要約:切嗣「そんなのってないよ」
pixivからの転載

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【Fate×twst】この度、学園長の養子シェロ・クロウリーが入学の運びとなりました

 闇の鏡の手入れをしていたときだった。闇の鏡が、ひとりの子どもを放り出したのは。

「わっ、なんですか」

 思わず尻餅を搗いた。放り出された子どもの体は小さい。思わず受け止めた彼を検分していると、腕の中の子ども――赤毛が鮮やかだ――はどうやら少年らしいということはわかった。消毒薬の匂いがしたし、着ていた服は見慣れないが恐らく入院着。自身を下敷きにした少年は、赤銅色の真ん丸い双眸で自身を見下ろした。

「ここ、どこ? あんたは誰?」

「後半はこちらがお訊きしたいところですねぇ……とりあえず退いてもらえます?」

 素直に退いた少年を見て、自身はただならぬものを感じた。この少年の中には何かがある。この少年の身には余りある、大きな恵みをもたらすものが。しかし、それは簡単には表に出て来そうになかった。

 その他の経緯を省略すると、どうやら異世界からやって来て――入院中のトイレの鏡に吸い込まれたらしい。災難だ――且つ鏡から「帰る場所がわからない」という回答を得られた結果、帰す方法もわからず。

「じゃあ私の養子になります?」

 帰す方法を探すのが面倒になった自身は、短絡的な手段に出たのだった。

 

 それが今から10年ほど前のことだ。

「シェロ、用意はできていますね」

「十分だよ、義父さん」

 闇の鏡の審査は10年前に済んでいた。黒い馬車の迎えは来た。とは言ってもクロウリー家とNRCは目の鼻の先なのだが、そこは様式美である。棺桶に収められる我が息子を見送りながら、しみじみとする。しかし述懐している暇はない。自身もこのあとの寮の選別式に出なければならないのだ。

 しかし、と自身は想いを馳せる。

 この10年、我が子、シェロ――シロウという名らしいが発音しづらいのでシェロと呼んでいる――は誠、家事に関して器用な少年だった。独身の自身の食卓事情を大幅に改善してくれたのはシェロだ。いつかは自身も独り立ちするのだから、と家事に関しては仕込まれたが、まだまだ自信はない。最悪食堂で食事を摂れば良いが、掃除洗濯などに関しては自信がない。魔法にも限度があるし……と悩んでいる自身を置いてシェロは家事の説明書を残してさっさと去ってしまった。さすが養子とはいえ我が子だ。ドライである。

 それにしても、結局、この約10年でもわからなかった。シェロの中にある「大きな存在」のことは。ただ、治癒魔法をかけるとそれがごく些細なものでもとてもよく効くということだけはわかっている。恐らくそれに纏わるものなのだろうが、それ以上はわからない。

 まぁ、きっとNRCにいる間にもう少し詳しいことがわかるだろう。むしろわかってくれ。そう願いながら自身は学園へと向かった。

 

 そこで人魚上がりの男子生徒が一悶着を起こしたり、シェロがまさかのイグニハイドに所属することになったりと、中々の波乱の寮選別式になったことだけはここに述べていく。

 

 

「ほう、あのシェロとかいう男子生徒はディアソムニアに来るかと思ったんじゃがのう……得体の知れない大きなモノを抱えている。ましてや学園長の子どもとなればウチに来るかと思ったんじゃがのう」

「来なかったものは仕方ない」

 

 

 

 

 

End.

 

 

 

シェロ・クロウリー(士郎)

・切嗣に救出されたのち、入院中にトイレの鏡から闇の鏡へinしてしまった

・アヴァロンを埋め込まれたままなので魔法に長けた生徒からほど「得体の知れない奴」と思われる

・「勤勉」の精神が買われてイグニハイドに行くことになった(本音としてはハーツラビュルに行って欲しかった 書き手が)

 

学園長

・迷い込んだ子どもを養子にしてあげるとか、私な~んて優しいんでしょう!

 

 


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