死神がISの世界に 改   作:岩男 一前

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昨日、赤色ゲージ点灯しました!

これも普段から愛読してくださっている皆様のおかげです。

最近作者自身がせわしない日々を送っており、更新が2週間空きになるなど、不定期になってしまってごめんなさい。

ですが絶対に書ききります。

今まで読んでくれた皆さん、そしてこれから読んでくれる皆さん、これからもこの岩男一前をよろしくお願いします!


Ep.26 昼食のひと時

~陸斗side~

 

(銃撃戦は久しぶりだな。)

 

銃撃戦をやるのはドイツの時以来か………。

 

山田先生も本気で来いと言っているので、本気を出させてもらうとしよう。

 

 

「行きますよ、西條君!」

「いつでもどうぞ。」

 

銃撃戦に備えて、集中力を高める。

 

銃撃戦は経験とセンスがいる。天気、風、気温、湿度などの自分の周りの環境をすべて把握する必要がある。

 

(すべてを肌で感じろ。この地球のエネルギーをすべて自分という器で感じるんだ。)

 

眼を閉じて視界を真っ暗にする。だが今の俺には自分の周囲が手に取るようにわかる。

 

(前方から気流の乱れを感じる。)

 

気流の乱れが激しい。どうやら銃弾のようだ。この乱れ方からすると顔を傾けただけで避けれる。

 

顔を少し左に傾けると、その横を猛スピードで小さな何かが通過した。

 

『突然目を閉じたので、舐められているのかと思いましたが、違うようですね。』

 

山田先生から通信が入る。

 

『山田先生を見くびるわけがないじゃないですか。俺はすべてを感じているだけです。』

『なるほど………それではこちらも心置きなく攻撃させてもらいます!』

 

 

こうして、俺と山田先生の戦いは始まった。

 

 

~3人称side~

 

「お、織斑先生、なぜ先ほどから陸斗の攻撃は当たって、山田先生の攻撃は当たらないんですか?どう見ても陸斗の方が後出しで銃を撃っているようにしか見えないんですが………。」

 

銃撃戦に疎い一夏が千冬さんに尋ねる。

 

「あれはただ単に西條の方が技術が一枚上手だというだけだ。………いや、もしかしたら一枚上手程度では済まないかもしれないがな。」

「お、お言葉ですが織斑先生、山田先生の方が銃のキャリアとしては長いのでは………?」

 

的確な質問を投げかけるセシリア。こういうところはやはり同じ遠距離型と言うべきだろう。

 

「言い方が悪かったな。『銃の扱い方』ではない。『戦闘のスキル』という点において西條の方が何枚も上手だということだ。」

「なるほど、それならわかるかも。」

「確かに、陸斗さんならあり得ますわね。」

 

鈴とセシリアの言葉に、一夏と箒、その他1組と2組の女子が全員頷く。勿論、陸斗を副教官として尊敬しているラウラも頷いていた。

 

1人だけ、何も知らないシャルルだけが頭の上に『?』マークを浮かべていた。

 

「ねえ一夏、西條君ってそんなに強いの?」

「ああ、滅茶苦茶に強い。本人は『俺みたいになるな』って言ってるけど、俺の1番の目標だ。」

 

遠い目をしながら陸斗を見つめる一夏。陸斗の思いとは裏腹に、一夏は陸斗を目標とする。

 

そんな一夏を横目に、千冬さんが言葉を付け足した。

 

「西條はミリ単位で調整して、自分の銃弾やレーザーの弾道が変わらないように山田先生の銃弾をはじいているんだ。」

「も、もしかしてそのまま山田先生に?」

「ああ。あれはあいつにしかできないだろうな。」

「お、織斑先生でもですか?」

「私はそこまで銃が得意ではなくてな。一応使えはするがあそこまで上手くは使えん。」

 

 

 

『織斑先生もできない』

 

 

いくら陸斗が強いといっても、千冬さんを超えるといった発言はやはり生徒に強い衝撃を与えるものであった。

 

しかし、千冬さんはさらにそこに追い打ちをかけた。

 

「ちなみに西條は今目を閉じている。」

 

「「「「「「「「「「へ?」」」」」」」」」」

 

「そ、それは本当なのですか、織斑先生?」

「ああ。先ほど山田先生と西條の会話を聞いてな。あいつはすべてを『感じている』そうだ。」

 

千冬さんの言葉に、専用機持ち一同(シャルルを除く)が一様にうなずいた。

 

「全く、あいつは本当に規格外ね。」

「わ、私、もう陸斗さんを怒らせませんわ!」

「はは、俺の目標は………遠いな。」

 

鈴、セシリア、一夏がそれぞれの思いを口にする。

 

しかし彼らだけではなかった。彼らから離れたところに1人、同じような言葉を口にする少女がいた。

 

「さすが西條副教官。やはりあなたは私の………。」

 

 

 

 

『憧れです』

 

 

 

~陸斗side~

 

俺は結局山田先生の攻撃をすべて無効化した。そのため、山田先生は『もう無理だ』と悟ったのか、先ほど降参した。

 

そして今、俺と山田先生はゆっくりグラウンドへと降りている。

 

『さ、さすが西條君ですね…。や、やるとは思っていましたがここまでとは思いませんでした。』

『いえ、山田先生の方が銃の扱いは断然上手だと思います。ただ………』

『ただ?』

『俺の方が『戦い』に慣れていた、ただそれだけです。』

 

山田先生は渇いた笑いをする。

 

『すみません、山田先生。生意気を言ってしまって。』

『い、いえ、そんなことはありません!あの織斑先生が認めるほどの実力者ですから、当然のことです!』

 

そっか、千冬さんは俺のことを認めてくれてるのか………。なんか複雑な心境だな。

 

 

地面に降り立つと、そこには千冬さんが待ち構えていた。

 

「ご苦労だった、山田先生、西條。」

「いえ、いい経験をさせてもらいました。」

「私こそいい経験でした。」

 

千冬さんは、微笑みながら『そうか』と一言いうと、生徒の方へと向き直った。

 

「それではこれよりグループに分かれて実習を行う!リーダーは専用機持ちのオルコット、凰、織斑、デュノア、西條、ボーデヴィッヒの6人に私と山田先生を加えた計8人でやる。では分かれろ!」

 

千冬さんの号令がかかった瞬間に一夏とデュノアの周囲に人が群がる。

 

俺の周囲には俺と仲のいい鷹月たちが来てくれた。ほかにも知らない顔の女生徒が何人かいたが、一夏ほどはいなかった。

 

「出席番号順に均等に分かれろ!実習ができんだろうが!」

 

 

………今日もいつも通りの展開だ。

 

 

 

 

 

~昼~

 

あの後の実習は大変だった。一夏が箒をお姫様抱っこで運んだせいで俺とデュノアの班にも被害が及んだ。というのも俺とデュノアの班でも(おそらくわざと)ISを座らせないで降りる人が増加し、何度も何度もお姫様抱っこをしなくてはならなくなったのだ。

 

まったく、一夏の超絶唐変木め。俺とデュノアまで巻き込むな、あのアホ。

 

で、俺たちは今何をしているのかというと、専用機持ち5人+箒といった超豪華メンバーで昼食を食べている。

 

 

 

ここでも超モテモテ具合を発揮した一夏。鈴とオルコットと箒から弁当をもらっている。俺はというと、自分で作ったごく普通の弁当(中身はサンドウィッチ)を食べている。

 

「おお、酢豚だ!」

 

鈴のはどうやら酢豚らしい。

 

「そうよ。この前食べたいって言ってたでしょ?」

「ん、んん!一夏さん、私も今朝は偶々、偶然早く目が覚めまして、こういうものを用意してみましたの。」

 

オルコットが差し出したバスケットの中には綺麗な見た目をしたサンドウィッチが入っていた。中身が被るとは奇遇だな。

 

「イギリスにも美味しいものがあることを納得していただきませんとね。」

「へぇ~言うだけあるな。それじゃあこっちから」

 

一夏がバスケットの中から玉子のサンドウィッチを手に取り食べる。

 

が、見る見るうちに顔が青くなっていく。

 

「いかが?」

 

オルコットが『褒めてくれ』と言わんばかりの笑顔を一夏に向ける。

 

「どんどん召し上がってくださって構いませんのよ?」

「い、いや、後でもらうよ。」

 

一夏の顔の汗が半端じゃない。それに反応もおかしい。

 

もしかしてこれは………。

 

「なあオルコット、俺にも食わせてくれないか?」

「構いませんわ!どうぞお食べください!」

 

俺は一番無難そうなレタスとトマトが挟まったサンドウィッチを手に取った。

 

(これなら流石に不味くは作れないはずだ。)

 

一口サンドウィッチにかじりついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

…………ああ、俺はオルコットの料理の腕を舐めていた。それも悪い意味でだ。

 

このサンドウィッチ、一体何が入っているのだろう?

 

玉子なら味付けをミスしたとか、そういうことで不味くなるのはわかる。だがただ単に野菜を挟むだけのこのサンドウィッチでどこをどうしたらこんな味になるのだろう?なんだろう、ヘアスプレーのような風味に砂糖と塩を間違えたとか言うレベルではないほど甘い。それも砂糖の甘味ではない。

 

「………オルコット、これは何を作ったんだ?」

「サンドウィッチですが、何か問題でも?」

「大アリだ。不味すぎる。」

 

一夏が『お、おい陸斗!』と言っているが無視だ。こういうのを指摘してやらないのはやさしさではない。こういう時はちゃんと言ってやるのが本人のためだ。

 

「そ、そんなことありませんわ!この通りちゃんと………。」

 

オルコットが自分の作ったサンドウィッチを口に含んだ瞬間、顔を真っ青にした。

 

「こ、これは本当にこの世の食べ物ですの!?」

「お前が作った食べ物だ。それはサンドウィッチとは言わん。これを食べてみろ。」

 

俺は自分の弁当を差し出す。

 

「!お、美味しいですわ!」

「これが本当のサンドウィッチというものだ。」

「陸斗、俺にもくれ!」

「僕ももらていいかな?」

「おう、勝手にとっていいぞ。」

 

『勝手に』と言ったら、箒と鈴も取って食べた。

 

「「「「!!」」」」

 

全員が一斉に驚く。

 

「「「「こ、これ美味しい!」」」」

「そうか、ならよかった。」

 

自然と笑みが出る。まさか1人暮らしで偶然自然と身についたスキルが役立つとは思わなかった。

 

「り、陸斗さん!」

「なんだ、オルコット?」

「私に料理を教えてください!」

「時間があったらな」

「はい!」

「みんな、さっさと食べようぜ?時間が無くなっちまうぞ?」

 

その後、一夏が箒に『はい、あ~ん』をするなど、少々ハプニングがあったが、楽しい昼食の時間だった。

 

 

ああ、俺も千冬さんに『あ~ん』とかしてもらいたいな………でもまあ千冬さんはそんなことしないか………。

 

 

 

 

そんなことを考えながら、みんなでワイワイ教室に戻った。

 

~その頃の千冬さん~

 

「ハックション!」

「先輩、風邪ですか?」

「いや、大丈夫だ。」

 

全く、誰か変なことでも考えているな?おそらく一夏あたりが本命だろうが………陸斗もあり得るな。全く、手のかかるやつらだ。

 

 

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