「こんヒビキー。ヴァーチャルシップ二期生、今んとこただ一人のVS男性Vこと暁ヒビキでぇーす。そして!」
「みなさんこんばんは~! ヴァーチャルシップ三期生の夕張ユラと申しますっ。よろしくお願いします~」
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:こーん
:きちゃー!
:定期コラボ枠おめ ¥10000
:こんヒビキ―
:そんな告知あったんか
:なかったと思うけどw
:赤スパによる圧力
:こんユラちゃーん
「えぇ……いやこれから告知予定だったんだけど……。はいっ、じゃあ赤スパのお礼ってことにしようかな! ユラちゃんとの定期コラボ枠、『VS放送局』! 今回が第一回になりますーどんどんパフー」
「いえーいっ!」
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:マジかよ
:いいですねぇ! ¥2000
:タイトルの後輩って文字必要か?
:ユラちゃん言っちゃってますがな
うむ、コメント欄からは困惑具合が窺えますな! でも男女コラボの定期枠が出来ることについては尖った発言も見当たらない。お互いのファンしかいないってこともあるだろうけど、好感触で何よりだ。
ボスの要請からすでにひと月と少し経っており、俺は本格的にヴァーチャルシップの一員となった。このコラボ枠は俺に与えられた、最初の大きな仕事になる。
「まぁ基本的には雑談枠になるんだけど、VSからのイベント告知とか、僕ら二人のチャンネルの宣伝とか。諸々発信してく予定なのでよろすく!」
「ヴァーチャルシップ所属の、他のライバーをゲストに呼ぶこともあると思いますのでっ。楽しみにお待ちくださいね~!」
コメント
:二人がメインってだけでVS全体の番組ってことかね
:他の後輩はどうした
:三期生の他三人は?
「いやぶっちゃけユラちゃんとしか絡み無いし……あんま後輩って感覚が……」
「あ、あはは……」
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:内部事情をぶっちゃけるなw
:これだからボッチはよぉ
:お前だけ別の組織に居ない?大丈夫?
:ヒビキVSに存在しない説
「居るから! ちゃんと公式ページに載ってるから! 一人で二期生専用ページ丸々使うくらい大々的に取り上げられてるから! 俺が一番ビッグまであるだろ!?」
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:ねぇよww
:草。いやくっさ。小物臭漂ってる
:一番ビッグは盛ったなw
:一期生にチクるからな震えて眠れ
:せめて後輩のチャンネル登録者数抜いてからほざけ
「ねぇやめて? 絡みのない後輩って意味じゃ一期生から見た俺もそうなんだよ? んなやつが調子こいてたってチクっても反応に困るだけやろ? あとあんまり現実を突きつけるなよ、俺はメンタルが豆腐なんだ」
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:お前みたいな豆腐が居てたまるかボケ
:心臓に剣山生えてんだろお前
:ライバーで一番図太いって自覚して?
:心臓にww剣山はヤバイww
「生えてねぇよ! 他の臓器ズタズタじゃねぇか!! あとユラちゃん? 爆笑してないで喋って? こいつらずっと俺のことイジる気だぞ」
「ふ……ふっ! ンふっ、……す、すみません……ふ、ふふっ……!」
コメント
:ユラちゃんが楽しそうで私もニッコリ ¥5000
:ヒビキに憧れてるとか言ってユラちゃん庇ったりせぇへんからな
:元からリスナーなんだからそらそうよ
:むしろユラちゃんもイジりコメントしてたまである
「え……ユラちゃんホント……? ユラちゃんも俺のこといじめるの……?」
「えっ!? いやそんなコメントしたこと……な、ない、なかっ、なかったんじゃないかなーって」
コメント
:すごい葛藤しているように見えるが自白も同然である
:嘘はつけないが誤魔化しはしたいという必死さ
:ヒビキは媚びた声出すな
:女性ファン的にはなかなか耳によろしくってよ ¥5000
:ボイス販売ワンチャンあるってよww
:俺からすると腹立つが、おにゃのこ的にはイケボなのかも知れない。俺からすると腹立つけど
:大切なことなので()
:キリちゃんコラボのRPとか声は悪くなかった
アカン、第一回のお試し配信ってことで30分くらいに収めるつもりだったのに、どんどん時間が溶けてくんじゃが! ……まぁいいか、ユラちゃんも楽しそうだし、コメント欄も賑わっとる。ユラちゃんほとんど笑ってるだけだがな! それもボスの狙い通りかね……。
「ハイ! んじゃあそろそろ告知! 君たちもちついて! じゃねぇや落ち着いて!!」
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:餅ついて?
:ぺったんぺったん
:サッ。サッ
:ぺったんぺったん!
:こねこねこねこねこ猫
「いやもういいからそういう揚げ足取り。配信にも段取りってもんがあるんですわ。君ら自由人には無縁かも知れませんけど」
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:傷ついた;;
:訴訟
:ネタ振ったから乗ってやってんのになんだァ? てめェ……
:はいキレた。一万人の視聴者がお前ん家向かったからな
「勝手に俺ん家を月見パーティ会場にしないでくれる? あい! ユラちゃん告知! ……ユラちゃん?」
「もち……ぶふっ! くっくっく……一万人で、つっ! 月見……んふっ、ふふ……っ!!」
コメント
:ダメみたいですね
:ユラちゃん……他ではまともなのに……
:ヒビキが全部悪い
:確かにそれですべてが片付く
「はーい体調がすぐれないユラちゃんに代わってお知らせ! えー僕らが所属するヴァーチャルシップですね! 四期生のデビューが決まりましたー!」
コメント
:募集期間長かったね
:三人だっけ?
:またヒビキに虚無後輩が増えるのか
:めでたい……めでたい? うん、ヒビキおめでとう! ¥5000
:後輩おめー ¥2000
「スパチャどうもー。でも自分の中で消化しきってから投げて? とりあえず祝っとけ精神で投げられても受け取りづらいんだわ」
コメント
:じゃあどうしろってんだよ!? ¥10000
:スパチャに直接文句言うやつ初めて見たわw
:キレながら赤スパ投げないでww
:まぁまぁみんな餅つけよ
:まだ月見画策してるヤツいて草
「せめて最後まで聞いてから投げろっつってんだよ!! 話は最後まで聞きなさいって習ったろ! アンダスタンッ!?」
「ぶふぅっ!! んぐっ……くふっ。ひ、ひーっ……!」
コメント
:はぁい…… ¥4949
:意地を感じるww
:赤スパとケンカするライバーが居るらしいな
:ユラたそはもうダメみたいですね
:惜しい人を亡くした ¥2525
「んで! ご存知の通り三人の募集でしたが! 一人はなんと……男性です! 二人目の男性Vがヴァーチャルシップに加入しますー! これがタイトルの真相さァ! ヤッター!! オラ今だぞ。祝えや」
コメント
:マジ!?
:ワースゴーイ ¥10000
:ヒビキについに実体のある後輩が……? ¥2000
:めでたい……めでたい? うん、ヒビキおめでとう! ¥5000
:勇気のあるやつが居たもんだ ¥8888
んー……ヨシ! 少なくとも
「ハイ皆さん、聞いてくれてありがとう。スパチャも……ねぇ、なんでこの期に及んで消化できてないヤツいんの? いいんだよ? もっと手放しに祝ってくれても」
コメント
:多分お前のこと祝うってことに身体が拒否反応示してるんだわ ¥1000
:G・Iクリアした時で何とかって感じだったよね ¥1000
:ヒビキくんのチャンネルリスナーさん暖かいっすね()
「っつーワケでね! 今回の『VS放送局』はここまでにします! お相手は暁ヒビキとォ!!」
「ひーっ、ひっひっひ……。す、すみまっ! んふっふっふ……」
「ひっひっひすみまんふっふっふさんでしたぁ! ではまた次回! ばーいばーーいっ!!」
コメント
:リスナーにキレて配信閉じるとか許されざるぞ ¥5000
:ユラちゃんwww
:ヤケクソ挨拶やめろや!
:ひっひっひすみまんふっふっふとかいうライバーが居るらしい
:マ? チャンネル登録しなきゃ ¥10000
:これはwwひどいwww
こうして笑いに包まれたまま、第一回定期コラボ枠は終了した。これは動画編集がはかどるなぁ……。とりあえずこの配信の録画を字幕やらSEで面白おかしくし、チャンネルに投稿すればOKだ。
おそらく事務所所属の男性Vが増えるという情報だけが独り歩きするだろうが、ソースが欲しい人はこの動画を見に来るはずだ。そこで俺とユラちゃんが情報を小出しにしつつ面白いトークをお届けできれば、界隈の目も柔らかくなっていくだろう、と、思われる。
今回の放送をトークと言っていいのかは、甚だ疑問ではあるが。
「……ユラちゃん、配信終わったけど。大丈夫?」
「……………………しゅみましぇん……」
うん、まぁカワイイし面白いからヨシ!