死神がISの世界に 改   作:岩男 一前

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みなさんお待ちかね、陸斗君の戦闘、もとい蹂躙シーンです!

え、待ってないって?いやいやいやいや、そこはお世辞でも『待ってましたよ~』って言うのが社会のマナーですよ♪

え、待ってないって?いや、ちょっ、待って~~!!遅くなったのは謝るから~!!


Ep.14 ファイティング オブ リクト

~陸斗side~

 

今日は俺の死合の日。え?字が違うって?いや、これで合ってる。だって今日の勝負はお互いの命、もとい人生がかかってるんだからな。

 

今、俺は控室にいる。ちなみに一緒にいるのは千冬さんだけだ。一夏と箒、それと鷹月と山田先生には悪いが、あまり試合前にあれこれと聞かれては困るので、最初から観客席、もしくは管制室に行ってもらっている。

 

「陸斗、今日はどうするつもりだ?」

「どうするつもりだっていうのはどういう意味で?」

「『死神』の力を使うかどうかってことだ。」

「………この試合、データとして記録されるんですよね?それが各国に渡ったら俺は改めて表の世界でもお尋ね者になってしまいます。」

「それで戦えるのか!?」

「……千冬さん、俺が『死神』の力だけって思われてるなら心外ですね。俺にはほかにも力はありますよ。例えば『眼』とか。」

 

俺は眼を写輪眼にする。

 

「………気分を害したならすまない。で、やはりISに乗って戦うのか?」

「ええ。折角束さんが俺のためだけにわざわざ作ってくれた機体ですから。」

「そうか。それで、本当にどちらかが死ぬまでやり続けるのか?」

「オルコットが『奴隷になりますから許してください。』と泣いて謝るまではやめません。それと千冬さん、『どちらかが』なんて言葉はいらないですよ。俺が負けることはあり得ませんから。」

「………そろそろ時間だ。」

 

その時、山田先生の『時間です。二人とも、アリーナへと入場してください』という声が控室に響いた。

 

「千冬さん、一夏と箒は管制室にいるんですか?」

「ああ。」

「それなら、5分経った後は試合を見せないでください。お願いします。」

「………分かった。最善を尽くそう。」

「ありがとうございます。それじゃあ行ってきます。来い、黒龍。」

 

俺は『黒』を身にまとった。俺のISは装甲が薄い。そしてなにより相手の攻撃に対して絶対防御が働かない。これはもちろん俺から束さんに頼んだ。その代わりに、スピードはとてつもなく速くしてもらっている。強いて言うなら、護廷13隊の一般隊員がする瞬歩より少し遅いぐらいの速さだ。ちなみに俺の瞬歩は夜一さん以下、砕蜂隊長以上ってところだ。話は戻るが、通常なら重力がかかって体が危険な状態になるそうなのだが、俺の体は瞬歩で鍛えられているおかげでなんの影響もない。だからこんなピーキーな機体に乗れるのだ。

 

それと一応レーザー兵器やら銃弾やらが当たると流石に危ない(もちろん死神の状態の時は当たるはずがない)ので一応バリアのような機能はつけてもらった。それでもケガはするし痛みも感じる。

 

なぜ俺がこんな機能を付けたのかというと、戦いのセンスというのは『死』の恐怖の中で戦ってこそ磨けるものだと考えているからだ。

 

ちなみに装備は刀の形をしたただのブレード1本と、ハンドガンタイプの銃が2丁。1丁は実弾で、もう1丁はレーザー光線が出るタイプだ。

 

 

 

アリーナに出ると、オルコットが偉そうに腕組みをして待っていた。

 

「『あなた、レディを待たせるとはやはり最低のクズ人間みたいですわね。』」

「『………………。』」

 

俺はシカトする。殺し合いの前にぺらぺらと話すやつなんぞ論外だ。

 

「『あなた!少しは反応を示したらどうなのですか!』」

「『…………………。』」

 

ずっと無視していたら今度は外野からの手厚い罵倒が俺にふりかかった。

 

「ビビってんの!」「ダッサ!」「やっぱ口だけね!」「少しは口をきいたらどうなの!」「男のクセに女性を無視してんじゃないわよ!」

 

観客席の方を見ると1組の女生徒のほとんどがやけにうるさくしている。

 

ちなみに、今日の試合は1組の生徒にしか見れない。

 

なぜかって?それは簡単だ。他の奴らは『俺の奴隷になる』というリスクを背負わずに俺を罵倒するんだろ?そんなの許していいはずがない。

 

早く試合が始まらないものかと心から思っていると、ちょうどいいタイミング(?)で試合開始のブザーが鳴った。

 

「『オルコット、お前に猶予をやろう。5分間、俺はお前に何も攻撃しない。その間に倒せなかったら容赦なくお前を潰す。』」

「『そんなのお遊びにもなりませんわ!それじゃあ行きますわよ!踊りなさい!「『ああ、そんなのいらないから早くしてくれ。』」……なっ!いいですわ!二度とそのようなことを言えないようにして差し上げますわ!』」

 

その直後、セシリアの攻撃と、死へのカウントダウンが始まった……。

 

 

 

~一夏side~

 

「なんだよ、あれ………」

 

画面の中では信じられない戦いが繰り広げられている。

 

「ほ、本当に陸斗は何者なんだ?」

「お、織斑先生、西條君は一体……。」

 

山田先生と箒も驚いている。無理もない。だって陸斗が攻撃を全部よけているからだ。

 

「………あいつにとってこんなのは呼吸をするに等しい。」

「「「っ!!!」」」

 

俺も戦ったからわかる。あのレーザーをよけるのがどんなに大変なことか。たとえそれが俺みたいな素人ではなく、戦いなれた人でも4機のビットから繰り出されるレーザーは苦労するだろう。

 

だが陸斗はどうだろう。あいつの避け方は異常だ。まるで『首をかしげるだけで投げつけられた小石をよける』かのように。それも『光線が通るルートが見えている』みたいに。いや、これでは不十分だ。……そうだ。まるで『未来が見えているかのように』だ。

 

「………あいつの眼にはあんなレーザーなどゆっくりに見えるだろう。いや、止まって見えているのかもしれない。」

 

千冬姉が徐に声を出した。

 

「陸斗、お前は一体………。」

 

~千冬side~

 

「やはり………か。」

 

こうなることは事前に分かっていた。地面に立って僅かな動きしかしない陸斗に、オルコットが一度も攻撃を当てられない。反撃をしてこないと分かっているため、全力で攻撃しているはずなのに当たらない。オルコットの表情は次第に怒りから焦りへと変わっていった。いや、今となってはもう焦りではなく恐れだろう。

 

「恐れるのも無理はないな……。」

 

オルコットはあれでも代表候補生。一応一般人にしては『厳しいトレーニング』を積んできたはずだ。それでもほんの僅かな動きで全ての攻撃が躱される。それも数ミリ単位で躱している。もはや人間業ではない。

 

結局『厳しいトレーニング』など陸斗の歩んできた『修羅の道』……いや、もはやそれを通り越した『地獄の道』と比べれば、地球とミジンコぐらいの差がある。

 

「陸斗………。」

 

私はそれでも陸斗に温かい日常を送ってほしいと願わずにはいられなかった。

 

「そろそろ約束の5分か……。織斑、篠ノ之、観戦はここまでだ。お前たちはこれ以降の試合を見るな。」

「な、なんでだよ!こんなハイレベルな試合、見なきゃ損だぜ!?」

「そ、そうです、織斑先生!私も武道を嗜む者として、この強さを少しでも吸収したいです!」

「……駄目だ。これは陸斗本人からの要望だ。お前たちは控室で待っていろ。」

 

私は2人をにらみつける。これも陸斗のためだ。

 

「「……はい。」」

 

そう言って2人は控室へと向かった。

 

「……山田先生、私は一応陸斗を抑える準備をします。」

「……分かりました。くれぐれも無理はなさらないでくださいね、先輩。」

 

私は打鉄を取りに倉庫へと向かった。

 

~陸斗side~

 

そろそろ5分が経とうとしている。

 

正直なところ、この試合はまるで価値がなかった。写輪眼を使わなくてもよけられるような杜撰な攻撃。馬鹿の一つ覚えみたいに死角ばっかりを狙ってくる射撃。そしてなによりもビットの操作とライフル射撃を並行して行えない無能さ。

 

何をとっても奴隷として働いている人たちを馬鹿にしていいほど戦闘訓練を積んでるとは思えなかった。

 

「『……5分経ったな。お前はもう終わりだ。』」

「『な、なんですの!?あなたは避けることに専念していたから避けることができたのでしょう!?いくら避けたからと言って調子に乗って攻撃できるとまで思わないことですわね!』」

「『もう黙れ。お前、マジで五月蠅い。代表候補生だとか厳しい訓練とかどうたらこうたら抜かしていたが、お前の言う『厳しい』など精々こんなものだ。俺にかすり傷ひとつすらつけられん。』」

 

俺がこの言葉を言い終わったと同時にレーザーを放ってくる。だがそんな手珍しくもなんともないため、今まで通り躱す。

 

「『どうした、話してる最中の相手にも当てられないのか、この無能。お前の『厳しい』に比べたら、お前が馬鹿にした奴隷の人たちの方がよっぽど『厳しい』環境で暮らしている。』」

「『あ、あ、あ、あなたに何がわかると言いますの!?両親に先立たれてからずっと私一人でオルコット家を守ってきたのです!あなたのような一般人に何も言われたくありません!』」

「『………あぁ?今なんつった?』」

 

俺の頭の中で何かが切れる音がした。

 

「『オルコット、お前の両親はどうやって死んだ?』」

「『………電車の脱線事故ですわ』」

「『葬式はしたのか?』」

「『もちろんですわ。』」

「『それで、お前は本当に誰にも頼らず、周りに誰もおらず、ずっと『一人ぼっち』で自分の食い扶持も、住む家も、何もかも切り盛りしてきたのか?』」

 

俺は今まで学校では出したことのない『凄み』をオルコットに対してぶつける。

 

「『い、いえ、ひとりぼっちというわけではなく、メイドで親友のチェルシーはいましたわ。家は代々住んできた家がありましたし、お金は両親が残してくださった財産が………。』」

「『………おい、ふざけるのも大概にしろよ。その程度で悲劇のヒロイン気取りか。………もういい。これは本当はやらないつもりだったが、見せてやる。』」

 

俺は眼を閉じて集中する。そして一気に見開く。

 

「『いでよ、須佐能乎!』」

 

その瞬間、周りの空気が震え、巨大な人(?)が俺を包む。オルコットの方を見ると、その殺気にあてられて、歯をカチカチ鳴らしている。観客席にいるクラスの女子たちも同じだ。

 

「『これからが断罪の始まりだ。懺悔はすんだか、セシリア・オルコット?』」

 

ここからが本当の殺し合いだ。




次の話でオルコット編終わりです。長さの関係上、2話にさせてもらいました。

陸斗の動きなんですが、イメージは『金色のガッシュベル』のデュフォーのような動きです。

須佐能乎はマダラの大きさのものと考えてください。
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