悝嶺さん達の方も話したいけど、彼女たちはロクに出ることありませんからね~
今回は短めです、すいません
では―
私達があの医者から逃げ出したのは決して信頼が無かったからではない・・・とだけは言っておく
だけど・・・それでもし、もし私達がアイツらに捕まって本来の事も成せずに生涯を終えることになるとしたら・・・そうなる可能性の方が高いに決まっていた
大体だ、こんな殺人者を手懐けようなんて政府も可笑しな事をするもんだ。
ただ、私がアイツ・・・ここでは【対象X】と呼称しよう
私が一番殺したいのは確かにフィーネだ、だがそれと同時に自分達を絶望を増やした相手には相応の罰(殺戮)を与えねば気が済まないのは事実だ。
故に彼女、悝嶺の掲示した事に敢えて乗っかる事にした
書かれていた事を要約するとこうだ。
・対象の殺害、及び身柄の引き渡しに成功した際の給金を予定の倍額以上を引き渡す
・身の安全、及び、生活の保護を受けられるように、身元の詐称、並びに一定の管理下に置かれるものとする
・また、上記行動以外のモノは制限をしないものとする(ただし、勝手な振る舞いでの武器の使用は禁ずる)
・・・簡単に書いたものでこんな所、詰まる所危ないものには蓋をしようとかそんな話だ
ただ、それとは別の用紙には、【対象X】に連なる事が書かれていて、場所や牢屋の位置までも事細かに描かれていた、そしてその文の終わりには
「もし大人を信用できないのなら、弦十郎と戦ってみるといい
あの大人程実直な奴もいないからな」
確かそんな風に書かれていたはずだ―
だから私は行動に移すことにした・・・夢に見た和解の光景は、私にとっては毒の様なものだ
だが・・・それを信じたい、信じて・・・裏切られたくはない・・・だから私は刃を振るう、握るこの手は、何処かへ続く道を、その壁を打ち砕くための拳だから
だから・・・だからこそ、私は弦十郎と相対することにした、信じる者の為に、信じさせて貰う為に。
もし・・・もしこんな程度で負ける大人ならば、私はもう大人を信じないだろう
だから、戦う前に邪魔なエージェント? と呼ばれる人たちを準備運動がてら圧倒しておいた
だってあれだけ邪魔そうな人たちが居たら、いつ何をされるか分かったものじゃないし、それにシンフォギアだって完璧に銃弾とかを防げる代物じゃない、それだって日本に来る前に学んでいた。
・・・そんな思いでは本当は吐き捨てたいのだけどね
そうしてやって来た・・・弦十郎との決戦・・・の筈なのだけど、ここで邪魔が入った
事前連絡で誰が来るかは知ってはいたけど、戦う前に来るのは想定外だった・・・だって、彼女たちは私の様に穢れていなかったから
だから、私なんかの相手をしていていいのかと思った、だって彼女たちの相手は、痣嶺の所で言ったように、【ノイズ】が相手なのだから・・・
それが私なんかの大罪者の相手なんか、同じ子供である彼女たちの相手は少し痛かった・・・が
結局は大人の思惑でやらされているとか思っていた・・・けど、彼女たちは民を守る為に行動していた・・・自分たちの意思で、行動していた
それがどうしようもなく羨ましくて・・・だけど、何処か可笑しくて・・・笑えて、狂えて。
だってそうでしょ? 私の様な罪人相手に歌姫がやって来るなんて、可笑しくて本当に笑えるもの。
だけど、彼女達は歌って戦った・・・そんな隙だらけの戦い方が無駄だと知らないまま・・・
だから私は教えてあげた、人の神経をすり減らすように、毒と言う毒を浴びせてあげた、嘲笑ってあげた・・・無駄だと、意味は無いと・・・
でもそれは同時に自分に対して言った言葉でもあった・・・私の行動に意味はあるのか・・・と
詭弁だなと、私は私に思った・・・その通りだなと、コワレタ思考はソレを了承し、コワした。
二人はもっと戦える人かと思ったのだけど、私の状態を見て怖気付いたのか、武器を振るう手を緩めて話し合おうとでもしていたのか、攻撃は遅かった
だから私は特に傷を負うことなく、弦十郎に相対することが出来る・・・それは良いのだけれど、彼女たちに与えた毒は痣嶺特製の麻痺毒だ
実際、私も毒などの調合などを行う事はよくある、大体は人間用だが、動物用のきつめの奴もあったりはする
今回持ってきたのも、その【動物用】だ、かなり強い奴だから、下手をすれば心肺停止するレベルのものだが、彼女たちは意にも介さなかった
恐らくはこの【ギアシステム】による治癒効果だろう・・・私もそれを実感していたから、なるほどなと感じた
ただ一つ意外なのを上げるとすればやはり片翼の青い方が怒ったのは意外だった
私達も倉庫や廃屋住まいの事は多かったから、片付けて住みやすくするのは当然の事だったから、それほど気にも留めなかったが、それが彼女にとっては死活問題らしい?
まぁ、そんな彼女の怒りに任せた刃なんて当たってあげる程私も弱くはない、実際問題、二体一でもなければギア無しでも十二分に倒せる・・・と言うより一分も持たないと思う相手だった
でもギアの準備運動が必要だったから、ある意味では、彼女たちの相手は正解だったかもしれない・・・まぁ、時間が経てば毒も抜けて動けるでしょうけどね。
だから私は、悝嶺の言う、本当のOTONAと言う存在を相手取る事にした・・・そう、もし、もし私達より強いというのならば・・・今までの大人なんか餓鬼も同然だったという事にもなる
だから私達にその信念を教えて欲しい・・・自分も、こんな罪人を信じられる大人であるその
だから・・・だから・・・
どうか、信じさせて、ただ一縷の望みを・・・人と言う希望を・・・絶望で彩られた私たちに見せて―
・・・そうしてその希望を、決して手放さないでいて・・・誰かの為に・・・私達を・・・信じさせて欲しい、大人の夢を・・・子供に見せるあなたたちの夢を・・・
だからこそ・・・私は・・・
絶望と希望、その采配を・・・天秤に掛けながら・・・私は駆ける、自分の信念の為に―
いつかフィーネをこの手で砕くために!
そうして彼は私に思い切りぶつかってくれた、ナイフに斬られないように立ち振る舞いながら時には発頸で辺りを吹き飛ばし震脚で地面を穿ち、地面を隆起させ盾にしたりして私に抵抗してきた。
当然、そんな簡単に落ちる様じゃつまらない、だからこそ、私は彼の力を引き出せるように、災厄であり最悪の私の力、すべてを見せる様に・・・
ただ、食事をそれ程摂れている訳では無いから、本当の全力なんていつやったか覚えがないほど昔だった気がする。
そんな思いを巡らせつつも、全力で弦十郎に相対する
時には彼の力を受け流し、風に乗り、勢いを使い、時折アガートラームの力を変容させてぶつける
だが、そこで私が隙を作ってしまった、いつもならしないミス、そこで弦十郎に捕まり投げられた
正直とんでもなく痛かった、血も吐いたし、どんだけ遠慮要らずなんだとも思ったが、そもそも私も遠慮せずにエージェント達諸共ぶっ飛ばしてるから何も言えないけれどね
そこからはあやふやな記憶だった・・・とはいえ、戦っていた記憶はある
アガートラームが私を取り込み、別の形態を取り、主を守るように、そして願いを助ける為にギアが勝手に力を行使した、と言えばそうなのだろうけど・・・ただ、こうなるには理由があった。
そもそもの話、ギアを装着、及び強化するのは装者自身の気持ちの問題とフォニックゲインの増減によって力量が大幅に変化する。
ただ、私があの時行使したのは、そのどちらでもなく、まるで他の意思が誰かを守るように自分勝手に力を行使した感じだ。
以前にも【コレ】を行使したことが有った、ただ、その時もクリスがどうなっていたのかを教えてくれていたから分かったけど、今回は私の意識は残っていたけど、それでも戦う意思を無くしたわけでは無かったから、【ラルム】自身に戦わせることを優先にした
ただ、いきなり山まで焼き払うかのようなレーザーを放った時やばいなと思ったけど、それ自体はもう私の意思では制御できないから、見ているしか無かった・・・本当に弱いのは、私自身ね・・・いやになる。
そうして、戦う相手が変わった、それでも私のやる事は変わらなかった・・・いや、変えられなかった。
そもそも、この戦闘機能自体が不完全なのか、私自身の欠陥のせいか・・・おそらく後者だと思うが、私で私を制御できないムシャクシャした感情と、やってしまおうと言う、破壊衝動に似た感情のごちゃ混ぜたような感じに内心吐き気を覚え、ただ表層は苦虫を噛み潰したような表情をするだけ・・・もはや感覚も感情もバラバラな体の状態を、人は果たして正常であると言えるだろうか?
そんななか、私の行動に危険を感じたのか、今度は凍り漬けにしてきていた相手は、こっちが動きを止めている間に力を練り上げ氷塊をぶつけ凍て付かされた。
だけど、そんな氷度も私達には寒くも何も感じなかった・・・気温を感じられなくなっていたのかもしれない、それともギアの所為?
よくは分からない状態であったが、それでも動こうとする表面上の私は、腕に溜めていたエネルギーを扱い、氷を溶かし掻っ捌いていく、それでも相手は驚きつつも戦闘を続行して来ていた
しかし、その時見ていなかったところから、弾丸の様な拳が飛んできて、一瞬意識が蘇る、懐かしいヒカリに照らされて、昔の自分を見るかのような、そんなヒカリ。
だけど、いや、だからこそ拒絶した、信じたくなかった、この世界にはヒカリが存在しない、それらは全て影の闇に落ちて消えるものだと思っていたから。
だから、彼女の登場に、私は・・・セレナは希望を抱こうともした、だがそれと同時に叩き潰そうとも判断した、だがその相反する心が余計に苦しめる結果になった
連携により外装を破壊され、だけど太陽は眩しくて・・・妬ましくて・・・
だからぶん殴ってやった、眩しすぎるから、イタすぎるから・・・
そうして【ラルム】から離れた私は、この相反する思考に揺らいだ影響で、【呪い】による浸食を受け痛みに反して、守護者【ラルム】が強くなっていくという悪循環を作り出していた。
だけど、そんな中でも助けだそうと必死に、だけど暖かい太陽がその拳を広げ、舞い戻って来ていた、その光景が妬ましくて、羨ましくて、悲しくて、だけどどこか嬉しくて・・・
だからこそ思った、今度こそ私を助け出してほしいと・・・裏切らないで欲しいと・・・そう強く願った。
そんな中でも、【ラルム】は冷静に相手に対処していった、私はもう、何も出来ない・・・いや、ちがう・・・何も、する気を失っていた
弦十郎まで現れて、皆で【ラルム】に対処していた、善戦は、していたとは思う、だけど視界も朧気で状況がつかめなかった
最後には力押しに負けて吹き飛ばされていた・・・と思う、ただ、すぐ後ろに【ラルム】が居たのになぜか安心している自分がいた
彼なら、彼等なら、多分信じられる・・・わたし達を壊した世界を塗り替えてくれる、と信じた・・・信じようと・・・した、けど
そんな意思をあざ笑うように【ヤツラ】は来た、わたし達を追って・・・自分達の贄にするために【ヤツラ】は来た
国としては当然のやり方なのだろうけど、最悪だった、私の最高の気分を害されたの だから・・・
だけど、そんな中でも私達を自由にしようと動いてくれる人たちは居た・・・馬鹿なことをする人達・・・でも、そんな人達の事を【希望】と呼んだ自分は、やはり、【絶望】しか受け入れてはくれないのだろう。
そう思っていた、だからこいつらの内誰かでも殺そう、身体はもう限界ギリギリだったし、正直ギアのナイフでもかなり重かった・・・けど、【あの人たち】は私を止めようともした、けれど決して諦めてはいなかった、私達の世界を変える事を、こんな罪人でも受け入れてくれる世界を作り出そうと・・・頑張っていた。
その最中、弦十郎とアチラ側にそれぞれ一報入って来たみたいで、その様子に愕然として逃げていくヤツら
だけど、逃がしたくない、私達に絶望を与えていくヤツラを・・・だから振り絞ってヤツを斬る為に飛び出し、掴んだ・・・ただ、もうこれ以上に力が出ない・・・そしてこいつの最後の言い訳を聞いたが、結局利益しか考えて無い奴らなんてこんなものかと吐き捨て蹴り飛ばした・・・ただ、いつも以上に力が弱まってしまったから、そんな飛ばなかったけど・・・まぁ、それは良い・・・
今は、ゆっくりと休もう、弦十郎たちとも今後色々話す必要がある・・・
そう、今だけは・・・そう、思いたかった・・・
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side by クリス
お姉様と一緒に入院する事に成ったけど、問題は山積みなのは分かり切っていた
事実孤児同然の私達を受け入れてくれる病院なんて早々ある訳がない・・・いや、有ったとして普通でいられるのかな?
でも、それ以上に心配だったのは―
「緒川さん・・・お姉様のペンダントは・・・持っていかないで下さい・・・お願い・・・ですから」
私が病院に向かう前に二課の重要そうな彼に念を押して話だけはしておいた・・・詳しい事は言えないけれど、【アレ】だけはお姉様の・・・命に関わるから・・・
それから、気が付けば、私たちは同じ病室で・・・いえ、何か譲歩されたのか、ベッドを横付けされている状態でお姉様の隣で眠っていたらしい。
隣で安らかに眠っているお姉様の横顔は昔に比べれば大分と良くなっているのを見て私は焦っていた感情を抑えて、今は落ち着いてお姉様の寝顔をじっくり見つめることにした―
・・・まさか、【あの悪夢】を見ているとは思わなかったから―
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深淵なる悪夢は続く――――
すいませんが、次回、少し愉悦(で良いのか?)します
苦手な方は飛ばしても構いません・・・残酷な描写有って書いてあるし、良いよね?
2021/9月14日 段落とかあざみねさんの名字変更色々やったよ・・・
現状いまの文字数で良い? (七千~一万程
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そのままのペースで?
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もう少し減らして
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読み足りない?