書き足しと修正で色々時間かかったし、気付いたら予定より書く量増えるしで、まぁ書き足しは楽しくやってるから良いんですけどね?
・・・決してセレナちゃんが嫌いだからこんな事してる訳じゃないと言っておく、うん
・・・・・・もう少し強い設定に出来たと思うんだけどな・・・これな~
それでは、幻想の後で・・・
銃声と共に地に倒れる響に気付いたのは一瞬、それと同時に動き出したのは漆黒の刃だった
その鋭い刃にいち早く気付いたのは防人だった
「なぜだ! なぜ彼女を撃った! 答えろ!雪音!」
その言葉に虚ろになりながら、ふらふら立ち上がりながら答えるクリスの瞳には、セレナ以外映っていない
「え・・・お姉様の太陽は私だけ、私以外イラナイと言ってくれたのはお姉様ダヨ・・・?
例え助けてくれたとしても、太陽も、陽溜まりも、私は譲らない、お姉様の隣は、誰にも・・・譲らない!!!」
翼が機兵の攻撃を防ぎながら、彼女の激情に翼は気付くのが遅れた自分に悔いた。
彼女だけは普通であると思った、いや思いたかったのかもしれないが、しかしそんなことは絶対になかった、そう、彼女もまた精神に異常をきたしていた。
「そんな戯言を言っていたら彼女は、セレナは、助けられない! 分からないのか! 今彼女は助けを求めている、だが、この守護者が邪魔をして彼女を助けられないんだ!
そうこうしている間にも・・・彼女は・・・」
そう言っている翼に対して、クリスは更に言を弄する、まるで自分が正しいかのように、そして、それがあたかも真実かのように―
「何を言っているんですか翼さん?
今あなたが目の前で相手にしているのがお姉様ですよ?
お姉様の恐怖の体現にして、お姉様自身のギア、アガートラームの秘められた力、私を地獄から救ってくれた女神・・・それがこのお方・・・名前はお姉様が付けてくれたもので【ラルム】と呼ぶようにしています。」
そうして、と続けるようにさらに口に出すクリスはまるでそれが然も当然かのようにさらに口にした
「あのラルムこそがお姉様の力の体現! あれこそが世界の大罪を裁く断罪者!
そして、私とお姉様の愛の結晶・・・お姉様が恐怖や畏怖を覚えるほどに、彼のモノはより強くなり、絶望を得るほどに強靭になっていきます・・・そう、お姉様の受けた絶望、悪意、憎しみ恨み辛み、この世の悪意の体現者! それこそがあのアバター【ラルム】それ自身!
そしてそれはお姉様の心の体現でもあります」
そこまでいって、クリスは大きく呼吸する、それに対して口を割ったのは、響を離れに移動させて戻ってきた奏だった
「つまり、アイツを傷つければ、セレナ自身も傷がつく・・・そうじゃないのか?」
「あら、意外と聡いですね、その通りです。
ですが表層を斬ったところでお姉様は傷つきません。
あれは確かにお姉様自身ですが、お姉様が先ほど打った液体・・・こちらではLINKERと言いましたか?
あれは、お姉様様に調整された特別性、一応は私たちでも作れるようにできたもので・・・
そうですね、人によっては激薬でしかないですね」
「おい、お前! そんなものを大切な姉に使わせてるのか!
そんなので! 絆があるとか言えるのかよ!」
すると、クリスの瞳は先ほどから濡れていたのか、涙があふれていた
「私だって・・・私だってあんな力使って貰いたくなんかないですよ!
どうしてあんなものが出ているのか理解もできないですし! それに・・・それに!
あんなものがあるなら! 私がお姉様の悲しみの分まで肩代わりしてあげたいですよ!
でも、でも! そんな風にできないから! どうあっても【アレ】はお姉様にしか扱えないから!
でも、そのたびにお姉様は苦しんで、泣いて、吐いて! でもその度に私に言うんです!
「大丈夫? クリス?」って!
私なんかよりお姉様が心配なんですよ! 自分の体を心配してよ!
お姉様の心配ぐらいさせてよ! 例え本当の家族じゃなくても、陽溜まりになれなくても!
お姉様の傍にいることぐらいしか私にはできない!
そんなの・・・そんなのって・・・こんな理不尽・・・ないですよ!」
そこまで言って、あふれ出す涙が抑えきれずに嗚咽を漏らして泣き出してしまうクリス
それを見た奏は、リセは、翼は、響は覚悟を決めた
この二人を救おうと、何があっても離さないように! と
「そこまで言われちゃ・・・助けなきゃ、ですね!」
「あんた・・・大丈夫なのか?」
「あれぐらい! へいき、へっちゃらです!
それに、すごい威力が弱かったですから・・・それより」
響と奏は、リセも参戦して二人で攻撃を捌いている機兵【ラルム】を見る
「あれを止めなきゃ、セレナちゃんは助けられない・・・
だったらやる事は一つ!」
「殴ってでも! 手を繋ぐ! それで十分だろう!」
と、そこでもこの場から退いたはずの声が聞こえて来たが、奏は、翼も驚くことは無かった
何せ来るだろうと確信していたからだ
「彼女が俺を名指しで決闘相手に選んでくれたのだ・・・その約束を反故にするのは大人じゃない。
だから、決着は俺に付けさせてくれ、別世界のガングニールの装者」
それに驚いた反応をしたのは響ではなく、奏の方だった
しかしその言葉に反応を示したのはクリスの方だった
「本当に・・・真っ直ぐなんですね・・・
私には、お姉様を傷付けられません、ですが、あなた達が手を繋ぐというなら―」
そこまで言って更に一呼吸、そして、腰部の射出口を展開し、両手にはボウガン状の武器が握られていた
そして意を決する、彼女もまた、一人の少女を救うために動くと
「お姉様の絶望を! 希望に変えて見せて! 出来るんでしょ! 大人なら! あなた達なら!」
彼女の叫びを聞いた弦十郎を含めた装者計五名は、その言葉に全力で頷き返事を返した
そう、たとえ最悪の殺戮者であっても、少女を助けるのに理由は要らない
だから、響は自分のギアの出力を上げ、奏は自分の槍を大きく変容させ、何かを撃ち出そうという体制になる
その気配を察知した翼とリセは、対象の足を凍り漬けにし、一旦引き、ギアの出力を上げ始める
それと同時に弦十郎もアップを始める、構えから一呼吸、片足を浮かせ半歩進み更に一呼吸
「お前たち・・・準備は出来ているな?」
「ああ、あたしと翼が奴の行動を抑えて―」
「わたしとリセさんがセレナちゃんへの道を繋げて―」
「俺が届かせる! この手は―」
「「「「「
その言葉と共に、装者達は前へ、前へと足を進める、だが機兵【ラルム】も待っていたわけでは無い
アガートラームの小剣を複数作りだし、来たる者を弾き飛ばす弾幕を作り出していた
だがそれで屈する翼や奏ではなかった、多少なり危険は有っても、その部分を後衛で見ているリセが援護している、してくれている
響は、弦十郎は突っ込むタイミングを見計らい、クラウチングの状態で、走りこむタイミングを見計らっていた。
それを横目に、正面の【ラルム】をじっと見つめるリセはある思考をしていた
クリスの証言と彼の者の在り方が異質だと
クリスが言うには、ラルムのダメージは直接、いや正確に言うならば間接的にでもセレナのダメージになる。
しかし、シンフォギアはダメージ軽減機能は有っても、痛み分けの様な機能は無いはず
つまり、これはアガートラームの機能ではなく、彼女の持っていた呪物によるものだろうか
そこまで考え、彼女が一番大切にしているものは何かを次に考えた
彼女はクリスを第一に大切に考えていた、故に戦場から遠ざけ、自分だけ闘うように振舞っていた
それは先程戦闘中の状況を二課が記録していたから見て知っている
だが、今目の前にいる怪物は、装者を、彼女を守るように立ち、そうして迫りくる攻撃全てをいなし。
彼女の害にならないように、被弾させないように立ち回っている
そして、響が殴った時、彼女自身へのダメージは無かった・・・ここも重要かもしれない
もし、何も知らないものが【ラルム】に穴を開ければ、恐らく装者であるセレナ自身へのダメージは計り知れないだろう。
だがそうならなかった、それもその攻撃は響のモノだけではない
リセの攻撃もまた、彼女にはダメージらしきものが出ていなかった・・・
それだけならまだいい、だが弦十郎の攻撃はどうだ?
装者でもなく、ましてやただの人間だ、ただ普通の人よりも力が強い事を除けば・・・だが
そして、そこから導いた答えは―
「・・・光から・・・逃げてる・・・?」
そう言う考えに至った、と言うのも彼女が誰を太陽として見ているか分からないが、少なくともリセの方ではそうだと思った
だから響の攻撃は普通に【ラルム】を越してセレナにダメージは通らなかった
これについては、恐らく響の【繋ぐ力】がダメージ元である【呪い】に作用しているからだろう
また、同じように光へと連れ出そうとしている弦十郎にも同じような力が働いている。
どういう訳かは分からないが、恐らく彼女が畏怖するのは、立花 響と風鳴 弦十郎だというのがこれで分かったと言える
だがそれと同時に、クリスもまたその呪いの範疇外だと言える
何故そう言えたか、と言うのもクリスの放った弾丸を受けるだけ受けて、セレナ自身へのダメージが無かったのを見て取れていた
つまり、彼女を傷付けずに救出する手段は―
①対象を響or弦十郎orクリスの誰かに引き付けて貰い、隙を見て彼女を奪取する
②奪取完了後これら三人で対象の動きを封じる
ぐらいだろうか・・・そう考えると、翼や奏はセレナを連れ出すために必要な手札になる
その考えに至ったリナは一度ギアを解除し、別のギアペンダントを取り出していた
今が夜の時間帯であり、月夜で回りが明るく照らされているからこそ、このギアを扱う・・・
それは時に闇を意味し、時には番える獣と成す番獣の牙
聖遺物としては至ってはいないものであるはずが、私としてなら扱える
だから私はコレを伝承における獣【フェンリル】とは呼ばず自分に潜む悪夢【マリス】という人格を扱うと決めた
だからこれを扱うには
ただ扱うための
「だから・・・行くよ? 【
その一声でギアが展開される、しかしその行為に誰も疑問を抱いていなかった
何せここにいるものはそれを気にしている場合ではないからだ。
あるものは【ラルム】の攻撃をはじき、またある者は、飛ばされる小剣を弾き、撃ち落とし
そうして二人のための道を次々に創り出していく、道を、希望と紡ぐために
だからこそ、二人の太陽を導く影になるため、
先ほどのギアが光を指すなら、今のギアは闇そのもの、またそれに伴い性格まで変容した
「立花! 弦! 私が道を闇と紡ぐ! だから乗って! そして彼女の闇を祓って!」
「行ってくれ! ダンナァ! ガングニール!」
「お願い! 叔父様! ガングニール!」
「お姉様を、私たちのミライを! おねがい! わたしたちの新しい
「これが、俺の!「わたしの!
光だーーーーーーーーーーーー!!!!!!
《いや・・・光は・・・いや、やめて、来ないで! 逃げて! ラルムーーーー!》
弦十郎の
それは明らかな悲しみからくるものかもしれない、だけど少女はなぜか泣き叫びながら自分を苦しめたであろう躯体に叫び声を上げ、悲しみのままに泣き叫んだ
しかし、響は、弦十郎は
これは両者の救出のための拳、誰かと誰かを繋ぎ、紡ぐための陽の光
少女たちがいくら求めても届かなかったあの陽の光が、今は少女に手を伸ばしている
また裏切られるかもしれない、けどそんな事を考えられるほど目の前の太陽たちは、眩しく輝いて見えた
もし私にそんな力があれば、と嘆き苦しんだ、だがいくら悔やんだところで現実は変わらない
二人とも、ラルムを殴り飛ばしはしたが、あくまでその巨体を動かしたに過ぎなかったのだ
現に、ラルムはセレナの後ろで膝をつき俯いていた・・・動く気配もなく佇む様に・・・
そうして少女は現実を見る、先ほどまで痛かったはずの頭はすっきりになり、ぼやけていた視界はどこか鮮明になっていて・・・そして―
〈くぅ~〉
どこかやる気の抜けたそんな音があたりに響いた
誰の音か探してみると、今目の前に手を差し伸べてくれている少女のものだとすぐに分かった
そんな音に回りは微笑む、ある者は大声で笑い、ある者は顔を伏せ失笑していた。
また、そんな音を出した少女は顔を赤くして「今日お昼食べ忘れたの忘れてたー!」などと叫んで頭を抱え込み唸っていた
そんな様子に少女は毒気を抜かれ、先ほどまで苦しみながら怒っていたのが嘘かのように微笑んでいた
その少女の笑みを見た弦十郎は少女に言うことを告げた
「君も、そんな風に笑えるのだな・・・」
「え、あ・・・あの、これは・・・」
「いや、笑えるのならそれ越したことは無い
それに笑顔はいいものだ、いつでも元気になれる証なのだからな!」
そういって、倒れていた少女の手を取り、無理やりにでも立ち上がらせて来た
そうして立ち上がった少女は何処か罰が悪そうな表情をしてあたりを見回し、クリスに視線を向けた
気付いたクリスは直ぐにセレナの元に赴こうとしたが、セレナの後ろを指さし、未だに動かない躯体を気にしていた
それに気づいたセレナは、ギアを解除するように、その躯体に触れ、さよならの言葉と共に躯体がバラバラになっていくのが見て取れた
それを確認したクリスは一直線にセレナに抱き着いた、離れた分を埋めるかのように・・・
後の事を話そうとして、弦十郎に近づこうとしたとき、静かだった周囲が一気に警報音に溢れ出す
その瞬間、明かりという明かりが一斉に付き、その中にいた黒くてよく見えない人物がメガホン片手にこちらに何か言ってきていた
『二課所属風鳴司令、ただ今の時刻をもって彼女たちの身柄は我々、警官隊の方で預からせてもらう』
そんなことを言ったのはどこの誰かもわからない奴だった
第一辺りは夜に変わりもう真っ暗だというのに、車やそれ以外のライトで眩しすぎてまともに目が開けないレベルだった
警官隊といった彼らは、セレナ、及びクリスの身柄を寄越す様に言ってきていたのだ
恐らくでなくても、ここまでの事件を警察の方で一任にされ、功績は二課には入らず、警察の手柄ということで始末をつけるつもりなのだろう
だが、そんなことで黙っているほどの大人ではない弦十郎は、これに対して意見しようとしたが、先ほど口出しした人が何かの書類を取り出し弦十郎に見せていた
その逮捕状は弦十郎たちを動けなくさせるには事足りるほどの罪状の数々が書かれており、未だに国連の秘密組織である二課は手が出せなくなってしまった
しかし、この場で一人・・・いや、一匹だけは異様な雰囲気を放っていた・・・そう、リセである
「ネェ、おじさん・・・そんな邪魔なことをするために、こんなところに来たの?」
「ん? なんだ君は? 二課の装者ならこちらに関われない様にされているだろう?
君が問題を起こせば、二課は存続が危ういはずd-」
そこから先の言葉は紡がれなかった・・・何せリセはー
「残念だね~、生憎私はトッキブツ所属じゃないんでね~
それにおじさん、私たちのような女の子を皆が皆装者と考えるのは早計過ぎるよ?」
そう言ったリセは既にギアを解いていたのか、持っていた二つのペンダントを弦十郎に投げ渡し、何も持っていないことをアピール、した上で
「じゃ、私は無手だし、貴方達は武器を持っている・・・じゃ、抵抗はしていいよね?」
銃を構えている警官たちを一瞥し、少女は駆ける・・・いや、駆けていたのは猫だった
警官一人一人に猫パンチを決めるかの様に一人ずつダウンしていく
そうしてある程度倒れた後、猫は少女の姿に戻り、先ほどのおじさんに指先を額に当てこみ一言
「バァーン、なんちゃってね?」
小さな氷の粒が軽く当たり、足が崩れるおじさん
結局は訳が分からずに震えるしかなかったみたいで、他の警官隊も混乱していた
なお、元に戻ったリセは服は戻っておらず、その辺に落ちていた布切れを巻き付けているだけだった
周りを探して元の衣装に戻るのにはそうは時間は掛からなかったが、 その時間が命取りになっていた・・・お互いに。
「ねぇ・・・コレもあなた達がツれてキタの・・・?」
そう言う後ろの少女はいつの間に持ってきたのか、警官の一人を動けない状態にし刃物を突き付け更に黒いオーラを花弁から溢れ出させ、その【呪い】は捕まっている警官を苦しめ藻掻かせ、息苦しそうに暴れていた。
その光景を見た弦十郎は今すぐにやめさせようと声を掛けるが―
「だったラ・・・だったら! あなた達の事を信じさせてよ! 最悪の大人じゃない!
本当の人の優しさと言うものを見させてよ! 出来るんでしょ! あなた達なら!」
再び叫ぶ少女を見る・・・気が付けば持っているナイフが震えていて、眼もどこか焦点が合っていないような感じだった。
恐らく、体力的にも限界が近いのだろう、ギアを未だに纏っているが、恐らくギアの補助なしではもう武器も振るえない程かもしれない
それをわかっているのか、クリスはセレナの代わりに相手に銃口を突き付け、トリガーに指をかけ、待っていた、相手の出方を・・・どうするのかを・・・そうして弦十郎は口にした、もはや国の機関ではなく、一人の人間として、子供達を守る大人として―
「やれやれ、こんな子達に俺がやりたかった事を悟られるなんてな・・・自分を守り過ぎればやりたい事も出来なくなる、それで何が大人だ・・・子供の方がよっぽど立派じゃないか。
翼、奏・・・これからやるのは二課司令の弦十郎ではなく、俺個人としての戦いだ。
まぁ、それで二課がやばい事になる事は目に見えているが・・・それでも―」
「助けたいんだろ? ダンナ、あたし達も同じ意見だぜ!」
「叔父様・・・いいのですか?」
『良い訳ないですよ! 司令! 本気でやる気ですか!?』
通信機からの声にリセは耳を塞いでた
相当な大声だった為か、その声が周囲にも聞こえていたらしい・・・だが
「全部は俺が背負ってやる、だから、やらせて貰う」
『弦十郎君・・・そんなに熱血少年的な人だったかしら?」
そんな女性の声を尻目に弦十郎は前に出る、少女の信頼を得る為に国の為に、少女たちを守る為に・・・
しかしそんな中、オペレーターたちは唐突に来た伝令に驚きを隠せないでいた
『司令! 鎌倉の風鳴機関から緊急伝令です!』
「なぁ!? 鎌倉から、だとぉ!?」
『は、はい、詳細は伝書にて送るそうで・・・え、これは』
「どうかしたのかな? 二課の諸君?」
何かの通話があったという事を分かってか、だが未だに余裕を見せる団体は、その後ろから別の警官隊の合流、そしてそのおじさんに何かの書類を渡すと、驚いたように撤退の指揮をしていた
だが、それがユルセナイのも、また人間であるのだろう・・・彼女はその行動を赦さなかった
「ニゲるの? ねぇ、地獄はそっちじゃないでしょ?
ねぇ、ワタしを絶望させておいて、自分達だけ無事に生きようなんて・・・何て、甘っちょろい事考えるのか! このクズどもガァ!!!」
「や、やめろ! わたし達はもう君達を追わない! 捕まえもしない!
【あの機関】に睨まれたらわたし達も無事では無いのだ!
頼む、ここは・・・ここは見逃して―」
「ふぅ~ん、それが、あなたの最後の言葉かしら・・・
興冷めよ! アンタなんか殺した所で何にもならない! だったら豚にでも食われてなさいよ!」
そう言っては彼を蹴り飛ばす少女
ギアの補助を受けてのものだが、それでもそこまでは飛ばずに僅かに跳んだ程度だった
そうして少女は息を切らしながら言葉を出す
「ハァ・・・ハァ・・・こんな・・・だから・・・
だから・・・私は・・・私たちは、ひとを・・・信じられない、信じなく・・・なってしまった」
気を失いそうになる彼女に弦十郎は腕を回し、抱きしめる様に彼女の身体を抱いた
その体は細く、軽く、今にも砕けてしまいそうに成程で―
「セレナ君! それ以上喋らないでくれ! 今すぐ治療を―」
「お姉様! っクハ・・・えっ・・・ゴホッ!」
そうして近くに寄ってきたクリスも、まだ完治していない身体を酷使した所為か、咳と共に血を噴き出していた。
「えっ? な、何でクリスちゃんが血を吐いて!?」
ワケの分かっていない響は去っていく警官隊を見ることなく、クリスを抱え横に寝かせる様に倒れさせる
セレナも同様に横に寝かし、急ぎ急患を送ってもらえるように手配を進めていた・・・が
『司令! どのルートも先程の怪物【ラルム】によって通路が破壊されているためたどり着くためには少なくても一時間近くかかります!』
「なん・・・だとぉ! それでは彼女たちが―」
そこまで言った瞬間、二人の影が弦十郎の横に現れた
そう、緒川 慎二と凪 翔希の二人である
「話しはある程度聞いてました、公的機関で治療してもらう事でいいんですよね?」
と翔希はクリスをお姫様抱っこして、また、緒川も手にガントレットを嵌めてセレナを抱きかかえていた
二人とも気が付けばギアが外れ、クリスは患者衣に、セレナは外套がそのまま衣装になっていた
だが、車と言う公的機関を利用しない、となると、装者ではなく彼らの方が遥かに速い、と言うのも弦十郎は分かっていた、だから向かう病院に連絡を入れて、急患を入れて貰えるように話、また一応自分達も見て貰えるように伝え、それを奏たちに伝えた。
えぇーあたしたちもかよぉー、と不満そうな声で言っていたが、リセは特にひどく、相手の刃に何度か接触しているため、下手をすれば致命傷レベルの毒を貰っている可能性があったための判断だ。
そうして、駆けて行こうとした二人の姿が消える前に、セレナは一言言葉を紡いだ
「私は・・・殺すのをやめないと思う・・・それでも、良いと言うの?」
弦十郎は頭を少し搔き、提案するように言い放った
「もし、君が人を殺そうというならそこには必ず理由がある、先程まで君たちと戦っていてそれがはっきりとわかったからな・・・
だから、もしそんな事に成ったら、まずは君達と相手方、双方の意見をはっきり見定めて止める様に務めさせて貰おう、ま、それぐらいしかできないのが痛いが・・・な」
その提案に対してセレナは―
「ふふっ、本当に甘いですね・・・人なんてそんなに良く出来たものじゃないですよ?
意見は言い合えます、対立だってあるでしょうね・・・でも互いが正義を握る以上、どっちも譲れない事も多いでしょう・・・
だけど、私たちが受けてきたものは、そんな譲り合いのある世界じゃなかった・・・
だから・・・ころ・・・げほっけほっ」
「無茶をするな、ゆっくり休んでから後で話を聞く・・・
それに、先程、君達を保護するように指令が出た・・・まぁ、お偉方の方からなんだがな・・・
あぁ、話すのは後で良い、今は、ゆっくりと体を休めておいてくれ」
ありがと、少女のそんな言葉を皮切りに緒川と凪は駆けだした
「さて、俺達も病院を目指していくか、下手すると彼女の盛った毒でしばらく動けなくなるかもしれないからな」
「ダンナァ・・・それ冗談じゃないからやめてくれよ・・・」
そんな弦十郎の言葉を冷めた目で見ている奏、翼も心配するように声を出してはいたが、今は―
「そういえば、あなた、名前を聞いてなかったけど―」
「あ、自己紹介遅れました! 立花 響って言います
えと、ツヴァイウィングの風鳴翼さんと、天羽奏さんですよね!
良かった、こっちでも生きていてくれて」
「ちょ! 響!! それは言っちゃいけないヤツ!」
そう言って響の口を塞ぐ白猫、今はみんな安心してギアを解除し、歩きながら雑談していた
弦十郎は今後の事を考えながら、少し悩んでいたが・・・
彼女たちも居れば何とかなるだろう、と楽観的にも思っていた・・・そう、希望に成れればいい、そんなことを思いながら―
―――――――――――――――――
「そう、それでいいんだ、弦十郎、そうして、彼女を引き上げてくれ・・・
力を、恨みを、憎しみとともに呪いは出来ていく。
彼らも知らぬ間に、呪いの少女は原罪を超えて昇華する・・・天に、神に・・・」
どことも分からぬビルの上、現場を見ていたであろう灰色のローブを顔まで隠れるように被り、まるで不審者丸出しの人物は、さらに言出していく
「我々転移者、および転生者を諸々砕けるのは原罪をすべて背負いし姫君のみ。
セレナ・カデンツァヴナ・イヴ、君こそ我らの先導主に相応しい
さぁ、彼女を早く王座に・・・? 痣嶺? 何をしている?」
その男(?)の後ろで当の闇医者はカチャカチャと探りを入れていた
そうして、ピッと音が鳴り、その場から逃げるように駆け出していた
「いやー同じ転移者としてはやっぱり君はいただけないねぇ~、それにね、君は現存するにも弱すぎんの。
んじゃ、現世でもっかい人生やり直してきてね~」
「なっ! 痣嶺!! 我々を裏切るのか!」
そんな言葉に悝嶺は事外に告げる、右手の人差し指を唇に添えて、悪事を働くかのように彼女は口を開いた
「裏切る? そもそも私たちは組織ですらない、故に裏切りでも何でもない訳だ。
こんな世界でも、結局は争いが好きな人種の闘争ばかり、さすがに疲れちゃうよね~
だから私は翔季くんたちの所につくことにするよ、そっちのほうがおもしろいしね~
それじゃ、どっかで生きてたら会いましょうか、名前もない転移者?
クフフっ、あははははぁ~・・・あ~あ、つまんな」
屋上の部分は丸々消し飛ばし、痣嶺は吹き抜けた天井を見てそんなことを詰まらなさげに見て、胸ポケットに入っている煙草を取り出し―
「うん? あ、そーいやライターのガス切れてたか・・・
あーあ、こんなんだったらセレナちゃんにあんな着火装置渡すんじゃなかった~
あれすごい便利なのにな~・・・また作ればいっか」
事も無げに吹き飛んだ天井の端に座り込む、そうしてタバコから煙を飛ばす、先ほど火も付けられていなかったタバコから・・・だ
「ま、でも、貴女には期待しているわよ? セレナちゃん・・・
だって、貴女は―」
―――――フィーネを潰す駒だから―――――
そういった闇医者は何を狂ったのかそのまま前に飛び出し落下
普通であれば、そんなことをすれば常人であれば無事では済まないだろう・・・
だが、彼女は転移者、力がない筈がなく、空中を蹴って帰路へついた
次に彼女が目覚め、新たな絶望を呼び起こしてくれる事を願いながら・・・
・・・そろそろ感想欲しい次第です、はい、関係ない事言ってすんません。
でも、自分で書いてて思ったのは、これ感想書きづらいなって率直に思っているから・・・まぁ、少しづつでもやっていきますかね?
それじゃ、また次回で―
現状いまの文字数で良い? (七千~一万程
-
そのままのペースで?
-
もう少し減らして
-
読み足りない?