The Grimoire of Kirby   作:ぽよい

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石油:地球の血液と呼ばれる液体の一種。旧血の池地獄の液体も石油である。栄養豊富で一部の妖怪にとってはこれが好物らしい。その正体は太古の二酸化炭素が当時の生物によって有機物と酸素に変えられ、その有機物が長い年月をかけて液体になったものである。現在酸素が豊富にあるのは、石油があるからと言っても過言ではない。石油は膨大なエネルギーを持つが、これを利用するものに様々な災いをもたらすという。


第九章 The World of Paintra ~ RAINBOW
The Earth in the Painting(ジアースインザペインティング)


帰りは意外と楽だった。同じ三つ目の結界が月にも作られ、幻想郷と月の都の結界が釣り合ったからだ。それより大変だったのは偽物の封印に巻き込まれた本物の霊夢の救出の方だったがな。

見つけた偽物はほとんど倒したが、この後どうするべきなのか…神社の居間でトマトジュースとお菓子をつまみながら考えているのだが…

 

「洋菓子とジュースって組み合わせもたまにはいいわね、甘いお菓子がさっぱりしたトマトジュースのお陰で…食べ過ぎちゃうわ…」

 

「お菓子は全部メタナイトの特製だぜ。この冷たいのはメタナイトが起きがけにいきなり食べてるアフォガードって言うらしい。あっちの温かいのはメタナイトがマントからこっそり取りだすフォンダンショコラだ。その緑のはメタナイトが大事にとっておいた抹茶ムースだぜ、洋菓子なのか和菓子なのか分からんがな。頼めばメタナイトが夜な夜なこっそり食べてるパフェも作ってくれるぜ。」

 

「お菓子の名前の前に付いてるメタナイトが〜ってなんなのよ?」

 

「さっき私が適当に考えたんだぜ。いいセンスだろ?」

 

「ぽよい!」

 

「お菓子の話は今はいいだろ、悪意しか感じん。それよりヤツだ。ヤツを倒す方法は見つかったが、ヤツが見つからないな。最初は直接手を下した癖にこういう時は…まあ、お決まりのパターンだな。」

 

真面目そうに言っているが、メタナイトが誰よりも沢山この甘いお菓子を食べている。

 

「こうなりゃしらみ潰しに片っ端から行くしかないのかぞい?」

 

「こりゃどうすればいいのか検討がつかないぜ…そもそも幻想郷にいるのか?冥界や地底も絵画にされて、ヤツの駒は月まで侵略しちまったんだぜ?外の世界まで手を出してたりしてな。」

 

「外の世界も侵略され始めてるみたいよ。ほら、外の世界の新聞、今回だけ特別よ?」

 

「ポヨー!」

 

変わった紙質の新聞には某メイド長の偽物の写真が乗せられていた。日付を見る限りはわりと最近の物の筈なのになぜこんなにも古い紙の匂いがするのだろうか?外の世界では古い紙を再利用して新聞紙にしているのだろうか?「ナイフ投げの殺人メイド各地に出没、不要不急の外出は厳禁」と書かれた見出しに発見された死体は身元が判明していない人を含め495人という文字が見える。この事件と関連性の有りそうな行方不明者は13人、怪我人も確認されただけで666人、医療崩壊も起きているそうだ。さらに金髪のコスプレ少女が似たような事件を様々な国で起こしているらしく、この事件との関係性を調べているのだとか。しかも紫曰く、金髪少女が事件を起こした国はどれも吸血鬼の存在が広く信じられている国らしい。外の世界をここまで巻き込む異変も何気に初めてだな、どうやって外に出たのかは知らないが、紅魔館に住むヤツらはちょっと前まで外の世界に住んでいたのだ。相性がいいのかもしれない。

新聞を読みながらお茶(?)をしていると、隠岐奈(おきな)の格好をした翁(おきな)を連れた隠岐奈(おきな)が現れた。ややこしいな…

 

「おい、その翁(おきな)は誰だ?新しい宴会芸か?」

 

「私の絵画、想像以上に弱かったから縛って連れてきたのよ。」

 

なるほどな、神様の偽物は信仰の関係上弱いのだろう。妖怪は偽物でも恐れられるが神様の偽物はむしろ罵倒されるからな。私達が戦ってきた相手で神様にあたるのは妖怪でもあるお空だけだしな。そういう意味ではカービィが信仰も恐怖も奪っているので、初期こそ妖怪の偽物は厄介だったが、今となって厄介なのは人間に性質が近いヤツの偽物か「カービィの影響を受けても強い大妖怪」の偽物ぐらいだ。

 

「それより帰ってきたばかりで悪いけど貴方たちを旧血の池地獄に送るわ、そこに主犯が現れたのよ。」

 

「ラストダンジョンがそんなところなのかよ…」

 

背中の扉を抜けると、後ろにはボロボロになって倒れている饕餮尤魔がいた。まあ、フランに破壊される程度の実力じゃヤツは倒せないもんな。都合の悪いことに飲みかけのトマトジュースが入ったコップを神社に置いてくるのを忘れてしまったので饕餮の頭の上に棄ててやった。もしかしたら使えるかもしれないし、使えなくてもそこに倒れてたら邪魔でしかないからな。

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