Troubる   作:eeeeeeeei

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最終話! 美柑×トラブル

ーーーーーー

 

 

「何、今の光…」

 

 光が晴れた今、美柑の前には二人の男が立っている。

 どちらも見覚えはないが、おそらく片方が、噂の神黒だと言うことはわかった。

 そして、もう片方。

 ズタボロではあるが、間違いなく自分たちと同じコートを着て、こちらを見ている男。その灰色の目には悲哀の色が浮かんでいた。

 

「……ミカン、離れてろ」

 

 そう言って、神黒との間に割って入る。

 体中至る所から出血しており、満身創痍な事は一目でわかる。

 だが、美柑にはそれよりも、気になる事があった。

 

「なんで、私の名前を……いったい──」

 

 続きを、『誰なんですか?』とは言えなかった。

 黒コートの男は美柑に背を向けたままで、別の方向から低い声が響いたから。

 

「今、何が起きた?誰だお前ら?」

 

 そう言ったのはユウリではなく神黒。

 そこには怒りと困惑の色が見える。

 

 神黒は自分の消耗具合と、今の状況が理解できずにいた。なぜこんなにも自分は消耗しているのか。こんなのは、人を辞め、300年程前に星神を殺した時以来。命のストックも残り少ない。そんなことが知らぬ間に起きている、理解できない状況に困惑していたのだ。

 

「あ……うぁ…」

 

 神黒の怒気に当てられ、美柑は呂律が回っていない。だが、別のオーラに包まれて、押しつぶされそうなプレッシャーから解放された。その出所は、黒コートの男。

 

「この()は関係ない」

 

「いや、どっちも逃さない。かつてない程に、俺は腹が減ってんだよ」

 

 左半身を前に出し、構えを取る男。その身体から溢れ出るオーラはもはや人間の枠を超えている。

 それに対して、構えを取る事はしないが、触れれば切れてしまうほどの鋭いオーラを放つ神黒。

 

 美柑は、たとえ自分が何千人いたとしても、何もできる気がしなかった。

 

 その二人の作り出す空気に、美柑は息が詰まり、動けない。逃げ出したいのに、離れられない。それに、なぜかこの男の背を見ていると、逃げてはいけないという気がしていた。

 

「で。いったい誰で、なんなんだよテメーは」

 

「誰でもない。俺はオマエを殺す者だ」

 

 神黒とユウリが衝突するかと思われた時、上空から大きな声がした。

 

「美柑!あぶねぇだろ!!」

 

 遥か上空にドラゴンが飛んでおり、その背からリト、ララ 、ナナの三人が飛び降りてきた。

 

 リトは美柑を抱き寄せ、ユウリからも距離を取る。

 その目に警戒の色を込めて。

 

「姉上、神黒と…アレ誰だ?」

「私も知らない人だよ?なんでここに…どうやって入ってきたんだろう?」

 

 ララの作った電脳世界。

 この世界へ無理やり入り込むなんて事は、電脳世界の住人くらいにしかできない。なぜ、自分の知らない人間が入り込み、神黒を狙っているのか誰もわからなかった。

 

 タイミングを完全に狂わされた神黒とユウリだったが、乱入者へと視線を向ける神黒に対して、ユウリは神黒から目を逸らさない。

 

 神黒は腹が減っている。

 デビルーク星人など、空腹の今はただのご馳走にしか見えていない。案の定、堪え切れない殺気を飛ばしているが全てユウリが止めていた。

 

「腹が減ってるっつってんだろが。王女さんがいるならお前みたいな雑魚はいらねぇ。死ね」

 

「やってみろカス」

 

 神黒のオーラ弾を指先で回し受け、軌道を逸らす。

 轟音と共に山がひとつ崩れ落ちる。

 

 そのまま直接殴りかかってくる神黒を迎え撃つ。振るわれる豪腕を手の甲で受け、掌で流す。作業のようにそれを繰り返す。

 だが、その攻防は一秒で何十回と行われており、傍からみれば二人の手は消えて見えている程の速度。

 

 平気な顔で受けてはいるが、完璧に逸らせている訳ではなかった。オーラの消耗は勿論のこと、ダメージは蓄積され、手は痺れて感覚も鈍くなってくる。

 

 ユウリは足のつま先を大地に突き刺し、石の礫を神黒へと蹴り上げた。首を捻り躱した神黒の頭へと、礫を蹴り上げた足で掛け蹴りを放つも止められる。それでもユウリは止まらない。止められた足を軸に回転しながら逆の足でかかと落とし。脳天に勢いよく叩きつけ、下がった頭にオーラ弾を放ち神黒を吹き飛ばした。

 

「す、すごい……」

 

「誰でもいいから!美柑、早く逃げるぞ!神黒には関わるなって言われただろ!ララも急げ!!」

 

「リト……それ、誰に言われたの?」

 

 美柑の疑問に、リトは答えることができなかった。自分でもなぜそんな言葉が口から出たのかがわからなかったから。

 

 ユウリが使ったのは、『ばいばいメモリーくん』

 ララの発明品であるそのアイテムにより、ミカンたちはもちろん、神黒すらも、この世の誰もが七瀬悠梨の事を忘れていた。

 

 

ーーーーーー

 

 

「お前らは早く逃げろ。ここはもう持たないぞ」

 

 いったい誰なんだろう?

 でも、その顔を見ていると、すごく大事なモノを無くしたような、心に穴が開いたみたいだ。

 

「ララならわかるだろ?はやく地球に帰れ。後は、俺がやる」

 

 ララさんは知らないのに、ララさんの事は知ってるの?

 私の事も知ってるようだし、混乱しているところで、ヤミさんとモモさんもこの場に到着したようだ。

 

 そもそも、なぜ私たちはここに集まってきているんだ?

 

「ミカン、無事でしたか」

 

「お姉様、ナナも、皆さんも無事でよかった…」

 

 二人とも、なんでこの状況に違和感を抱かないんだろう?

 変なのは、私?

 

「よしっ!みんな揃ったね、後はお兄ちゃんに任せて、戻ろう!」

 

 お兄ちゃん…?

 ララさんにお兄さんがいるなんて話は聞いたことがない。

 自分で言ってビックリしているのか、ララさんもキョトンとした顔を浮かべていた。

 

「いいから、サッサとここから離れてろ」

 

「──逃すかよ」

 

 ララさんの目前に、音よりもはやく飛んできた神黒。間に合わないと思ったところで、ララさんの前に青白い壁が出現した。その壁に神黒が拳を放ったと同時に、同じように目にも映らぬ速度で黒コートの男が現れ、鋭いオーラを纏った手刀で神黒を上下に割った。

 

「逃すんだよ」

 

 そのまま上半身を殴り飛ばし、下半身は手刀でさらに細切れにされ、翳した腕から放たれたオーラ弾に包まれ消滅した。

 

「な!?あの人が勝ったのか!?」

 

 リトが驚き叫んだ瞬間、私たち全員は青白い箱に包まれた。

 

「コレは……」

「空色の…結界?」

 

 ヤミさんと、モモさんは壁に手を触れながら呟いている。そして、おそらくコレを作り出したであろうあの人は、こちらを見ている。目が合ったと思ったら何か口が動いているような……

 

「うわっ!」

 

 次の瞬間、青白い部屋ごと高速で空を飛ぶ。

 突然の事でリトは転んだようだが、私はずっと見ていた。

 あの人が立っていた場所が爆発するところを、なぜか五体満足で、あの人に襲いかかる神黒を。

 

 

ーーー

 

 

 その後すぐにララさんの装置で地球へと戻ってきた私たちだったが、アレで終わり?

 

 まるでゲームのラスボス手前まで行って、その後は人任せのような行為をしている。

 しかも、知らない人に。

 

 おかしい。

 何かを忘れている……

 

「あの……なんで、あれで終わりなの?結局、あの人は誰なの?」

 

「……それは、私も思っていました。戦いは終わっていませんでした」

 

「私もです。松戸さんと加賀見さんが白色を、というのは記憶していますが、黒色は、誰が相手を?あの人のことは、私も知りませんし……」

 

 ヤミさんとモモさんも、私と同じ気持ちなようだ。

 だけど、取り決めていた相手はそれぞれが倒したので、こちらの完全勝利なのは確か。

 でも、モモさんの言う通り、神黒の相手だけ、決められていなかったのはおかしい。

 

 もう一つ、気になることがあった。

 あの人は、ララさんを知っていた。それに──

 

「ララさん、あの人のこと『お兄ちゃん』って呼んでたけど……」

 

「あたしも引っ掛かったんだ。あたし達は三姉妹。兄上なんて…いない」

 

「わかんない…わたし、なんでお兄ちゃんなんて言ったんだろう?」

 

 何かが引っ掛かってる。

 その後、春菜さんたちも含め、誰もが知り合いにそんな人はいないと言っていた。

 

 松戸さんと加賀見さんには二人専用の帰還装置を渡しているらしく、転送先もここではないとの事。

 全員で、探偵事務所へと向かうことになった。

 

 が、それすらも腑に落ちない。

 

 だって、誰も松戸探偵事務所との接点など無いのだから。

 

 

ーーーーーー

 

 

 ユウリと神黒の戦いは一方的なものだった。

 

 なんとか戦いの形にはなっているが、勝負にはなっていない。

 ユウリは神黒にダメージを与えることができずにいるし、受け流すだけでもユウリは消耗していく。

 七瀬悠梨という存在の記憶をなくしたために、『理解』は消えたが、ただそれだけだった。

 

「勘はいいようだが、それだけだな。俺の記憶が飛んでいるのは、お前の能力か?」

 

「どーだろな」

 

 ユウリの力も、絶界すらも忘れており、自らの脅威となるなんて思ってもいない。せいぜい記憶を混濁させるなど、呪いなどの特殊能力に警戒はしていたが、神黒から見たら生命力に溢れているユウリは良いエサであった。

 

 神黒との攻防を続けながらも、美柑の、みんなのあの態度が脳裏に浮かぶ。でも、全部自分が決めた事だ。この世界には自分が居なくてもいい。だって、ここに居場所はもう無いのだから。

 

「観念したか?お前の生命力も相当なもんだな。お前を殺せば、俺の腹も満たされそうだ」

 

 念能力が使え、更に膨大なオーラを内包するユウリがご馳走にならない訳が無かった。既に何度もぶつかり合い、使用したオーラ量も尋常では無いが、まだ底は突いていない。

 

 そろそろ、電脳世界から帰った頃か。

 運命の輪とかいうのは、キレイに元どおりにしてやるよ。その、元凶ごと。

 

「俺を殺してお前も殺す。そうしたらもう、誰も傷つかない」

 

 自らの心に誓いの剣を刺す。

 未来を捨て、今この時を取る。

 神黒を殺すため。全てを壊すため。命を燃やす。

 一瞬の、閃光のように。

 

 オーラが溢れ出てくる。

 とめどなく、力強く。

 それは自身の身体を浮かす程に濃密なオーラ。

 あまりの力故か、体の色素は薄まり、瞳以外、髪も肌も白く薄くなり、輝いていた。

 

「なんだそれ?」

 

 それだけではない、神黒が感じるユウリの力。

 それは、間違いなく星神と同質のもの。

 しかも、そんじょそこらの星神とは比較にならないほどの力。

 

「──『生滅流転(しょぎょうむじょう)』」

 

 小さく呟いたユウリ。

 長きにわたる人生の中、初めて冷や汗をかいた神黒は、思わず呟いた。

 

「バケモンか」

 

「テメェに言われちゃおしまいだ」

 

 さっきまで、いた。

 目は離していない。

 でも見えなかった。

 神黒の目を持ってしても。

 気づけば身体がくの字に曲がり、腹部を腕が突き抜けている。

 それを見届けた後に、音が響いた。

 

──ドンッ!!

 

 気付いたら、踏み込んだであろう大地はえぐれ、殴られ、己の腹を腕が貫通していた。

 その一撃は、音はもちろんのこと、光すらも置き去りにしていた。

 

「マジか…」

 

 貫通している腕を掴み、背中から何本もの腕を生やして殴りかかる神黒。

 その腕が、ユウリに触れることはなかった。

 

「お前は強かったよ。この世の誰よりも。

 ──でも、最後は俺の勝ち」

 

 ニヤリと笑うと、突き刺さっている右腕に纏うオーラが赤黒く変わり、爆発した。

 

 

ーーー

 

 

 それはまだ人間として生きていた頃。

 その頃から全てに退屈していた。

 幼い頃から人間離れした身体能力と残虐性を持ち、戦場に行っては死体の山を築く餓鬼として有名だった。

 

 その後は妖怪、当時は宇宙人だという事は知らなかったが、そいつらを狩るのが好きだった。

 人間相手では味わえない、殺されかけるドキドキ感。

 殺しが好きなわけじゃ無い。

 命を脅かされるスリルこそがたまらなく好きだった。

 

 そいつらを喰らっているうちに、身体に変化が起きた。

 いつしか自分は人ではなくなっており、食事は喉を通らなくなった。

 なぜか、殺せば腹は満たされるようになったから。

 

 百年くらい経った頃、神が住まうとされる地で、本当の神を喰らった。

 

 その後は、何も楽しめなくなっていた。

 誰も自分を脅かさない。

 誰もが自分とズレている。

 世界すらもがそうだと思っていた。

 

 でも今、俺は死ぬ。

 それも、人間の手によって。

 

 ようやく思い出せた。

 この感じだ。

 命の灯火が消えてしまいそうな、この瞬間が……

 

 笑顔を浮かべたまま、神黒は完全に消滅した。

 

 

ーーーーーー

 

 

「彼は……いったい……」

 

 松戸もユウリの事を忘れている。

 それ故に、ここに留まる理由は既になかった。

 

 松戸の呟きに、加賀見はなにも答えなかった。

 人外である加賀見だけは、正確にはヘスティアだけは覚えている。

 だが、松戸にも、誰にも伝える気などなかった。

 それでは、あの覚悟の色に染まった魂に失礼だから。

 

「まぁいい。もうどうなろうと、僕の知った事ではない。ヘスティアよ、契約通り、僕も連れて行ってくれ」

 

 松戸は薄く笑う。

 死ねば自身を好きにしていいと言う契約通り、己の魂をヘスティアへと明け渡した。

 

『えぇ。一緒に、逝きましょう』

 

 松戸はヘスティアと、リイサと一つになり、完全にこの世から消え去った。

 

 

ーーーーーー

 

 

「え……何も、ない…?」

 

 松戸探偵事務所へと向かったが、誰もいない。と言うよりも、そこには何も無かった。

 

「更地…なんで!?つい最近まで、あったはずなのに!」

 

 松戸探偵事務所。

 その跡地には、リトの言う通り、何もない更地となっており、建物が建っていた痕跡すら無かった。

 

「来世で会おう、それはこの事を指していたのでは?」

 

 ザスティンは黒蟒楼へと襲撃を仕掛けた際の松戸の台詞を思い出していた。勝っても負けても、二度と会う気はないと。

 

「……ララ、あの世界が無くなったら、わかるのか?」

 

「うん、わかるよ。まだ、消えてはいないみたい……あっ!?」

 

 デダイヤルを片手に答えるララがビクリと身体を震わせた。

 

「ど、どーしたララ!?」

 

「今、無くなっちゃった」

 

 端末に表示されるのはエラーの文字。

 それはアクセス不可能という事を意味していた。

 

 なんとも呆気ない幕切れに、全員が微妙な顔を浮かべたが、ひっそりと勝利を喜んだ。

 

 

ーーーーーー

 

 

「おやおや、神の玩具があたしになんのようだい?」

 

「く……」

 

 既に人型ではない、完全に元の姿に、巨大な蟒蛇となった姫と、既に虫の息の白を見下ろすユウリ。

 

 姫の鱗は剥がれ落ち、見るからにボロボロ。

 白はそんな姫に寄りかかりながらなんとか立っていると言う状況だった。

 

「俺は、玩具ですらない出来損ないだよ。ここへは、お前と共に死にに来た」

 

「出来損ない、ね。それはあたしの方さ。(まこと)の神よ、聞いているならば答えて欲しい。なぜ、わたしのような失敗作を創り出したのだ……」

 

 ユウリは黙ったままであったが、その身体からユウリソックリな見た目の物が現れた。ユウリとの違いは、その蒼く輝く瞳の色のみ。

 

『くくく、自惚れるな。下界のものに神などいない。それに、阿保のように命を喰えばそうなる。ましてやお前らが魂蔵と呼ぶ存在を喰えばな。自ら招いた事にすら気づかぬ事を愚かだとは思うが、少なくとも失敗作などではない』

 

 言い切ると、"眺めるもの"は消え、白は愕然とし、姫は笑った。

 良くなるようにと、腹を満たせば良くなると、そう思い千年近くを生きてきた。

 その全てが空回りだったと、たった今知った。

 白は姫のためと、星神のいる惑星を調べて赴き、その全てを喰らった。それが、姫のためだと信じて。

 

 茫然とする白を見下ろしながらユウリを包むオーラが輝きを増した。

 

「……同情も、哀れみもない。消えてもらうだけだ」

 

「ふふふ。あたしのコレを、お前に消せるか?」

 

 姫の身体から、ドス黒い粘液が噴き出し、あたり全てを溶かしていく。出している、というわけではない。堪えきれず、漏れ出ているのだ。抵抗を止めれば、数十の惑星を滅ぼしてきたエネルギーは太陽系全域に危害を及ぼす程のものがあふれかえるだろう。

 

「姫…私は…」

 

「いいのよ。あたしですら知らなかったのに、あなたにわかるわけないでしょ。まったく、本当にお馬鹿さんねぇ……」

 

 黒く、巨大な蟒蛇に寄り添う白を一瞥し、【円】を展開。

 それはこの電脳世界の全てを覆い、はるか遠くでこちらを見ている加賀見の姿しか無いことで、全てを悟った。

 

「……全部消してやる。俺も、お前らも、これで御仕舞い」

 

 電脳世界と黒蟒楼の全てを包む円を、結界に変える。

 赤と青の混じり合った斑らな、あり得ないほどに巨大な結界。

 

 その結界の中心で、ユウリは祈るように両の掌を合わせた。

 

「── 滅 」

 

 呟きと共に、電脳世界も、御伽噺の化物も、誰からも忘れられた男も、その全てが消滅した。

 

 

ーーーーーー

 

 

 デビルーク星への襲撃も、突如暴動者同士での殺し合いに発展し、難無く鎮圧。

 これで、黒蟒楼関連の騒動は完全に終わった。

 

 その後は地球もデビルーク星も、平和な毎日を過ごしている。

 

 あれから時も経ち、美柑は良くヤミの住むマンションへと通っていた。ヤミの為に料理を作るのだが、

 

「ミカン、またですか…?」

 

「え?あ……やっちゃった…ごめんなさい」

 

 いつも一人分多く作ってしまう、変な癖。

 二人しかいない食卓に、お皿も箸も、三つ並んでいる。

 

 何してるんだろう。

 今日もタッパーに詰めて、持ち帰る事にする。

 

「どうしたんですか?最近、変ですよ?」

 

 あの日以来、美柑の様子がおかしい事は周知の事実であった。

 食事を多く作る事はもちろんの事こと、美柑らしくない、ボーッとしている事が増えた。ヤミの家にある、倉庫がわりの部屋に入り涙を流していたのには流石のヤミも驚いた。

 

 だが、美柑は自分ではなく、周りがおかしいと思っていた。

 この部屋の、一室。倉庫などとヤミは言うが、そんなわけが無い。ベッドがあり、机があり、男性ものの衣類が多く置いてある。ヤミさんの一人暮らしの家にあるはずの無いものが。

 無茶苦茶な事を言っているのはみんなの方だ。みんながみんな、変な理由をつけて考えようとしていないだけだ。

 

 心配するヤミになんでも無いよと言い、一人家路を歩く。

 

 みんなは、何かが抜け落ちている気がしないの?

 本当に、変なのは私なの?

 

 腑に落ちない、悶々とした日々を過ごしながらも、みんなの前では普段通りの自分でいなきゃと、心配をかけてはダメだと振る舞う。

 

「わたし、何してるんだろう…」

 

 家に帰り、自室で一人机に座って何度目かわからない溜息をついて頬を掻く。その仕草に、癖が移ってしまったと思うが、いったい誰の癖なのか思い出せない。

 自室のカレンダーにハートマークで囲われてる誕生日というのは、いったい誰のなんだろう。リトから一ヶ月遅れの秋の日付。本人は寒がりな癖に、冬の始まりに生まれたって、面白いなと思う。

 

 また、よくわからない情景が浮かぶ。

 この人は、誰なんだろう。

 あの人は、誰だったんだろう。

 

 モヤが掛かったような頭を振り、ベッドに飛び込み横になる。

 

 今思い出しても考えられない程の決戦に挑み、最後に丸投げをしてしまったあの人。

 最後にぱくぱくと動いていた口の動きは……

 

「さよなら……か」

 

 ふと涙が溢れた。

 

「…なんでまた泣いてるんだろ」

 

 パジャマの裾で涙を拭う。最近は毎晩泣いている気がする。

 確かに、あの日からの毎日は平穏そのもの。昔みたいに、暴れる宇宙人もいないし、ヤミさんを狙う賞金稼ぎも来ていない。リトが何も無いところで転ぶか、ララさんの発明品に巻き込まれてスケベなトラブルを巻き起こすだけ。ただ、それだけ。

 

「……もう寝よう」

  

 電気を消して、布団に潜る。

 たぶん、これからずっとこんな日々が続く。何かが欠けた日々が。

 もうすぐ、秋が始まるし、誰かわからない人の誕生日も、まもなくだ。私の字で書いているのに思い出せない誰かの。

 私、どうしちゃったんだろう。

 

 苦しいよ……ユウリさん……

 

 いつのまにか意識を手放し、私は眠りに落ちていた。

 

 

ーーーーーー

 

 

「………は?」

 

 目が、いや、意識がハッキリしたココは、竈が一つあるだけの部屋。

 死んだはずなのになぜ自我があり、こんなところにいるのか。今の状況に戸惑いながらも、どうする事もできないでいると、ふと気配を感じた。

 そこに居たのは、神々しさにあふれる、白いローブに身を包んだ女性。

 透明かと思う程に白く透き通った肌。長く伸びた、黄金色に、燃えるように輝き揺らめく髪。虹色に煌く瞳が、慈愛に満ちた視線をこちらへと向けている。

 

『これは報酬。……あと、飽きられないようにしなさい。あの方は気まぐれ、消されてしまいますよ。──それと、私の前でその格好は流石にどうかと思います』

 

「へ?」

 

 よく見たら、俺は消しとんだあの時のまま、全裸でいた。

 指を指されたかと思えば、女神のような女性と同じ白いローブを着ている。

 

「あ、ありがと」

 

 俺のお礼は、全てを許されるような、優しさで溢れた微笑みで返された。

 

『──ユウリさん。私からもありがとう。妹さんと、仲良くね?』

 

 見た目はそのままに、悪戯っぽく変わった…?

 ん?女神、じゃあもしかして……

 

 そこで、意識を失った。

 

 

ーーーーー

 

 

「結城さん!オレと付き合ってください!!」

 

 以前もこんな事があった。それは人物すらも同じ。またもやC組の大好くん。なんでこんな事は覚えてるのに、肝心な事が思い出せないのか。

 

「……あ、あの…結城さん?」

 

「あ、あぁゴメンなさい。私好きな人いるから」

 

 涙を流しながらガックリと肩を落とし「そうですか」と呟いて去って行く。

 好きな人、か。

 私の好きな人って、誰だろう?

 

「ねーねー美柑ちゃんの好きな人って?」

 

 友達の、隣を歩くマミの声で我に帰る。

 

「え?」

 

「マミ、美柑の好きな人はお兄ちゃんに決まってるでしょー」

 

「なんでそうなるのよ」

 

「んー。違うの?でも、美柑ちゃんが話してくれるお兄ちゃん、会ってみたいなぁ」

 

 私、学校でリトの話をそんなにしていないと思うけど、サチもマミも、お兄ちゃんに合わせて欲しいとよく言ってくる。

 別にどっちでもいいけど、家に帰ると気分が沈むから、一人でいたい。

 

「今日は、ちょっと用事があるから」

 

「またまた〜いつもそうやってはぐらかすんだから…」

 

「本当に用事があるの。ゴメンね。私、急ぐから」

 

 サチの言葉を遮りスーパーへと夕飯の買い出しに向かう。

 寒くなってきたから、今日は鍋にしよう。寒がりなあの人は、お鍋が好きだし。

 

 まただ。知らない誰かを私は知ってる。知ってるはずなのに思い出せなくて、なんだか辛い気持ちが消えない。

 買い物を終え、夕陽に照らされオレンジ色に染まる河川敷を一人で歩いていると。

 

「生命力に溢れた地球人……こんなのが黒蟒楼を?」

「コイツかは知らんが、何か能力はありそうだな」

 

 二人組の、爬虫類のような鱗を纏った、二足歩行の龍人が私を見下ろしている。

 

「まぁいい。我らと来てもらおうか」

 

 龍人の手がこちらへ向き、思わず逃げようとするも、何か見えないものに拘束されている?

 

 何コレ……?

 動けない……!?

 

「龍族も出張ってんのォ?でも、ウチの即戦力として勧誘したいんでもらってくねェ」

 

「貴様……スキャ・マティオンか、犯罪組織風情が我らが大義の邪魔をするな」

 

 なぜか争い始めたが、訳がわからない。

 このトンボみたいな羽の生えてる人は、犯罪者って事?

 それよりも、苦しい。

 不可視の腕が、私の口まで覆っていた。

 

「……か、かは……」

 

 息もできない。

 私、こんなところで……

 助けて、リト……

 助けて……

 

「グッ!」「グワッ!!」「イデッ!!」

 

 青白い、空色の箱が高速で落ちてきて、私を取り巻く三人を撃ち抜き押し潰している。

 

 どこかから現れ私を胸に抱く男性。あの時とは違って、白い髪を靡かせて、ゆったりとした白のローブを着ており、私の顔を覗き込んでいる。その灰色の瞳に吸い込まれそうになる。

 ようやく、会えた。全部思い出した。頭にかかっていたモヤが、どんどんと晴れていく。焦がれた、ずっと思っていた。私の、大好きな人。

 

「おかえりなさい。ユウリさん」

 

 一瞬、驚いた顔をしたのがわかる。

 やっぱり、記憶を消したのはユウリさんか。モモさんじゃ無いけど、流石にコレは、オシオキものです。

 

「ただいま。美柑」

 

 ニコリと笑うユウリさん。

 髪の色も、服装も、雰囲気も変わった。

 なんでだろう。

 話したいこともいっぱいある。

 それに、明日はユウリさんの誕生日なのに、何も用意してない。

 今からの事を心配していたが、そういえば今は襲われてる最中で、もっと心配する事があるのを思い出した。

 

「あ…」

 

 轟音と、シュンシュンという音がし、青白い結界は消えていた。

 

「コイツが、噂の奴か。確かに少しはやるようだが」

「我ら龍族に半端な攻撃など効かぬ」

 

「何してくれてんだコラァ…ボスのとこ行く前に、刻んでやろうかァ?」

 

 音の先では、結界を破壊した二人の龍人が立ち上がっており、もう一つの結界は、バラバラに斬り刻まれて、鋭い羽が周囲を旋回していた。

 

 そんな危険な状況でも、まったく慌てていない自分に少し驚くが、理由は言うまでもない。ユウリさんは私をゆっくりと下ろして微笑むと、振り向いてオーラを強めた。

 

「悪いけど、俺は加減できないよ?例え相手が弱者でも」

 

 ユウリさんの言葉に怒りを露わにする三人だったが、勝負は一瞬。

 もはや、勝負とも言えなかった。

 

 三人の真下からオーラ弾が飛び出し、宇宙まで飛んだのでは無いかという速度で消えていき、それだけでは終わらないようで両手を掲げるユウリさん。

 

「あるべき場所に還れ」

 

 追撃に、月ほどもありそうな、視界を染める真っ白な、特大のオーラの塊を宇宙(そら)へと放つ。

 

「よっし、終わり。龍族とか言ってたし、死にはせんだろ」

 

 パンパンと手を払い、私へと微笑む。

 それだけで、全部許してしまいそうだ。

 だから、先に言っておく、

 

「なんで…なんで黙っていなくなっちゃったんですか…?記憶まで消して……」

 

 記憶は、不可抗力。

 神黒の記憶を消して、倒すのが作戦だったとの事。

 

「じゃあ、なんですぐに戻ってきてくれなかったんですか……」

 

 次は、今起きたばかりだとの事。

 逆にどれくらい経ってるのか聞かれる始末。

 

「あれから、三ヶ月以上経ってます……もう、いなくなっちゃわないですか?」

 

 格好も、裸足にローブとおかしいし、どこか消えて無くなってしまいそうなユウリさんを見て、急に不安が込み上げてきた。

 

「わっ!」

 

 脇に手を入れられ持ち上げられる。

 ユウリさんを見下ろす形。

 こんな角度で見るの、初めてかもしれない。

 

「もう、消えない。美柑と、みんなといれば楽しいし、それだけで幸せだから」

 

 あと、あの時のお願い聞いてやろう。と呟いて、

 

──優しくキスをしてくれた。

 

 事故で、初めてキスをした帰りの、私のお願い。覚えてて、くれたんだ。

 ちゃんと言おう。

 私を、一人の女性として見て欲しい。ヤミさんでもモモさんでもなくて、私を。

 

「ユウリさん、あの──」

 

 空からヤミさんが降りてきて、いつもの全裸ワープでリトとララさんが現れて、モモさんとナナさんも空から舞い降りてきた。

 

「ミカン、無事ですか…!?」

「美柑!!なんかあったのか!?ってララ!また服が!!」

「すごい力を感じて、飛んできたの!もーリト、これは服の転送はできないって言ったよー」

「あれ、その方は?」

「だ、誰だお前!?」

 

 みんな、タイミング悪いよ……

 

 その後みんなにもみくちゃにされ、ララさん以外からは警戒されているユウリさんに、今更話しかける事はできなかった。

 

ーーーーーー

 

 

 あれから私の能力でみんなユウリさんを思い出し、以前と変わらない毎日を過ごしてる。

 そう、以前と変わらない。結局きちんと告白もできず、ユウリさんとの関係は昔と変わっていない。キスをしてくれたって事はそういう事だと思ってはいるけど、モモさんともしてるらしいし、モヤモヤしたままだ。

 

 そんな気持ちを胸に抱いたまま、ヤミさんとたい焼きを買って黒い和風な建物へと入る。

 そう、変わった事がひとつある。それは、

 

「七瀬、コレは植物型の宇宙人の仕業だな。私が行こう」

 

「次に戦闘タイプがきたら、アタシがやるって話だけどさー。アタシは悠梨の戦闘見たいんだけど」

 

 ユウリさんは『怪奇現象相談事務所』なるものを立ち上げた。

 職員は、ユウリさんと藍碑さんと紫音さん。

 

「たい焼き……買ってきました」

 

「そん時の状況でなー。あ、ヤミありがと」

 

 と、ヤミさんの四人。

 

 あれから地球には宇宙からの来訪者が驚くほど増えた。

 黒蟒楼を倒した者が地球にいると宇宙中の話題だそうで、デビルークの統治に納得のいかない星の人や、犯罪者集団やらがこぞって地球に来ているらしい。

 それを、四人で迎え撃っているのだが、この四人に勝てる人たちなんて、いるのだろうか?

 

「藍碑ちゃん!私もいろいろ考えたんだけどね」

 

「ララ、私は今から仕事だ」

 

「あっ藍碑さん、私もお手伝いしますよ」

 

「ララ、邪魔しちゃ悪いだろ…うわっ!」

 

 ララさんが藍碑さんに絡んでいるところで、リトが転ぶ。

 

「おいおいガキンチョ。興味津々なのはわかるが、アタシは安くないぞ?」

 

 しかも紫音さんの胸に手をついている。

 

「結城リト、えっちぃのは嫌いです……」

「ケダモノ!紫音から離れろよ!」

 

 藍碑さんは、ララさんとは研究で、モモさんとは植物繋がりで仲が良い。

 ナナさんは紫音さんの蜘蛛と戯れているうちに懐いたよう。

 

「「──ッ!!?」」

 

 そんなのんびりとした空気を引き裂き、不穏な空気が辺りを包み込み全員に緊張が走る。

 その後次々に外へと飛び出し、部屋には私だけが取り残されていた。

 そんな心配しなくてもいいのに。

 誰よりも早く、外へと飛んだユウリさんがいたのだから。

 

 これからも、騒がしくも楽しい日々がまだまだ続きそうなので、ちゃんと告白できるのはいつになる事やらと、私もゆっくりと外へと向かった。

 

 

ーーー

 

 

『……龍族の王を、一蹴か』

 

「あの白い人は、素敵ですねぇ」

 

『だが、アレのせいで、今の腑抜けた金色の闇となってしまった。アレでは役に立たない』

 

「ふふふ。ヤミお姉ちゃんの"家族"かぁ。その"家族"を抹殺すれば、元に戻ってくれるかなぁ?」

 

 

ーーー

 

 

「美柑?どーかした?」

 

 のぞき込んでいるのがバレたみたい。

 ヤミさんは紫音さんに捕まってたし、久しぶりに二人きりで帰路についている最中。

 あれ?これはもしかしてチャンスなのでは。

 

「あー。そう言えば、いまは幸せですか?」

 

 みんなといると、私といれば幸せだと言っていたが、実際のところどうなんだろうか。

 

「おぉ。幸せだよ。ただ、もっと幸せになれるだろーから、満足はしてないけどな」

 

 どういう意味だろうかと、もしかして、という思いが頭をよぎる。

 いつになるかと思っていたけど、夕陽に照らされて蜜柑色に染まる街が後押しをしてくれているみたい。

 小学生とか、妹だとか、関係ない。その前に、私だって一人の女だ。

 口にする事で、どうなるかはわからないけど、前に進めるかもしれない。この楽しい日々が、もっと楽しくなるかもしれない。

 私は、意を決して、言葉にする事を選んだ。

 

「あの──」

 

 

 

 

 

 美柑の言う通り、これからも宇宙規模の騒動(トラブル)に巻き込まれていくのだが、それはまた別のお話。

 

 

 

 

 




ここまで読んで頂きありがとうございました。

ダークネス編はまだどうするかわかりませんが、これでひとまず終わりとなります!

ご覧頂いた皆様、本当にありがとうございました。
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