こんど連載する予定の世界樹二次の練習に書いた短編。
パーティーが全員そろった直後のはなし。
みんなで温泉宿にいってハプニング的な。
一応原作未プレイでも楽しめるように作るつもりです。
わたしがプレイしたのは新1新2、Ⅴ、Ⅹです。
そうです、にわかです。

1 / 1
書きたくなったのでとりあえず練習に書いてみました。
茜ちゃんの方も書くので超スローペースになってしまいますが連載したらそちらもよろしくです。
この短編はメンバーが全員揃ってからの話です。



練習

世界樹のふもとに栄えた王国「アトラス」。

その一画にそびえ立つ巨大な温泉宿で一行は休息を取っていた。

 

「かぐやさんはどちらにします?僕はまず宿の中を見て回りたいのですが」

「お、いいですねえ。じゃあ俺もお供させていただきます」

 

少し影のあるミスティックの美青年と腰に刀を下げたブシドーの青年が、先に温泉に入るか散策をするか話し合う。美青年の名はビダーシャル。青年の名はかぐや。後者は場所によって女の名前とされることもあるが、少なくともここアトラスでは名前に男も女もない。

 

「世界樹の中ならいざ知らず、ただの温泉宿で散策をする意味がわかりかねます……」

 

かがめば全身を覆えるほどの大盾を持ったパラディンの少女が独りごちる。男性陣の色あせない少年心に困惑していた。

彼女の名前はなでしこ。最近このパーティーに加入した新入りだ。

今回の慰安旅行は彼女の歓迎祝いの意も含まれていた。

 

「……くだらない」

「男はいつまで経っても子供じゃな。我々だけで先に行くぞ!」

 

ゴスパンクのラリ目という特徴的な外見のナイトシーカーの少女が言葉少なに呟き、大釜を持った最年少の少女、いや幼女が話をまとめた。

少女の名はシルク。そして幼女の名はグリム。グリムはこのパーティーのリーダーだ。

リーダーの決定に意義を唱える者はおらずそのまま女性たちは温泉へ、男性たちは宿の中へそれぞれ向かった。

 

 

◇◇

 

温泉宿の中は他の宿泊客で賑わっていた。

ここは世界一栄えた王国の中でも1つしか存在しない非常に価値の高い場所であるため、常に大人気なのだ。

そのためぶらりと宿内を見て回ったら中の散策をそうそうに切り上げ、外の庭をみてみることにしたビダーシャルとかぐや。

庭の周囲は竹が林を作っており、枯山水の雰囲気とみごとにマッチしていた。

だがそこに存在してはならないものがいた。

森ネズミ

世界樹のF1に出現するモンスターだ。

最低階層に出現するだけあって一般人でも頑張れば倒せる程度の脅威しか持たないが、迷宮の中で出会うのと町中で出会うのではわけが違う。

危険だと判断し男性2人はこの森ネズミを退治することにした。

しかし武器は邪魔だったため部屋に置いてきてしまった彼等は、ただいま絶賛苦戦中。

 

「くそっ、迷宮じゃあ逃げるモンスターは放置すれば良かったけど……!」

「……ここではそうもいきませんからね。逃げに徹されるとこれほど面倒だとは」

 

武器も無し、壊してよい物なし、むこうに戦う気も無し。

そのくせところどころ道を塞ぐ邪魔な一般人はあり。

いかに今をときめく最強の冒険者の一角であろうとも、この状況では実力の2割もだせない。

それでもなんとか見失わずに追えているのは流石といえよう。

 

「あの柵を跳ばせましょう。法陣で上以外の逃げ場を無くします。あなたは先に大きく跳んで着地狩りをしたください!」

「よしきた!」

 

かぐやは持ち前の身体能力を活かして竹を上手く使い、大きく跳んだ。

ビダーシャルに誘導された森ネズミも唯一の逃げ場である柵の向こうへ跳びあがる。

柵は成人男性の身長の2倍はあったが、彼等にとって跳び越えるのは用意であった。

先に落ちた森ネズミを、柵を上手く蹴ることで加速したかぐやが捕らえる。

落下の力を利用して上からがっちり押さえ込んだのだ。これで逃げようがない。

そのままかぐやはすかさずネズミの首を折る。

世界樹内では不測の事態など日常茶飯事。

殺せるモンスターは殺せるうちに殺すのが生き残るコツであり、1秒でも殺すのが遅れると他のモンスターに乱入されたり回復されたりして面倒くさいことになる場合が多々ある。

ゆえに即殺。

 

 

 

「……女湯に侵入……変態」

「は?」

 

一仕事終えた充足感に浸っていると、すぐ近くからシルクの声がした。

今は温泉に入っている筈では……?と疑問に思い顔を上げると、素っ裸のラリ目少女が視界に入る。

膨らみかけの胸も、毛の生えていない股も、なにもかもがかぐやの視界に収まっていた。

 

「あれ、ここ女湯か。しまったなあ……。悪い、すぐ出るわ」

 

されどかぐやに動揺無し。

“そういうの“の対象にこの少女は含まれていないのだ。

かぐやはロリコンではなかった。

言葉とは裏腹に身体を隠そうともしない様子から、シルクもかぐやをそういう対象としてみていないのかもしれない。

 

「どうしたのだシルク殿。旧知の相手でもみつけたのか?…………はえ!?へ、へへへへへへ変態っ!?ハレンチ!うつけ者!こ、こんな犯罪者だとは思わなかったぞ!失望した!死ね!!!」

 

シルクとは対照的に、なでしこは顔を真っ赤にして発育の良い自身の身体を隠す。年頃の乙女としてしごくまっとうな反応だった。

ただ問題があるとすれば、発育の良いなでしこの胸はどう頑張ってもはみ出るし、恥ずかしがる姿はむしろ性的魅力を増しているというところか。

 

「すまん、少し狩りに夢中になりすぎたようだ。あとで償わせてくれ」

 

だがやはり動じない。

かぐやにとってこの少女もまた対象ではないのだ。

 

「おお?かぐやまでこっちに来たのか。散策はもうよいのか」

 

最後に現れたのはこのパーティーのリーダーにして最年少の幼女、グリム。

彼女もまたシルクと同じく身体を隠そうともせず、堂々と片手を挙げてかぐやの元にやってきた。

シルク以上に未発達な乳房とくびれのくの字もない胴体。

性的要素が欠片も無い、まごう事なき幼女がそこにいた。

 

 

ブハッ!ドクドクドクドクドク

 

 

かぐやが鼻血を出してぶっ倒れた。

 

 

「うわー!かぐや殿が鼻血をだして倒れたー!?」

「急にどうしたのだ!?病気か?」

「……ロリコンきっしょ…………バカ」

 

 

 




面白かった部分があればここすきや感想などで教えていただけると連載の参考になりますのでよろしくです。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。