エースコンバットZERO 傭兵たちの軌跡   作:メビウス1

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大変お待たせしました。
就活とか書く暇なく、時間が結構かかりました…


傭兵たちの休息

1995年5月14日 0600 ヴァレー空軍基地 兵舎

 

「朝か…」

 

朝を迎えたヴァレー空軍基地。その兵舎の一室でギリアムは目を覚ます。重い体を起こし、目を完全に目を覚ますため、洗面台に向かい、蛇口を捻り、冷水で顔を洗う。

 

5月になっても、山岳地帯にあるヴァレー空軍基地は氷点下であり、蛇口から出る水は通常よりさらに冷えている。

しかし、その冷たい水の刺激によってギリアムは完全に目を覚ます。

 

「少しだるいな…飲み過ぎたか」

 

ディレクタス解放した夜。祝杯が開かれ、傭兵、正規兵構わずドンチャン騒ぎになった。

 

もちろん、この作戦に参加したガルム隊、ディアブロ隊、ヴァルキュリー隊もその場にいたが、ガルム隊、ヴァルキュリー隊は酔いつぶれる前にうまく離脱をした。

しかし、ディアブロ隊の二人はその場から離れることなく、酔い潰れるまで飲まされた。

 

離脱したギリアム達はその後、ティオナ達の整備組と合流し、体調を崩さない程度に飲み直したが、体は少しダルさを感じていた。

どうも、飲む量を僅かに間違えたらしい。

 

幸いなのはディレクタス解放の活躍を受け、ガルム隊、ヴァルキュリー隊、ディアブロ隊には今日から二日間の休みを与えられていることであった。

 

本来であればギリアムはもう少し、寝るつもりであったが、今日はそんなことはできない。

 

「着替えて、ウォルターたちの所に行かないとな」

 

二日間の休みを貰ったギリアムは自分の子供であるウォルターとロザリーに遊ぶ約束していた。

 

ウォルターとロザリィーの必死のわがままを受け、仕方なく連れてきたが、ギリアムはパイロットであるため、二人に構う時間など無い。

また、ティオナも機体の整備ため、構う時間も減っていた。

 

ギリアムとティオナがいない時はノースポイントから連れて来た例の外務官が遊んでいるが、やはり親が無いと寂しいらしい。

 

そのため、今日、明日はゆっくりと遊ぶことが出来るとウォルターとロザリィーに伝えた時は凄く喜んでいた。

 

そんな二人を悲しませる訳にはいかないギリアムは体調を悪い体を動かし、着替える。そして、再度洗面台に戻り、鏡で確認しつつ服装を整え、部屋から出るのであった。

 

 

 

部屋から出た後、息子たちがいる部屋へと向かうため、通路を歩いていると偶に、気分が悪そうな傭兵と正規兵とすれ違う。

原因は間違いなく、昨日の祝杯で飲み過ぎて二日酔いだろう。

 

すると通路の端に紙袋を口に当て、縮みこまっているコバヤシと、そのコバヤシの背中を撫でているフォルドも姿があった。

 

「大丈夫かコバヤシ?」

 

「大丈夫じゃ…ありませんよ…ウェ」

 

「全く、今日が休みで良かったよ。俺も、昨日は流石に飲み過ぎだようだ」

 

ギリアムは二人に声を掛けるが、コバヤシはかなり気分が悪いらしく、手に持っている紙袋に吐いている。

 

一方、フォルドは見た感じ、元気そうに見えるが、本人曰くは体調が少し優れない様だ

 

「あれだけ飲まされて、ダウンしていない。しかも、軽い体調不良で済んでいるお前がおかしい」

 

ギリアムはティオナ達とゆっくりと飲んだ後、祝杯会場の様子を見に行ったが、そこには大量散らかっている空き瓶と飲み潰れた多数の正規兵と傭兵がいた。

そんな中、フォルドだけが立っていおり、未だに酒を飲んでいたのである。しかも、その場に聞いたが、フォルドはこの場にいる傭兵たちと勝負して、この惨状が出来たと答えたのだ。

 

それだけ飲んだのに関わらず、ピンピンしているフォルドは正に化け物であった。

 

「昔からこんな体質だ。今までコバヤシみたいなことには一度も無い」

 

「羨ましい体質ですよ…うぇー」

 

そんな隊長の体質をうらやましく思いながら、再び吐き気に襲われたコバヤシは紙袋を慌てて口に当て、胃から逆流してきた物を紙袋の中にぶちまける。

 

「まぁ、今日はゆっくりと休んどけ」

 

「そうさせてもらいます…」

 

「ほら、部屋まで手を貸すぞ」

 

二日酔いで立ち上がれないコバヤシはフォルドの肩を借り、ふらふらしながらもどうにかして、立ち上がった。

 

「よっと。ギリアムはこの後どうするだ?」

 

「休みの内は息子たちと遊ぶつもりだ。ここに来てから真面に構ってやれなかったからな」

 

「そうか。なら、たっぷりと遊んでやれ。あの年はまだ、親に甘えたい物だ」

 

「分かっている」

 

「うじゃ、行くわ。また後で」

 

そう言い、フォルドはコバヤシを支え、コバヤシの部屋へと向かう。

 

それを見届けたギリアムは再び妻と息子たちがいる部屋へと歩き始める。

そして、歩くこと3分。その部屋へと着いた。

 

ちょうどその時、ギリアムの前から相棒であるラリーもやってきた。

ラリーもギリアムに気付き、近付いて来る。

 

「よう相棒。どうした、こんな所に何か用でもあるのか?」

 

「家族がこの部屋だから、会いに来ただけだ」

 

ギリアムはそう言いながら部屋の扉の前まで行く。

 

「此処って…佐官クラスの部屋じゃないか!?」

 

「話を聞いた司令がわざわざ用意してくれた…本当に此処の司令は軍人とは思えないな」

 

当初はティオナにも他の一般兵、傭兵たちが使っている兵舎が割り当てられる予定であったが、ロザリィーとウォルターが来た事によって事態は急変。

子供には兵士用の部屋ではキツイだろうと司令が設備が良く、広い部屋である佐官クラスの部屋に変えてくれたのである。

司令曰く「どうせ使わない部屋だから自由に使ってくれたまえ」らしい。

 

「ここの司令は優しすぎだな」

 

「全くだ。それとラリー。一応、俺から離れてくれ」

 

「うっ?どうしてだ?」

 

「直ぐにわかる」

 

ラリーが言う通りに自分から離れたのを確認したギリアムは扉をノックする。

そして、次の瞬間。

 

「「パパー!」」

 

「うぉ!」

 

扉は勢いよく開き、ロザリィーとウォルターがギリアム目掛けて飛びつく。

ある程度こうなることを予測していたギリアムは受け止める体制をしていたが、予想以上に勢いと速さがあったため、二人を受け止められなく、押し倒されてしまった。

 

後にこの場面を見ていた彼の相棒。ラリー・フォルクはこう語った。

 

「普段高速物を見ていたが、人があれほど早く高速で動いたのは初めて見た」っと。

 

「まったく。お前らは…駄目じゃないか。確認してから扉を開けないと。また、ママに怒られるぞ」

 

「「ごめんんさい」」

 

「次からは気を付けろよ」

 

父に怒られ、ショボーンとする二人に、次から気を付けるように注意し、頭を撫でる。

 

ロザリィーとウォルターは一瞬キョットンとするが、直ぐに心地よさそうな表情をする。

 

「あなた大丈夫?」

 

部屋からティオナも出て来て、自分たちの息子たちによって押し倒されているギリアムを見て心配そうに声を掛ける。

 

「大丈夫だ。ほら、二人とも少し離れてくれ」

 

ギリアムは抱き付く息子たちを離して、立ち上がる。

 

「あら、フォルクさんもいらしゃっていましたか」

 

「たまたま、通り掛けただけだ」

 

「ねぇ、お父さん」

 

「んっ?どうしたロザリィー?」

 

「あのおじさん誰?」

 

グサッ。と言う何か刺さったような音を聞いたような気がして、慌ててラリーの方を見るともの凄い負のオーラが出ていた。

 

「おじさんか…まだ、20代の筈だがな…そうか、そんなにも老けて見えるのか」

 

「ラ、ラリー。大丈夫か?ラリー!」

 

悪意も、悪ふざけもない純粋におじさんと呼ばれた事にラリーは心に深く突き刺さったようだ。

 

ギリアムはラリーの肩を持ち、必死に揺らして正気に戻そうとする。

そんな、二人をやり取りを見ているティオナと

あらあらと言いながら見守り、ロザリィーとウォルターは笑うのであった。

 

「一体何が起きっているっすか?」

 

ギリアムと同じく、ロザリィーたちと遊ぶ約束をしていたウスティオ外務官のギルバードはその光景を見て困惑するのであった。

 

 

 

「行けぇぇぇぇ!」

「甘いぞ!」

あの後、ラリーをどうにかして正気に戻したギリアム達は兵舎から外に出て、基地の隅でウォルター、ロザリィーと一緒に雪合戦していた。

 

その中には同じく休みに入っているヴァルキュリー隊と暇で、子供好きな整備兵達も参加していた。

 

彼らもウォルターとロザリィーの遊び相手であり、ここに移動する時に会い。一緒にやることになった。

 

当初は10人対10人で計20名で雪合戦をしていたが、次々と脱落してゆき、現在は4対5の状態であった。

 

ウォルターとロザリィーの二人は生き残っており、同チームの外務官と協力しつつ、ラリーを含む5人を攻撃しており、ラリー達も負けじと反撃していた。

その光景を開幕早々にやられたギリアムはティオナと一緒に微笑ましく見ていた。

 

「久しぶりだわ…こうして、貴方とゆっくりと一緒にいられるのは」

 

「あぁ。ここ最近ずっとお互い忙しかったからな」

 

ギリアムとティオナがこのヴァレー空軍に来てからこの日に至るまで、忙しい日々が続いていた。

 

傭兵を大量に雇ったウスティオ軍であったが、撃墜や機体トラブルなどで人手が足りなくなっていた。

特にスクランブル機の消耗が激しく、スクランブル機が不足する程であり、仕方なく、通常機を交互にスクランブル機に回すことになり、無論、それはギリアムもその一人であり、ほぼ毎日出撃していた。

 

また、ティオナも機体を整理する日々が続いていた。

整備兵はパイロットとは違い、多くが正規兵であり、ティオナ達のように傭兵専属整備員を含めれば十分の人手は確保していた筈であったが、予想を超える被弾による稼働率の低下。

さらに、一部傭兵は資金不足のため整備がろくに行われていない機体もあり、整備員はそれらの対応に追われ、ほぼ24時間休まずの整備が続き、ティオナもそれに駆り出されていた。

 

そのため、二人は久しぶりにゆっくりとした時間であった。

 

「それにしても、今回の貴方は凄く活躍しているわね。もう、この基地のトップエースだし」

 

「最愛の人にそう言われると嬉しくたまらない。しかし、よくここまで撃墜されずに済んだものだ」

 

数多くのベルカ軍エース部隊を撃墜したギリアムはヴァレー空軍基地のトップパイロットになっていた。

 

しかし、ギリアムはよく此処まで生き残れたものだと思っていた。

実際、対ベルカエース部隊との戦いはどれもギリギリ戦いであり、特に国道奪還時と先日のディレクタス解放戦時のエースをこちらが撃墜されていてもおかしくなかった。

 

「あら。プロポーズの時に私より先に逝かないって約束したじゃない。その約束を破るつもりかしら?」

 

「破るつもりは無い。今は子供たちもいるんだ。そう簡単には逝かんよ」

 

もちろん、ギリアムは妻と息子たちを置いて死ぬつもりは無い。

たとえ、あの時は撃墜されていても、何が何でも脱出しようとするだろう。

その生きる意思もギリアムの強さの一つだろう。

 

「絶対にあの約束破らないでね」

 

「さっきも言ったろ。お前たちを残して死ぬつもりは無い」

 

そして、二人は自然と顔が近付き、唇を合わせるのであった。

 

なお、その後、二人がイチャイチャし始め、リタイヤした独身の整備員、パイロットが涙を流したのは言うまでもない。

 

 

ちなみに雪合戦はウォルター、ロザリィーチームが勝利した

 

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