しかも寝る前に投稿してしまい、気付くのが遅くなり、削除するのも………。
本当に申し訳ございませんでした。
これからはこういうことのないように最大限の注意を払いますので、これからも何卒よろしくお願いいたしますorz
ちなみに、今回は後書きに陸斗の能力についての補足説明を入れます。
~陸斗side~
2体のISがありえないほど良いコンビネーションで俺を攻撃してくる。
だが、俺には意味がない。なにせ俺には『眼』があるから。
俺は2体の攻撃を組手をするかのように受け流した。そして隙が出来たところに掌で攻撃を与える。
しかし相手には少ししか利いていない。それも当たり前のことだ。なにせ、相手はあのISだ。いくら俺が鍛えているからと言って、死神の力を出さずに掌で攻撃を打ち込んだところでシールドエネルギーやらその機体やらをどうにかするのは難しい。まして貫通するなんてのは無理に等しい。
「せめて死神の力だけでも解放できたらな………。」
(あら、IS学園から追放されたいのかしら?)
「どうだろう………な!」
突っ込んできた1体に蹴りを入れる。だがまだ浅い。
やはりどうやっても組手だけではわずかなダメージしか与えられない。このままでは俺の体がもたない。いくら頑丈だとは言っても流石に生身の体で金属の塊みたいなISの攻撃を受け続けたらどうなるか分かったものではない。現に受け流す時に使った手や腕がだんだん痺れてきている。
せめて地面に叩き付けたり出来ればいいんだが、如何せんそれを俺がやったら衝撃が強すぎて中の人が危険だ。………ただし、
「なあ、レイ。ひとつ確認したいことがあるんだが」
(なに?)
「あれ、無人機だよな?」
(ええ。中から魂魄の感覚がしないわ)
「やっぱりそうか。」
俺の写輪眼で見ても、人に絶対あるはずの『精気』がない。
「なら、少々荒っぽくしても全然OKだな。」
(え、そうね)
「そうと決まれば!」
俺は1体の方に向かって走り出す。俺の攻撃が来ると認知したISは、まるで人間の動きのように防御の構えをとる。
だが関係ない。俺の速さの前では防御は意味をなさない。
俺はISの目の前まで迫ると、ISに認識できない速さで背後へと回り込む。
ISはどうにかハイパーセンサーで俺が背後に回り込んだことを知ったようだがもう遅い。
俺はISの頭を掴み、そのまま地面へと叩き付ける。そしてすぐさま間髪入れずにうつ伏せになっているISの後頭部に掌打を入れる。
今度は地面との挟み撃ちになってくれたおかげで利いたみたいで、ミシミシという音を立てて頭にヒビ、いや亀裂が入った。
「はあぁぁぁ!」
俺は跳び上がり、思いっ切りそのISの頭の上に着地する。『バキッ』という音が鳴った。完全に頭がグチャグチャになっていて、ピクリとも動く気配はなくなった。
だがその時だった。もう1体のISが後ろに迫っており、拳を振りあげてすぐそこへと迫っている。
(くそっ!間に合わない!)
受け流すことが出来ず、俺は咄嗟に右手で
(ちっ!右手がやられた!)
感覚的に右手の指が全部折れている。
「この野郎!」
俺は流した後の隙だらけの状態のISをどうにか地面へと叩き付ける。
ISは地面に倒れ伏したが、どうやらもう1体のISのやられたところから学習したのだろう、すぐさま体勢を整えた。
俺とISは互いに構えを取り、そのまま動きを止めた。
(右手がまともに使えない状態では、相手の力を利用したカウンターでないとあの堅い装甲は破れない!)
俺は相手の動きを観察することに集中する。相手がいつ攻撃してきても対応できるように。
だが相手の動きは予想に反するものだった。
敵ISは、くるっと180°向きを変えると、そのまま飛びはじめた。
(逃げたのか………?いや、違うっ!)
一瞬呆気にとられその真意に気付くのに遅れた。
「このままでは鷹月たちが危ない!」
そう、このアリーナは円形であり、あいつは今俺から離れていった。
女生徒たちに怪我を負わせたくない。そのためにはあのISを追いかけて破壊するしかない。
いや、待てよ。このアリーナは『円形』だ。
ここであいつを追いかけるより、俺があいつと逆回りをした方が………。
こんなところで悩んでいる暇などあるはずはなく、自分の勘を信じて逆回りを選んだ。
~一夏side~
俺と鈴は今苦戦を強いられている。2対1でも黒いISに攻撃が当たらない。
クラス代表戦の消費もあるせいで、俺も鈴もそこまでシールドエネルギーが残っているわけでもなく、ただただ焦りが募ってくる。
『うおおおぉぉぉぉ!』
鈴が衝撃砲で作ってくれた隙に俺が近接攻撃を仕掛ける。それでも黒いISにダメージを与えることが出来ない。
鈴の衝撃砲は囮だから避けられるのは仕方ないが俺の攻撃が通らないのは大問題だ。
『一夏!さっきから何回はずしてるのよ!』
そう、しかも1回ではない。同じような攻撃を5、6回ほど繰り返している。
『俺だって外したくて外してるんじゃない!』
………なにかがおかしい。いくらワンパターン化しているとはいえ、何度も『全く同じように』避けられるというのはどうも違和感がある。確かに機械であればそれも可能かもしれないけど………。
ん?機械?
俺は一度黒いISと距離を取り、鈴にプライベートチャネルで連絡を取る。
『なあ、鈴。あれって本当に人が乗ってるのか?』
『なにバカなこと言ってるのよ!ISは人が乗らないと動かないのよ!?』
そこで鈴が何かに気付いたかのように黒いISの方を見る。
『………確かにあいつ、私たちがこうして話してても攻撃してこないわね?今も興味があるみたいにこっちを観察してるし………でもそれが一体何になるのよ?』
『仮にだぜ?仮にあいつが無人機だとしたら………』
俺は雪片を構える。
『本気で攻撃できる』
~鷹月side~
Dドア付近ではたくさんの生徒が待機している。いくら敵が近くにいないといっても、みんな不安の色を隠せていない。勿論今ここにいる生徒は全員専用機が使えない状況であることは伝達されていて、それも原因の1つとなっている。
先ほど、上級生のダリル・ケイシーさんが「こういう時はなるべく団体行動を乱さない方が良い」と言ったため、今はクラスごとに固まっている。
1年1組は怪我を負ったセシリアを寝かせるために少し広めのスペースをもらっている。だが、それが逆にクラスメイトの女生徒により一層不安を与えていた。それもそのはず。この前まで代表候補生であり、学年トップクラスの実力を持っているはずの彼女が倒れているのだから。
「みんな大丈夫!絶対陸斗君が倒してくれるわ!」
私は、なるべく明るく1組のみんなを鼓舞するように言った。
「そうよね!」「西條君なら」「そうだわ!」「あの西條君だもの」
そんな時、ある1人の女生徒が立ち上がって「あ、あれ」と顔を真っ青にしながら指をさした。
1年1組を含め、全生徒が指さした方向を見る。そこには、先ほど観客席に落ちてきた2体のISの内の1体がこちらに向かって近づいていた。
「い、いやあああああ!」「し、死にたくないよぉぉぉぉぉ!」「誰か、誰かあああぁぁぁぁ!」「開けて、ここ開けてよおおぉぉぉぉぉ!」
一瞬のうちに阿鼻叫喚の渦に包まれる。
だけど私は目の前に『死をもたらすもの』が近づいてきている事実ではなく、違うことにショックを受けていた。
「うそ、嘘、嘘よ!陸斗君は陸斗君は!?」
私の中に『陸斗君がやられた』という想像が浮かびる。
「いや、嫌よ!嫌ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
女生徒の集団にISが迫る。全員死を目前にして目をつぶるか叫ぶ以外できなかった。
(陸斗君………)
陸斗君のことを頭に浮かべながら目をつぶる。
眼から涙が零れる。
(私、死んじゃうんだね)
涙が地面に落ちる。今までの色々なことを思い返し、やり残したことを思い返していた。
その時だった。
「この鉄屑野郎がああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
(え?)
聞きなれた男の子の咆哮が私の耳に届いた。
~陸斗side~
「この鉄屑野郎があああぁぁぁぁぁぁ!」
俺は咄嗟に
俺のスピードとISのスピードが加算されてとてつもない衝撃がISの頭部を襲う。それと同時に俺の右腕にまで衝撃が伝わってくる。
(ちっ、腕の骨も逝ったな、これ。)
だが、危なかった。本当に危なかった。あと少し判断が遅れたら女生徒に怪我を負わせていた。いや、死人を出していたかもしれない。
「みんな、大丈夫か!?」
女生徒たちは泣き止まない。
「怖い思いをさせてすまなかった!俺の実力不足のせいであのISがこっちに来ることを許した………だが答えてくれ!怪我人はいないか!?」
「い、いないよ!」
鷹月が代表して答えてくれる。
「そうか、よかった。」
「それより、陸斗君は大丈夫なの!?」
「俺は大丈夫だ。」
「もう1体のISは?」
「もう潰した!みんな聞いてくれ!すまないがこれからここで戦うことになる!巻き込まれないようになるべくまとまっていてくれ!絶対に誰にも怪我を負わせない、約束する!」
俺がそういうと、みんな理解してくれたのか、なるべく小さくなろうと固まってくれた。
ギギギギギギという音を立てながら鉄屑が再び立ち上がる。
「さあ、第2ラウンドと行こうじゃないか。」
~第3者side~
今までの陸斗の評価は最悪のものだった。
いきなり女生徒を笑いながら侮辱し、クラスの代表候補生を馬鹿にすると同時に全世界の女性が弱いと罵った。
その後クラスの女子をぼこぼこにし、慈悲の欠片もない戦い方をした。
その上髪型はボサボサで暗い。
だが今日のこの騒動の中でその評価はまるっきり逆転していた。
みんなを助けるために生身でISと戦う。これがどれだけあり得ないことか、女生徒たちは理解していた。また、誰も彼に対して『対応が遅い』という不満は漏らさなかった。
確かにセシリアは負傷してしまったが、それでも誰も不平を言うことはなかった。なぜならダリル・ケイシーなどの上級生が女生徒全員に対して『今は誰もISが使えない』ということを言い、それを踏まえての避難行動を呼びかけていたからだ。
この時点で悪い評判が消えていた。
また、他にも評判を変えたことがある。
それは陸斗の言葉だ。
女生徒たちは避難している間も不安を拭えなかった。それもそのはず、いくら現時点で1年最強の陸斗とはいえども、生身で2体のISを相手にして勝てるとは思ってなかった。
現に1体のISの接近を許してしまい、女生徒を危険に晒した。
だがその危機を陸斗が救った。しかもその上1体のISを『潰した』と言った。しかもその上みんなを怖がらせまいと諭すように呼びかけた上に『絶対に怪我を負わせない』とまで言ったのだ。
女生徒たちの陸斗への悪評は、いつしか彼への信頼と好意へと変わっていたのだった。
~鷹月side~
(陸斗君………)
目の前まで迫っていた危機を救ってくれた彼をいつの間にか目で追っていた。
(あれ………なんで?)
陸斗の戦い方に違和感を感じ、その違和感の正体に気付いた。
(なんで陸斗君右手を使ってないの?………ま、まさか!?)
私は陸斗君を助けるために、ある所へと走った。
~陸斗side~
(右手が使えないとなると………キツイな………)
先ほどに比べて1体になったため、『写輪眼』で攻撃をすべて見切って躱していたが、どうしても攻撃が上手くいかない。斬魄刀でも出せれば一瞬で真っ二つに斬れるんだが………。せめて何か武器があれば………。
(早くしないと、いらない犠牲を出してしまう………)
「陸斗君!これ使って!」
その時、鷹月から救いの手………いや、棒が渡された。
俺はそれを左手で受け取る。渡されたのは鉄の棒だったいったいどこから持ってきたのだろうか?だが今はそんなことを考えている暇はない。あいつを倒すことが先決だ。
手に程よい重みを感じる。
「鷹月!ありがとな!」
「陸斗君、後ろ後ろ!」
後ろから来る気配はもう気づいている。
俺はすぐさま体の向きをかえ、ISの攻撃を躱し、左手の鉄の棒で相手の頭を思いっ切り殴る。『斬る』動作だが、得物が得物のため『殴る』感じの攻撃になってしまった。が、どうやら利いているみたいで、ISは吹っ飛んだあと少し動作が鈍っていた。
「立てよ、ポンコツ野郎。お前じゃ俺に勝てないってことを教えてやる。」
(武器を持ってないのはほぼ確定だな。)
そう、先ほどから銃器どころか刃物すら出そうとしないのだ。
(それなら後ろにも被害を出さずに潰せる!)
俺は一気にISとの距離を詰め、剣道の『面』の動作で頭をぶん殴った。
敵も学習能力が高いようで、すぐ俺と距離を取ろうとする。
だが俺はそれを許さない。すぐさま次の動作に移り、『突き』の動作を行い鉄の棒でISの頭を貫く。鉄の棒を引き抜いてもう一度少し場所をずらして突き刺す。
鉄の棒は綺麗にISの頭へと突き刺さった。
バチバチという火花の音が数回した後、完全に動作が止まった。
俺は鉄の棒を抜いて回収し、鷹月のところへと歩み寄ろうとした。その時だった。
最悪の事態が、今起ころうとしていた。
「一夏ぁ!男なら……そのぐらいの敵に勝てなくて何とする!」
~一夏side~
『そうね、それじゃあ無人機と仮定して話を進めよっか。で、なにか作戦でもあるの?ていうよりないとは言わせないわよ。』
『勿論、あるぜ。鈴、俺が合図したらあいつに向かって思いっ切り衝撃砲を打ち込んでくれ。フルパワーで頼む。』
『いいけど、当たらないわよ?それで何しようって言うのよ?』
『それはだな『一夏ぁ!男なら……そのぐらいの敵に勝てなくて何とする!』………って箒!?』
俺の中に一瞬嫌な予感が走る。予感が当たらないことを願いながら黒いISの方を向く。
………そこには無慈悲にも箒の声をする方に腕のレーザーを向けているISの姿があった。
~陸斗side~
「あのバカ野郎!」
箒が立っている場所へと急ぐ。あいつは身にISを纏っていない。もろに攻撃を食らってしまえば間違いなく死ぬ。
(ダメだ、それだけは絶対にダメだ!束さんを、束さんを悲しませるわけにはいかない!)
俺は走りながら左手に持っている鉄の棒を見た。
(………これしかない!)
俺は方向転換をして、別の場所へと向かった。
~一夏side~
『鈴!撃て!』
『行くわよっ!』
鈴の衝撃砲のエネルギーが溜まるタイミングを見計らって、鈴とISとの間に自分の体を入れる。
『ちょっと一夏!あんたが邪魔で撃てないじゃない!』
『いいから俺に向かって撃て!時間がない、早く!』
『ああ、もう!どうなっても知らないからね!』
背中にとてつもない衝撃を受ける。
(でもこれぐらい我慢しないと、誰も守れやしない!)
『うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!』
鈴の衝撃砲のエネルギーを利用して黒いISに攻撃をしかける。零落白夜の攻撃を使い、箒に向けていたレーザーを腕ごと切り落とす。
俺は敵に攻撃され、地面へと叩き付けられる。黒いISが目の前にまで迫り、もう一方のレーザー付の腕を向けてくる。
この至近距離であのレーザーを受けたらタダでは済まないだろう。
だが俺には当てがあった。おそらく遠距離を得意としている
だがその予想は外れた。その代わりに、男の野太い声が俺の耳に届いた。
~陸斗side~
先ほどISが墜落したせいで………もといおかげで………シェルターにバカでかい穴が開いているところに到着した。
その穴から直接この鉄の棒をぶん投げてあの黒いISを貫いてやろうとしていた。
そこから見えたのは一夏が上手く衝撃砲を利用して黒いISの腕を切り落としたところだった。
(よし!よくやった一夏!これで箒は傷つかずに済む!)
一瞬で戦況を判断した俺は一夏が箒の危機を救ったことで気を緩めてしまった。
だがこの後、別の事件が発生した。
一夏は衝撃砲をもろにくらったせいか、動きがほとんど止まっている状態である。そこに黒いISが蹴りをいれ、一夏を地面に叩き付け、ゆっくりとその腕のレーザーらしきものを構えながら一夏の目の前へと移動する。
先ほどの一夏の動きを見る限り、もうほとんどエネルギーは残ってないだろう。その状況で相手の攻撃を受けたら………一夏は無事では済まない。
(ヤバい、一夏にもしものことがあったら……千冬さんが悲しむ!それに束さんも!)
正直俺の体は疲労している。右手はぼろぼろ、足もところどころ筋肉が悲鳴を上げている。確かに走るときに人間の限界を越したスピードでは走ったが、それでも瞬歩らしい瞬歩は使っていないのだ。それなのにこの有様。
情けない話だが、最近死神の力もISも使わない戦闘は全くと言っていいほどしていなかったせいで、体力が落ちていたのだ。修行も須佐能乎のコントロールなどが中心だったし、生身ではほとんどやっていなかった。
まさかそれが今ここであだになるとは俺も思っていなかった。
だがこんなところで怠けている暇はない。ここで動けないなんてただのポンコツだ!
「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!動けえぇぇぇぇぇぇぇ!」
俺はハンドボールの選手のように跳び上がった。
「うらぁっ!」
そして黒いISの頭部に狙いを定め、思いっ切り槍のように鉄の棒を投げた。
俺は生身の状態だったため、飛ぶことが出来ずそのまま落下した。
~一夏side~
「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!動けえぇぇぇぇぇぇぇ!」
陸斗の声がする。声のする方を向くと、陸斗がすごい高く跳んでいる。
(手に持っているのは………鉄の棒?)
まさか………まさか!?
(投げるつもりか!?)
「うらぁっ!」
(投げた!?)
陸斗の投げた鉄の棒は、そのまま綺麗に真っ直ぐ飛んで見事黒いISの頭部に横から突き刺さった。ISはその衝撃で横に倒れ、動作を停止した。
(ははっ、助かったぜ、陸…斗………。)
俺は念のために雪片を使って頭と首を切断する。
(やべっ、俺も限界だ………)
衝撃砲を直接受けたせいで、体にダメージが蓄積されていた。
『いち…か!い………か!』
どこからか聞こえてくる鈴の声に応答できないまま、俺は意識を手放した。
~鷹月side~
「陸斗君、どこいったんだろ?」
篠ノ之さんの声を聞いた途端に顔をこわばらせてすぐさま行動に出たまま、帰ってこない。
先ほどすべての扉が開いたみたいで、先生たちがすぐさま事後処理のために動いていた。
ということは多分戦闘は終わったんだと思う。でも陸斗君が帰ってこない。私は心配になって1組のみんなに頼んで陸斗君を探してもらっている。もちろん、私も今探している途中だ。
「いた!こっちにいたよ!」
クラスメイトの鏡ナギが声をあげる。
みんなが一斉にそっちの方に駆け寄る。するとそこには倒れている陸斗君の姿があった。
~千冬side~
ハッキングが解かれるやいなや、私は管制室を飛び出した。
一夏のことが心配なのではない。………いや、もちろん心配ではある。なにせ倒れたのだから。だがそれよりも陸斗の方が気になる。一夏はISを装着していたためケガはそこまで酷くないだろう。おそらく衝撃が強すぎて体にダメージが残っていたとかそのあたりだろう。
しかし陸斗は違う。生身で2体のISを倒した上に、最後はあり得ないほど高く跳び、そのまま上手く着地できなかったのだ。しかも2体目と戦っていた時、明らかに右手の使い方が不自然だった。あれはどこか怪我をしているに違いない。
私は自分のことを不甲斐なく思っていた。世界最強の称号、『ブリュンヒルデ』をもらっていながら、自分が守ると決めた少年1人すら守れていないのだ。
むしろ今回は私も含め全員助けられた。守られた。この事実を前に、私は自分に腹が立って腹が立って仕方がなかった。不安と焦りが私の足を速めていく。早く陸斗の顔が見たい。陸斗、頼むから無事でいてくれ。お前が無事でいてくれれば、私はそれだけで十分だから。
~陸斗side~
「陸斗君!」
「ああ、鷹月か。」
「大丈夫!?」
「ちょっと立てそうにない。」
「怪我!?どこ!?早く手当しないと!」
慌てて駆け寄ってくる鷹月。その後ろにはクラスの女子(オルコットと箒を除いて)が全員いた。
「右手と右腕と左足首。足首は捻挫で後の2カ所は多分骨が折れてる。」
「骨折!?大怪我じゃない!早く私に掴まって!」
鷹月が肩を貸してくれる。しかもちゃんと左側に立って、怪我したところに負担がかからないよう、しっかりと支えてくれるし、力加減も上手い。
クラスメイトのみんなが口々に俺を心配してくれる。そして「助けてくれてありがとう」と感謝の言葉をくれる。
俺は不意に目頭が熱くなった。今までの戦いは全部誰かのためにしたものではなかった。だが今日の戦いは違った。結果的に彼女たちを救った形になっただけかもしれないが、それでも彼女たちを救ったのは事実で、俺は彼女たちに感謝されている。
(こういう戦いも、悪くないかもな………)
俺はどこかすがすがしい気持ちで今日の空を見上げた。
(今日の空って、こんなに青かったっけ………)
目の前に広がるのは、今まで見たことないくらい青く澄んだ空だった。
~陸斗君の能力説明~
陸斗君は戦闘能力こそ高いですが、それは戦闘技術が高いということです。
力の関係図はこんな感じです。
戦闘技術:死神≧生身>>>>IS
身体能力:死神>>>>>>>>>>IS>>>>>>>>>生身
頑丈さ:死神>>IS>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>生身
とまあこんな感じです。身体能力をさらに細かく表すと、
力(パワー):死神>>>>IS>>>>>>>>>>>>生身
速さ(スピード):死神>>>>>>>>>>>>>>IS≧生身
体力(スタミナ):死神>>IS>>>>>>>>>>>>>生身
とまあこんな感じです。戦闘技術はISに慣れていないということも関係しております。
~感想をくださった皆さんへ~
返信できなくてごめんなさい。ですがちゃんと読ませていただきました。これからの感想にはなるべく返信したいと思いますが、今日までの感想で、返信が書かれていないものに関しては、この後書きをもって返信とさせていただきます。
これからも、よろしくお願いします!
次回、代表選後の話を書いて1巻分を終わらせるつもりです。
以外にこの話が長くなってしまいましたorz