エースコンバットZERO 傭兵たちの軌跡   作:メビウス1

3 / 12
凍土の猟犬

1995年 4月2日 10時00分 ヴァレー空軍基地上空

 

「あれが、ヴァレー空軍基地か」

 

ノースポイントを出発してから3日。各国の空軍基地で補給と休養を繰り返しながら、目的地であるヴァレー空軍基地が見えてきた

ヴァレー空軍基地は山岳の中にあり、陸路からの攻略は困難である。そのため、ベルカ軍もなかなか手が出せなく、今日まで持ち堪えることが出来ていた。

 

《こちら、ヴァレー空軍基地。こちらに接近中である所属不明機へ。貴機の所属と目的を答えろ》

 

ギリアムは外務官からもらった周波数に設定し、管制塔から質問に答える。

「こちら傭兵。コールサインはサイファー。お前らに雇われてきた」

 

《まて、今、確認する。…確認したしたサイファ―。着陸を許可する。ようこそ、ヴァレー空軍基地へ》

 

 

 

 

 

 

1995年 4月2日 10時20分 ヴァレー空軍基地 格納庫内

無事にヴァレー空軍基地に着陸した、ギリアムは管制塔の指示に従い機体を格納庫内に入れ、キャノピーを開き、コックピットから降りる。

 

「君が、ギリアム・イェーガー君かね?」

 

そう言いながらギリアムに近づく3人がいた。そのうち一人は白い軍服で胸には多くの勲章がつけていた。間違いなく将官クラスのである。

 

ギリアムはヘルメットをとり、敬礼する。

 

「自分がギリアム・イェーガーです」

 

「あぁ、敬礼はいいよ。楽にしてくれたまえ。私はこのヴァレー空軍基地の基地司令官わやっている、レオン・カーチスだ」

 

ギリアムは驚く。まさか一人の傭兵のために基地司令官が出てくるとは思わなかった。

「うっ?どうした?ポカーンとして?」

 

「いえ。まさか、基地司令が直々に来るとは思っていなかったので」

 

これまで、いろんな国に雇われたギリアムであったが、基地司令自らが出向いてくることはなかった。理由を聞いたレオンは笑う。

 

「ははは。まぁ、ここまでしないと傭兵たちは信用しないからね

「なかなか、変わった司令官だな」

 

「よく言われるよ。サイファ―。君のことはよく聞いているこれからよろしく頼むよ」

 

「こちらこそ、よろしく頼むよ」

 

レオンは手を差し出し、ギリアムはそれに応えレオンと握手した。

「さて、私は他にも挨拶しないといけないのでね。君が使う部屋は彼が案内してくれるよ。それではな」

 

そう言い、レオンは一人の兵士を残し、その場を後にした。

 

残されたギリアムはその兵士に少し待ってくれと言い、自分のF-15Cに付けられていたトラベリングポットから自分の荷物を取り出し、再び兵士の下に戻る。

 

「すまない。もうOKだ」

 

「わかりました。では行きまそう」

 

兵士は歩き始め、ギリアムはその後追う。二人は格納庫から出て、外に置いていた車に乗り込み移動を開始した。

 

「意外と多いな」

 

車から出来る限り基地の戦力を確認するギリアムであったが、その戦力の多さに驚く。

ギリアムが確認できたもので、Su-27フランカーが4機以上。MiG-29ファルクラムが2機。F-16ファイティング・ファルコンが6機以上。そして、F-15Cイーグルが4機以上はある。

 

また。格納庫内に置かれている機もあるため、少なくても35機以上はいるだろう。

 

「まぁ、ほとんど傭兵ですよ。正規のパイロットは2人だけですよ」

 

「…なるほどね。よくこんなにも集めた物だ」

 

ギリアムは再び基地の様子を見ながらあることを考え始めた。先程兵士が言った「正規のパイロットは2人だけですよ」についてだ。

 

現状、ウスティオの空軍基地はこのヴァレー空軍基地が以外全てベルカによって陥落している。つまり、このヴァレー空軍基地がウスティオ最後の空軍基地である。その最後の空軍基地に正規パイロットが2人しかいないのはおかしい。

 

考えられるのは二つ。

一つはまだ、どこかにウスティオ空軍が隠している基地がある。

もう一つは2人しか正規パイロットいないかのどちらかだ。

 

恐らく後者の方が、確率が高いだろう。

もし、そうだとすると、ウスティオ空軍はすでに壊滅状態を意味する。

 

「(思っていた以上にマズイ状況だな)」

 

ギリアムが思っていた以上にウスティオ軍は酷い状況であり、この先が不安になる。

 

「(うっ?あれは…)」

 

そんなこと思っていたギリアムであったが、徐々に近づいてくるジェット音に気付き、滑走路を見ると、一機のF-15Cが着陸しようとしていた。

そのF-15Cは右主翼が赤くペイントされていた。

それを見た、ギリアムは驚いた。

 

「片羽の妖精…また、すごい大物を」

 

片羽の妖精。傭兵。

軍関係者、傭兵ならその名を聞いたことがない人はいないだろう。

本名、ラリー・フォルク。

戦闘中にF-15Cの右主翼が引き飛ぶも、ベイルアウトせずにそのまま基地に帰還したことで片羽の妖精の異名がついた。

 

「おもしろいことになりそうだ」

 

片羽の妖精を見ながらギリアムはニヤッと笑うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

1995年 4月2日 12時00分 ヴァレー空軍基地 ブリフィングルーム

ギリアムはあの後、兵士に案内で自分が使う部屋に着き、休んでいたが、突然サイレンが鳴り響き、パイロットはブリフィングルームに集合の放送が流れた。

そして、今に至る。

 

ブリフィングルームにはギリアムの他に多数の傭兵が集まっていた。そんな、ブリフィングルームに基地司令である、レオンが入って来た。

ギリアムと会った時とは違い、かなり真剣の表情をしていた。

 

「諸君、早速だが緊急出撃命令だ」

 

緊急出撃命令。それを聞いた、傭兵たちは気合を入れる者と、ギリアムみたいに真剣に聞く者と別れる。

 

「国境を越えた、ベルカ軍大規模爆撃編隊が、ここ、ヴァレー空軍基地に接近している。敵は我々の基地を強襲し、さらに、ウスティオ共和国全土を覇権を手に入れるつもりだ」

 

正面のモニターが起動し、ヴァレー空軍基地周辺のマップが映され、ベルカ軍爆撃編隊を現すマーカーがある。そのマーカーからヴァレー空軍基地に進行中を現す矢印が伸びる。

 

「ヴァレー空軍基地は我が国最後の砦であり、本作戦の失敗はベルカによるウスティオ政権完全制圧に直結する。そうなれば、君たちの依頼主がいなくなり、報酬金はなしだ」

 

レオンのその発言で傭兵たちからブーイングの嵐が起きるが、本人はそれを気にせずに話を続ける。

 

「そうなりたくなかったら、敵爆撃編隊を撃破し、基地を守り抜け」

ヴァレー空軍基地から、自軍の進撃コースを現す矢印が出現し、爆撃編隊へと伸びていく。

 

「断固として、ここで、ベルカの進行を食い止めるのだ!なお、より多く敵機を落とし者はボーナスが出る!」

 

先程のブーイングが一転し、大きな歓声が上がる。ギリアムは表情こそ変わっていないが、心の中でガッツポーズをとっていた。

 

「以上!諸君らの幸運は祈る!出撃!」

 

傭兵たちは一斉にブリフィングルームにから飛び出し、我先へと愛機へと走って行くのであった。

 

 

 

 

1995年 4月2日 13時00分 ヴァレー空軍基地上空

《降ってきたな》

 

雪が降りだし、誰かがそう言った。

 

ベルカ軍爆撃編隊を迎撃するため、正規パイロット6人と傭兵たちが空へと上がった。もちろん、その中にはギリアムもおり、ギリアムが空へと上がった直後に雪が降り出した。

 

《こちら、基地司令。全機上がったようだな。ガルム1、ガルム2。現在の方位を維持せよ》

 

「こちら、ガルム1。了解した」

 

離陸する前に管制塔は傭兵たちに隊とコールサインを与えていた。ギリアムにはガルム隊、隊長。コールサイン、ガルム1となった。

 

《こちらガルム2。了解》

 

そして、ギリアムのF-15Cの右にはガルム隊に二番機。右主翼が赤く塗装されたF-15C。コールサイン、ガルム2。ラリー・フォルクである。

 

《方位315。ベルカ軍爆撃機接近》

 

《雪山でベイルアウトは悲惨だ。頼むぞ。1番機》

 

「確かにそうだな。こんな所でベイルアウトはしたくない」

 

地上は雪が降り積もった雪山であり、こんな所でベイルアウトしたら悲惨の目に会うのは間違いない。

 

《各機、迎撃体制をとれ》

 

《報酬はっきちり用意しとけ》

 

「あと、ボーナスもな」

 

《互いが無事であれば》

 

《お財布握りしめて待ってろよ》

 

「ガルム2。お話はそこまでだ。こっちのレーダーにも捉えた。ボーナスを取りに行くぞ」

 

《了解》

 

ギリアムはレーダーでベルカ軍爆撃機を捉えたことを確認し、スロットルを前に倒し機体を加速させる。それに続きガルム2も後を追う。

 

他の味方機も次々加速する。

 

《ガルム隊へ。敵爆撃機を全機撃破しろ。基地には到達させるなよ。ガルム2。お前はガルム1の指示に従え。作戦中の勝手な行動は禁じる》

 

《了解。指示は頼んだぜ。サイファ―。あんたがガルム1だ。サイファ―。噂は聞いている。ずいぶん器用な奴だってな》

 

「ピクシー。こっちもお前の話は聞いている。右主翼が失ったイーグルで基地まで帰還したらしいな」

 

《あれは、たまたま、運が良かっただけだ》

 

「運も実力の一つだ。それに、片羽で帰還したことは歴史に残っている」

 

ピクシーが片主翼で帰還したのは確かに運が良かったかもしれない。だが、運も実力の一つであり、片主翼で帰還したのは変わりようがなく、間違いなく歴史に残る。

 

《ふっ、そうか》

 

《カーチス隊から各機へ。さっさと方付けて、ホット・ウィスキーとしゃれ込むぞ》

 

「ガルム1、了解。だが、ボーナスは俺が貰うぞ」

 

ギリアムは機体を軽くすることも含み、使用兵装を中距離ミサイル、XMAAを選択し、先制攻撃の準備に入る。

 

《サイファー。悪いが、ボーナスだけは譲れん》

 

《それは、こちらも一緒だ!》

 

ギリアムに続き、ラリー、各味方機も先制攻撃の準備に入る。

 

ギリアムはHUDを見つつ、ロックオンするのをただじっと待つ。そして、コックピット内におロックオンしたことを知らせる電子音が鳴り響き、HUDで4機、ロックしたことを確認する。

 

「ガルム1、FOX3!」

 

《ガルム2、FOX3!》

 

《カーチス1、FOX3!》

 

《ディアブロ2、FOX3!》

 

ギリアムはミサイル発射ボタンを押す。

機体下部に付けられていた4本のXMAAが切り離され、自由落下を始めるがすぐに火が付き、ロックオンした目標に向かう。

 

それに、続いてラリーなどの各機がXAAMを次々と発射する。

 

これだけ放てば、数秒後には多数の敵機が墜ちるだろう。

誰もがそう思った。

 

しかし、

「なっ!全部外れた!」

 

《こっちもだ!サイファ―!》

 

放った、XAAMは敵機には当たらず全て外れた。しかも、その直後にロックオンアラートが鳴り響き。

 

「ロックされた!?」

《くそ!俺もか!》

 

ロックされた機はすぐさまに、ブレイクするが、ロックは外れず、次の瞬間にミサイルアラートに変わる。

 

「ミサイル!くそ!」

ギリアムは回避機動に入り、急旋回、インメルマンターンからの急降下など機動をしつつ、時折、後ろを振り返り、ミサイルが見えるかどうか確認し、チャフ、フレアをいつでも展開できるようにする。

 

だが、回避機動をしているうちにミサイルアラートが消える。

「ミサイルを回避した?」

 

《ガルム2、ミサイルを回避!》

 

ギリアムに続き次々とミサイル回避報告がくる。

この時点でギリアムとラリーは何かがおかしいことに気付く。

 

《サイファ―。何かがおかしい。俺たちが発射した時と言い、さっきのミサイル攻撃も一発も命中していない》

 

ラリーの言うとおりである。

ギリアム達が放ったミサイルの数を考えれば少なくても10機以上は撃墜するはず。

しかし、1機もレーダーから消えていない。

 

それは、こちらも一緒であり、ベルカ軍のミサイル攻撃で1機も墜ちていなかった。

 

《全機へ。ベルカ軍はハンス粒子を投入した!これにより、ミサイルの誘導力が大幅に低下!中~遠距離ミサイルは全て使い物にならないと思え!》

 

「ハンス粒子…」

 

《話には聞いていたが…これほどとはな》

 

ギリアム達はハンス粒子の話は聞いていたが、これほどの効果があるとは思っていなかった。

 

「ガルム2。谷間飛行はできるか?」

《問題ない。行ける》

 

ギリアムは中~遠距離ミサイル攻撃は全て無力だと感じ、低空から接近してドックファイトに無理やり持ち込むことにした。

 

ガルム隊に2機のF-15Cは高度を下げ、山と山の間に走る谷へと入る。また、ギリアムと一緒のことを考えていた正規飛行隊。ディアブロ隊のF-15C、2機も谷へと入る。

 

《ガルム隊。我々も一緒に行く》

 

「了解した。ディアブロ隊」

 

合計4機のF-15Cが谷間飛行し、敵爆撃編隊の下へと向かう。

 

《くそ!後ろを取られた!》

 

《カーチス1!援護する!》

 

《ウスティオには、まだこれほど戦力いたのか》

 

《情報にあった、傭兵だな。いずれにせよ、金に欲しがる犬どもに我々が負けるはずがない》

 

一方、他の傭兵たちは護衛機と交戦を開始。ドックファイトに入っていた。

だが、ギリアムたちにとってはいい状況になった。

今なら、爆撃機の直掩機はあまりいないはずだ。

 

ギリアム達はこのチャンスを逃すわけにいかいと思い、必死になって爆撃機編隊を探す。すると上に何かが見えた。

「《見つけた》」

 

ギリアムとラリーが同時に爆撃機編隊を発見。急上昇し、爆撃機編隊の真下から接近する。

 

《ガルム隊に後れを取るな!ウスティオ空軍の意地を見せるぞ、ディアブロ2》

《了解です!ディアブロ1》

 

ガルム隊に続き、ディアブロ隊のF-15Cも急上昇を始める

《なっ!オット2から各機へ!真下に敵機!数は4!》

 

《しまった!谷から来たのか!各機へ!編隊を崩すな》

 

爆撃機編隊の1機であるB-52が下からガルム隊、ディアブロ隊が接近してくることに気付き、各機に報告。自衛用の対空機銃が付いている、Bm-335が迎撃を開始。

しかし、Bm-335の自衛用機銃は命中精度は悪く、ガルム隊、ディアブロ隊には全く当たらない。

「おそいな。ガルム1、FOX2!」

 

《ガルム2、FOX2!》

 

《ディアブロ1、FOX2!》

 

《ディアブロ2、FOX2!》

 

ガルム隊、ディアブロ隊は爆撃編隊をロックし、ミサイルを発射。

放ったミサイルは真っ直ぐと各目標へと向かう。

《ミサイルだ!フレア!フレア!》

 

《駄目だ!間に合わない!》

 

爆撃機のパイロットはフレアを射出しようとしたが、間に合わず、命中。

Bm-335とB-52が2機ずつ火を吹きながら墜ちていき、爆散した。

「もう1機貰った」

 

ギリアムは続いてもう1機のB-52をバルカン砲で攻撃し、穴だらけにする。

《メーデー!メーデー!こちらオット5!やられた!高度がいz…ウワァァァァー――――》

混線した通信から穴だらけになった、B-52のパイロットの断末魔共にB-52爆散した。

 

「さらに、もう1機」

 

また、ギリアムは直掩機のSu-27をロックし近距離からミサイルを発射する。

いくら、ハンス粒子が散布されていても、近距離から放たれたミサイルを回避することは出来ず、Su-27の右主翼にミサイルが命中し吹き飛ぶ。

 

右主翼が失ったSu-27は回転しながら山岳へと墜ちていく。

 

《サイファ―!チェックシックス!》

 

「しまった!いつのまに!」

 

MiG-29がいつのまにかギリアムの後ろに取っていた。

 

ギリアムは操縦桿をしっかりと握り、機体を急上昇させある程度の高度まで上昇したら右急旋回し、バレルロールなどの起動をするがMiG-29は付いてくる。

もちろん、こんな機動をすれば凄まじいGがギリアムに襲い掛かり、何度かブラックアウトなりそうになるが、何とか耐え、MiG-29が罠にかかるのを待つ。

 

「掛かった」

 

左に急旋回した時、後ろにいたはずのMiG-29がギリアム機を追い越し、前に出る。

 

ギリアムは急旋回しながら速度を落としていた。

相手に気付かれないように徐々に。

 

そのことに気付くことが出来なかったMIG-29のパイロットはギリアム機を追い越して前に出てしまった。

MiG-29はすぐさま回避機動に入るが、その前にギリアムはバルカン砲のトリガーを引き、MiG-29はあっというまに穴だらけになり、爆散した。

 

「これで、4機か。ピクシー。そっちは」

 

《こっちも4機目だ》

 

ピクシーの方も爆撃機2機と直掩機を2機撃墜していた。ディアブロ隊も2人合わせて4機撃墜している。

 

《こんなはずでは!タイガー1、イジェクト!》

 

《これで、2機目!》

 

《数はもう少ない!早い者勝ちだ!》

 

また、護衛機と交戦していた味方機は、数機が撃墜されたが、護衛機の大半を撃墜していた。

 

《敵爆撃機残り2機。現状トップ。ガルム隊のサイファ―とピクシの4機》

 

《サイファ―。最後の2機は俺が貰うぞ》

 

「ピクシー。悪いが譲れない」

 

ガルム隊は残り2機のBm-335に向かう。しかし、直掩機のMiG-29がそれを阻止すべきヘッドオン。ミサイルを発射する。

 

「《距離はある。回避できる!》」

 

ギリアムとラリーは共にバレルロールしながらフレア、チャフを散布しミサイルを回避。そのまま、正面にいる、MiG-29にバルカン砲撃ち込む。

ラリーが放ったバルカン砲はMiG-2の右エアインテークに直撃し、エンジンから火を吹きながら墜ちていく。

一方、ギリアムが放ったバルカン砲はMiG-29のコックピット命中しパイロットはキャノピーごと粉砕され、操縦者が失ったMiG-29は山岳へと墜ちていく。

 

《くそ!こっちに来るぞ!》

 

《撃て!撃て!》

 

2機のBm-335は必死になってガルム隊のF-15Cを墜とそうとするが、全く攻撃が当たらない。

 

「これで…」

 

《決める》

 

ガルム隊はBm-335をそれぞれ1機ずつロックし同時にミサイルを発射する。ミサイルはそれぞれの目標である、Bm-335に向かっていき、命中。

 

残ったBm-335も空中で爆散した。

 

護衛対象を無くした護衛機は反転し、全力で離脱を開始した。

 

《基地司令から各機へ。敵攻撃部隊の迎撃に成功》

 

《逃げ帰ったベルカの奴らが上に戦果報告する様を見たいものだ》

 

《各機へ報告する。今回のボーナスはガルム隊の2機だ。それぞれ6機も撃墜している》

 

「よし」

 

《おい、まじかよ!》

 

《しかたないな。片羽がいるからな。しかし、一番機もかなりやるようだな》

 

ギリアムとラリーはボーナスを手に入れたことでコックピット内でガッツポーズをとる。その一方で、ボーナスを取り損ねた傭兵たちはガッカリしながら基地へと帰って行く。

 

《サイファ―。お前とならやれそうだ。よろしく頼む》

 

「こっちもだ。これから、よろしく頼むよ。ピクシー」

 

ギリアムはラリーとならうまく行けそうだと思いつつ、ラリーと編隊を組みヴァレー空軍基地に帰還するのであった。

 

 

 

 

 

 

1995年 4月2日 13時45分 ???

ヴァレー空軍基地から離れた上空に1機のBm-335と2機のSu-27が飛行していた。

彼らも、ヴァレー空軍基地に爆撃する予定であったが、IFFトラブルに起きて引き返していた。

 

そのため、やられずに済んだのだ。

 

「機長。攻撃部隊の護衛に付いていたタイガー3から通信がありました。攻撃部隊は全滅。護衛機も8割もやられたそうです」

 

「ウスティオ傭兵がここまでやるとは…まったく、命拾いしたものだ」

 

機長は今回ばかりは整備ミスがあったことに感謝していた。整備ミスが無ければ今頃、彼らも空に散っていただろう。

 

「ウスティオの傭兵。これは戦局が変わるかもしれないな」

 

機長はウスティオの傭兵の出現で戦局が変わるかも知れないと思いつつ、機を基地へと向けるのであった。

 

機長の読み通り、今後、戦局は傭兵によって大きく変わる。

しかし、それはウスティオの傭兵たちではなく、二人のパイロットによって。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。