因みにだが、幻覚毒の茸の一部は少量食べる程度なら健康にいいらしい。
ラーメンを食べ終えた私達はチルノと別れ、神社へと向かった。お腹が膨れているせいで空を高速で移動できないので、仕方なく歩いている。いつも通り飛んだら絶対吐くからな。
因みにだが、パチュリーに逃げられないように手を縛り付けて歩かせている。まだまだコピーの元として働いてもらうからな。
「あのラーメン、ウマかったなぁ…ワシらの星でも再現できんかぞい?」
「材料はなんとかなるだろうが、味付けがわからないからな、難しいかもしれない。とりあえず一流の料理人に相談してみるしかないだろう。」
「ところでまりさ、お前は何を悩んでいるぞい?」
「あ、いや。さっきのラーメン屋の妖怪、なんか変なんだよな。少なくともあそこで人間喰ってるってなると、名無しかどうかは別にして、自ら雑魚呼ばわりする程弱いわけがないんだよ。しかも訊いてもないのにわざわざ一度退治されてることまで言って。」
「なぁ、さっきから気になってたんだが、人間と妖怪ってどういう関係なんぞい?」
「そうか、お前らにはそっから説明しないとわかんないよな。簡単に言えば妖怪は人間の恐怖を喰らい、人間は妖怪を退治するんだ。この関係によって人間の数をあまり減らさず、妖怪はより多くの恐怖を得て強くなるんだ。人間が大幅に減ったり、恐怖が別の対象に集中したりすると弱くなるからな。幻想郷は妖怪のための場所だからこのバランスが重要なんだ。因みに私は人間な。」
「なるほどな。喧嘩したくなかったってことか?いやでも恐怖を与えなきゃいけないんだよな…」
「そうなんだよ。だからなぜ自虐してまで確実に喧嘩を避けたかったのかってことだ。相手は下手したら私でも敵わないような人喰い妖怪なんだぜ?私に名前を訊かれたぐらいで怯えるわけがないはずなんだ。」
「…」
ここで私と宇宙人達との会話は沈黙を迎えた。それから暫く歩き続け、長い階段を上り、ようやく神社についた。
「ちょ、魔理沙!?そのお腹どうしたの?妊娠したの!?」
「いや、ただの食べ過ぎだ。というか妊娠って誰の子だよ?」
「ええっと?霖之助さん?」
「勝手に僕の子を孕まないでくれ。で、無縁塚はどうなったんだい?」
「それがさぁ、聞いてくれよ~。」
私は無縁塚の炎を見て帰ってくるまでのことを事細かに話した。すると紫が最後のラーメン屋の妖怪の話に突っ込みを入れる。
「色々突っ込みたいところはあるけど、ちょっと前にカービィが妖怪にとって危うい存在だって話はしなかったっけ?」
「ああ、そういえば。じゃあアイツはカービィの噂のせいであそこまで弱っているってことか。」
「紫がそこまで変化してないから感覚が麻痺してたけどそれってかなり危ないんじゃない?でも今追いやる訳にはいかないし。」
「まぁ、私は他の妖怪より強いからね。」
「僕も半分人間だから問題ないけど、この異変が解決しても妖怪が弱体化する異変はカービィがここから居なくなっても解決しないな。何とかして人々からカービィの記憶を消せれば元に戻るかもしれないけど。」
「そうね霖之助さん、異変が解決したらこの件についてもじっくり話し合いましょ。」
「なぁメタナイト…」
「ああ、どうやら私たちは妖怪にとって毒らしいな。しかしなぜ…?」