突然ハーレムを作ってきた兄に弟がツッコミを入れる話。本編と導入の文字数が同じくらい。なんなら導入の方が長いかもしれない。

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※ハーレムにツッコミを入れる話です。ハーレム好きの方は見るのをオススメしません。


ハーレム主人公の弟

8月某日。猛暑日が続く夏休み真っ只中の今日。俺、木下明はクーラーの効いたリビングでPS4という堕落した生活を満喫していた。

帰宅部に属する俺は夏休み中殆ど外に出ることもなく、課題とゲーム、少しの運動だけを繰り返す在り来りな夏休み。俺はそれに満足していた。

満足していたのだ。

 

「明君、飲み物は?」

 

「何してんのー?」

 

「明、1人で遊ばずにこっちに来いよ」

 

それを、あのクソ野郎()がぶち壊しやがった。

話は昨日まで遡る。

 

 

☆☆☆

 

 

夜遅くまで友人とオンラインゲームをしていた俺は、見事な9時間睡眠を経て昼の12時に目を覚ました。

顔を洗い歯を磨き、リビングで母の作っておいてくれた弁当を食べる。

ちなみに父と母は仕事だ。社会人に夏休みはないらしい。

弁当を食べ終わって再び歯を磨いた俺は、買ったばかりのバイオRe:3を起動する。某驚かない実況者さんの動画を見てやりたくなったので今更ながら買ってみたのだ。

実況のように上手くはいかないものの、順調にストーリーを進めている。そんな時だった。

 

「ただいまー」

 

玄関の扉が開く音と共に、兄の声がした。サッカー部でキャプテンをやっている兄は夏休みもずっと部活三昧で過ごしている。

今日も部活があったのだろう。そう考え、適当に返事をしながらゲームを続ける。やがて、兄が廊下を歩く音がしたのだが…。

何故か、数人が歩く音が聞こえてきたのだ。まさか友達でも呼んだのだろうか。だとしたらゲーム音は邪魔になるかもしれない。

滅多に友達を連れてこない兄が友達を連れてきたのを嬉しく思いながら、邪魔にならないよう急いでヘッドホンを繋いで音が漏れないようにする。

 

「……」

 

「……!」

 

何やら声が聞こえる。滅多に来ない兄の友達だ。どんな話をしているのかヘッドホンを外して聞き耳を立ててみたい。

そんな気持ちを押さえつけて俺は再びゲームに没頭する。

無駄な弾を使わないよう、足をショットガンで撃ち抜いて横を通り抜ける。ギミックを使って倒せるなら倒す。前知識があると驚くほど進みが速い。

…あ、たしかこのドラム缶はチェイスの時用に残しとくんだっけ。

 

「おい」

 

「うおぉびっくりしたぁ!」

 

いきなり肩を叩かれて飛び上がる。振り返ればだいぶ近い位置に兄のイケメンフェイス。とりあえずヘッドホンを外す。

 

「え、何。なんか用?」

 

「あー…のな、ちょっと話がある…って言うか」

 

「もじもじすんな。キモい」

 

顔を僅かに赤くして照れたように体をもじもじさせる兄。ぶっちゃけ気持ち悪い。少なくとも、俺にとってはなんの需要も無い。

 

「で、何?」

 

「今から俺の部屋、これる?」

 

「まぁいいけど。あ、ちょっと待って」

 

コントローラーを弄ってメニュー画面にしておく。適当に放置して帰ったら死んでましたーなんて嫌だもんな。

コントローラーとヘッドホンを座っていた場所に置き、兄と一緒に兄の部屋に行く。それにしてもなんで俺なんだろうか。弟を紹介みたいなやつ?

…なんかテンション上がってきた。そういうの実は憧れてたから楽しみだわ。

 

「ちょっと待っててな」

 

「ん」

 

部屋の前に着くと、一旦俺を廊下に待機させて部屋に入っていった。あんまり声が漏れてこないし、小声で話してるのか?

待つこと数十秒。扉から兄が顔を出して手招きをしたので部屋に入る。

そして、目を疑った。

 

「わぁ、彼が先輩の弟さんなんですね!」

 

「裕貴に目元や雰囲気がよく似ているな」

 

「へぇー!まじで弟居たんだな!」

 

「弟君驚いてる。気持ち、分からなくもない」

 

「あはは…。まぁその反応が正しいよね」

 

部屋の中に居たのは俺の予想とは真逆の存在。何故か女子高生が5人も兄の部屋に居たのだ。驚きすぎて声も出なかった。

だが、そんな俺をよそに兄は更に爆弾を投下した。

 

「紹介する。俺の彼女達だ」

 

理解ができなかった。なんだろう、いきなり日本語がわからなくなった気がする。英語も苦手なのに日本語まで出来なくなったら生きていけないよ僕。

混乱しすぎて愉快なことになっている俺に対し、兄は手をすり合わせたりしてこちらの様子を伺っている。

やべぇ、とりあえず落ち着け。朝ごはんでも思いだせ。………朝飯食ってないわ。

朝ごはん作戦で多少落ち着いた俺はぎこちなく口を開く。

 

「ハーレムは性癖じゃないっす…」

 

待て待て、落ち着け。なんで今性癖の話をした?俺は自分が思ってる3倍程冷静さを欠いているらしい。

 

「や、まぁ…、受け入れられない気持ちも分かる。俺だってずっと悩んだんだ。でも、俺には誰かを選ぶなんて出来なかった…」

 

いや、そこは選ぼうよ。なんかしんみりした雰囲気出してるけど言ってることってただのクソ野郎だぞ。

頭ではスラスラ言葉が出てくるのに全く口にできない。

 

「そうしたら、皆が言ってくれたんだ。無理に選ばなくてもいいって」

 

「いや、ええぇぇ!?それでいいんか!?」

 

あ、やっと声が出た。

 

「兄貴がクソ野郎なのは痛いほど分かったけど、彼女さん達はそれでよかったんか!?自分1番じゃなくて良いの!?俺だったらやだよ!?」

 

大声でまくし立てる。それを聞いた彼女さん達が視線を交わした。そして、中心にいた比較的まともそうな人が困ったように言った。

 

「私達は確かに裕貴君のこと好きだけど…。同じくらい、お互いのことが好きなんだ」

 

「あんたらもあんたらでかなりおかしいね!?」

 

まさかの全員が全員でハーレムを作っている超展開。せめてNLかGLのどっちかにしろよ。

 

「あ、それと…」

 

深呼吸で自分を落ち着かせていた時、兄がまた口を開いた。

もう黙れ。この状況でお前が喋るのはどうせ爆弾でしかないだろ。そう言いたいのをぐっとこらえる。言う前から否定するのは良くない。まずは話をした聞かなければ。

 

「全員今日から一緒に住むことになるから」

 

「おう、まだツッコミが足りないと申すか」

 

うちの家にJKが5人も追加で住むスペースがありましたか? 少なくとも、生まれてずっとこの家に住んでいる俺には心当たりが無い。

 

「心配しなくても大丈夫だ。みんな、俺の部屋で寝泊まりするから」

 

「いやそもそも、親御さん方は許可出したの…?」

 

他人の家に住むのをそう簡単に許すはずが無い。

大事な愛娘を見ず知らずの男の家に住まわせるなんてあるわけが無い!

 

「いや…、ここにいる皆は色々あって親が居ないんだ」

 

「そんな馬鹿な!?」

 

親が居ないJKが5人いてそれが全員兄の恋人になる確率なんてもはや天文学的数字だろ! そんな事がありえます!?

 

「既に親父とお袋にも伝えてあるから。最初からは無理だと思うけど、仲良くしてやってくれ」

 

「よろしくお願いします」

 

「よろしく頼む」

 

「仲良くしような!」

 

「迷惑は掛けない…」

 

「お姉ちゃんが出来たと思ってね!」

 

無駄にイケメンな笑顔でそう伝えてくる兄と、にこやかに話しかけてくるJK達。

そのあまりにもぶっ飛んだ光景に俺は思わず目を回して倒れてしまった。

 

…神様。嗚呼神様。

なんでハーレムなどという混沌が存在するのでしょうか。

俺は自分の未来が心配です…。





☆主人公君

ゲームが好きな、至って普通の健康的な男の子。ハーレムでは抜けない。

☆兄

イケメン。日本でハーレム作ったイカれた不誠実野郎。(主人公談)

☆兄のヒロイン's

後輩、先輩、元気、ミステリアス、幼馴染の5人。ライバル意識はあんまりない。

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