~一夏side~
今、俺はとてつもなく居心地が悪い。なぜ?なぜって、それは……………
周りが女子しかいねえ(一名除く)からだあああああぁぁぁぁぁぁ!
マジできつい。なんで男子俺と陸斗だけなの……。しかも周りの女子は好奇の目で見てくるし陸斗は陸斗で机に突っ伏してるし……。俺いつまで耐えられるかな、これ……。
「……らくん、……むらくん」
はぁ、マジで嫌になってきた。
「織斑一夏くん!」
「は、はい!」
周りからくすくす笑われる。はぁ、マジで帰りてぇ。
「あ、あの、自己紹介をお願いしたいんだけど……駄目かな? も、もしかして怒ってる……? で、でも今自己紹介始まって織斑君の番なの。お願いできるかな……?」
「いや、ちゃんと自己紹介するんで落ち着いてくださいって」
「や、約束ですよ? 破ったら駄目ですよ?」
そう言いながら涙目になる目の前の先生。よし、もうここまで来たら覚悟を決めよう。
「えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」
周りからワクワクと期待したような眼差しを向けられる。
「――以上です」
ガタガタガタッ!
コントの様に崩れ落ちる女子達。こいつら吉○新喜劇より息ぴったりだわ。
スパアァァァァァン!!!
うげぇっ!なんだこの頭の痛みは!!
「げぇっ!関羽!」
スパアァァァァン!!
「誰が三国志の英雄だ、馬鹿者」
「え、千冬ね「織斑先生だ、馬鹿者」スパアァァァァン!!
い、痛え、マジでムチャクチャ痛え……。
「織斑先生、会議の方は終わったのですか?」
「ああ。山田先生に押し付けてしまって悪かったな。」
「い、いえ、副担任ですから!」
「諸君、私が担任の織斑千冬だ。私の仕事は弱冠16歳を1年間で使い物になるようにすることだ。私のいうことには『はい』で答えろ。わからなくても『はい』だ。それ以外は認めん」
なんっつー理不尽な担任だ。我が姉ながらマジで独裁者だよ……。
それよりなんで千冬姉が担任してんの?
で、なんで周りの女子はプルプル震えてんの?
「「「「「「「「「キ…………」」」」」」」」」
ん?キ?
「「「「「「「「「「キャ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」」」」」」」」」」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!なんじゃこの声は!!!耳が、耳があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「うわっ!何の騒ぎだこれ!」
あ、さすがに陸斗も起きた。
「キャァァァァッ!!千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっと前からファンなんですっ!」
「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」
「あの千冬様にご指導いただけるなんて幸せです!」
「お姉様のためなら死ねます!むしろお姉様のために死にたいっ!」
おい、最後のやつちょと待て!!!
「……どいつもこいつも。何故私のクラスにはこうも馬鹿者どもが集まるんだ」
千冬姉が困ってんじゃねえか!!!
「きゃあああああっ!お姉様、もっと叱って!罵って!」
「でも時には優しくして!」
「そしてつけあがらないように躾をして〜!」
「教師と生徒の禁断の愛!萌える!!」
おい!マジでダメだぞ!教師と生徒以前に、性別がダメだろうがぁぁぁぁぁ!
「で、お前は満足に自己紹介もできんのか。」
「いや、千冬姉、俺は・・・・・・」スパァァァァァァン!
痛えぇぇぇぇぇぇぇぇ!
「学校では織斑先生と呼べといっただろうが。2度目だぞ馬鹿者。」
「はい……」
「え、千冬姉ってことは、織斑くんって織斑先生の弟?」
「確かに織斑っていう苗字も珍しいし」
「織斑先生の弟ならIS乗れるっていうのも納得~」
またここでも『千冬姉の弟』かよ……。まあ陸斗がいるからいっか!あいつだけだしな、俺をはじめからちゃんと『織斑一夏』として見てくれたのって。
「静かにしろ、ヒヨっ子共。それと西條、自己紹介中に寝るとはいい度胸だな。次はお前が自己紹介をしろ。」
「……分かりました。」
お、陸斗の自己紹介だ。あいつなんて言うんだろ?
~陸斗side~
学校ってめんどくさいな。ただ眠たいから寝てただけなのに、それを怒られるなんて。
で、確か自己紹介をすればいいんだよな……。
「西條陸斗です。少し事情があって学校は小学校3年生以来まともに通っていません。ですので学校生活に不慣れなところがあるので、いろいろなことを教えていただきたく思います。趣味はこれと言ってありません。どうぞよろしくお願いします。」
さて、この自己紹介を聞いて、このクラスの女子たちはどういう反応を示すかな……。
「なに、あれ」「事情って何よ」「学校通ってないとか不良じゃん」「しかも根暗~」「織斑君はイケメンだけどこっちの方はダメね」「ビミョ~」
クスクスと嘲笑いながらヒソヒソ声で悪口を言う女子たち。
ああ、このクラスの女子のほとんどは俺の大嫌いなタイプの女子らしい。
「くっくっくっく……あ~はっはっはっはっはっは!こりゃあダメだ!救いようのないクズ共ばかりがこのクラスにはそろっているようだ!やっぱ学校なんてまともなものじゃないな!いや~マジで爆笑ものだわ、ここまでの酷さとなると。」
「な、なんですって!」「女子を侮辱する気!?」「男の分際で!」「生意気よ!」「さっさと消えればいいんだわ!」「この不細工!」「根暗!」「クズ!」
あ~うざってぇ。やっぱここも女尊男卑かよ。
「黙れクズ共。お前らみたいに温室育ちのぺーぺー共に文句なんか言われたくないね。どうせお前ら戦争も知らないお子ちゃまたちだろ?世の中の現実を見ない低能共だろ?」
「なによ!私たちはここに入るのに苦労してるの!あなたのような男性操縦者みたいに楽にIS学園に入学したんじゃないのよ!」
は?何言ってんのこいつ?
「……その言い方だと俺が苦労してないみたいな言い方だな?」
「そうよ!あんたなんてどうせ苦労してないんでしょ!」
一人の女子がそう言った途端、周りの女子も便乗して「そうだそうだ!」と言っている。ざっと確認したところ、言ってない女子は7人といったところか。
「お前ら侮辱すんのもいい加減に「今西條のことを侮辱した者は全員立て!」
いきなり千冬さんが声を荒げた。山田先生と一夏も急な怒声に驚いている。
だが女子は一向に誰も立とうとはしない。
「今西條のことを侮辱した者は立てと言っているんだ!」
千冬さんが出席簿を教卓に叩き付ける。銃が発砲された時のような音が教室に響く。
流石にこの状況ではやり過ごせなかったのだろうか、先ほど悪口を言っていない7名を除いた女子たちが全員立った。
「西條、これで全員か?」
「織斑先生、なぜそこで俺に聞くんです?」
「さっき教室全体を確認していただろう?お前が確認するところは私には見えていた。」
「……はぁ。そうですね、これで全員です。」
「よし分かった。」
千冬さんが立っている女子に対して睨みを利かす。
「立っている者は全員、昼休みに職員室に来い。お前たちがどれほどの苦労をしたか
聞かせてもらおう。一応私は西條とは旧知の仲でな、こいつがどれほどの苦労をしたか知っている。それでどちらがより苦労しているかを判断させてもらう。もしそれで西條よりも苦労をしていなかったらそれ相応の罰は受けてもらうからな。覚悟しとけ。」
千冬さんの一言にクラスの雰囲気が固まる。
キーンコーンカーンコーン
「む、授業はこれで終わりか。各自休憩取るように。」
こうして波乱の学校生活が始まった……。
え~なんか嫌な雰囲気の話でごめんなさい。
ですが後の話に繋げるためにはこういう話が必要なんです。
この後もこういう話が出てきますが、それはあくまでも下準備の話だと思ってください。