チェンソーマンRTA マキマ討伐最速チャート   作:Una

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改題しました。

本作品は『チェンソーマン』に関する重大なネタバレが含まれます。コミックス派の方は読まないでください。


チェンソーマンRTA マキマ討伐最速チャート

 

 

 はい、よーいスタート。

 

 手段を選ばず世界に糞まみれの平和をもたらすRTA、はーじまーるよー。

 本RTAは皆さんご存知の大ヒットゲーム『チェンソーマン ~the battle of evils~』にて、みんな大好きマキマさんの最速討伐を目標としています。

 このゲームは多くの廃ゲーマーが様々なRTAを走っており、特にマキマさん討伐RTAはその中でもぶっちぎりの動画数、動画サイトを漁れば吐いて捨てるほどに溢れ、皆独自の創意工夫をもってマキマさんを討伐しています。みんなどんだけマキマさん殺したいんですかね。

 

 その気持ちわかる。

 

 どの動画も殺意に溢れていて大変素晴らしい。個人的に一番のお気に入りはプレイヤーキャラにパワーちゃんを選択しての日本人鏖殺残機壊滅ルートです。総プレイ時間388時間の伝説のRTAとしてご存知の方も多いはず。RTAとしての記録は最下位ではありますが「絶対にパワーちゃんで仇を取る」という走者の執念には脱帽です。

 

 ちなみに現在の最速タイムは岸辺さんを選択しての与党議員鏖殺政権空白ルートです。他のルートと比べて殺さなくてはならない人数が300人前後と圧倒的に少なく、また武装部隊の指揮権を有する岸辺さんを選ぶ事で時間が節約され、タイムは驚きの87時間32分5秒。

 

 とまあこんな感じにマキマさんをまともに討伐しようとすればえらい時間がかかってしまう本RTAなわけですが、今回はバグありで最短を目指そうと思います。

 

 使用するバグは『チェンソーマン降臨バグ』です。

 

 お、そんなこと言っている間にOPムービーが終わりますね。

 

 

 

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「餌って…………朝メシはどんなの?」

「食パンにバターとジャム塗って……サラダとコーヒー、あとサラダかな」

「最高じゃないっすか……」

 

 

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 どのキャラを選択してもゲーム開始時間はデンジくんとマキマさんが出会った瞬間からのスタートになります。

 

 本ゲームでは原作のネームドキャラはどれも選択可能であり、かつそれ以外にもプレイヤーが一からキャラメイクできたりもします。その場合『契約悪魔』の項目に名詞を一つ入力するだけで契約する悪魔とその能力が付け加えられるというおまけ要素があり、そこがRTAのやりこみ要素として好評を博しています。名詞の数だけ能力がありますからね、思いもよらぬ悪魔の能力でタイムが短縮されるなんてことが発売から3年経った今でもまれによくあります。

 

 さて、今回私は皆さんおなじみ原作漫画の主人公デンジくんを選択します。

 もちろん多くのプレイヤーが検討した通り、デンジくんや彼が変身した姿であるチェンソーマンではマキマさんを討伐することはできません。そのためマキマ討伐RTAではほとんど日の目を見ることがなかった彼をあえて選択しゲーム開始です。

 

 

 車で走ることしばし。グリュグリュとデンジくんの腹の音が車内に響きます。ステータスを確認すれば『状態異常:空腹』の文字が。

 

 

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「まだ朝食とってなかったね。PAで何か食べようか、君も好きなの食べていいよ」

 

 

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 マキマさんは腹の音を聞いてPAで好きなものを奢ってあげると提案してくれます。しかもデンジくんに上着をプレゼントしてくれるという優しみ。

 しかしこの言葉に飛びついてはいけません。ここで会話の選択肢が20ほど出ますが、ここで選ぶのはこれです。

 

 

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『そんなことよりクソもれそうなんですけど』

 

 

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 腹の音は排便を知らせる腹痛だったんですね。明らかにネタセリフなのですが、これが最速タイムを目指す上で必須のフラグです。

 ということで、PAについたら即自動車を降りて、PAの出店をスルーしてトイレに直行します。走るコマンド連打で体力ゲージが尽きるまでスピードを緩めてはいけません。

 密室で、扉の前に立つことがこのバグの肝です。

 扉の前まで来るとアクションコマンド連打でトイレに入り鍵を閉めます。ボタンを押しすぎると間違えて鍵を開けてしまうので慎重に素早く三回です。体力ゲージはここまでのダッシュで八割型削れていますが、ここで1ドットまで減らすために全力で便器の上り下りを繰り返します。

 1ドットまで減らしたところでデンジくんが息を荒くして膝に手を付き行動不能状態になりました。運動で削れるのはここまで、これ以上はデンジくんが勝手に休んでしまうためゲージがゼロになることは他者から攻撃を受けない限り原則ありません。

 ここまで体力を削ったところで扉の前に立ち、コマンドボタンを入力。選択肢は

 

 

 ・鍵を開ける

 ・扉を蹴破る

 ・やめる

 

 

 の三つですが、ここでどれも選ばず下矢印を選択の制限時間いっぱいまで押しっぱなしにします。

 すると第四の選択肢「頭突きをする」が出現するのです。

「頭突きをする」の選択肢は戦闘セクションではおなじみのものですね。デンジくんがチェンソーに変身している場合は頭部の電ノコで追加ダメージがあります。これを日常シーンで変身前のデンジくんにさせることができるこの小技は有志の攻略サイトにも載っている有名なものです。

 

 これを選択します。

 

 ここで実際に頭突きをしてくれるかはランダムです。作中に出てくる4200箇所の扉で各3000回ずつ試してみたところ、日常セクション内で体力ゲージを限界まで削った状態において頭突きで自傷ダメ負ってくれる確率は30%程度です。体力ゲージが2ドット以上残ってるとゲンジくんに理性が働いてそもそも頭突きをしてくれません。ここに来るまでにきっちり体力を減らして彼の理性を削いでおきましょう。

 今回は一発でデンジくんが扉に向かって頭突きしてくれました。素晴らしい運です。

 すると1ドットまで削っていた体力ゲージに自爆ダメージが入りゼロになります。

 

 

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「……あれ?」

 

 

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 デンジくんが不思議そうな声で呟き、そのままトイレの床にぶっ倒れました。狙い通りですね。

 

 デンジくんの意識が消失すると同時に画面が暗転します。本来であれば体力ゲージがなくなった時点でバッドエンドなのですが、ここで複数の要素が重なるとデンジくんは夢の世界に飛ぶことができます。

 その要素とは、

 

 ・『状態異常:空腹』であること

 ・扉の前で体力ゲージをゼロにすること

 ・日常セクション内であること

 ・他者からの攻撃で体力ゲージを削っていないこと

 

 です。これらを満たしていないとバグが生じず普通に死にます。日常セクションで自分に止めを刺すには頭突きしかありません。

 

 そうしてやってきた夢の世界は、原作でも何度か描写されていた暗くて汚い路地と張り紙だらけの古い扉しかない狭い世界です。こうして精神世界で自分の内面と会話するのはブリーチを思い出させますね。

 

 

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「デンジ」

 

 

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 扉の奥からポチタがいいます。このシーンのためだけに特殊ムービーが使用されているあたりゲームスタッフの原作愛を感じさせます。

 

 

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「絶対に開けちゃダメだ」

 

 

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 さてここで選択肢です。

 

 ・鍵を開ける

 ・扉を蹴破る

 ・やめる

 

 もちろん蹴破る一択。

 ドガン、と扉がひしゃげて路地の明かりが扉の奥へと差し込みました。

 扉の奥にはもちろんと言いますか、暗い暗い部屋の中で、ゴミと血溜まりに沈んだ中年男性の刺殺体が転がっています。

 はいこれで『チェンソーマン降臨バグ』の条件達成です。

 この時点でタイムは47分5秒。最高記録ペースです。

 ショタデンジくんが父親を殺害するシーンがムービーで流れます。その死体を茫然と眺め、後退り、背を向けて駆け出していきます。扉はいつまでも開きっぱなしのまま場面が暗転し、明滅したかと思えば視界にはトイレにぶっ倒れているデンジくんの見上げる天井が広がっていきます。

 

 

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「大丈夫?」

 

 

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 扉の外からマキマさんが声をかけてきました。トイレタイムが長すぎるため逃亡を恐れて様子を見にきたのでしょう。

 

 ちなみに、デンジくんは基本的にマキマさんと遭遇以降彼女の監視下にあるため逃亡は成功しません。何分間マキマさんから逃亡を続けられるかを競うデンジ逃亡TAという競技がありますがあれも私のお気に入りです。最長逃亡記録はレゼとのソ連大使館亡命ルートの22分15秒ですが、いつマキマや彼女が支配した動物や悪魔が襲ってくるかわからない緊張感がたまらないルートでした。

 

 

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「実はお願いしたいことがあるんだけど」

 

 

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 ここでまた会話選択肢。しかし皆さんも知っての通りマキマさんからお願いされた時返事として表示される選択肢は「はい」か「ワン」の二択です。ここでは素直にボタン連打で「はい」と返事しておきましょう。

 

 

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「悪魔が女の子をあっちの森にさらっちゃったんだって。うどんが伸びる前にその悪魔を殺してきて」

 

 

 ・はい

 

 

「ん。素直で良い子だね。じゃあいってらっしゃい、うどんはとっておいてあげるからね。フランクフルトもつけちゃう」

 

 

 ・はい

 

 

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 返事と同時に駆け出します。ただしここではまだエンジンを噴かしません。できるだけ人間形態のままで悪魔の元に向かいます。この悪魔は少女を使って餌を釣ろうとしてるためそれほど深くない所でケラケラ少女を笑わせています、なので見つけるのにそれほど時間はかかりません。聞こえる笑い声の方向へと素直に向かって大丈夫です。

 

 進むこと数分、ようやく見つけることができました。

 女の子と戯れる一つ目の不思議生物、筋肉の悪魔です。

 少女が筋肉の悪魔を庇うため前に出て叫びます。

 

 

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「お願いです! この悪魔さんを許してあげて!」

 

 

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 ここではそんなの無視してアクションボタンを連打しましょう。

 悪魔を視界に入れた状態で連打すればチェンソーに変身できる、というのはプレイヤーであれば当然知っていることと思いますが、既に『チェンソーマン降臨バグ』のフラグを立てている状態なので、ここでエンジンを吹かせば当然デンジくんはあの最も恐れられる悪魔『チェンソーマン』に変身してくれるのです。

 

 

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「え」

 

 

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 腹から伸びた臓物マフラーを首に巻いた、チェンソーが生えた四本の腕を持つ最恐のダークヒーローが原作でいう第二話で登場です。

 

 

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「な、なんだお前は!」

 

 

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 筋肉の悪魔が擬態を忘れて叫びますがそれにいちいち答えてやるのは時間の無駄です、無視しましょう。

 

 さあ戦闘セクションです。

 

 と言ってもチェンソーマンと筋肉の悪魔ではステータスに差がありすぎるため殺すだけなら時間はかかりません。しかし殺してはいけません、ギリギリを狙いましょう。

 ギジャッと筋肉の悪魔にチェンソーを一閃、いくつかの肉片に分解しますがここではしっかり急所である頭を避けて斬ります。

 

 敵の体力ゲージをゼロにしないよう調節しながら、食べやすい肉片に切り分けていきます。

 良い感じに削れたらチェンソーマンに変身したことで新たに現れるコマンド『食べる』を選択します。

 

 この時敵の悪魔の体力ゲージが多く残っていると抵抗されて『食べる』がうまくいかず失敗し、最悪悪魔に逃げられてしまいます。なので体力の削りは慎重に、伝説ポケモンを捕獲するくらいの気持ちで行かないといけません。

 

 まあ、筋肉の悪魔はクソ雑魚なのでそこそこ雑にやっても『食べる』は成功しますが。そこは時間と成功率を天秤にかけて見極めていきましょう。

 

 よし、良い感じに体力が数ドット残りました。これ以上やると死んでしまいます。

 ここで『食べる』コマンドを入力、すぐにアクションボタンを連打します。

 ビビクン、ビビクン、と悪魔の肉がモンスターボールの様に痙攣し……やりました! 一発で筋肉の悪魔の捕食に成功です! 

 

 これでこの世界から「筋肉」という存在が記憶ごと消滅しました。

 筋肉の悪魔が残した血溜まりの横には、骨と皮だけになった少女の体が転がっています。

 それを『拾う』コマンドでポケットに入れマキマさんの元に戻ると、伸びきったうどんが置かれたテーブルの横にマキマさんらしいペラペラの死体が転がっていました。

 

 マキマさん死亡確認。

 

 ここでタイムストップ。

 

 記録は……1時間32分33秒! 自己新記録です! 試走の時より12秒も上回っていますよ! 

 

 そしてエンディングです。

 

 

 

 >マキマは死んだ。

 >人類と悪魔の争いは、マキマの死を持って終わりを迎えたのだ。

 >それはどちらが勝利したと称えることもできない、どちらにとっても後味の悪い結末であった。

 >しかし人類よ、留意せよ。

 >悪魔は常に君たちのそばにいる。

 >人類の心に恐怖がある限り、その裏では常に悪魔が君たちの心臓を求めて蠢いているのだから。

 

 

 >トロフィー『神の支配からの脱却』を獲得しました

 

 

 

 はい、これでクリアです。

 立ち位置的にマキマさんがラスボスなわけですが、それを討伐することでこうしてエンディングムービーを見ることができるわけです。

 と言っても人類滅亡させることまではスタッフも考えていなかったようで、日本人鏖殺残機壊滅ルートと同じエンディングが使いまわされてしまっています。ドンマイ。

 

 

 

 というわけで、マキマ討伐RTA動画でした。

 みなさんご視聴ありがとうございました! またお会いしましょう。さよならー! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 音がする。

 ブゥウゥゥゥン、ブゥウゥゥゥンと、唸り声のような音がする。

 人類が死に尽くされた地上で、ただ一人残されたチェンソーは、その刃を回し続ける。

 朝日が昇る駐車場。PAの片隅で、それはその場から動かず、ただただエンジンを吹かし続ける。

 ブゥウゥゥゥン、ブゥウゥゥゥンと、泣き声のような音がする。

 そんな彼の耳に、か細い声が届いた。

 地獄でも一度も聞き逃したことのないそれは、助けを求める小さな小さな叫びだった。

 

 

 

「助けてチェンソーマン」

 

 

 

 助けを叫ぶとやってくる。

 叫ばれた悪魔は殺される。

 求めた悪魔も殺される。

 みんなみんな殺される。

 奴は何度も何度も殺されて、その度にエンジン吹かして起き上がる。

 奴の名前はチェンソーマン。

 

 

 助けを叫んでも、叫ばれても殺される。

 

 

 

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