仮面ライダージオウwithG電王 作:仮面ライダー5号
遥か未来には時間の運行を取り締まる組織、時間警察と言うものがある。彼らは一度、より多くの時間犯罪を取り締まる為に同じく時の運行を護る電王を基に、G電王を作りそれを量産しようと考えていた。しかし、そのサポートとして人工的にイヴと呼ばれるイマジンを作り上げたまでは良かったが、結果は余りにも融通が効かずに暴走、その際の罪人であった仮面ライダーディエンドこと海東大樹とその時代の電王に倒され、この計画は凍結した。しかし、諦め切れなかった時間警察職員達が上層部にダメ元で頼み込むことにした。
「良いだろう。もう一度、チャンスをやる」
しかし、考えとは裏腹に帰ってきたのは肯定の言葉。いくら時間警察と言えど、仮面ライダーが居なければイマジン達に対応しきれない事もある。それに何より海東の様に時間犯罪を犯す仮面ライダーが今後現れないとも言い切れない。そんな時の切り札としてやはりG電王は必要だったのだ。しかし、もう一度イヴを作った所で二の舞になるだけだろう。その結果、新たなる人工イマジンが作られることになった。アダムと名付けられたその人工イマジンは、イヴの時の反省を活かしまず感情と融通を教えアカシックレコードと共に自己学習型のAIをインプットさせることにした。また、イマジンは契約しなければ実体化出来ないのを利用し、時の運行を護る事を契約内容としてベルトを介してG電王として実体化させる事で変身者が不要に。その他にもいくつもの改良を加え、遂に新しいG電王が完成したのだった。
「遂に完成した様だな?では、早速任務を言い与えよう」
見計った様に現れた上層部の1人に、アダム改めG電王はコクリと頷いた。言い渡された任務の内容は1人の人間の護衛。任務を果たす為、彼に渡された必ず必要となるらしいアイテムと共にG電王は過去へと飛んだ。
*
その日、1人の選手生命が断たれようとしていた。小雪の中、彼は屋外に設置されているバスケットゴールを使い、練習に励んでいた。この寒い中、防寒用のウェアを着てまで練習している所からは如何に彼がバスケと言うスポーツに真摯に取り組んでいるのかが窺い知れる。当然ながら、放ったボールが全てゴールに入るなんて事はなくリングに当たり、道路の方へと弾かれてしまう。本来ならば、安全を確認してから取りに行くのだが、先程も同じ様に弾かれた時に車が来なかった事、そしてボールが止まった所が歩道に近かったこともあり彼は禄に確認もせず道路に歩を進めてしまい事故は起きた。
「決めたよ。君に」
否、起きるはずだった。いつまで経ってもこない衝撃に恐る恐る目を開けると、彼の目に映ったのはビデオの停止ボタンでも押したかの様に走ったままで停止している車。辺りを見渡せば、対向車線の車も同じように停止している。そんな中で、1人の中性的な見た目の少年がボールを持ったまま話しかけてきた。少年が言うには自身はここで車に撥ねられてしまうのだが、少年と契約すればそれを回避出来るらしい。到底理解の及ばない事ではあるが、目の前で止まっている車も少年が止めているらしくいつでも動き出させる事ができると言う。つまり、契約するか死ぬかと言う事なのだろう。運良く生き延びたとしても寝たっきりの可能性もある。
「分かった……契約する」
彼は、低い可能性に賭けて軽傷を願うより確実なる助けを選んだ。少年は満足げに頷くと、止まった車を吹き飛ばし、近くの車に衝突する一歩手前で止め、手に持っていた懐中時計のようなものに不気味な顔の様なものが浮かび上がったのを確認して彼に押し付けた。
「今日から君が、仮面ライダービルドだ」
『ビルドォ』
押し付けられた懐中時計の様なもの───アナザービルドウォッチは信じ難いことに彼の体内に入り込み、彼の意識は途切れた。
「よしよし、次は彼だね」
そう呟いて、少年はアナザービルドを止めて先ほどギリギリの所で車を止めた───詰まる所事故一歩手前の状況になっている車───へと歩いて行き、その運転手だけを動かした。
「え?え?」
「突然で悪いんだけど、見て分かる通りこれから事故が起きちゃうんだよね。君の車とその横の車でさ」
気がつけば真横に車が迫っている事になっている運転手は当然驚くも、何故そうなったのかが分からないため疑問符を浮かべるばかりだった。そんな彼に、少年はアナザービルドを指差して彼が助かる為に君は不幸にもその犠牲になったのだと説明する。ほぼ理解不能であったが、唯一自分はこれから下手すれば死ぬ事だけは理解出来た運転手の顔が絶望に染まる。そんな彼に、少年は先ほどと同じ様に契約を持ちかけた。当然生きる為に契約をすると答える運転手に、少年は先程とは別の顔が浮かび上がった懐中時計を押しつけた。
「主役には、やっぱり相棒がいるものだよね。今日から君が、仮面ライダークローズだ」
『クロォズ』
*
紆余曲折の末、仮面ライダージオウへと変身し襲いかかって来たアナザービルドを倒した常盤ソウゴは、明光院ゲイツが変身した仮面ライダーゲイツゴーストアーマーにお前の道を終わらせると宣言され、碌な抵抗もできないままやられかけていた。
「今のお前に恨みは無いが、未来の為だ。お前には消えてもらう」
『それは許可できないな』
止めへと入ろうとした時に、不意に聞こえた声。それが聞こえると同時に、ジオウを守る様に彼の前に現れたもう1人の仮面ライダー。護衛の命を受けて過去へとやって来たG電王が、ゲイツに警告を発する。
「お前がしようとしていることは時間犯罪に値する」
「時間犯罪だと?何を言っている!」
「私は時間警察所属、ジャーマンシェパード型人工イマジン、アダム。明光院ゲイツ、過去の人間に干渉し未来を変えることは犯罪だ。今手を引くなら厳重注意で済むが」
「ふざけるな!時間警察だかなんだか知らないが、邪魔をするならお前から倒させてもらう!!」
『フィニッシュターイム!ゴースト!』
先程中断した止めを今度こそ放つ為に、ロックを解除しドライバーを回転させる。
『オメガ!ターイムバースト!』
跳躍し、召喚したパーカーゴーストをエネルギーとして右足に収束させ蹴りを放つ。背後で焦るジオウを他所に、G電王は余裕そうだった。そして、ある程度距離が詰まった所でゆっくりと手を伸ばしそれを受け止めようとした時、G電王がバリアを展開するよりも早く割り込む様に入り込んで来た物体があった。
「ツクヨミ!?」
「ジオウ、それにアダムだったわね。貴方たちは逃げなさい」
「なるほど、タイムマジーンか。協力感謝する」
割り込んで来た物体、タイムマジーンに弾き飛ばされ操っている人物に驚愕の声を上げるゲイツ。タイムマジーンを操っているツクヨミの言葉を聞き、礼を言うG電王に連れられてジオウはその場から離脱する。
「腕についてるそれを使え。バイクになる」
「え、これが?」
「そうだ。私も後で合流する。先に行け」
アカシックレコードがインプットされている為、全てを知っているG電王の助言を受けてバイクライドウォッチを作動させ変形したライドストライカーに跨り、ジオウは逃走を開始した。G電王もチラリとゲイツ達を見た後、ジオウを追うわけでもなくその場から立ち去っていった。
*
「どうやら、いくつもの時間犯罪が起こっている様だな」
「あ、アダム。聞いてたの?」
「まあな」
ウォズと名乗る謎の人物との会話を終えて、アナザービルドと戦っているらしいゲイツに助け立ちする為にクジゴジ堂から出てきたソウゴを待っていたかの様にG電王はそこに居た。
「アダムも一緒に来てよ。ゲイツがやられちゃうかも知れないんだ」
「それは出来ないな」
「な、なんで!?」
ソウゴの問いに答える様に、G電王は後方を指差した。ソウゴが釣られる様にして指の先を見ると、アナザービルドとは違う別のアナザーライダー───アナザークローズが何かを求める様に彷徨っているのが見えた。
「あれって……」
「ああ、あれはアナザークローズだね。我が魔王」
「うわ!ウォズ、いつの間に」
「あいつはさっきからずっと彷徨ってばかりだ。誰かを襲うなんてことはしてないが……何かを探しているのか?」
「それは分からないが、ああそう言えばお礼がまだだったね。アダム君、我が魔王の窮地を救ってくれた事、感謝するよ」
「それが私の任務なのでな。さて、あいつは私が引き受けよう。理解できんが、あの仮面ライダーを助けに行くのだろう」
デンガッシャーをガンモードに組み立て発砲。攻撃を受けたと理解したアナザークローズが自身を捉えたのを確認し、その場から離れていった。ソウゴが別の方へと走って行ったのを見送ってから、G電王はアナザークローズと対峙する。
「私では倒せんからな。時間稼ぎしかできんか」
当然アナザーライダーの特性も知っているG電王は、いくら追い詰めても完全に倒し切る事ができないと理解している。先読みを駆使して一切の反撃を許さずにアナザークローズを追い詰めて行く。いくつか特殊な技でもあるのか独特の動作をしようとするも、的確に急所を打ち抜けれ発動する前に中断させられる。
「ん?」
しかし、そこアナザークローズの足から地面に向けてエネルギーが流れ込んでいる事に気付いた。所で、話は変わるがG電王の先読みは驚異的なものではあるが未来を見ているわけではない。だからこそ───
「な!?」
死角からの攻撃や奇襲には対処できないのである。地面を打ち破る様にして現れた黒いエネルギー体のドラゴンに打ち上げられ、それを追う様にして跳躍したアナザークローズの重い一撃を受けてしまう。正面にバリアを張ることで追撃こそ防いだが、アナザークローズ以外にも黒いエネルギー体のドラゴン───アナザークローズドラゴン・ブレイズ───も相手取らなければならず、しかもG電王には決定打と言えるものがない。結構窮地と言える場面であった。
「一体どこまで本来のクローズに似た力が使えるのか……」
本来のクローズの能力は全て把握している。今でも十分厄介だが、もし強化形態にもなれるのだとしたら、G電王としては撤退を視野に入れるしかなかった。動きを制限する為に、デンガッシャーガンモードによる牽制はしているものの、全てアナザークローズドラゴン・ブレイズに防がれている。しかも、アナザークローズドラゴン・ブレイズが突っ込んでくる度に迎撃の手段のないG電王は避けるしかなく、その隙を突かれてアナザークローズの一撃を貰ってしまう。こうなった以上しかないと、G電王は絶対に追って来れないだろう過去へと飛ぶことにした。
*
「グッ!」
「アダム!大丈夫?」
「お前はさっきの!」
G電王が飛んだのは、2人のアナザーライダーが生まれたであろう2017年。その場所には、ジオウやゲイツ、アナザービルドが揃っていた。ついでに言えば、もう変身出来ないだろうが本来のビルドとクローズの変身者もそこにいた。そこで、G電王はジオウの持つ2つのウォッチに気付く。ジオウが持っていたのは、ビルドとクローズの力を宿したライドウォッチ。アカシックレコードのお陰で、アナザーライダーに最も効果的なのは同じライダーの力であると知っているG電王はジオウへと声をかける。
「そのウォッチを使え。お前と、そこの仮面ライダーでな」
「あ、やっぱりコレ使えば良いのか。俺もそんな気がしてたんだよね。うーん……こっちの方が俺に会ってる気がする。ゲイツ!」
一瞬悩む様に2つのウォッチを見たものの、すぐさま直感的に自分と合わないと感じたビルドライドウォッチをゲイツへと投げ渡す。ゲイツは、アナザービルドを相手取りながらもそれを受け取り、流れる様に起動させドライバーへと装着した。
「ジオウの言いなりになるのは癪だが、今はこいつを倒すのが先か」
『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!!アーマータイム!ベストマッチ!ビルド!!』
解放された力が鎧となってゲイツを包む。顔の文字が『らいだー』から『びるど』へと変化し、新たにビルドアーマーとなったゲイツは瞬く間にアナザービルドを追い詰めて行った。その横で、ゲイツが行なった様にクローズライドウォッチをドライバーへと装着したジオウはロックを外し回転させた。
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!!アーマータイム!ウェイクアップバーニング!クローズ!!」
「なんかいける気がする!」
顔の『ライダー』が『クローズ』へと変わり、クローズの力をクローズアーマーとして纏ったジオウもアーマーを纏った際に現れた武装───ビートクローザーZを構えてアナザービルドへと攻撃を開始する。そもそもゲイツにすら手も足も出なかったにも関わらず、そこにジオウまで加勢したとあってはまともな反撃もできないままアナザービルドは蹴られ地面を転がる。しかし、運悪くそこにこの時代のアナザークローズが現れてしまった。
「あいつさっきの!」
「別のアナザーライダーだと!?」
「まさか……」
驚く2人を他所に、アナザーライダー達は感動の再会とでも言わんばかりに抱擁し、それと同時にアナザービルドが持っていたボトルにアナザークローズが吸収された。怪しい行動に身構えるジオウとゲイツ。アカシックレコードにより本来のビルドとクローズが融合したフォームがある事を知っているG電王はデンガッシャーを構えるも、引き金が引くよりも先にアナザービルドはそのボトルを呑み込んだ。
「ビルド……クローズ……ベストマッチ……」
アナザービルドのその呟きと共に、変化は訪れた。身体の至る所から蒸気が吹き出し、それが煙の代わりとなりジオウ達の視界を覆う。そして、それが晴れた時アナザービルドは別の姿へと変貌していた。
『クロォズビルドォ』
この作品は、同じ作品のライダーであれば同名ライダー程ではなくとも効果があり完全な撃破も可能となっております。ポケモンでいう所の4倍弱点と2倍弱点みたいなものです。オリジナルアナザーライダーとかの能力、後書きで書いたほうがいいですかね?