The Grimoire of Kirby   作:ぽよい

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妖怪化・神格化:動植物や人と妖怪と神との境界ははっきりしているようで曖昧なものである。自分は妖怪であると信じたり、大勢の人々から恐怖され妖怪のように扱われてしまえばそれはもう妖怪になってしまっているということである。信仰が集まれば誰であろうが何であろうが簡単に神になり、信仰を失えば元の姿に戻ってしまう。


追蹂(ついじゅう)

「戻ったぜ。」

 

背中の扉を(また勝手に)使い、博麗神社へと戻る。すっかり拠点になっちまってるなここは。

 

「ちょ、びしょ濡れじゃない!あんた達の服もう乾いてるからさっさと着替えなさい!」

 

言っていることが完全にオカンだ。とりあえずいつもの服装になって、借りていた服を返した。霊夢はその服に触れてさらに機嫌が悪くなってしまった。

 

「ちょっとなにこれ、なんかベタつくし嗅いだことの無い変な臭いがするんですけど。なんでこうなるのよ?」

 

「海水だぜ。厳密には異変の元凶が海水を再現して作ったものと言うべきだろうがな。」

 

くだらない会話をしてるところにメタナイトが割り込むように喋り出す。

 

「そんなことより気になっていることがあるんだが、死んだら呪いが一時的に解けるってどういうことだ?死んでいたらそもそも戦えないのでは?」

 

知らないとそういう反応になるよな。ま、知っていても簡単にできることではないが…

 

「今までの旅で丸い何て言うか、変わった玉みたいなの何度か見てきただろ。」

 

「ああ、触れたりするとすぐ消えてしまうアレのことだな?」

 

「そう、そいつが神霊だ。」

 

「正しくは小神霊ね。」

 

隠岐奈が訂正を加えてきたが気にせず説明を続けるぜ。

 

「で、その力がある程度集まっているときに死ぬと少しの間だけ強くなって戦える霊界トランス状態になれる、とはいえ時間切れになるころには三途の川の向こう側だ。だが、さらに多くの神霊を集めていれば任意のタイミングで同じ状態になれる、この場合は時間切れになったとき何事もなかったかのように生き返るぜ。」

 

「なるほどな、しかし今のカービィに神霊を扱えるのか?今のカービィは自分の意思でできることはほとんど無いんだぞ。」

 

「そこでコピー能力を使うんだ。神霊は人の欲の塊、それを聞き入れることができればそれでいい。で、都合のいいことにそれに特化した能力を持っているモノがあるんだ。上手く行くかは知らないがな…」

 

「なるほど、それで無理矢理その状態にしてしまうというわけか。」

 

 

 

「さて、次は何処へ行くべきだろうか。オカルトボールはどうすればいいのか。」

 

「オカルトボールに関しては私の勘が正しければオカルトボールそのものが描かれた偽物だわ。あの異変の主犯はそこまで強い能力を持ってないしね。」

 

「そうか。なら心配要らないな。あと、チルノもどういうわけか悪さはしていない。そうなると残ってるのは月かな。紫は兎も角、どうやってあの無敵の霊夢を倒すべきなのかわからないが。」

 

「封印しか方法はないわね。あくまでも干渉を受け付けないだけだから何も干渉するものがない場所に入って貰うしかないわ。」

 

あの時からずっと神社の隅で縮こまっている玉兎が、少し希望を持ったかのような表情を浮かべている。月へと連れていってくれるそうだ。

だが、心配なことがいくつかある。まだ見つかっていない偽物がいるかもしれない。強力な能力を持つ紅魔館のメイドや妹も候補に上がるだろうし、旧血の池地獄の管理人、はたまた龍の偽物すらあり得る。また、霊夢の偽物を封印できるのかというのも正直かなり心配だ。博麗神社にあった絵画は雑に封印されたらしいが、今回のは月の民が藁にも縋る思いで地上へ助けを求めるレベルだ、本物よりかなり強いのも確定している。あの時のように簡単に行くわけがないだろう。そもそも今まで戦ってきた偽物だって、基本的には本物より強かった。ルール無用で襲ってきているからというのもあるかもしれないが。あの時言ったように本当に月に行くのは無駄かもしれない。だが、この現状他に行くところも無いので月へ行くしかない。

 

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