荒れたセレナと、臆病なクリス   作:蒼葉蒼輝

1 / 34
まさかの書いたの二日前だったよ・・・
十月誕生日なの分かってたけど、まさかの遅刻しそうだった・・・
まぁ、何とかかけたけど・・・本当はもっと何とか入れるつもりだった
あと、響がいるのはついでです、こっちの世界の響じゃなくて、現行世界の響です。
・・・見直してないから誤字酷いかも・・・では



Ex 黒銀の平穏・・・?
セレナの誕生日


 

 

 

二課本部某所―

 

セレナとクリスを受け入れることになりしばらくたったある日―

クリスからある提案が出されていた

 

「二課の皆さんに少しお願いがありまして」

 

そんなちょっとしたお願いで本部に来ていたのはクリス一人で、セレナは何故か今は居なかった

どうやら何かやっているだろうと司令は予想を立てて、兎に角話を聞いてみる事にした―ら

 

「あれ・・・そういえばそろそろセレナちゃんの誕生日じゃなかったっけ?」

 

尚何故かまだ居座っている別世界の立花響が空気を読まずにぶっちゃけてしまうと―

 

「え、クリスちゃん? な、なに―」

 

片手で響を持ち上げたかと思うと、見えない速度で何処かに投げ飛ばされていく姿が見えたとか見えなかったとか・・・

 

「えと、それで場所を提供してくれないかな・・・と、あ、すいません 邪魔でしたらこちらで何とかしますので・・・」

 

「あ・・・いや、別にそれは良いんだが、響君は―」

 

「な・に・か?」

 

何でもない、そうとしか言えなかった司令は、聞いた限りだと、まともなお祝いと言うのが殆ど出来ておらず、クリスの方には何度も祝ってもらっているが、セレナに対してお祝いと言うものが出来ていなかったから今回こそは、と意気込んでいるみたいだ

それに色々協力をしてほしいという事らしい

 

「それで、プレゼントは考えているのかい?」

 

「はい、数か月前から色々探して、手が届きそうなものを・・・本当は自分で作れれば良かったんですが、そういうのがまだやった事無くて・・・」

 

「それでしたら、今から作ってみません?」

 

と、友里が話に割って入って来た

 

「え? でも、私となんかじゃ迷惑では・・・」

 

「迷惑だなんて、大体、クリスちゃんも迷惑沢山かけられてるのにいまさらそんな事言わないの。

それより、どういうものが作りたいの?」

 

その、こういうのなのですが・・・と、持っていたスケッチブックを渡す

そこには、蝶と淡いピンクの花弁が彩られた髪留めが描かれている

 

「お姉様、最近髪が結構伸びてきて鬱陶しがっていたので、髪留めとか、ヘアゴムみたいなのが良いかなと思ったのですが・・・中々そういうのが見つからなくて」

 

「成程ね、それで相談に・・・でもこういうのは少し難しいと思うのだけれど」

 

ですよね、と落胆し、仕方ないと思い、あった物を買って渡そうかなと考えていると―

 

「弦さん、こっちに響さん来なかった・・・?

あれ、クリスさん、こんにちは どうしたの?」

 

「あぁ、凪か、響君ならさっき廊下に飛び出していったぞ・・・

そうだ、凪、君なら彼女の悩みを解決できるかもしれないな」

 

悩み? そう聞いて、再度彼女の悩みを聞いて、アレだな、と判断し、綺麗に描かれた絵をカメラで撮り、クリスをある場所に連れて行こうと話す・・・と

 

「立花 響、ただいまふっか・・・あれ? クリスちゃん、翔希さんどっか行くの?」

 

「彼女のお悩み解決の為にちょっとね?

あと、響さんは奏さんや翼さんの相手してて? それじゃ・・・

あっと、緒川さん、誕生日の準備お願いして良いですか?」

 

「はは、良いですよ、そもそも皆さんそのつもりだったようですし。

ねぇ、了子さん?」

 

「ちょっと~、そこで何で私に振るのよ!

みんなして私の事分かってるくせに・・・

 

「ん? 何か言ったかね了子君?」

 

「い~え? 何でもないわよ~?

はぁ、彼女に会ったら何をされるか分かったもんじゃないわ・・・

 

そんな内心の不安が消えない櫻井了子は別室で準備をしながら今後を考えたりしなかったりしていた

だが弦十郎はガチなやる気なのか、本部の床にレッドカーペットを敷き始め、あ、これもう戻れないなと思い始めた者たちも居たとか居ないとか

なお、この間、セレナはリセと一緒にゲームセンターなどで商品稼ぎしていたとか・・・

 

 

―――――~閑話きゅうdie~―――――

 

「さて、じゃあクリスさんは出来るだけ壊れづらいもので髪留めを作りたい、と?」

 

「はい、お姉様は良く動き回りますし・・・出来れば残るものがあった方が良いと思って・・・」

 

と、そんな事を聞き商店街を眺めながら、二人である目的地を目指していた

だが、クリスはまだ場馴れしてないのか、あっちこっち見ながら、ウロウロとついてくる・・・カワイイ

歩き回っていると、少し古風な家が見えて来た、看板には分かりづらい文字で何か書かれている・・・がクリスには分からなかった

 

「あの・・・ここ、ですか?」

 

「うん、さって、久しぶりに来るし、先生元気かな?

それじゃ、失礼しま~す」

 

そんな問う間もなく入っていく翔希の後ろを慌てながらついていくクリス

そのお店に入っていくと若そうな夫婦が二人を歓迎してくれていた

 

「お、よっくきたね~ 久しぶりじゃん翔希~

なに? またお猫ちゃん達のご入用?」

 

「はは、お久しぶりです、あ、クリスさん、紹介するよ、彼らがこの工房の店主で―」

 

「私は結弦 美樹 っていうんだ~ 翔希とはま~腐れ縁ってやつ~?

こっちはダンナの―」

 

「結弦 誠司だ。それより翔希は腐れ縁ではなくて交渉相手だからそういう言い方は無いだろう・・・」

 

なーによ~ と何やら言い合っても仲の良さそうな若夫婦・・・

 

「翔希さん・・・腐れ縁って・・・どういう仲なんですか?」

 

「ん、まぁ、こういう仕事柄色々頼まれる事とか頼み事も多くてね?

持ちつ持たれつってやつだよ、それよりクリスさん、この人達なら、多分作れると思うし、クリスさんに作り方を教えてくれると思うよ?」

 

「ん? なになに~ 翔希もそ~言うのに興味持ってくれたのかな~って冗談、じょ~だんよ。

そう本気にしないでって~ で? 仕事の依頼? それとも自分で作りたい奴かな?」

 

その事についてたどたどしくも、はっきりと伝えていくクリスさん

多分、いや、絶対彼等なら、誕生日には間に合わせてくれるはずだ・・・

 

「ふむ・・・なるほどな、俺達で作れば半日も掛からないが・・・その瞳だと、自分で作ったものをプレゼントしたいって感じだな。

分かった、ある程度作り方を教えるから、工房の方に行こうか、美樹、店の方頼むぞ」

 

あいあいさ~ と軽い返事で店番をする美樹さん・・・相変わらずですね・・・

 

「な~によ~、万年彼女付きのアンタに言われたくないわよ~

何、あんだけ大量の女の子に付き纏われてだれ一人選ばないって、どんだけ欲張りなのよ~

いや・・・実はアンタってほmっ!? あいた~!、ちょ、チョップは止めなさいって、あんたのホントに痛いんだからさ~」

 

流石にそれ以上は刺すよ?

全く、冗談が尽きないんだから・・・ま、それが美樹さんの良さでもあるのかな?

 

「そ~そ、私が彼の支えをしてやれば、話にも花が咲いて作業効率も上がるってもんだよ~・・・?

おい、いまサラッと『アンタ邪魔してるだけだろ』とか思わなかった? 思ったよね? ねぇ?」

 

何で言っても無い事を勝手に思われて怒られてるの僕・・・

確かにそうだとも思ったけどさ・・・あ、そうだ、ついでに僕も何かしら作って行こっと

 

「あ~あ、またお猫ちゃんお預けですか~ いーですよ~だ、はぁ~。

何であの人もアンタもこう・・・周りの女の子の機微に疎いんだか・・・それなのにすっごい惚れられてるの気付かないし~

あ~もう何でこう理不尽ばっかなのよ~もー!」

 

ははっ、まぁ、美樹さんも性格は・・・アレだけど人は良いからさ?

それにちゃんと結ばれてるんだから理不尽に思っちゃいけないよ?

それに・・・うちの司令あんなだから嫁が居ないし・・・

 

「それ言っちゃいけないよ~、わたしも知ってるけどさ~

さ~すがにあの筋肉を貰うお嫁さんもそうは居ないでしょ~

あ、でも側近の・・・慎二さん? だっけ?

あの人は絶対誰か凄い人と結ばれるべきよ、だってすんごい優良物件じゃない?」

 

それ言っちゃいますか・・・てか優良物件て・・・

そういえば、あの子の誕生日まで、あと二日ほどだし・・・大丈夫かな?

 

「あ~なに? ひょっとしてギリギリでやっちゃった系?

ま~ダンナならダイジョブっしょ。

あの人期限には厳しいけど、やる事となったら細部までこだわってきっちりやり切っちゃう人だし~?

それより翔希~ なんか作る気だったの?」

 

僕も一応セレナさん・・・誕生日の人には一応世話になってるし、こういう時は皆で祝ってなんぼだからね?

 

「あ~・・・それだったらアンタは別の所で違うもの作ってきなさいよ・・・

全くホンット空気読めないというか・・・あ~あんた羊毛フェルト出来るでしょ?

それで何かしら作って来たら?」

 

・・・? それってどういう意味だろ?

 

「あーあー! もうこのオタンコナスはこんなんだから嫁が困るんでしょーねーったく。

なんでわたしがアンタのそんなことまで考えてやんなきゃならないのよー!

そーれーよーりーも! ふん!」

 

えっと・・・この手は?

 

「アニマルファー、あるでしょ? 持ってきなよ。

それでプレゼント作ればいいじゃない、どうせ猫の抜け毛どっかしらに溜まってるでしょ?」

 

ま、まぁ、アレで何かしら作るのは暇なときの趣味ではやってたけど―

 

「女子か! っはぁ~なんでこんな女子力高いのに、女の子の機微が分からないのよ~こいつは~・・・

はぁ~・・・どうせ持って来るのに少し時間かかるでしょ?

その間クリスちゃん、だっけ? あの子のアクセ作り手伝ってるから、ほら早く行った行った~」

 

何かぱっぱと追い払われてしまった・・・まぁ、この工房でも猫の毛は使う事もあるらしいからアレだけど・・・

兎に角持って来るかな? ・・・作るのは・・・猫のぬいぐるみにでもしようかな?

・・・ってアレは―

 

「セレナさんに、リューシェ?」

 

「ありゃ? 翔希くん、こんな所で何やってるの?」

 

大量の袋を両手で持って、此方に手を振る白猫とその後ろで顔を少し下げて礼をする少女。

・・・それ、ある意味こっちの聞きたい事なんだけど―

 

「これについてかしら?」

 

「あーこれねー ゲーセンの景品狙って色々やってたら、セレナちゃんがクレーンで次々景品入れ込んじゃって、気付いたら―」

 

「この山、って言う事ですか・・・どうするの、これ」

 

「しらない、翼か奏にでも投げ渡すわ・・・

クリスにも好きなものがあれば渡すけど・・・残りは、駄菓子ばかりね」

 

と言うよりよく出禁になりませんでしたね・・・

 

「なんか普通は取れないものまで取っちゃったらしくて?

アームの強度が無い物の景品まで取っちゃって向こうが騒ぎ立ててたんだって~

あ、その時私は別で格ゲーやってたから詳しくは知らないよ?」

 

「で、そのチップ・・・? コインは?」

 

「向こうが何か謝りに来て、二人に特別なコインをって渡されてね~

これ使えばしばらくは遊べるって言ってて・・・それでね~」

 

唐突にリューシェが視線反らしたんだけど・・・あ、何となく把握

 

「あの筐体が脆いのが悪いんじゃない?」

 

「いや、そもそもあれはそう言うゲームじゃないから!

あ、でも殴るのは間違ってないんだよ? でもどういう力量で殴ればあんなになるの!?」

 

「あーなんか大体把握した・・・で? 壊れたのはどうしたの?」

 

「ん? あー大分古い奴だったみたいだから向こうが何も言わずに撤去するようにしてくれて・・・何か気が付いたら事なきを得てたよ・・・ホント何だったんだろうねー?」

 

・・・これ、多分、じゃなくて十中八九セレナさんの事を知ってる人が迷惑かけないように裏で操作したパターンじゃないかな・・・言わないけど・・・

 

「っと、僕はまだやることあるから、また後でね」

 

「あ、翔希くん―」

 

リューシェが何か言いかけていたけど、まぁ、後で聞けばいいかな・・・ってなんか追いつかれt

 

「行く前にコレいくつか持って行ってくれない?

どうせ猫喫茶の方に帰るでしょ?」

 

あ、はい、そーですね

誕生日プレゼント渡す前に妙なプレゼントが増えてしまった・・・大丈夫かなこれ・・・

そんな事言っていても仕方ないし、猫のファーを洗浄して纏めておいた【ファーボックス】を手にとり、向こうに渡す用のアイテムと小道具一式をバッグに入れて即座に工房に戻る・・・もらったこれは・・・リューシェの部屋においておけばいいか。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「ふむ、筋は大分いいな、これなら今日一日である程度完成させて、色付けした分を乾かしてやれば、明後日になる前には完成するだろう」

 

「あ・・・ありがとう・・・ございます。

でも・・・」

 

「分かっている、時間が足りない・・・か。

明後日には渡せる・・・が、その前に出来上がればいいのだろう?」

 

「はい・・・零時きっかりに、パーティをやるそうですので・・・その時には・・・渡したい・・・です。」

 

「・・・ふむ、なるほど、それ程大切な人なのか、その人は」

 

「っ! はい! 私にとっての、一番、大切な人の誕生日・・・です、だから・・・!」

 

「そう緊張しなくても良い・・・しかし、そうか・・・

なら簡易的になるがやれないことも無い。

そうだな、明日も来てもらえるか?」

 

明日も・・・? クリスは不安そうな眼で訴えるような視線を向けるが―

 

「そう不安がらなくていい、ちゃんと【君の思い】を込めたものとして、この髪飾りは出来上がる。

だから、明日の・・・朝早くでもいいなら、その時に来てもらえるか?」

 

はい、分かりました そう返事をしたクリスは、出来上がっている髪飾りの装飾を預け、一旦伸びをする

そうして一息、すると

 

「コーヒーで良いならすぐに準備するが―」

 

「あ・・・すいません・・・あの、ホットミルクで・・・お願い、出来ますか?」

 

「ん、すまない、いつもの癖でな、すぐ準備してくるから、少し待っててくれ」

 

こくり、と首を縦に振り、工房で少し待つことにしたクリスは周りの作品をキョロキョロ見回すことにした。

色々な作品が立て掛けられており、どれも精密に作られており、そのどれもに愛情の様な深い【何か】があるのが感じられて、その暖かさに当てられて・・・仄かに香るその心地よさに胸を躍らせていた。

 

「どう? あの人の作品、中々にいい出来でしょ?」

 

「ひぅっ!? あ、み、美樹・・・さん?」

 

「あ、驚かせちゃったみたいでごめんね~

でも、この工房で大分集中してたみたいだから~ね~

でさでさ~、このアクセ、どーゆう人にプレゼントするの? 恋人とか?」

 

「あ、えと・・・そう、ですね、私には少し恐れ多いですが、でも、大切な人・・・です。

私の事を、大切な人って言ってくれて・・・私も、あの人を大好きで、大切で、憧れて・・・

ううん、それ以上に―」

 

「愛してる?」

 

「え、あ、あの、ぅ・・・そう、です」

 

「いいわね~そう言う青春ってーの~?

私も学生時代に謳歌したかったわ~いいわね~学生同士の恋愛~異性との何て―の?

こぅ、青春ラブストーリーまっしぐらーてきな?」

 

「えーっと・・・その、異性・・・じゃないんです・・・けど・・・」

 

は? と固まったような笑顔で顔が赤くなってもじもじしているクリスを見つめる

その表情は恋をする女性のようで・・・だが、同性愛だと聞こえた・・・そうな

 

「えっと~、聞き間違い・・・じゃ~ないよね?

その人って、女性・・・なの?」

 

「はい、私と同じ・・・女性・・・です」

 

「フタ〇リとかそういう異性感とかそういうんじゃなくて?」

 

「れっきとした女性ですよ、お姉様は」

 

「何をしてるんだ美樹?

あぁ、これホットミルクな・・・お前は自分で何か飲み物もってこい」

 

「うえ~ん、ダンナがいじめゆ~!! しょうきちんまだ~!?」

 

しょうきちんってどういうあだ名・・・?

あ、この気配、多分そろそろ―

 

「えっと・・・何で美樹さん泣いてるの?

あ、誠司さん、これ、納期速いですが一応、持ってきました」

 

「ん? まだ必要量出て無いから後で良かったと思うのだが―」

 

「僕も一応プレゼント作りついでの納品ですよ、一応小分けしているので内訳確認お願いします」

 

そうか、と言葉を返し、猫の色分けされているファーの数を数えている

一方、翔希さんは持ってきた毛で何か作り始めた・・・けど―

 

「クリスさんは・・・ある程度できてるみたいだね?

明後日が楽しみだ」

 

「え、あの・・・私・・・」

 

「いや、必要以上は聞かないよ、それにこれは君も決めた事、だから自信を持って渡すといいよ」

 

やっぱり、優しい・・・世界にこんな優しい人で溢れていたら、きっとお姉様も・・・

ううん、それは、やっぱり最悪の考え方だから、今はお姉様のプレゼントを完成させるのを頑張ろう!

 

「それじゃ、やりますか・・・えいえいおーっと」

 

なんか、そんな掛け声聞こえた・・・あ、美樹さんがやってる

私も誠司さんに聞きながら、髪飾りを着々と作り上げていく・・・待ってて、お姉様―

 

 

 

 

――――――――――――

 

それから少し時間経ったよ~

 

 

 

 

「クリスさん、プレゼントは出来た?」

 

「・・・零時までには、間に合うと、言ってました・・・だから、大丈夫って信じてます」

 

大丈夫、お姉様のパーティには間に合う・・・ううん、絶対間に合わせる!

 

「あ、翔希さん、クリスさん、此方に居ましたか」

 

「あれ、慎二さんどうしてこちらに・・・?」

 

「あの、驚かないで聞いてほしいんですが・・・」

 

それから私達は緒川さんから事情を聞いた。

その事情と言うのも・・・

 

「お姉様が・・・来られないかもしれない?」

 

「申し訳ないです・・・正直あれほど拒否されると思わなくて―」

 

「慎二さん・・・さすがに隠す様にって―」

 

「いえ、実際には誕生日会とは言っていないのですが、その日は用事があるって・・・」

 

「お姉様の用事・・・?」

 

お姉様の用事・・・ですか・・・?

何か・・・何か忘れてる気がする・・・

 

「あの、お姉様はそれ以外に何か言ってませんでした?」

 

「え? あ、そうですね・・・確か『用意するものが―』と、小声で言っていたような、ってクリスさん!?一体何処に―」

 

やっぱり・・・お姉様、あの準備を―

私だって・・・私だってお姉様を―

 

「翔希さん! って落ち着いてますけど、なんでですか?」

 

「ん? いや、彼女たちは大丈夫だと思うよ?

さて、じゃこっちは残りをやってしまおうかな~っと」

 

ゆっくりと翔希は自分のやる事を進めていく、それに対して緒川さんは少しだけバタバタしていたそうな

 

 

 

――――――――――

 

 

―――気が付いたら誕生日になってたよ―――

 

 

・・・私の誕生日がどうのこうのでいろいろ騒ぎ立てていたのは分かっていたけど・・・

本当は【私たちの記念日】でもある今日・・・だから、クリスにも渡すものがあるんだけど・・・

それで、パーティ会場まで用意されても正直に出る気になれない。

いつも通り、クリスと小さなお祝いをするつもりだった・・・私たちにはそれぐらいで・・・十分だから。

 

だけど・・・ううん、私も・・・きっと、あの大きな幸せを受け入れられないから、こうしてる。

だって、今まで暗いところしか知らない私たちを祝おうなんて頭がイッテるとしか思えなくて・・・

それにクリスも交じって何かしてるのが、少し気に入らなくて、嫉妬して・・・なんか馬鹿みたいに思えるけれど、ある意味で、それが今の私自身なんだろうなと、一人愚痴る・・・でも・・・

クリスには、渡すものを渡しておきたい、私の誕生日なんかよりも、ずっと大切だから。

・・・そうはいっても、今、そのパーティ会場の前に来ているのだけれど・・・正直、胸が痛い。

これは比喩じゃなくて、恐らく幸福を何処かに感じていて、体がそれを拒絶しているせいだ・・・要は単なる毛嫌いのようなものだ。

ただ、私の場合、その毛嫌いのものは、命を張るレベルで危険だということ・・・

だけど、背に腹は代えられないというか・・・決意を決めて、入ることにした、その会場に―

 

 

 

 「「「「「誕生日おめでとう!!!セレナさん(ちゃん)」」」」」

 

 

「あ・・・っと、ありがとう・・・でいいのかしら・・・?」

 

「えーっ! もう少しびっくりしてくれてもいいのに―!」

 

「十分びっくりするわよ、何あの大砲みたいなクラッカーは・・・」

 

まだ胸が少しピリピリする・・・やっぱりこの空間は苦手だ・・・

早く用事を済ませて、クリスに【コレ】を渡したい・・・んだけど―

 

「じゃあまずは、わたしから! というわけで、セレナちゃん! これを―」

 

「・・・立花さん・・・食べ物ホント好きね・・・まぁ、いいわ、ありがと」

 

それから順を追ってプレゼントを渡されていく・・・その中で―

 

「で、あんたは何をくれるつもり? 櫻井了子・・・いえ、フィ「ストップ!!!」っはぁ~、で、なに?」

 

「あんたねぇ~、本当にここまで危険だとは思わなかったわよ・・・ま、私があげるものなんてないんだけどね~っあいたっ! ちょ、ちょっと猫が何してくれて、あ、それ持ってっちゃ―」

 

「・・・これ、聖遺物のかけら・・・?」

 

あはは~、と空笑いする了子に回りが少し固まって・・・

 

「了子君、聖遺物の勝手な譲渡は禁止のはずだが?」

 

「ごめんごめん、でも、この子ならうまく使ってくれそうだと思ったから~、まぁ、ダメなのはわかってたけどね」

 

渡された欠片を返して、次のプレゼントは―・・・

 

「あの・・・お姉様・・・」

 

「クリス?」

 

「あ・・・後で・・・いい、ですか・・・」

 

「・・・うん、私も・・・あるしね・・・」

 

お互いに後で会う約束をして、パーティを続けていく・・・

正直、ここまで幸福な世界は今まででも、見たことは・・・多分、私の中にはないと思う

だから・・・この平穏は・・・守らないと・・・

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

それから数時間、ようやくお開きになった会場を後にして帰路に就く私たち・・・周りには誰もいない街灯の灯る公園・・・まるで告白ね

 

「お、お姉様! 茶化さないでください!」

 

「ごめんなさい、でも、私もクリスに渡したいものがあったから―」

 

それじゃ、二人で言いましょうか・・・

 

「クリス」 「お姉様」

 

「「私たちの誕生に祝福を―」」

 

そう、これはもう【本来のあの子たち】になれない自分たちを祝うと同時に、ある意味で呪う言葉・・・

だけど、あの場所での苦しみは、幸福による痛みはここにはない、クリスと一緒の幸せの時間だけは、痛みも何もなくなる・・・ただ一人、彼女のための時間を共有できること・・・それが私の何よりも幸せ―

 

「おめでとう、クリス・・・これ、よかったら受け取って?」

 

装飾の着飾りもあまりない不躾な茶色の箱を渡す

中に入れてあるのはシルバークロイツの首飾り・・・彼女の雪のような髪に合わせて調達したアクセ・・・

クリスなら、腕に巻いていても、多分きれいに映るはずだから―

 

「あ、ありがとうございます、お姉様・・・あの、私のも・・・受け取ってくれますか?」

 

「クリスのものなら、何でも受け取れるわ。

それで・・・何を?」

 

「髪飾りを・・・作ってみたんです・・・少し不格好かもしれないですけど・・・」

 

そういって、袋から取り出した、蝶々の柄が特徴的な髪留め・・・?

 

「えと・・・本当は二つ作るつもりだったんだけど・・・その、時間が無くて・・・」

 

「それぐらいいいわよ、それに―」

 

取り出された髪留めを受け取り、伸びた髪を後ろで纏める、簡単なポニーテール状にする

それでも、留めた場所からはセレナでも髪飾りが見えるほどだった

 

「こうすれば、一つで済むもの・・・ありがとう、クリス」

 

「あ、ありがとうなんて、そ、そんな・・・わ、私は、ただ、お姉様の役に立とうとして、て、あ、あの、えと・・・」

 

「落ち着いてクリス、私は本当に嬉しいんだから・・・だから、クリス・・・笑って?」

 

顔を近づけキスをする、いつものように、それに対してクリスも笑顔で口付けを返す

これからも、絶対一緒・・・もう、離さない・・・だって、私にはクリスが大切で何よりも大事で―

 

「私(わたし)の大切なヒカリ(陽だまり)だから・・・」

 

 

クリスを抱きしめ、少しの間静寂が世界を包んだ・・・ここには今、私たちの時間しかない・・・

でも、あんまりそうとばっかりしてもいられずに、私たちは抱き合いながら帰っていった

まるで恋人のように・・・だって、私には・・・

 

 

 

    【大切なのは、クリスしかいないから・・・】

 

 

 

――――――――――

 

 

ハッピーバースデイ、セレナ!!!

 

 

 




はい、こちらのセレナさんは、普通でいられない体質です・・・
本当は本編でいろいろ明かす予定だったんですが、誕生日が思いのほか早かったのでこちらを先に書き留めることになりました。
・・・相変わらずの不幸酔いのセレナさんです・・・ところで書いてて思ったんですが、うちのクリスさん・・・バンドリの白金燐子さんに似ちゃってますね・・・
今更気付いた、なんか似てるなと思ったらこんなだった、今更変えないけど・・・
あと、緒川さんを無能にするつもりないのに変なことしてしまった・・・どうしてこうなった・・・
というわけで、セレナさんに髪留めが付きました・・・はい、今の今まで伸ばしっぱのボサボサミドルヘアー状態だったんです、色々訳アリですけどね
クリスさんはシルバー巻き・・・ません、普通に首飾りです。
・・・いやぁ~期間にもう少し余裕もって書かないとえらいことなるな~っと思った自分でした・・・感想は自由におねします、では。

現状いまの文字数で良い? (七千~一万程

  • そのままのペースで?
  • もう少し減らして
  • 読み足りない?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。