swordian saga   作:佐谷莢

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 船上~??? 
 フィリアに、正確には謎の声に先導される形で謎施設の奥へ奥へ。
 新たなソーディアンマスターの誕生です(←ネタバレ)


第四十五夜——導く声に、行軍は進み。まみえるは……?

 

 

 

 

 

 

 突如として姿を現し、フィリアを餌に一同を収容した海竜は海中へ潜水した。

 なぜそれがわかったのか。

 一同を収容したスペースには、分厚い硝子のはめこまれた巨大な窓が設置されていたからだ。

 

「わ、割れたりしないだろうな……」

「これで割れたら、海竜の名が泣くと思います」

 

 これまで海面近くにのみ移動していたというわけではあるまい。いくらなんでもそれはないだろう。

 フィオレの予想通り、スタンの心配は杞憂に終わった。

 窓の外の風景が、海中ではなく海底へとさしかかる。建物らしき影がちらりと見えたかと思うと、海竜は唐突に停止した。

 しばらく何かの稼動音が響いて、最後に一同を収容した階段とは違う位置にある扉からぷしゅ、と空気が抜けたような音がする。扉の先が海水の詰まった場所ならば、そんな音はしない。

 フィオレが動くよりも先に、先ほどから放心状態に近いフィリアが扉の前に立つ。扉は音もなく開き、彼女はスタスタと先に行ってしまった。

 慌ててフィリアの後を追った一同だったが、その先に広がる廃墟じみた光景に足を止めさせられる。

 

「ここはどこだ?」

「なんか、海に沈んだ街みたいね……」

「その割には天井があるし、空気もあるみたいですけどね」

「今の街とは随分造りも違うみたいだから、あながち間違ってないとは思いますけど」

 

 スタンのフォローに、ルーティはそこはかとなく嬉しそうだ。耳をすませばチャプン、チャプンと浸水しているような音が聞こえることから否定はしないが……

 一方で、海竜による移動中にも、苛々を足で示していた我らが正規客員剣士はフィリアを呼びつけた。

 

「おいフィリア。まだ呼んでいるのか?」

「ええ、この都市の奥の方です。隣の部屋は浸水しているから、遠回りをしたほうが安全だそうですわ」

「わかった。行ってみよう」

 

 ここまでくれば最早反対する理由もなく、一同は速やかに移動を始めた。しかし、一同の行く手を阻むのは、元がなんだったのかもわからない瓦礫ばかりではない。

 

「魔神剣!」

「獅子戦吼!」

 

 海底に沈んで久しいのだろう。住み着いていた魔物たちが、闖入者たちを前にしてわらわらと現われたのだ。

 

「フィオレ、フィリアの護衛に徹するな。前衛はスタンとマリー、中衛にルーティとフィリア、しんがりに僕とお前でいくぞ」

 

 どうもここの魔物たちは頭が回るのか、一行は幾度となく挟み撃ちの憂き目にあっている。

 これではフィリアをただ後ろに下げただけでは危険すぎ、さりとて、フィオレにつきっきりで彼女の護衛にさせるのは各自の負担が重くなるとみたリオンが、戦闘隊列についてそう指示を出した。襲いかかってくる魔物の数の多さに、フィオレも異論はない。

 ──と。フィリアの先導で進むうち、ふと思いついたフィオレは念話を発動させた。とはいえど、謎の声に対してではない。

 

『ディムロス、アトワイト、シャルティエ。お尋ねしたいことがあります。あなた方はこの建物に見覚えはありますか? 例えばさっき回った部屋とか、医務室みたいに寝台が並んでいた部屋とか』

『何故そんなことを聞く』

「ディムロス?」

 

 念話を使っていたにつき、いきなり声を上げたディムロスをスタンが不審そうに見やる。しかし、フィオレはそれを無視した。

 

『そういえば、かつての地上軍本部兼大型輸送船は天地戦争終了後、負の遺産として海中に沈められたとか、文献にあったんですよね。ひょっとしたら……と思ったまでですが』

『そうなの? 私たちは戦争終了後、とある問題発生のために早期に凍結されたの。だから戦後処理のことはよく知らないわ。まだ審議中だったのよ』

「アトワイト……? ひょっとして、フィリアが聞いてる声と話してるの?」

 

 問題発生、という点に興味を覚えるものの、それで話をそらすわけにはいかない。フィオレはぐっと我慢して、その興味を振り払った。

 

『でも、地上軍本部がどんなところなのか知らないわけではないでしょう?』

『確かにここ、間取りが本部に似てると思うよ。でも、随分荒れちゃってるし……断言はできないかな』

 

 どうやら三人とも、本気でわからないらしい。しかしここが地上軍本部であった可能性は上がった。

 アクアリムスがもたらした情報と、シャルティエの証言。

 これらを組み合わせて浮かび上がるのは、新たなソーディアンの存在である。海中に投棄処分された地上軍本部と共に、ソーディアンも沈めたというのは、ありえないわけではない話だ。

 どうしてフィリアを呼んでいるのかはさておいて、気になるのはソーディアンの正体である。

 

『時にシャルティエ。ソーディアンチームにおいて、最年長者は誰ですか?』

『え? えーっと……僕が一番若かったから階級も低かったな。次にアトワイトで、ディムロスとベルセリオスが同世代同格の中将。で、イクティノスが三十路で情報将校なんて呼ばれてたっけ。一番偉くて最年長だったのはクレメンテ老だよ』

 

 階級のことなど誰も聞いていないのだが、どうでもいいので聞き流した。

 

『最高幹部の一人、ラヴィル・クレメンテですね。彼がソーディアンチームに参戦したから、アトワイトも主治医としてやむを得ず参戦したと聞きますが』

『……そう、ね。それがどうかしたの?』

『女好きだったりしません? おさげに眼鏡で、清楚な若い女の子が好みとか』

『ぶっ』

 

 フィオレとしては至極真面目に聞いたつもりである。しかし、それを聞いた途端、ディムロスが吹き出した。

 また珍しいものを聞いてしまった気がする。

 

「ディムロスー、なんなんだよ、さっきから。いきなり話し出して今度は吹き出して……」

「あんたもよアトワイト。妖精さんの声でも聞こえるようになったの?」

「どうせまた、フィオレが話しかけたんだろう。放っておけ」

 

 もはや注意をしたところで、聞かないときは絶対に聞かないことに気付いたのだろう。リオンは早々に諦めて、言外に気を抜くなと注意を促している。

 そんなことよりディムロスが吹き出した理由が知りたかったのだが……残念なことに問い質すことはできなかった。

 

「ねえ、ちょっと前から不思議だったんだけど、その念話ってフィオレはどうやってやってるの? 腹話術とは明らかに違うみたいだし」

 

 ルーティの素朴な質問に、フィオレはひょいと中指の銀環を外してみせる。純銀製の地金には繊細な彫刻が施され、三日月の装飾を満月にするかのようにはめ込まれた蒼石が鎮座している代物だ。

 そして、チャネリングの使用による術者の負担を、大きく軽減してくれる代物でもある。

 

「これを使ってちょっとした手品を」

「手品って……じゃあ、これ使えばあたしにもできるの?」

「どうでしょう」

「じゃあやり方教えてよ。試してみるから」

「なら、ソーディアンマスターではない私に……いえ、マリーに、晶術の使い方を説明してください」

 

 無論、ソーディアンを持たない者に感覚的な晶術の発動方法など早々簡単に教えられるわけがない。

 ルーティは真っ向から反論した。

 

「あのね。そんなの口で説明したってわかんないでしょ」

「それと同じことです。盲いた人間に空の高さを伝えられないように、感覚的な要素が多すぎて、未熟な私にはとてもご教授できそうにありません」

「……あんた、謙遜も度が過ぎると嫌味にしか聞こえないわよ。そんな未熟なあんたに負けたあたしは何なの」

 

 言葉が過ぎたか、半眼で睨みつけてくるルーティにフィオレは銀環を指に戻しつつ眼を泳がせた。

 

「……半熟?」

「あんたねー!」

「フィオレ! ヒス女からかってないで足を動かせ!」

「ダレがヒス女よ、このクソガキ!」

 

 結局リオンに叱られ、一同は再び中枢を目指す。そうこうしているうちに錆びついて開かない扉に遭遇した。

 ここを、道中スタンが見つけてきたツルハシを使ってこじ開ける。その先に、これまでの部屋とは明らかに異なる部屋を発見した。

 先ほどまで踏破してきた部屋は、ところどころが崩れ、錆びついた廃墟色が強かったのだが。ここは部屋全体にうっすらと光が通っている。

 使途不明ではあるが仄かに光る機材からして、未だ稼動中であることを思い起こさせた。あるいは、何者かが故意に稼動させたのか。

 

「ここが中枢か?」

 

 きょろきょろと見回すスタンに反応することなく、ここまでやってきた原因であるフィリアは迷うことなく奥へ足を進めた。

 その後について歩くも、その先には壁しかないように見える。

 しかし。

 

『よく来たの、フィリア・フィリス』

 

 ここへ来て、ようやくあの声がフィオレの脳裏にも響いた。

 ただしフィリアは、驚いたようにきょろきょろと周囲を見回している。

 

「え、誰ですの?」

 

 今までこの声に導かれていたのではないのかと突っ込もうとして、それはディムロスに遮られた。

 

『その声は!』

『クレメンテ老じゃん。ひょっとしてフィオレの想像通り?』

『お久しぶりです、老』

 

 ここへ来てソーディアンたちが口々に、千年振りであろう仲間とも再会を口にしている。

 しかし、クレメンテの返事はつれないものだった。

 

『なんじゃ、お前らか。ムードぶち壊しじゃの……』

 

 そんなものは初めからない。

 内心でそう突っ込んで、初めて眼前の壁に埋め込まれているものに気付く。眼前の壁の中、埋め込まれている半透明のケースの中に、一振りの剣が収められていた。

 シャルティエやアトワイトはもとより、ディムロスをも凌駕する幅広で大型の剣である。

 しかし、天地戦争での代償なのか、それともこういった意匠なのか。その刀身にはヒビが入り、ひどい刃こぼれが目立つ。

 フィオレの視線を追ったのか、自力で見つけたのか。スタンもまた驚いたように壁の中を凝視した。

 

「ソ、ソーディアン!?」

『いかにも。儂の名はクレメンテ。正真正銘のソーディアンじゃ』

「なるほど。海竜を操り、フィリアをここまで誘導してきたのはあなたの仕業ですか。その様子ですと、今何が起こっているのかも承知のご様子ですね」

 

 そうでなければ、ソーディアンがマスターを求めて仲間と合流する理由などわからない。クレメンテはフィオレの言葉に肯定を示した。

 

『おおよその見当はついておる。じゃが、これはちと誤算じゃったの』

『誤算?』

【のう、ソーディアンチーム諸君。そこな隻眼の別嬪さんが、何者なのかはわかっとるかの?】

「!」

 

 キン、と耳鳴りが走る。

 思わず耳を押さえるも、他のマスターたちにそんな様子はない。いきなり耳を押さえたフィオレに、不思議な視線を送るだけだ。

 

【フィオレが何者なのか、だと?】

【私たちは知り合って日が浅いから、何も知らないに等しいけれど……シャルティエは?】

【う~ん……改めて言われると、わかんないかなあ。不思議なところばっかりかも】

 

 耳鳴りの隙間から垣間見るような感覚で聞こえる声は、いつもの彼らの声音と変わらない。

 たまらず中指に手をやって調整をすると、耳鳴りはあっさりなくなった。彼らの会話は続いている。

 

【ふむ、そうか。で……】

『そんなことよりもクレメンテ。神の眼が奪われた』

 

 本題からそれまくっていることに苛立ったのか、ディムロスはかつての上司の口上を遮って事実を伝えた。

 可愛げのないことに、クレメンテは動揺する素振りすら見せない。それどころか。

 

『まったく次から次へと。英雄暇なしじゃの、この世界は』

『目覚めて早々呑気だねー』

 

 飄々と、冗談めかしての返答にシャルティエすらも呆れている。

 

『わかっておる。じゃからの、儂も目覚めることにしたのじゃ。フィリアという、新たな使い手を選んでの』

「わ、わたくしですか!? わたくしに、そんな力は……」

 

 彼女は一体、何を思って導かれたというのだろうか。自分を指して謙遜するフィリアは、何を思ってかフィオレを見やった。

 

「マスターに選ばれるのでしたら、フィオレさんがいいと思います。フィオレさんでしたら賢者に知識の泉、一騎当千の剣士に伝説の剣ですわ」

 

 両方とも、ただでさえ優れたものに更なる効果的付与が加わることを指す。

 しかし、フィオレは嘆息しながら反論した。

 

「フィリア。自分が嫌だからって人になすりつけないでください」

「わたくし、そんなつもりは……」

「なら、クレメンテの話を聞きましょう。反論はそれからでも遅くはありません」

 

 フィオレの言葉に納得したのか、フィリアは壁の中に収まったソーディアンと向き直る。

 

『儂の声が聞こえるじゃろ? ならば問題はない。お主には眠れる才能があったんじゃ。儂はそれを、ちょいと呼び覚ましただけじゃよ』

「でも、何故わたくしなんかを……フィオレさんならもともとソーディアンの声を聞いていますし、戦い方も十分ご存知ですし……」

 

 だから、引き合いに出さないでほしい。

 するとクレメンテは、至極まっとうな返答を彼女に寄越した。

 

『やっぱり使い手は、若くて美人な女の子がいいからのぉ』

「なるほど」

 

 これには、頷かざるをえない。

 フィオレは思わず声に出して、深く頷いていた。対するフィリアは目をテンにしており、ルーティは納得に値していない。

 

「はぁ? それならフィオレにだって該当するじゃない。マリーはその、眠れる才能とやらがなかったと考えて」

「それは一重に、クレメンテの感性でしょう。なかなかに的を射た審美眼をお持ちではありませんか」

『フィオレ、何で急に上機嫌になってるのさ』

 

 久々に歳相応に扱われて機嫌をよくしたフィオレに、シャルティエはおかしな態度だと疑惑の声をあげている。

 一方クレメンテは、かつての仲間たちから呆れと冷たい声を浴びせられていた。

 

『クレメンテ……あなたという人は……』

『千年前から一切変わっておりませんね。本当に、お元気ですこと』

『そんな目で見んでくれ。ほんの茶目っ気じゃよ』

 

 ソーディアンの目はないはずだが、感じるはずもない視線を向けられた気でもしたのだろうか。

 ともあれ、選んだ理由はそれだけだったらしい。クレメンテはこほん、と咳払いをして、再びフィリアの名を呼んだ。

 

『さあ、フィリアよ。儂をその手で取るがいい』

 

 しかし、フィリアは胸の前で両手を組み合わせたまま微動だにしない。

 ちらりと背後のフィオレを見て、彼女はその声に従うことなく質問をした。

 

「なら、教えてください。なぜフィオレさんではいけないのですか?」

「あの、フィリア。いちいち私を引き合いに出さないで……」

「フィオレさん。わたくしは、ソーディアンマスターになるのが嫌でそう言っているわけではありません。果たすべき役割が違うこともわかっています。でも、皆さんの足手まといにはなりたくないんです」

 

 その言い分に矛盾があることを、彼女はわかっているだろうか。

 足手まといになりたくないのなら、単純にクレメンテの力を求めればいいだけの話だ。そもそもクレメンテは、如何なる方法を使ってか、フィリアを選んだのだから。

 それを指摘するも、フィリアは頑なに首を振っている。

 

「ソーディアンの力を得ることは、確かにわたくしが戦いの術を身につけると同義だと思います。けれど、わたくしがソーディアンを持ったがためにその力を使いこなすことができなかったら? 当初フィオレさんがおっしゃっていた通り、ルーティさんの負担を増やすだけに終わったら? それこそ足手まとい以外、何でもありません」

「……つまり、猫にガルドなのではないかと」

『それはいくらなんでも、要約のし過ぎだと思うわ……』

 

 アトワイトのぼやきを無視して、思いつめた表情で立ち尽くすフィリアにフィオレは淡々と語りかけた。

 わざわざ優しくしたところで、意味は変わらない。

 

「仮に私がクレメンテを持ったところで、宝の持ち腐れでしょうね」

「え?」

『……そうかな。フィオレだったら、結構あっさり使いこなしちゃうんじゃない?』

 

 いらないことを呟くシャルティエに「外野はお静かに」とひと睨みくれる。

 

「いいですか? 私は基本的に接近戦の方が得意なんです。確かに大剣を振り回して敵を蹴散らすのも嫌いではありませんが、あんなヒビが入った切れ味鈍そうな代物ではおそらく非効率的でしょう」

『ひどい言われようじゃのう』

「否定しますか? ソーディアン・クレメンテといえば、天地戦争において豊富な晶術を用いて雑魚を蹴散らし、神の眼と共に玉座にふんぞり返っていた天上王の元へチームを導いた、という武勇伝が有名ですが」

 

 うろ覚えの記述だが、どうやら間違いはないらしい。あるのなら、当人から訂正がくるはずだ。

 そんなわけで、とフィオレは話を締めくくった。

 

「私がクレメンテのマスターとなった暁には、間違いなく前衛あるいはしんがりに穴が空きます。だったら手隙のあなたに、後方支援をお願いしたほうが効率的ですよ」

「……その結果、わたくしが力に振り回されるようなことになったとしても、ですか」

「私はクレメンテの……いや、天地戦争を制した英雄の見る目を信じます。そして、あなたがそんな人間だとは思っていない。自分にはできないと決めつけて、楽な道に逃げる人だとはね」

 

 フィオレの言葉に、フィリアはつぶらな瞳を閉じてじっと聞き入っている。そしておもむろに、壁の中のソーディアンへ手を伸ばした。

 半透明の隔壁に白い手が触れたと思った途端、隔壁が音を立てて消失する。

 その現象に一瞬戸惑った様子を見せたものの、フィリアはすぐに納められていた大剣を手に取った。

 

「クレメンテ。わたくしは、あなたを受け入れます。あなたのもとへ導かれたように、わたくしに正しき道を示してください……!」

『うむ、フィリアや。学ばねばならんことも多いが、頑張るのじゃぞ』

「はい!」

 

 グッ、と力強く柄を握りしめたその様子からも、フィリアが決断したことが見て取れる。ようやくまとまった話に、リオンが小さく吐息をついた。

 

「終わったか? ならとっとと船に戻るぞ」

「新たなソーディアンマスター誕生祝に、戦闘の手ほどきを伝授したいところですが……流石にそんな、悠長なことは言ってられませんね」

 

 まずは自衛手段から、ということでその辺りの指導はクレメンテに任せ、一行はもと来た道を辿って帰路についた。

 その最中にも、フィオレの中でクレメンテに対する疑惑は消えていない。何せ彼は、かつての仲間たちと再会した早々、フィオレの正体について聞き及んできたのだ。

 しかも、神の眼が盗まれる以前より、何らかの異常を察知していたようなことまで口にしている。

 彼が何かを知っていることは、間違いない。

 これからは折を見てそれを探っていかなければと考えつつ、フィオレは出会い頭に触手を伸ばしてきた魔物を一刀のもと斬り捨てた。

 絶命した魔物がレンズを排出し、床に転がる寸前。突出したルーティが、掠め取るようにレンズを回収していく。

 

「いっただきぃ!」

「こんな時にまでレンズを拾うな!」

「一億ガルドくれたら、考えてあげてもいいわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





と、いうわけでクレメンテが参入しました。
PS版での会話なので、ラディスロウは都市扱いですね。
まだ続編出てない頃の作品ゆえ、致し方なし。
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