「うう、呑みすぎたかも。頭痛い…」
「お前は呑気に寝てて幸せ者だなぁ、私は酷い目にあったんだぜ。夜中に上からコイツらが落ちてきて、死ぬかと思ったぜ。」
「あらあら、病院に行った方が良いんじゃ…首の辺りとか血で汚れてるわよ。うっ…」
手鏡で自分の首元を見てみると、全く気が付かなかったが確かに血で汚れている。血の汚れは口元から襟まで続いており、吐血したと思われる。通りで腹が痛いわけだ。昨夜は多分、余りの痛さに感覚が麻痺していたのだろう。霊夢が二日酔いでリバースしているのを横目に、永遠亭に向かった。
「おいメタナイト、このカービィはどうすればよいぞい?」
「二~三日経てば戻るだろう。」
「ここでの三日はあっちでの21日ぞい!!!」
「カービィはほっといて、私たちで魔女をなんとかすればいいだろう。」
すると突然、辺りの風景がおかしくなってしまった。まるで、絵画の世界にいるような…
「どういうこと?何が起こっているの?」
例の恐ろしい少女が恐怖に戦く表情を見せる。これってヤバいのでは?
「滅茶苦茶ヤバいってこれは!」
取り乱した様子の黒とオレンジの衣装を纏った女性が突如カービィの背後からあらわれる。
「ポヨ?(はえ?)」
カービィも目が覚めたご様子。
「ポヨ!ポヨポヨポヨ!ポヨ!?(デデデ!メタナイト!どうしてここに?)」
「どうしてって、ワシらは魔女にやられたんだ。お前を襲った魔女にそっくりだけど別のヤツにな。」
「それよりカービィ、元の星に戻る方法がわかったぞ!その魔女を倒し、その力で元の世界に帰るんだ!」
「貴方達、彼の言葉がわかるの?」
その表情には諦めが見られる。
「言葉がわかるっていうか、長い付き合いだからなんとなくそう思ってるんじゃないかなって。」
「ちょっと紫!そんなこと気にしてる暇じゃないでしょ!?」
そうだ。あの魔女を倒すためには居場所を探らなければならない。何より正面から当たっても勝ち目はなさそうだ。
「ねぇ、カービィの力を引き出すことはできないの?」
「カービィってこの大きなボールのことよね?実は異変をいち早く察して、この子の潜在能力が役立たないかって既に頑張ったのよ。貴女達が呑気に寝ている間に部下に踊ってもらってたんだから。だけどこの子にかけられた強い呪いのせいで効果はなかったわ。幻想郷には対抗手段がもう無いから焦っているのよ。」
「やっぱりねー知ってたわーもう御仕舞いだわー。」
完全に諦めモードだ。私たちにはアレがあるというのに。
「なぁメタナイト。聞きそびれたんだが、なんで魔女がまだここにおるってわかったんだぞい?」
「なに、簡単さ。絵画の世界にして帰っても魔女にはメリットがない。魔女がここを絵画の世界にしたってことは魔女の力を高めるためだ。絵画の世界の住民である以上、絵画の世界でなければ真の力は出せないからな。欲に走ってここも支配するつもりなのか、単純にカービィの武器が狙いなのかは知らんが、目的を達成するまでは確実にここに居座るだろう。」
そういえばカービィに聞かなければならない。アレがあればあの魔女に対抗できる筈。
「なぁカービィ。あの絵筆は今どこにあるんだ?」
「ポヨッ!ポヨポヨポヨ!(白黒が持ってる!あの人は絵筆の使い方わかってるから任せて大丈夫!)」
「そうか、なら安心だ…な…」
嫌な予感がする。
「マズいぞデデデ大王!」
「ワシは任せておいて大丈夫だと思うぞい?」
「あの白黒は重症を追って病院に向かってる最中だぞ!絵筆を誰かに預けた様子もない!おそらく今もあの白黒の手の中だ!」
「はえ?…そ、それはマズいぞい!誰かアイツが行った病院まで大急ぎで案内するぞい!」