安定な車内でぴょんぴょんと跳ねている時、蛍はまだ列車の長いシートに一人で座っていた。

 両手は膝の上にぎゅっと握られたまま、目は言葉を探すように宙を泳がせていた。

「どうしたの蛍ちゃん? そろそろ着く(終点)よ」

 いつもの事なんであえて言う事でもないが、さっきから呆然と蛍が腰かけたままでいるので、一応気にはなっていた。

「蛍ちゃん~? 終点ですよ~。起きてますかぁー?」

 燐はわざとらしく蛍の耳元で尋ねる。

 普段だとちょっとムッとした調子で抗議する蛍なのだが、今日は燐に何かを言いたそうに目で訴えるだけで、それっきりだった。

「んー? 蛍ちゃん、もしかして……怒ってる?」

 返事の代わりにこくこくと無言でうなずく蛍。
 その反応に確かに怒っているようにもみえる。

 ただその表情はいい意味で普段と変わらなかったので、少し分かりづらい。

「ええー、わたし何かしたかなぁ」

 頬に指をあてておどけたしぐさで燐が問いかけると、蛍はまたこくりと一つうなずいた。

 それを見て燐は、えー?、とまた困った顔をする。

(んんん??)

 燐は小さく呟いてその原因を頭の中で探った。
 思い当たる節はあるような、ないような……心当たりが曖昧過ぎで逆に判然としなかった。

「もしかして、わたしともう少し一緒に……横になっていたかったとか?」

 金属製のポールにもたれ掛りながら、燐はとりあえず直近の事から尋ねてみることにした。

「うんうん」

 蛍は口に出して頷いた。
 燐は、危うくポールを掴み損ねそうになった。

 その大きなリアクションはまた少し蛍を不満げにさせる。

「いや、だって……まだほかに人が乗ってるし、さすがに恥ずかしいじゃない? それに、変……だし」

 燐のつぶやきは段々と尻すぼみになっていた。

「変じゃないもん。みんなやってるもん」

「みんなって?」

「酔っ払いの大人とか」

「いや……あれは一番真似しちゃいけないやつだよ蛍ちゃんっ」

 燐が蛍になんとか理解してもらおうと身振り手振りを交えて説明したそのとき。

 しゅううー、と空気の萎んだ音がして列車がゆっくりとした速度になる。

 窓の外にはほのかなLEDライトの灯りが、白いプラットフォームを浮かび上がらせている。

 駅の標識には──小平口駅。

 その先には線路は続いておらず、文字通りの終着駅であった。

 それは蛍の最寄り駅でもあり、今や燐の最寄り駅でもあった。

「ねぇ……燐」

 何かを考えていた蛍が、ひそやかな声をかける。

「このまま普通にドアが開くと思う?」

「えっ? そりゃあ普通に開くでしょ」

 突拍子のない質問に燐は眉を寄せながら言う。
 気になるのか、困った顔でドアの方を振り向いた。

 雪が降る地域だとこの時期ぐらいでは手動でドアを開けなくてはならなくなるが。
 このローカル線の沿線では滅多な事では雪が降らないので、手動に切り替わるのは年明け頃だった。

「まだわからないよ燐。ドアが開いたら、あの白い人影がホームを埋め尽くしてるかもしれない……」

 顔を強張らせながら、されどもどこか嬉しそうに声を潜める蛍に、燐は呆れたような眼で見る。

「蛍ちゃん。時間遅くなるたびにそんなこと言うのは止めようよ~。そんなこと毎回言われたら、わたしだってちょっとは意識しちゃうじゃん」

「でしょ? だから燐も準備して」

 眉を潜めて言う燐にうんうんと同意した蛍はバックパックを広げて、ごそごそと漁りだした。

 燐は一旦立ち上がったものの、蛍の動向が気になってその隣に再び腰を下ろした。

「準備って?」

 訝しむような燐の視線をよそに、蛍は着々と準備し始める。

 アウトドア用の軍手、ヘッドライト、折りたたみ式のトレッキングポールにクマ除けの鈴と、多種多様なものを取り出して、座席の上に並べだす。

 出したものを一つづつ丁寧に身に着けていく様子を見て、燐はこれから蛍は登山に行くのではないのかと疑うほどだった。

 装備が整ったのか、蛍が一際明るい声を出して座席から立ち上がった。

「うん! これで大丈夫。燐は……その恰好で大丈夫? 何か貸そうか?」

 ヘッドライトの位置を確認しながら、少し心配そうに蛍が声をかける。

「お、お構いなく……」

 燐は視線を何度も泳がせながら、蛍の仰々しい格好を見ない様した。

(蛍ちゃん……まだ酔っぱらってるんだよね……きっと。うん、そうに決まってるよ)

 燐はあれこれ詮索せずに、全てをお酒のせいにすることにした。
 そして何があっても蛍を守ってあげようと思った。

「蛍ちゃん、わたしがついてるからね」

 燐は自分を鼓舞するように言った。

「わたしが燐を守ってあげるんだからね」

 蛍がトレッキング用のポールの長さを調節しながら微笑む。

 この分だとスタンガンとかまで持ってきてる可能性もありそうなので、燐は少し気遣うように言った。

「わたしの身はわたしで守れるから大丈夫。それより蛍ちゃんの方がちょっと心配かなーって、ね。あのね、蛍ちゃん……気負わなくていいからね」

「全然気負ってないよ燐。わたしが燐を守るって決めてるんだから」

 意思の硬さを示すように蛍が自身の胸をとん、とついた。

「あはは……」

 今、この車両に他の乗客がいなくてほんとうに良かったと思った。

 燐は黙って前だけを見ることにした。
 早く列車の扉が開いてくれるのを祈るような気持ちで待ちながら。

 鉄製の扉のガラスの向こう側には、工事中の駅舎と薄暗い改札口が見て取れた。
 ホームで待つ乗客は流石にいないが、あの白い人影も当然いない。

 まばらとはいえ駅員がホームに立っていることに燐は安堵した。

「燐、安心した?」

 蛍が仰々しい格好のままで顔を覗き込んできたので、燐は一瞬ぎょっとしてしまった。

 これからトレッキングをするには申し分ない格好なのだが。
 本人はそのつもりではないのだろう。

 これから起こりうる未曾有の災難に備えての装備なのだろうか。
 万に一つの確率でも起こりそうにはないが。

「蛍ちゃんがあんなこと言うから意識しただけ。それにしてもなんでゴーグルまでしているの?」

「あのときは無我夢中だったでしょ。よく考えたら目とか狙われたらおしまいだったって思って用意してみたんだけど。プロの登山家でも愛用してるんだってこれ。全然曇らないし、太陽とか直接みても大丈夫なんだよ」

「そ、そうなの? なんか蛍ちゃんのほうがすっかりアウトドアに詳しくなっちゃったね」
 
 蛍が着用しているゴーグルは曇り止め加工だけでなく、スキーやスノーボード等のアクティビティでも使える撥水加工も施されてあった。

「そうかな? けど最近のアウトドアの服って結構可愛いものがあるよね。普段使いでも着れるのもあるし。燐に付き添ってた時は全然興味なかったのに不思議だよね」

 トレッキングポールを両手に持って、ゴーグルを着用しながら自分の姿を楽しそうに確認している蛍は今では燐以上にアウトドアを楽しんでいた。

 その姿に燐は複雑な顔で見つめる。

(蛍ちゃんが楽しそうなのは良いことなんだけど……)

 わたしはまだ()()()()が怖かった。
 白い人影も、あのヒヒも、あからさまな欲望を持ってこちらを狙ってきていたから。

 ゴーグルで守っていても、仮にスタンガンを押し当てても、お構いなしに襲い掛かってくるだろう。
 彼らには大切なものが欠けていたから。

 そしていのち──ではなく、もっと単純で下劣なものを欲していた。
 こちらの命よりも、もっと確固たる優先事項があって、それはとてもおぞましいこと。

 一方的な欲情。
 それをぶつけようとしていた。

 あの世界の誰彼も。

 まだ命を奪われる方がマシだと思えるほどの、残虐で非道な行為。
 幸いにそれをぶつけられることはなかったけど、それでもなお、あの歪んだ好奇心に恐れを抱いてしまう。

 燐はあの目、欲望にぎらついた目が特に怖かった。

 目という概念がないのに、その欲望だけがギラギラとしていた。

 その矛盾した悪意に嫌悪している。
 今でもずっと。

(わたしはもううんざりなんだ。だって、あの三日間でわたしの大切なものを全部失っちゃったから。だからもう……あのことは……)

「燐、降りないの?」

「ふえっ!?」

 燐が嫌なものを無理やり思い出そうとしたとき、蛍の声が現実へと帰す。

 気が付くと、いつの間にか目の前の扉は開かれていて、山からの冷たい風が燐の頬を針の様に突き刺していた。

 肌を刺すような冷たい風が、開けっぴろげの扉からぴゅーぴゅーと無慈悲に入り込んできて、列車の古い暖房などもはや何の役にも立ってくれていない。

 それもそのはずで既に車内の空調は止まっていた。

 燐は急に鼻がむずがゆくなって、くちゅん! と大きなくしゃみをした。

 すかさず蛍がハンドタオルを燐に手渡す。

「ありがと、蛍ちゃん」

「燐、早く出よ。ここにいると本格的に風邪をひいちゃうよ」

 登山用のグローブに包まれた蛍の手が燐の手をそっと取る。

 慣れないグローブにまごつきながら、蛍は先導するように燐の手を軽く引いた……つもりだったのだが。

「あいたっ!」

 蛍の手に引っ掛けて置いたトレッキングポールが偶然にも燐の脛の辺りを強打してしまった。

「あ、ごめん! 燐、大丈夫?」

「う、うん……」

 燐は片足をぴょんぴょんと跳ね上げて、形容しがたい痛みに堪える。
 想像するだけでもぞっとするような痛みに蛍は顔を青くしておろおろとしていた。

「ごめんね、燐。なんか動きづらくって、つい」

 蛍は慌ててトレッキングポールを腕から外そうとして手を振り上げてしまう。

 その動きに合わせてゴム製とはいえ先の尖ったトレッキングポールが燐目掛けて再び唸りを上げた。

「うひゃあ!」

 燐は片足を使ってそれを間一髪に躱すと、冷や汗をかきながら努めて明るい声で蛍に諭した。

「危ないところだったぁ……あははは、蛍ちゃん。柄の長いのを振り回したら危ないよ、こういうのは周り見てから動かなさないとね。まあ、もうそこまで警戒しなくてもいいと思うけど」

 部活で使うフィールドホッケーのスティックや、テントのポール等、燐はわりと長物を扱うことが多かったから取り扱いには十分気を付けていたからこそ避けられたものの、もし頭に直撃などしたら堪ったものではないだろう。

(こんなところで流血沙汰なんてたまったもんじゃないよぉ……)

「そうだよね。ごめん燐。何事も一旦立ち止まって見渡さないとダメだよね」

 焦りからか、少し早口の燐に蛍はもう一度謝ると、今度は落ち着いてトレッキングポールをバックパックに仕舞い込んだ。

 グローブも外してすっかり身軽になった蛍は改めて燐の手をとる。

 燐は何事もなかったようにこっと笑うと、蛍の手をぎゅっと握り返した。

「そんなに身構えてたら疲れちゃうよ。それに、なにが起きてもそれは仕方ないんじゃない?」

「……だよね」

 そう言いながらも蛍の横顔はどこか寂しそうだった。

「……でもさ、二人一緒なら何が起きても平気な気がするんだ、蛍ちゃんもそう思わない?」

「うん。わたしも燐と同じ気持ちだよ」

 燐のその言葉に蛍はようやく笑顔を見せる。

 二人はそのまま列車のドアからホームへと降りる。
 ほぼ無人のプラットフォームに降りる乗客はもういなかった。

 列車は煌々とまだ明かりを灯しているが中には誰も残っておらず、骨格のようにみえる旧式の車体を無造作に横たわらせていた。

 真っ暗なプラットフォームをLEDのライトが優しい色を添える。

 その人工の明かりを見ながら、燐は浮かび上がった違和感を蛍に投げかけてみた。

「ねぇ、蛍ちゃん。さっき横になってるとき変な事言わなかった? 最後がどうとか言ってた気がしたんだけど」

「そうだった? ごめん、あんまり覚えてないかも」

 どこか煮え切らない曖昧な返事を蛍はこぼす。
 何かを包み隠すようにする蛍に、燐はもやもやとした気持ちを感じて困ったように眉根を寄せた。

「でもさ──」

 燐がもう一度聞こうとしたとき。
 それを遮るように蛍が口を開く。

「あれはね」

 蛍は優しい声で一旦言葉を区切ると。

「この電車で今日は最後ってことだよ」

 蛍は俯いたまま、燐の目を見ないでそう言った。

「ふーん」

 ホームの屋根をみながら燐は白い息と素っ気ない返事を同時にはいた。

 別に疑っているつもりはではないのだが、蛍がこれ以上言いたくないようなので、これ以上は聞き出そうとは思わなかった。

 二人はしばらく黙ったまま、人気のないプラットフォームを並んで歩く。

 途中で黒づくめの駅員とすれ違ったが、二人の顔を一瞥すると、そのまま自分の業務に向かっていった。

 蛍はその間、恥ずかしそうに燐の腕にしがみ付いていた。

 改装途中の白い天幕に覆われた駅舎から冷え切った無人の改札を通り抜ける。

 二人が改札を抜けたのを確認した駅員は照明の一部を落とすと、もう出入りできない様に鉄製のゲートを固く閉じた。

 わたし達が最後の客だったんだろうと二人は思った。


 待合室の中も当然ガランとしていて、売店も案内所もシャッターが下りていた。
 冷たそうなベンチには人が座った残り香すら残っていないように、つるんとしている。

 蛍は片手で携帯を操作してため息をつく。

「23時か……」

 売店どころか、町で開いている店は精々コンビニ店ぐらいのものだった。

 蛍がため息をついている横で燐は苦笑いを浮かべる。
 まだ日付が変わっていないことだけが唯一の救いだった。

「ねぇ、燐。あの話って嘘だよね」

 ぽつんと蛍が呟く。
 
 その言葉に気を取られた燐は、駅舎の窓から覗く黒い山々の向こうの白い風車がゆっくりと動き出しているのに気づかないでいた。


 立ち尽くす二人の後ろで数人の駅員たちが終電後の点検作業に追われていた。


 待合所の傍らにある年季の入った円柱型のストーブが小さな青い炎を静かに揺らめかせていた。




Sandrillon and Green Gables in Winter

 改装中の駅舎から外に出ると、そこには冬の星座が二人を待ち構えていた。

 

 黒塗りの空には満天の星が生き生きとしていて、そのちょうど反対側にいた月は黒い雲の影でひっそりと、こちらを窺うように光を落としている。

 

 周辺にある店舗はあらかた閉まっていて、車どころか人の影さえも見当たらない。

 

 吐く息の白さだけが、生きている証に感じられるほど閑散として薄暗かった。

 

 ロータリーの真ん前にある、高い街燈だけが煌々と光を放っていた。

 

 青白い明かりは暖かいというよりもむしろ寒々しさを思い起こさせて、燐は思わず身震いをした。

 

 列車や駅舎の中がほどほどに温かかったせいか、外は別の世界かと思われるほどに冷え切っていた。

 

 思わず駅舎に戻りたくなる気持ちをぐっとこらえる。

 

 それなのに蛍は何かを探すように辺りを見渡していた。

 そしてお目当てのものを見つけるとあっ、と小さく叫んで嬉しそうに指を差す。

 

「燐。ちょっと食べていかない?」

 

「蛍ちゃん、これ、アイスの自販機だよね? 本気で食べるつもりなの?」

 

 蛍が指さしたのは稀によく見るアイスの自販機だった。

 

 都心部ではそれほど珍しくないものだったが、この田舎の小平口駅にも設置してあるのは少し違和感を覚えるものだった。

 

 アイスは数種類のフレーバーから選べて、それが手軽に楽しめると主に若い世代に人気だった。

 

 冬場でもそれは変わらず稼働していた。

 

 もちろん冷たいアイスしか売っていないのだが、中には売り切れのランプが灯っているところをみると、この時期でも需要はあるようだ。

 

「うん、もちろんだよ。で、燐は何がいい?」

 

 すでに買うことを前提とした口ぶりに燐は想像しただけで唇が震えてくるようだった。

 

「わ、わたしは……その、いいや。この寒い中食べたら胃の中まで凍りつきそうだし」

 

 燐は手を振って拒絶する。

 

「でも燐。寒い時に食べるアイスって別格なんだよ」

 

 得意げに話す蛍。

 燐はいろいろな意味で返す言葉が見つからなかった。

 

 寒いときに食べるアイスが美味しいのは分かるが、それは暖かい部屋だからこそであって、外で食べるのはもっての外だった。

 

「持って帰って家で食べるの?」

 

「ううん。今食べるんだよ」

 

 まさかとは思って燐は尋ねたが、蛍の答えは案の定だった。

 燐はこの寒空の下で食べることを想像しただけで、こめかみがきぃんと軋しむようだった。

 

「どれにしようかなぁ……色々あって迷っちゃうね」

 

 蛍は自販機の前でうんうんと一人で頷いている。

 

 燐は数歩下がって、その様子を遠目で見ていた。

 自販機の近くにいるだけで冷気が伝わってくる気がしてくるからだ。

 

 今の燐にはアイスの自販機が巨大な氷の塊のように見えていた。

 無論、そんなことはないのだけど……。

 

「今日の気分はこれだね、っと」

 

 蛍は硬貨を流し込むと、お目当てのフレーバーのボタンを押した。

 

 カラッと、軽い音がしてアイスが落ちてくる。

 

 冬場だからカチコチに凍りたものが出てくるかと思ったが、そこまで霜まみれではなかった。

 

「燐、ひとくちあげようか?」

 

 蛍は包み紙をぺりぺりと剥がすと、燐の鼻先にアイスを近づけた。

 

 蛍が選んだのはてっきりモナカだろうと燐は思っていたから、目の前のそれに思わず顔をしかめていた。

 

 おおよそ冬には似合わないフレーバーだったから。

 

 燐は首をぶんぶんと振ると、蛍に聞かずにはおれなかった。

 

「蛍ちゃん、なんでそれにしたの?」

 

 燐があからさまに拒絶した反応を示したので、蛍は少し頬を膨らませた。

 

「なんでって……わたし、結構好きだよ”チョコミント”味」

 

 蛍はひとくちアイスをかじる。

 

 燐は見ているだけで歯が浮きそうになり、食べてもいないのにぎゅっと奥歯を噛みしめた。

 

「ほ、蛍ちゃん、大丈夫……なの?」

 

「うん。やっぱり美味しい。すーっとしたミントの香りと味がわたし好きなんだよね。歯磨き粉なんて言う人もいるけど、一度食べたら病みつきになると思うんだ。燐だってそうでしょ?」

 

 さも当然とばかりに蛍が尋ねてくる。

 燐は凍り付きそうな顔を無理やり笑顔で繕った。

 

 内心は寒気を抑えられないでいた。

 

「燐は、何が好きなんだっけ」

 

「えっとぉ、わたしはねぇ、ワッフルコーンが好きだなぁ。あのコーンのパリパリ感がたまらないんだよねぇ。上のアイスは結構なんでも食べるよ、チョコでもバニラでも抹茶でも」

 

「へぇ、燐が食べてるとこあんまり見たことないから」

 

 蛍はぺろりと舌先でアイスを掬い取りながら、燐の話に耳をかたむける。

 

「部活の帰りでみんなで食べながら帰ったこともあったなあ。で、誰か一人はアイスを落としちゃうんだよね。それをみんなで大笑いしてさ。楽しかったけど、普通に勿体ないよね」

 

「でも、楽しそうでいいね」

 

 肩をすくめて言う燐に蛍は微笑む。

 燐の話を聞くだけでもその楽しそうな情景が浮かんできそうだったから。

 

「燐、そろそろ帰ろっか? アイス食べてたらやっぱりちょっと寒くなってきちゃったみたいだし」

 

 蛍はそれでもアイスを離さずに、口にくわえたまま両手を擦り合わせている。

 

「やっぱりね、言わんこっちゃない」

 

 燐は小刻みに震えている蛍の両手を取って自分の息をはぁーっと吹きかけた。

 

「身体、随分冷えちゃったね。カイロ貸そうか?」

 

 燐は制服のポケットに入れて置いた使い捨てカイロを取り出すと、蛍の前で上下にさらさらと振った。

 

「そこまで気を使わなくてもいいよ。燐にこうしてもらってるだけで十分暖かいから」

 

 そう言って蛍は微笑むが、口にアイスを咥えているからか、唇が紫色に染まっていた。

 

 燐は頭を一振りすると、蛍の口からぱっとアイスを取ってそれを自分の口の中に無理やり押し込んだ。

 

「あ……」

 

 一瞬のことに蛍は目を丸くする。

 

 チョコミント味のアイスはもはや半分も残ってはいなかったが、それはまだ冷たさを十分保ったままで。

 

 燐は口に入れた瞬間、全身が凍り付きそうになり目を何度も瞬かせた。

 

 それでも燐は舌と歯を器用に使って口の中だけでアイスを転がすように食べると、それを短時間の内に全て胃の中に収めた。

 

「ぷふぁー、冷たかったぁ!」

 

 脱力したような深いため息を付くと、燐はカイロを自分の頬にくっつけた。

 自分の出した吐息がミントの香りと混ざって、生まれたての冷気みたいだった。

 

「燐?」

 

 蛍が何と声を掛けようかと迷っていると。

 燐がプラスチック製のアイスの棒を口で咥えながら笑みを見せる。

 

「あはは、蛍ちゃんごめんね、アイス無理やり取っちゃって。差額分ちゃんと払うから」

 

 燐はスカートのポケットから小さな財布を取り出すと、硬貨を蛍に手渡した。

 

「100円は多すぎだよ燐。それより、アイスどうだった? 冬のアイスって結構美味しいでしょ」

 

 金額以上の気遣いが分かった蛍は、あえてアイスの感想だけ尋ねることにした。

 

「ん~、冷たくて味が分からなかった、かなぁ? 息がすごく爽やかになったのはわかるけどね」

 

「じゃあもう一本買ってみる? 今度は燐の好きなのでいいよ」

 

「いや、その……もう十分です。はい……」

 

「ふふ、じゃあお金返すね。ありがと燐」

 

 今度は蛍が燐の口からプラスティックのアイスの棒を指で引き抜くと、それを傍のごみ箱に投げ入れた。

 

 ──そして。

 

「やっぱりアイスは夏のデザートだよね」

 

 振り向いた蛍は笑顔でそう言った。

 

 ────

 ───

 ──

 

「蛍ちゃん、今日はどうする?」

 

 こう聞いてくるのは決まって蛍が燐の家に泊まりに来るときだった。

 

 それは今に始まったことじゃない、燐が小平口に引っ越してきたと知らされた時から割としょっちゅう蛍は泊まりに来ていた。

 

 燐と同じぐらいに燐の母親が歓迎してくれているので特に問題はないのだが。

 

「でもさ、今晩のわたしの家(青いドアのパン屋さん)は結構大変かもよ」

 

「どうして?」

 

 燐は自分で言って疑問を呈していたので、蛍は小首をかしげる。

 

「だって、酔っ払い(燐の母親)がいるのは確実だし、それに……」

 

「それに?」

 

「それに明日、サンタの格好してお店やらないといけないし……」

 

 用意してあるって母が言っていたから間違いないだろう、しかも蛍の分まで。

 

「あ、そっか明日がクリスマスだもんね。そーゆーことって燐の店でもやるんだ」

 

「……まあ、一応パン屋さんだしね。それはそうと蛍ちゃんあの格好って出来る? お母さん、蛍ちゃんに絶対着させそうだよ」

 

「う~ん、恥ずかしいからあんまり着たくはないけど、燐と一緒なら」

 

「やっぱり、そうなるかぁ……はあ、知り合いとかこなければ良いんけどぉ」

 

 燐は観念したようにがっくりと肩を落とす。

 

「でも、来てくれたほうが繁盛していいと思うけど」

 

「……まぁね」

 

 蛍のもっともな意見に、燐は重重しい白い息を長く吐いた。

 

 この時期、至る所で見かけるサンタのコスチュームを付けた人。

 あれを自分でしかも自宅兼店舗で着ることになるとは夢にも思わなかった。

 

 少し前と今では生活そのものが180度変わっていることに燐は今更のように驚愕してしまう。

 

 父も従兄も意図せずして自分から離れてしまったし、母とは住む場所どころか仕事そのものも変わっていたのだから、まったく不思議なことだった。

 

 でも一番不思議だったのはあの夜の出来事と、その後のことなんだけど。

 

 それでも10年経っても変わらなかったものが、たった数ヶ月で変貌してしまっているのには舌を巻く。

 

 秋の寂しさも、冬の凍てつくような寒さも、前に住んでた中古のマンションのときとは明らかに違って感じられる。

 

 前の場所から数十キロも離れていないのに、燐は随分遠くに来た気になっていた。

 

 ここ小平口町には親友の家があるだけでなく、今や自分の家もあるのだから。

 しかも未経験なパン屋までやり始めて。

 

 激しい環境の変化に気を抜くと頭がぐるぐるとなってしまう。

 

 この町で起こった三日間の出来事は燐の身辺を一変させただけではない。

 

 小平口町の、それこそ世界の根幹まで捻じ曲げてしまうほどの影響があった。

 

 ただ、あれがなくとも父は既に離婚を決めていたし、自分に対する従兄の秘めた、いびつな想いも多分変わっていないだろう。

 

 全てはもう既に起こっていたことだった。

 

 もし決定的に違うことがあるとするのならば、”あのあと”の事だけ。

 

 それだってもう今となっては何の意味があったのか分からない。

 

 自分はこの通り輪郭を保って両足を地面につけているし、狂気の宴を繰り広げた小平口町の人も物も平凡な田舎の生活に戻っている。

 

 覆水盆に返らずと言われる事が、わたしと、蛍ちゃんだけに起こったものだとしたら、そこに何の意図があったんだろう。

 

 オオモト様は特に何も告げずにどこかへと去ってしまった。

 後姿を見送ることなく、気付いた時は消えていたのだから。

 

「ね、燐」

 

「うん、なに蛍ちゃん?」

 

「サンタの衣装ってどんな感じ? 燐はもう見たんでしょ」

 

「ちょっとだけね」

 

 朝のバタバタした時間にちらっと見ただけで詳細までは覚えていない燐。

 

「でも、足を出すやつだったと思う」

 

 そこまで気に留めなかったが、それだけは見逃さなかった。

 サンタの帽子の下にスカートがあったのだけは覚えていた。 

 

「そっかぁ……ねぇ、燐。下にズボン履いてもいいかな? 赤系のズボンなら大丈夫だよね」

 

 蛍は実物を見てないので何とも言えないのだが、なんとなく露出の多い衣装を想像して、燐にそう提案した。

 

「良いんじゃないかな。上だけちゃんとしてればカウンター越しには気づかれないし」

 

 あの赤と白の格好というものはやたらと目立つ、それは想像以上に恥ずかしいものなのは燐も良く分かっていた。

 

 なので蛍の意見に快く同意した。

 

「でも、パンを補充するときにバレちゃうかも」

 

「それは大丈夫だよ、他のことはわたしで何とかするから」

 

「でも、それだと燐が──」

 

「まあ、ちょぉっとぐらい足出してもいいかなって。それに、お母さんのサンタコスなんて想像しただけで鳥肌が立ちそうだし……」

 

 ほら、と言って燐は腕をまくって見せる。

 

「もう、失礼だよ燐。咲良さん綺麗だからきっと似合うんじゃないかな」

 

「蛍ちゃん~、鳥肌を増やす様なこと言うの止めてよ~。眠れなくなるー」

 

 燐のしかめっ面に蛍は声を上げて笑った。

 

「でも……そっか、燐がやるなら」

 

「ん?」

 

 蛍が珍しく腕を組んで黒い空を見上げて呟く。

 

 燐は冷たくなった腕を袖の中に戻すと、何事かと首を傾げた。

 

「どうしたの蛍ちゃん」

 

「うん、燐が足出すならわたしも頑張ってみようかな、って」

 

「え、無理しなくてもいいよ。そりゃあ蛍ちゃんは可愛くてプロポーションも良いから似合うとは思うんだけどね」

 

「燐、おだてなくてもいいよ。でも、もう決めちゃったから」

 

 こうなると蛍は梃子でも動かないのを燐は知っていたから、困った顔で小さく肩をすくめた。

 

「オッケー、じゃあ明日は二人して足出しちゃおうか」

 

「うん。そうしよう。恥ずかしいけど燐と一緒ならきっと楽しいと思うから」

 

「わたしも、蛍ちゃんと一緒ならきっと楽しいと思う」

 

 蛍と燐は顔を見合わせて笑い合うと、明日の事を軽く話し合った。

 

 ………

 ……

 …

 

「……ねぇ、燐。そろそろ聞いても大丈夫かな」

 

「んぅ?」

 

 話がちょうど途切れたタイミングで蛍が少し重い感じの口を開いたので、燐は普段とは違った変な声を出してしまった。

 

 風が音を立てて枯れ木をざわざわと揺らす二人だけの時間。

 千切れた黒い雲が、青白い月を静かに晒していた。

 

「さっきの話って、作り話なんでしょ」

 

「うーん、さっきって、どの話のこと?」

 

 蛍が言ったことが直ぐにはわからず、燐はとりあえず指折り数えてみた。

 

「燐が川に流されてたって言ってた話のこと」

 

 蛍は少し拗ねたような口調で話す。

 それで燐は蛍が待合室でぼそっと呟いたことを思いだした。

 

「ああ、蛍ちゃんが嘘って言ってたのはそれのことね……やっぱり、バレてた? 結構、上手い話しが作れたーって思ってたんだけどなぁ」

 

 燐は月を見上げながら、困ったように微笑む。

 

 その横顔を見た蛍はなんだか申し訳なくなってしまった。

 

「ごめん。燐の話、信じてあげればよかったね」

 

 蛍は苦笑を浮かべながら小さく頭を下げる。

 

「あ、いやいや、自分でもちょっとわざとらしいかなーって思ってたからいいんだよ蛍ちゃん」

 

 燐は片手を振って蛍の思いを尊重した。

 

「そう?」

 

「うん。ごめんね、嘘ついちゃって」

 

 燐が片手で謝罪の合図を送る。

 蛍はううん、と小さく首を振った。

 

「気にしなくていいよ。だって、わたしと燐の仲だし。でも、わたし燐の話聞いたときにあるお話を思い出しちゃったんだ」

 

「なんのお話?」

 

 燐は蛍との会話にもやっとした不思議な違和感を覚えていたが、そのまま話を促した。

 

「”赤毛のアン”」

 

 蛍が苦笑いしながら言ったことは燐にとって意外なものだった。

 まさかその本のタイトルが出てくるとは思わなかったから。

 

「わたし”赤毛のアン”は結構読んだんだけど、そんな話ってあったっけ?」

 

 燐はどうもピンと来ないのか、ぐるりと頭を回す。

 

 蛍はくすりと微笑みながら答えを言った。

 

「ほら、アンがエレイン……? エレーンだったかの劇を野外でやることになって小舟に乗って川に流される一幕(エピソード)があったじゃない、あれを想像しちゃった」

 

「ああ! それかぁ。そういえばそんなお話あったねぇ。蛍ちゃん、良く覚えてるね」

 

 燐は感心したように言った。

 

「わたしもアンは何度も読んでたから」

 

 すごく好きだったし、と小さく蛍は呟く。

 蛍は些細な事とはいえ燐に褒められたことで顔を赤くしていた。

 

「あのお話、アンは危ないところをギルバートに助けられるんだよね。でも、結局二人は喧嘩別れになっちゃうけど」

 

「そうそう、アンはギルともう仲直りしたいのに素直になれないんだよね」

 

「複雑な乙女心、ってやつだよね」

 

「くすっ。うんうん」

 

 二人はこの場で赤毛のアンの童話を見ているように話し続けた。

 

 蛍も燐もアンの事で話をしたことは今までなかったのだが、まるで二人にとって公然の事のような呼吸で話していた。

 

「でも、アンが素直になれないのって女の子には分かっちゃうんだよねぇ。今で言う、ツンデレとはちょっとニュアンスが違うんだよねー」

 

 二人は指し示したように頷きあった。

 

「そうだね。でも、燐ってちょっとだけアンに似てるかも」

 

 蛍は燐が熱心に語るのをみて、微笑むと唇に手をあてて呟く。

 

「えー、わたしがアン・シャーリー?! うーん、そんなこと言われたことないなぁ……まだ、お下げが出来るほど髪、伸びてないし……だったら、蛍ちゃんがダイアナ、かな? 髪型は、わたしよりも似てる気がするね」

 

「わたしがダイアナ……二人とも仲がいいのは似てるね」

 

 お互いを指さしながら小説の登場人物に照らし合わす。

 古典的な遊びだったが、それでも二人は楽しそうに山間の日本の田舎町にアンの世界観を思い描いた。

 

「じゃあこの県道はさしずめ”恋人の小径(こみち)”だね。わたしたちが通学するときはいつも使うし」

 

「それだとわたしの家の裏道が”おばけの森”ってことになるね……それほど間違ってないのがちょっとあれだけど」

 

 燐とは違い、蛍は少し残念そうにつぶやいた。

 

「そう考えるといつもの道もちょっとは楽しく感じるよね……ねぇ、ダイアナ。今晩は月が綺麗だからうちの庭で夜会しない? 美味しいイチゴ水もあるわよ」

 

 澄ました顔でアンになりきったようにたおやかに語る燐に、蛍は笑いを堪えることが出来なかった。

 

「あはははっ、もう燐、あんまり笑わせないでよ。それにイチゴ水じゃなくて葡萄酒を振舞う気なんでしょ?」

 

「あ、あたり。でも蛍ちゃんは葡萄酒じゃなくてケーキで酔っぱらってたからなあ」

 

「それは燐もでしょ。あの写真、証拠としてちゃんと残ってるからね」

 

 蛍はわざとらしくポケットを弄って携帯を取り出すふりをする。

 

「わぁー、もう早く消してよー。わたしの黒歴史になっちゃぅぅー!」

 

 それを聞いた燐は沸騰したように顔を真っ赤にして、自身の恥ずかしい画像の消去を蛍に迫った。

 

「あははは、燐。そういうところが”アン”っぽいよ」

 

 蛍の的を得た言葉に、燐は口をぱくぱくさせながら、鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった。

 

「ねぇ燐。この道よりあの廃線後の緑のトンネルの方がよっぽど”恋人の小径”っぽくない? なんかわたし達だけの道って感じがしてたし」

 

「ああ。わたしもそれは感じてた。広さもちょうど二人分だったしね……怖い目にもあったけど、ずっとあそこを蛍ちゃんと一緒に歩いていけたらなぁ、って思ってた」

 

「そうだね。燐、わたし達も”死がふたりを分かつまでの友”で居られるかな?」

 

「なんてことないんじゃない? わたし達、もう一度死んだようなものだしね」

 

「うん。そうだよね」

 

 蛍が差し出した手を燐は優しく受け止めた。

 

 月光が照らす道を、二人はアンとダイアナのように手を取り合いながら、少し広めの”恋人の小径”を並んで歩いた。

 

 蛍は燐にアンの無邪気さ一生懸命さを、燐は蛍にダイアナのような本当の優しさと思慮深さをそれぞれ感じ取っていた。

 

 

 ────

 ───

 ──

 

 

「あのさ……やっぱり今日は蛍ちゃんちに泊まりに行きたいなー、なんて。その方がイヴの夜を厳かに過ごせそうな気がするんだよね」

 

 隣で歩いていた燐が唐突に変な事を言い出したので、蛍はわけが分からず首を傾げる。

 

 蛍の家に通ずる坂道はもう通り過ぎちゃったし、今更そんなこと言うのはおかしかった。

 

 それに燐の家はもうすぐそこで、あの家の角を曲がれば特徴的な屋根が見えるはずだった。

 昼の間であればだが。

 

 まだ看板はないが、くすんだ色の古民家の外壁は白く塗装してあって、空色を吹いた趣のある屋根瓦が丁度よいアクセントを作り、どことなくヨーロッパ風の建物にも見えなくはない。

 

 それだけでも気分をワクワクとさせるのに、中から香ばしいパンの香りが漂ってくるのだから、魅力がないわけがなかった。

 

 燐はどこかちぐはぐな感じがむずがゆいと言っていたけど、蛍は青い屋根と白の外観、そして燐が一人で頑張って塗装した、青いドアがとても気に入っていた。

 

 それはまさに”青いドアの家”そのものだったからだ。

 

 だが、すでにこの時分だとその魅力のすべては夜の帳に塗りつぶされているとは思うだが。

 

「あれ? 燐、なんか空が光ってない?」

 

 蛍は向こうの空がぼんやりと光っているのを見つけて燐の顔を見ながら指をさした。

 

 燐はそれが既知であるかのように無言で見ていた。

 顔は少し、引きつっているのか、多分に口角が上がっているにも見える。

 

「あっちって燐の家の方、だよね……?」

 

 燐がそれほど気にしていないようだったので、蛍は少し手を強く引っ張って再度尋ねる。

 

「う、うん……気のせいであってくれたらいいんだけど」

 

 ため息まじりの燐を見て、蛍はようやくはっとなった。

 

「あ、そっか!」

 

 蛍はそのまま燐の手を引きながら、通りの先まで駆け出す。

 燐は困った顔をしながらも蛍に引かれるがまま後をついてきていた。

 

 少女たちが垣根で覆われた民家の角を曲がると、そこには、田舎の町に相応しくない、光の世界が広がっていた。

 

 眩いほどのLEDライトを全身に纏った古民家は、テーマパークのアトラクションというよりも、どこか違う国の不思議な式典のように見えた。

 

「あのさ……こういうのを見てロマンチックっていうのかな、自分の家だからよく分からないんだけど」

 

「うん、確かにイルミネーションだし、わたしはロマンチックだと思うよ」

 

 蛍と燐は手を繋いだまま、その光景を眺める。

 駅前で見たものとは規模も光量も少ないけど、それはそれで綺麗だった。

 

 周りが暗いせいだろうか、その明かりは一際光り輝いてみえて、お伽の世界の家のように図らずも幻想的であった。

 

「綺麗……だよね」

 

「まあ、綺麗って言えば綺麗なんだけど」

 

「どうしたの燐? 何か言いたいことでもあるの」

 

「なんていうか……だって、自分の家だよ」

 

「だから?」

 

 自宅がこのように着飾っていることに蛍は少し羨ましさがあった。

 

 なので少し口を尖らせてなぜか不満そうな燐に言い返す。

 

「こういうのに憧れてた時期が確かにあったんだけど、実際に目の当たりにすると、うーん」

 

 難しく考え込む燐に、蛍は無言で首をかしげた。

 

 吐く息が白く浮かび上がっては消えていく。

 きらびやかに色を変えるイルミネーションとは対照的に、白い息は寒さとともに儚く消えていった。

 

「なんかさ、ホテルっぽいんだよね。色使いとかそういうのが」

 

 燐は七色に光を変える自分の家をみながらそう呟いた。

 

 燐の呟きに蛍は頭を巡らす。

 燐の言う”ホテル”とはいわゆる広義の意味ではないだろう。

 

(だとすればきっと……)

 

「……燐。ホテルってあれでしょ、ラブが付く方のだよね」

 

 蛍は少し遠慮気味に笑って聞き返した。

 

「うん……ラブの方」

 

 蛍が理解してくれたことは嬉しいが、よくよく考えるとこれは一応自宅なのだから全然嬉しくはなかった。

 

「でも、可愛くていいんじゃない。わたし色使いとか結構好きだよ」

 

 ラブな方のホテルも一応女子受けを考慮している外観であることが多いので、そういう意味では同じなのかもしれない。

 

 どっちみちこの家に住んでいる燐とすれば複雑な気持ちだった。

 朝、家を出る時とは違った眩い光景に、燐は色々な意味で現実感を忘れていた。 

 

「もしかして……期待されてる……とか?」

 

 蛍が何の気になしに呟いた言葉は燐を震え上がらせるほどのものであった。

 驚いた燐は思わず蛍の手を離してしてしまう。

 

 それがどういう意味なのか蛍は分かっていっているのだろうか。

 

「やだなぁもう、脅かさないでよ蛍ちゃんー! わたしはこのイルミネーションに、ぜんっぜん関与していないんだからっ」

 

「そうなの?」

 

 燐が顔を真っ赤にして弁明したので、蛍は驚いてしまった。

 

「もちろんだよー。こーんな、ラブホテルみたいなイルミネーションにするならとっくに反対してるし」

 

 腰に手を当てててふんぞり返る燐が妙に可愛くて蛍はくすくすと笑った。

 

「それもそうだよね。でも燐のお母さんはどう思ってこういうイルミネーションにしたのかなーって」

 

「ちょーっと、センスないよね」

 

 道の真ん中で顔を見合わせて笑い合う蛍と燐。

 静まり返った住宅地に少女の声はなお大きく聞こえた。

 

 風のざわめきが千切れそうな枯れ葉をがさがさと揺らす。

 その音に澄み渡った空の高さを感じ取った燐は髪を抑えながらちりばめられた空を見上げた。

 

 蛍も同じように髪を耳のあたりで覆いながら星の空を見定める。

 

「で、どうする蛍ちゃん? 家に泊まってく? あ、”休憩”とかそういうのはもちろんないけどね」

 

 燐はわざとらしく休憩を強調して言った。

 だが、そういったホテルを一度も利用したことがなかったら、実際のところは良く分かっていない。

 

 ただ、そういう話をクラスメイトから聞いたことがあるだけだった。

 

「そうなの? わたし燐とご休憩してみたかったんだけど」

 

 蛍も燐と似たような知識しか持っていない。

 経験などもっての外だった。

 

 二人は目を合わせると、取り繕った笑顔で微笑む。

 

 こういうことの知識が同年代の少女と比べるとあまりにも稚拙だった。

 

「でもさ燐。休憩って何するんだろ? 単に休むだけ?」

 

「う、うーん、ちょっとした暇にエッチするとか?」

 

 燐は自分で言って疑問を感じてしまった。

 従兄とそういう関係にまでなりそうだったが結局叶わなかったし、ホテルを利用することまでは微塵も考えたことがなかったから。

 

「エッチって、そんな少しの時間なんだ……わたしは経験ないからわからないけど」

 

 蛍が少し踏み込んだことを言ってくる。

 

 燐は蛍に経験がある風に見られているという思い込みから、耳まで赤くして慌てて白状した。

 

「わ、わたしだって経験ないからねっ。だから期待とかそういうのはない、はずだよ……」

 

 俯き加減で恥ずかしそうに呟く燐に、蛍はすこし複雑な面持ちだった。

 

 ラブホテルがそう言った理由で使われるのは分かってはいるが、サービス内容まではまったく知らない二人だった。

 

 蛍と燐はなんとなく顔を合わせづらくなって、黙って燐の家を遠巻きに見ていた。

 

(そういえばハロウィーンの時も結構派手に飾り付けしてた気がする……)

 

 燐は秋のお祭りのことを思いだした。

 

 母は行事には結構張り切るタイプらしく、開店以来のイベントとあって尚更張りきって準備していた。

 

 燐は学校や部活に忙しい時期で全然手伝えなかったが、それでも母は一人で飾りつけも、ハロウィーン用の新作のパンも全部用意していたのだった。

 

 その行動力の高さに燐は改めて驚いたのだったが。

 

(まさかここでも頑張るとは、ね)

 

 外観は仕方ないとは言え、まさか生活圏までは飾り立てはしないだろう。

 

 だが燐は無謀にもリボンであしらわれた自分のベッドを想像してしまう。

 当然あり得ない妄想だが、今の燐にはそれなりな現実感があった。

 

(そして、何らかのギミックがあってベッドが回転してたりしたら、もう……!、ど、どうしよう……わたし、蛍ちゃんと朝まで一緒に寝れるの!?)

 

 一昔前の知識でもって、燐は良からぬ想像にひとりで身もだえしていた。

 

「燐……だいじょうぶ?」

 

 心配そうな顔で蛍が覗き込んでいた。

 

「あ、あはっ、あはは、だ、大丈夫。それよりさ、今日は一緒に泊まろっ。こんな家にお母さんと一緒にいたら気がおかしくなりそうだし。あ、変な事なんか絶対しないからっ!」

 

 慌てて笑みを浮かべる燐に蛍は優しく微笑む。

 

「……別に変な事してもいいけど」

 

「蛍ちゃんなんか言った?」

 

「ううん、なんでもない」

 

 燐は小首を傾げるも、蛍の楽しそうな顔を見て、それ以上何も言わなかった。

 何だかんだで蛍が泊まりに来ることは素直に嬉しかったから。

 

「きっとお母さん、蛍ちゃんの為にサプライズなご馳走をして待ってるよ」

 

 そう燐が言いながら笑いかけたそのとき。

 

 ピロピロピロン。

 軽快な音がどこからか響いてきた。

 

「……わたしじゃないね。燐のスマホじゃない?」

 

 蛍が自分の携帯を確認して呟く。

 

 蛍の言葉に燐は慌ててポケットから携帯を取り出した。

 

 ピロピロピロンッ。

 

 呼び出し音が続いていた。

 液晶に写る発信者の名前を見て、燐は訝し気な顔を浮かべた。

 

(トモかぁ……こんな時間に何の用よ)

 

 燐は軽くため息をついて、液晶画面をタップして電話に出る。

 

「もしもし、なにかあったのトモ──」

 

 燐が一応心配するような声で話しかけると、携帯から数オクターブ高い声がサイレンの様に鳴り響いた。

 

 それには燐だけではなく、隣にいた蛍さえも耳を抑えるほどの大音量だった。

 

『メリ──クリスマス──!!! イエーイ!!!』

 

 液晶画面での発信者情報は”トモ”だけだったが、恐らく彼女だけではないだろうとは思ってはいた。

 

 だからってこんなにうるさいとは思ってなかったけど。

 

(まだカラオケしてたんだ……)

 

 携帯から流れてくるバックミュージックでそれを察することが出来た。

 声から察するに、明らかにはしゃいでいるのが分かる。

 

 彼女たちはクリスマスパーティーの真っ最中なのだろう。

 

 電話口の向こうがあまりにも五月蠅いので、そのまま切ってしまおうかと思った燐だったが。

 

『待って待って、燐、まだ切らないでくれよぉ!』

 

 こちらの意図を察したようなトモの声に燐は蛍と顔を見合わせて苦笑いした。

 

「トモ、何の用なの? わたしこれから家に帰るんだけど」

 

 燐は頬を膨らませてトモに要件を促した。

 

『え、今どこなの?』

 

「今、家の真ん前。うちの家イルミネーションやってた……」

 

 燐はつい余計なことを言ったと思ったがもう遅かった。

 

『嘘っ! なになに凄いじゃん! やっぱり燐の家でもそーゆーのやるんだ。まあ今はパン屋だもんね。”青いパンツのパン屋”さんだっけ?』

 

「違うっ! ”青いドアのパン屋さん”っ!!」

 

『略せばどっちも”青パン”だから同じじゃん』

 

「だーかーらぁ、ぜんっぜんっ、違うってのぉっ!!!」

 

 漫才のようなやりとりは傍で聞いてた蛍の耳にも届いて、くすくすと零れる笑いを堪えるのが大変だった。

 

『トモー、燐のやつなんだって?』

 

 電話口では別の女子の声がトモに聞いていた。

 サバサバした声は田辺で間違いないだろうとは思った。

 

『なんでも、青パンがイルミネーションでカーニバルらしい。みんなでこれから見に行かない?』

 

 それを聞いて燐はげっ、となった。

 

 ただでさえ変な略し方で自分の家の名前を覚えられているのに、こんなホテルみたいなイルミネーションまで見られたら……。

 

 燐がむむむと策を講じていると、蛍がなにやら目くばせをしていることに気が付いた。

 

 どういうことだろうと、燐は頭を捻る。

 黒い空を仰ぎ見るようにした燐の視界に白い月が映った。

 

 それで何か肝心なことを思いだした。

 

 燐は自信満々に携帯を握り直すと、電話口の先でどうするか決めている哀れな三人に言ってのけた。

 

『トモ、もう電車終わってるよ。どうやって帰る気?』

 

 燐がそう呟くと、電話口は一瞬静寂が包まれたようだった。

 

 その後、ぎゃあぎゃあと喚く声や醜い怒号がさっきよりも五月蠅く鳴り響いていた。

 

 燐はその惨状を理解してけらけらと笑う。

 

 あの三人はホッケー部の中でもとりわけテンションが高いが、それでもどこか憎めない連中だった。

 

 だから燐はあの三人が好きだった。

 

『なんや、楽しすぎて時間確認するのすっかり忘れたわー』

 

 とぼけたような藤井の声は分かっている感じがした。

 

『フジッコ! お前知ってただろう! それよりオトコはどうしたんだ。お前クリスマスに予定があるって言ってたじゃないかっ』

 

 いつもクールな感じの田辺が珍しく声を荒げている。

 終電がなくなってしまったことへの悔しさだろうか。

 

 それとも。

 

(まさかお酒飲んでないよね……?)

 

 燐は自分たちの事を棚に上げて、要らぬ心配をしていた。

 

『あー、あれはなぁ……』

 

 含みを持った藤井の言い方にトモも田辺も固唾を飲む。

 なぜか電話口の燐も固唾を飲んでいた。

 

『うそや』

 

「うそや??」

 

 二人の代わりに燐が反芻していた。

 

『アカン、これ以上は言ったらあかんのや。先駆者に怒られてまう……』

 

『はぁ?』

 

『先駆者ってどういうことよ?』

 

「そうそう、どういうこと?」

 

 息のあった三人のツッコミに小柄な田辺がこほんと咳ばらいをした。

 

『パクリはあかんちゅうことや』

 

「はあぁぁぁ??」

 

 ますます訳が分からないと、田辺を除く三人は呆れた息をついた。

 

 ………

 ……

 …

 

 燐はついつい話が弾んでしまい、そのまま携帯で話し込んでいた。

 

 燐にもカラオケに来てほしかったのか、代わる代わる話しかける三人に燐は切るタイミングを掴めないでいた。

 

 そんな時。

 

「燐……」

 

 蛍が消えかかりそうな声を掛ける。

 

 燐は蛍の声に気付いていたが、ちょうど面白い話の最中だったので、もう少しだけ待ってもらうことにした。

 

「蛍ちゃんごめん、もう少ししたら絶対切るから」

 

 燐は目くばせして謝ると、電話口から聞こえてくる明るい声の方へと戻っていった。

 

「……じゃあ、お休みっ。もう、今度は本当に切るからねっ! え、テキトーにその辺で寝たらいいんじゃない? じゃあね、お休みっ! バイバイ!」

 

「んっ……もう」

 

 なかなか電話を切らせてくれないホッケー部員に無理やり別れを告げると、燐は改めて蛍の方を向かい直そうとしたのだが……。

 

「あれ、蛍ちゃん?」

 

 傍に居たはずの蛍の姿が見当たらなかった。

 

 燐がもう一度声を掛けようとすると、通りの向こうにその姿を見つけることが出来た。

 

 燐は小走りで慌てて蛍の下に走り寄った。

 

「ご、ごめん蛍ちゃん。つい長電話しちゃって……さ、わたしの家に行こっ」

 

 燐が手をとろうとすると、蛍は首を振って自身の両手を胸のあたりでぎゅっと掴んだ。

 

「ほたる、ちゃん?」

 

 驚愕する燐の表情を見ない様にして、蛍は悲しそうな目で笑いかける。

 

「ご、ごめんね。でも燐が悪いんじゃないから。もう遅いから、だから今日はもう帰るよ……」

 

「帰るって、自分の家に?」

 

 蛍はこくんと頷いた。

 

「で、でもっ」

 

 燐の悲しい瞳を見て、蛍は胸がずきんと痛んだ。

 

 でも。

 

「ごめん燐、今日はやっぱり帰るよ。ごめんね……その、おやすみなさい!」

 

 燐がもう一度声を掛ける間もなく、蛍は小さく頭を下げると。

 身を翻して自宅の方へと一人、駆け出して行ってしまった。

 

 ちりん、ちりん。

 鈴の音が薄暗い夜道に小さく鳴り響く。

 

 蛍がまだ身に着けていたクマ除けの鈴が悲しい音色を立てていた。

 

 きっと。

 

 きっと泣いていたと思う。

 

 わたしは、その手を掴むことすら出来なかった。

 

 

 ────

 ───

 ──

 

 







・ドラマキャン△ 2

第7話。
やっぱり実写は食べ物描写が格別にいいですねぇ。今更ですけど、きりたんぽ鍋も良いし、朝食の味噌汁も美味しそうですねぇー。チョコちゃん(コーギー)の出番がそこそこだったのがちょっと残念かーーーでも、かわええなぁー。

第8話。
今頃スキレットの話をしたと思ったら、まだアニメでもやってない斎藤家の庭キャンを先に実写でするとは──!!! でも千明の断髪式がなかったのは残念。でも上手い具合にスキレットの話と絡めることが出来たのは繋がりが自然で良かったですねー。
そして、やはりちくわ──(チワワ)(実写)はかわええなあ。でもちょっと動きがフリーダムすぎてハラハラしてしまった。
でも”撃たれた振り”は流石に無理だったかぁー。でも全体的にオリジナル感満載だったし、原作には絡んでこないリンちゃんも参加したしで見ごたえがあったかもー。

いつかアニメでも庭キャン(と千明の断髪式)を見ることが出来るのかな。劇場版は(ディザーイラストだけ見ると)オリジナルっぽいし、まだ三期やるだけの話のストックは足りなそうですしねぇ。

でで、ソフト特典アニメ第2弾は”旅するしまりん”……何故か恋するしまりんかと思ったw
これも第1弾のミステリーキャンプみたいにオムニバスっぽい感がするけどももも。

今、ゆるキャン△ 原作漫画の取材写真が閲覧できますね。
花見限定の写真のようですけど、それだけでも結構な枚数を撮ってるんですねー。こうして見るとアニメや漫画のロケ地、いわゆる聖地というのは膨大な量の資料があって初めて成立するものなのが改めて分かりますねぇ。感心しきりです。

あ、最近世間を賑わせていた脱走したペットのアミニシキヘビが無事捕獲されたようで何よりですねぇ。結局アパートの天井裏に潜んでいたようですが……灯台下暗しな結末でしたね……。
実際私は野生のヘビ、野良ヘビに相対したことが数回程ありますが、大抵向こうが逃げていきますよねー。うちの近所にもマムシ注意の看板がしてある場所があったのですが、今は宅地造成されて、ふつーに家が建ってます。
人がヘビを怖がるように、蛇も人が怖いのかもしれないですねぇー。

そして、アミニシキヘビの一時預かり先が野毛山動物園かー。子供の頃、横浜に住んでた時に行ったことがあるみたいなんですよねー(全然覚えてないですけど……)

その時、首に縄ではなく、ヘビを巻き付けられたみたいなんですよー!! 物も何も知らなかった頃とは言え、ひぎいぃぃー!! ですねぇ。(爬虫類好きの方ごめんなさい。わたしは無理です。むしろよく頑張ったな当時の私!)もし今、またやることになったら速攻でギブアップしそうです……。

そういえば最近は暑い日が続くためか、アイスコーヒーを嗜むことが増えてますねぇ。とは言ってもどこかで買ってくるわけではなく、もっぱら自分で作っています。
まあ、インスタントコーヒーを少量のお湯で解いて、そこにシナモンと今だに残っているガムシロップを少量入れて後は氷をどばっと入れるだけのシンプルなものなんですが。
今更なんですけど、アイスコーヒーの美味しさの決め手は、当然コーヒー(豆)なんですけども、次に重要なのが氷なのではないかと思ってます。まあそれしかないわけなんですけど……。
ただ、ほぼ飲み終わったグラスの中に残る氷をかじかじするのが結構好きなんですよねー。謎の満足感が得られるというか……なんか妙に腹持ちが良い気がするんですよねぇ。
もしかしたら氷はかなりエコなダイエットフードだったりするのでは──と思ったり思わなかったりしながら、本日も残った氷をしゃくしゃくとしています。

……去年も同じような事を書いた気もするけどもも──。


それではでは──。


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