町人Aは逆ハーヒロインに狙われる 作:いちおう匿名。いちおう
原作で言うと37話ですね。飛躍しスギィ!?
原作に意識して寄せてあるんで、読み比べても面白いかも。
(以下、オタクの早口)悪役だったり腹黒キャラが、主人公に更生されてツンデレキャラみたいになって、でも主人公とは対立関係というか若干敵視されていて、どうにか好感度を上げようと頑張るけど本音は言えなくて勘違いされて空回りとかして、そのうち主人公と話したり一緒にいることに幸せ感じる系ヒロインが好きです(異常、性癖暴露)
好きな俺ガイルのキャラはさがみん
あたしはエイミー、この世界のヒロインよ。
下町で貧乏暮らししていたけど、色々あって2階ベランダから落ちかけた時に突然記憶が戻ってきたの。
それで気づいたのよ。この世界は前世のあたしにとって心の支えだった乙女ゲームの内一つ「マジカル☆ファンタジー〜恋のドキドキ♡スクールライフ〜」の舞台で、あたしはそのヒロインだって。
あたし、前世は中学高校共にいじめを受けてたんだよね。理由は顔がキモいとか声が汚いとかマヌケとかノロマとかブスとか言いたい放題でさ。女子どころか男子にも言われてきたし、嫌がらせ落書き暴力なんでもあったわ。高校に入ったら終わるかなと思ったらむしろ激化して、一時期の気の迷いで自殺しちゃった。思い出してからは結構後悔したわ。だって自殺したのは好きな乙女ゲームの追加DLC発売日前日だったし。あーあ、プレイしたかったなぁ…。
とまぁあたしはこんなかんじで大の乙女ゲー好きで、暇さえあれば乙女ゲーをやっていたの。乙女ゲーの中でならあたしは綺麗な子で、みんなにちやほやされる。そして、いじめ云々は乙女ゲーを支えにしてたら案外へーきだった。まぁ精神はともかく身体が保たなかったんだけどね。
中でもこのゲームはサブルート含めコンプはもちろん逆ハールートは何周もしたくらいはした結構なお気に入りだった。ていうか買いたかった追加DLCもこのゲームだし。なんならいじめで死んだショックより乙女ゲーのDLC出来なかったショックの方が大きかったわよ。
ま、だからあたしはこの世界に転生できたのかもしれないけど。神様が、かわいそうなあたしに第二の人生として乙女ゲーのヒロインにしてくれたに違いないわ。
それにしても本当、ご褒美よね。
あたしの推しはカール様だけど、他のイケメンたちも逆ハールートさえ選べばみんなあたしを愛してくれるのよ? 逆ハールートはカール様ルートがメインだし、選択肢は全部暗記してるから違えたりなんかしないわ。
乙女ゲーのくせに難易度は相当高くて、でも課金はアイテムとかはたくさんソフト買っててお金なかったからできなかったけど、その分時間をかけて攻略したんだもん。スクロール縛りプレイでも楽勝なのよ、あたし。
しかも逆ハールートをクリアしたらあたしは光の精霊に祝福された慈愛の聖女様よ?あーあ、前世のいじめてきた奴らに今のあたしを見せてやりたいわよ。
まあだからこの後の展開は容易について、普通に暮らしてたら、やっぱりその通り!
原作通り、あたしはブレイエス男爵の娘だったことが分かって男爵家に引き取られたわ。しかも、【癒し】の加護もっていることがわかったの。
ふふ、貴族とかはどーでも良いけど、この光景をいじめてきた奴らに見せてやったらどんなに気分が良いかしら?ブスとかゴリラとか散々言われたあたしが貴族のご令嬢で聖女様の卵よ?
あー、もう。笑いが止まらないわよね。せっかく転生したんだし、もちろん難易度が1番高い逆ハールートを目指すことにしたわ。
勉強は前世よりは簡単だったけど、前世では勉強道具なんて落書きとか盗まれされ放題だったし、まともにしてないから少し苦労したわ。まぁどうせ暇な時間は乙女ゲーしかしてなかったし、いじめは関係ないかもしれないけど。
今生の勉強で覚えてるのは、貧乏暮らしをしていた時に通わされた学校に天才とか言われていた男の子がいたことね。暗記が苦手な歴史はともかく、前世でちょっとはできた数学分野でもあたしはそいつには敵わなくて、本物の才能を見せつけられた気分だったわ。別に話したこともないけど。
まぁでも、特に問題なく舞台の王立高等学園に入学したわ。その男の子と関わりはなかったけど、前世持ちとしてのなけなしのプライドが触発されて勉強にはそこそこ力を入れたおかげなのか入学試験では3位だったわ。
ゲームでは王太子が1位でヒロインが2位だけど、2位にはアレンって男の子がいたわ。その時は気づかなかったけど、よく考えたらアレンって学校にいた天才君だって思い出したわ。どうせ平民だし、今の貴族のあたしとは比べる対象にすらならない……とか思っていたら、また会う羽目になったわ。しかも舞台の学園で。
貧乏学校に居たし平民だから入学金が支払えないと思うのだけど、特待生ってあるし特例でも認められたのかしら?というか、こんな勉強ができるモブなんていなかったし、幼少期の
ちょっと、いやかなり気になったあたしは、入学式の時に隣に座って話をしてみたわ。この時のヒロインはカール達を遠巻きに見ているだけだったから、問題はないはずよね。
あたしが話しかけるまで俯いて落ち込んでいたんだけど……ああそう言えば「平民は貴族にはなしかけてはいけない」みたいなルールがあったわね。Aクラスは平民1人だし、そりゃ憂鬱にもなるわね。少し同情するわ。
「こんにちはぁ。あたし、エイミー・フォン・ブレイエスです。特待生のアレンさんですよね?よろしくお願いしますぅ」
「はじめまして、エイミー様。俺はアレン、平民のアレンです。よろしくお願いします」
話し方はあたしが思う乙女ゲーの主人公を意識して上目遣いで甘い声をだしたが、これが効果的面でアレンが内心かなり取り乱しているのがよく分かった。取り繕ってはいるが、乙女ゲーで鍛えた観察眼、舐めんじゃないわよ。
「ふふ、エイミーで良いですよぉ。私は元平民ですし、貴族に対する礼もいりませんわ」
「え、えっと……エイミー、でいいのかな。俺のこともも呼び捨てで構いません」
顔は……まぁ及第点。少し陰が暗いけど、それ以外はあたしの好みと結構近いわね。他の攻略キャラにも遜色ないくらい。
これでアレンがDLCの攻略キャラというのはほぼ確定ね。コンセプトは貴族と平民の禁断の恋、とかかしら?個別ルートだと聖女と駆け落ちルートとかありそうね。あぁ…乙女ゲーしたくなってきちゃったわ。
あと、貴族になってから身の回りの世話をメイドとか執事してくれるけど、全員年上で大人だし、会話も必要最低限しかないのよね。ちょうどいいし、アレンを執事として雇ってあげることにしたわ。そのためにも、とりあえず好感度稼ぎよね。原作で攻略したことはないけど似たような乙女ゲーの展開は知ってるし、ここは貴族側から歩み寄るといいのよ。
「くすくす、敬語もいりませんよぉ。普通に接してくださいねぇ」
「あ、ありがとうござ……ありがとう、エイミー」
そう言うと、アレンは露骨に安心した表情を見せたわ。クラスの中に気軽に話せる人ができて嬉しいんでしょうね。まぁこのくらい乙女ゲーマスターとしてできて当然よ。ついでにと、あたしはアレンの好感度が上がりそうなセリフを言ったわ。
「アレンさん、11 才の時に全教科満点で飛び級卒業したんですよね。あたし、その時同じ学校に通っててぇ、尊敬しちゃいましたぁ」
そう言うと、アレン顔を真っ赤にして照れてしどろもどろになったわ。
チョロい。
ま、あたしの乙女ゲースキルにかかればこんなもんよ。
顔もそこそ好みだしせっかくの新キャラだけど、あたしは逆ハールートに進みたいし、攻略は余裕があるときでいいかしらね。
「あたしぃ、ちょっと勉強についていけるか不安でぇ。よければ勉強教えてくれませんかぁ」
「えっと……俺で良ければ」
約束事を結んで、次のイベントフラグ成立に手答えを感じたわ。前情報があったし、むしろ選択肢がなくて自由な分楽勝よね。
ま、あたしレベルになれば平民の1人くらい逆ハーイベントの空き時間に堕とすなんて余裕に違いないわね。
そう考えたあたしは、その後もちょくちょくアレンに話しかけ、副次効果で「平民にも分け隔てなく接する優しい貴族令嬢」というステータスを得ることができたわ。
実際アレンは賢くて授業内容を分かりやすく教えてくれるのは案外助かっているし、話すと周りの好感度まで上がるなんて、いことづくめのアレンって相当な便利キャラね。しかも元冒険者らしいし、意外と戦力にもなりそうね。加護はもってなさそうだけど、DLCらしく初期だけ強いお助けキャラみたいな感じかしらね。
ほんと、乙女ゲーのヒロインって最高だわ!
どうでしょうか?
若干改善しつつも、悪役臭は消えないざまぁ系ヒロインの独白でした。特にアレンに対する印象が「顔は好みじゃないけど下僕なら良い」→「顔はそこそこ好みだけど今のところはただの便利キャラ」と顔以外大して変わってない気がします。
変更理由はエイミー救済ルート構築のためですね。原作ほど救いようのない悪人ではないよってことです。
まぁでも逆ハーは目指してるし、男を侍らせたり、完璧な悪役令嬢を敵対視してたりと根本的な性格は変わってないです。そうなった原因が追加されただけですので。なので真っ当な不幸ヒロイン救済が見たい方は原作読んで、どうぞ。(隙あれば推薦する読者の鏡)
次はエイミー独白の続きか、町人Aサイドで書くか……ま、ノリで書いているんでノリで決めたいと思います。