町人Aは逆ハーヒロインに狙われる 作:いちおう匿名。いちおう
何故にアンケートしたし……あ、でも安心して下さい。要望の多かったアナスタシア編は今日中に書き上げ投稿しますので。(ちゃんと要望に対応する作者の鏡)
というわけで、28話から一気に駆け抜けるぜ
いろいろ飛ばしまくってるから原作読むのを推奨しとくぜ。まぁざまあ無いし詳しい描写なんて要らんだろ(ポイッ)
ーー原作読んでいると違和感バリバリなんで、いくつか注意点をば(飛ばして、どうぞ)ーー
・現状で唯一対等に話せるエイミーに対しアレン(主人公)の好感度は高め。
・Bクラスの平民は良いとこの商人出身で、無名の特待生であるアレンへはプライドや偏見で相手にしていない。
・エイミーの口調は話してるうちに慣れた(馬鹿っぽいとか思っても言ってはいけないよね精神)。原作のように「なんか媚び売ってんなー、裏ありそうだなー」とは薄々感づいているが、それなら平民モブの自分に話しかける理由が分からず(まさか自分も狙われてるとか思うわけない)ただの疑問に収まっている。
さて、俺が学院に入学してから1ヶ月程度が経過した。相手は貴族だが友人もできて、ぼっち生活はなんとか回避することができた。
まぁ9割方はぼっちなんだけど。だって唯一できた友人のエイミーは攻略対象達に大人気だし。
入学初日に話しかけてきたエイミーは、俺というイレギュラーを挟みつつも無事にフラグイベントこなしたようだが、今でも偶にだが俺に話しかけてくれていた。
「アレン、約束は覚えてますかぁ?」
エイミーが本当に勉強を教えて欲しいとお願いしてきた時は驚いた。半分くらい社交辞令だったんじゃと思っていたし、エイミーは平民に教えを請うのは嫌ではないらしい。
「元平民同士、仲良くしましょうねぇ」
「いや俺は今も平民なんだけど」
その後も、授業の合間に分からない場所を聞きに来たり、先週なんて短時間だったとはいえ放課後に勉強会を開いたりもした。
だからといって別にキャッキャうふふなイベントは一切無いが。さすがに平民と貴族だし、そこら辺はちゃんと線引きしている。それに、そういうのは王太子と愉快な仲間達がいろいろイベントを起こしているから、そういう意味でも俺は要らなそうだし。
そして魔法演習授業でのイベント。子供以下の王太子の暴走と、暴走を止めたアナスタシアを邪険に扱いエイミーだけに感謝するというクソほどどうでもいいイベントが起こった後のこと。
クラスの雰囲気は最悪と言っても差し支えなかった。
王太子に気に入られたエイミーに対して、大なり小なりの嫌がらせが行われるようになった。
相変わらず平民の俺に話しかけてくるエイミーにそれとなく聞いてみたが、エイミーは貼り付けた笑顔で「大丈夫ですよぉ、慣れてますしぃ」と言ってのけた。その言葉には妙な凄味が感じられて、強がってるのか本心なのか分からず、俺は何も言えなくなってしまった。
痩せ我慢なのか本当に平気なのか、実際どうなのか分からなかったが、友人のイジメをみて見ぬふりをするような奴にはなりたくない。なので、ぼっち学院生活を回避させてくれた恩人に対して俺は影ながら助力することにした。
と言っても出来ることは大してない。平民は貴族に話しかけられないし、「Aクラスの平民がエイミーに取り入ろうとしている」という噂が立って不必要に目立つのも嫌だったため、俺ができたのは嫌がらせを妨害するだけだ。
具体的にはエイミーのそばでこそこそと陰口を話す声を風魔法でエイミーには聞こえないようにしたり、隠密で尾行して隠したエイミーの持ち物を元に戻しておいたりしたが、根本的な解決にはなってないのは分かっている。女子寮で起こったことはどうしようもないし。
でも、一度だけ表立って嫌がらせを止めてしまったんだが……、アレは失敗だったな。あくまで俺の目標はアナスタシアを救うことで、だから目立つことは控えていたのだが、あの時は何故か相手に一言言ってやりたくてしょうがなかった。幸い周囲には誰も居なかったし、数日間隠密で調査したが広まってはいなさそうだけど。
まぁゲームイベントとは言え、いじめ見ていて気持ちの良いものではない。前世でも高校生の時、周囲でいじめがあった。俺は殆ど関係なかったし、気づいたら当事者全員退学していたのだが。もしかしたら、俺が一言言いたかったのはその時の感情も含まれていたのかもしれないな。
そして隠密スキルで情報収集した限り、嫌がらせの主犯格は予想通りアナスタシアの取り巻き達だった。大方、王太子がエイミーに奪われそうで焦っているんだろう。俺が嫌がらせを止めたのもその1人だ。
まぁアナスタシア自身は嫌がらせには関与していないし、寧ろ真剣に取り巻きを止めようとしているのだが。俺が前世でアナスタシアを好きになったのはそういう所だ。
俺なら見捨ててしまうような王太子や取り巻きでも、アナスタシアは最後まで説得しようとしていたしな。
それと朗報なことに、エイミーは平民の俺にも差別意識なく接するため、アナスタシア以外にも「善人をいじめるのは気が引ける」と思っている取り巻きもいるようだ。まぁ肝心本人の意志が弱いせいで嫌がらせ自体には関与しているのだが。
それからさらに時間は経って、気づけば夏休み目前に迫っていた。
まだルート確定はしていないが、エイミーは順調にイベントをこなしたようで、王太子と愉快な仲間たちに囲まれてすっかりお姫様状態だ。
「アレン、この前の勉強会覚えてますかぁ?」
「ああ、うん。覚えてるけど。説明分からないとこでもあった?」
「いえいえ。前にアレン欲しがっていた小物入れが手に入ったので差し上げますぅ」
「……えっと、ありがとうエイミー」
しかし、エイミーは俺にも変わらずに話しかけくれ、この前なんかは可愛らしい小物入れをプレゼントしてくれた。対価は要らなくて普段勉強を教えてくれているお礼らしい。……まぁ俺が欲しがっていたのはエイミーの勘違いなんだけど。嫌がらせで隠されていたエイミーの持ち物を取り返して、こっそりと戻そうとした時に見つかってしまい、俺が慌てて誤魔化したせいである。
勉強も他の攻略キャラにでも聞けば良いのに、エイミーは相変わらず授業の隙間なんかに俺へ聞きに来ていた。もしかしたら、俺がAクラスで孤立しないように配慮してくれているんだろうか。
さてそんなエイミーだが、教室での会話イベントを聞く限り、順調に逆ハールートを進んでいるようだ。だとすると断罪イベントは確定してしまうが、その為に俺が居るんだし、逆ハールートは難易度の高さから何度もやり直したルートだから行動を読みやすい利点はある。
一旦考えるのを止め、俺は終業式に参加するために講堂へと向かった。すると講堂の壁に人だかりができており、そこには期末試験のテストの結果が張り出されていた。
まぁ詳細はカットするが、1位俺2位アナスタシア3位エイミー(他だいたい原作通り)とだけ言っておこう。俺は満点、アナスタシアとエイミーも490点を超えている。他は……だいたい400点くらいに固まってるな。
内容は日本でいう中学生レベルで、王立学院がこのレベルの学習でいいのかと偶に不安に思ってしまうが。まぁ魔法学院だし、それに貴族同士で青春してるんだろう。俺は勉強に油断や慢心はしてないし、エイミーに勉強を教えるのは自分の復習にも一役買っていた。特待生という分類とはいえ、平民は平民だし退学はなんとしても避けなければならないから、これからも全力で取り組むつもりだ。
青春……前世……高校生時代……。はぁ、入学したての頃は学校がイジメやら自殺やら退学騒ぎでクラス全体が暗かったし、一時期はクソ姉貴のせいで乙女ゲーばっかやってたし……。貴族とか身分云々言っても、こっちの方がまだエイミーいるだけマシかなと思ってしまう。
まあ勉強とか剣術、魔法に関しては現状維持で大丈夫だろう。剣術はともかく勉強は1位だし、魔法はまだ実力はほぼ隠している。剣術も足を引っ張る程ではない。総合的に見て余裕があると言えるな。
不安なのは貴族特有の不正だが、この世界の元が乙女ゲームということを考えるとほぼ100%ないだろう。まぁ確証はないが、先生方は俺を平民だからと侮る行為はしないし、入試や期末テストの結果を見る限り大丈夫だと思う。
終業式が終わって教室に帰るとホームルームが始まり、一人一人名前を呼ばれて答案が返却される。俺も呼ばれたので前に行くと、先生は返す時に一言。
「アレン君、君は一人だけ満点でした。我が国の学校制度が始まって以来の天才と聞いていましたが、その才能を遺憾なく発揮してくれましたね。皆さん、アレン君に拍手を送ってください」
嬉しいんだけど、どーせ貴族様は拍手しないだろ……って思っていたらアナスタシアとエイミーが拍手してくれた。釣られるようにクラス全体が拍手を俺に送る。
俺はクラス全員に向かって深く一礼し、自分の席に戻った。
それから夏休みの自由研究について説明されるが、内容自由で評価基準もないらしい。まぁ、お偉い様の貴族に平常点を与えるための課題だろう。
とはいえ、俺には関係ない。夏休みは悪役令嬢関連のイベントで気になるものは無いし、自由研究もエルフかオークの迷宮関連の内容を書けばいいだろう。
……と、思ってた時期が俺にもありました。
「おい、アレンといったな」
はっ、しがなきモブです悪役令嬢様。町人Aとお呼びください。
………………
「追って使いの者をやろう。呼び止めて悪かったな」
「はっ」
アナスタシアはそれだけ言うと取り巻き令嬢と共に踵を返して歩いていった。
使いの者が来る?
という事は俺、もしかして目をつけられたのか?
とはいえアナスタシアは身分が低い者には誰だろうとこの口調だ。さっきの答案返却では1位を奪われながらも拍手をしてくれたことから、決して悪くは思われてない……と信じたい。
「アレン?どうしましたかぁ?」
「いや、なんか試験で1位取ったせいか公爵令嬢様に目を付けられたらしくて」
次に話しかけて来たのはエイミーだ。話しかけてくれるのは嬉しいんだが……後ろで王太子が凄い目でこっちを見てるのが怖い。
「……アレンは賢いですしぃ、アナスタシア様に目をつけられるのも納得ですねぇ」
「そうか?エイミーも3位じゃないか。この調子なら次は満点狙えると思うぞ」
「ありがとうございますぅ。アレンに言われると嬉しいですぅ。次はぁ、アナスタシア様を超えられるよう頑張りますぅ」
ん?エイミーからアナスタシアに対する敵対心を感じ、俺は内心首を傾げる。エイミーはそういう敵対視はしないタイプかと思っていたけど。エイミーも満点取れなかったのが悔しいのかな。
その後、エイミーが一緒に自由研究しないかと誘ってくれた。俺を1人にしないようにという配慮だろう。もちろん歓迎だったが、返事をする前に痺れを切らした王太子がエイミーを呼びに会話を中断してきた。「俺はまだ誘われていない」とか「平民が先か」とか煩かったんで申し訳なさそうな顔のエイミーに「気にしてない」とアイコンタクトを送り、俺は教室から立ち去った。人気なのは大変だなーと他人事のように考えつつ、夏休みどう過ごそうかと俺は思考を巡らせるのだった。
まぁ数日後、使いを通してアナスタシアにも自由研究のグループに誘われて、結局エイミーとも一緒になったのだから、結果的には同じだったのだろう。
とりあえず、俺は乙女ゲーの夏休みイベントにモブ枠で参加することが決まったのだった。
9評価を3つも!!こんな趣味全開な小説にありがとうございます!!その評価が読まれるきっかけになり、沢山読まれて作者の書く気も上がり、評価が増える、ととても良い循環ですね!評価!最高!
まぁある程度の低評価は覚悟してましたが、思いの外優しい方が多くて感謝極まっています。とりあえず断罪イベントまでは書き切りたいなーと思っていますので、よろしければ評価・感想お願いします!!評価なんて2クリックで終わりますよー(露骨な催促)
ということでー、アンケートですっ(反省しない作者の屑)