171号奪還戦です
1995年4月3日 5時00分 ヴァレー空軍基地
ヴァレー空軍基地食堂。多数の傭兵を各国から雇うことになった、ヴァレー空軍基地は食堂にも手間をかけていた。
ウスティオ臨時政府は、少しでも傭兵たちにやる気を出させるため、ヴァレー空軍基地食堂のメニューを大幅に増やすことにした。具合的には各国の代表的な料理は全て入れている。
このことを知った、傭兵たちは揃ってこう言った「どんだけ、ウスティオ傭兵に掛けているんだ」と。
だが、なんだかんだ、傭兵たちにとってはありがたいことであり、ギリアムもその一人であった。ギリアムはノースポイントに長い間住んでいたため、和食が大好きになり、ウスティオに行くことになった日はしばらく和食を食べられないこと覚悟していたが、食堂に和食メニューを見つけた時は思わずガッツポーズを取っていた。
そして、現在、ギリアムは和食メニューを食べていた。そこに、一人の男がギリアムの隣に座る。
「あんたが、ギリアムか?」
「そうだ。でっ、お前は?」
「こうして、地上で顔を合わせるのは初めてだな。ラリー・フォルクだ」
「あんたが、片羽か」
「その通りだ、相棒」
ギリアムの隣に座った男。その男こそが、片羽の妖精。ラリーフォルクであった。ちなみ、ラリーの朝食はパンとハム、ミルクの組み合わせである。
「ギリアムは和食か。オーレリア人なのに珍しいな」
「長い間、ノースポイントにいたからな。そのせいだ」
「そうか。だとすると拠点はノースポイントか」
「まぁな」
ラリーは食事をはじめ、食べながら、話を続ける。
「しかし、話には聞いていたが、良い飛び方だ」
「片羽の妖精にそう言われるとうれしいよ」
ギリアムはそう言い、味噌汁を少し飲む。
「そう言い、ラリーも良い飛び方だ。さすが、片羽で帰還した男だ」
「本当は片羽で帰還するつもりはなかっただがな」
「どいゆうことだ?」
「被弾した時、燃料がスプリンクラ-のように漏れてて、機体の破損状況が分からなかった。片羽が失っていることに、気付いたのは基地に帰還した時だった」
ラリーはそう言った。ラリーのF-15Cが被弾した時、破損により、燃料がスプリンクラ-ように漏れだし、そのせいで、自分からも味方機からも、機体の破損状況が確認できなかった。
また、ラリーの優れた技量の高さと、F-15Cの高い安定性能のお蔭で、機体を安定させることに、成功しており、そのまま基地へと帰還した。
帰還して、コックピットからおりて、やっと、右主翼が吹き飛んでいることに気付いたのだ。
もし、最初から気付いていたらベイルアウトしていただろう。
「そうか」
「あっ!見つけた!ギリアムさんですね?」
そんな時、一人の男がギリアムに声を掛けた、その男の服装は作業服だったため、すぐに整備員だと気付いた。
「そうだ。何か用か?」
「実は、あなたが所属しているガルム隊の部隊章が決まってなくって。そこで、あなたのエンブレムを部隊章に使用する案が出てきて。エンブレム、部隊章に使用してもいいでそうか?」
「別に構わない。使ってくれても、問題ない」
「わかりました。では、食事中失礼しました」
整備員は敬礼をし、去って行った。
「そうなると、俺のF-15Cにも張られるな。まぁ、これからよろしく頼むぜ。相棒」
「あぁ、改めて、よろしくだ。ラリー」
1995年 4月15日 ヴァレー空軍基地 ブリフィングルーム
「地上兵力の輸送路を確保するには、アルロン地方をはしる、ルート171を奪還せねばならない。この幹線道路には、それぞれ、アーレ川、エムス川を跨ぐ、3つの橋が架かっており、現在はベルカ機甲部隊による厳重封鎖が行われている。陸路確保は、ウスティオからベルカ軍を一掃する、我軍の重要な足がかりとなるであろう。幹線道路を封鎖する、ベルカ地上部隊に打撃を与え、我軍とオーシア軍を結ぶ兵站ルートを確保せよ!」
1995年4月15日 10時20分 171国道線上空
171国道線を封鎖するベルカ軍を排除するため、ウステォオ空軍の正規部隊、ディアブロ隊。傭兵部隊のカーチス隊、ロイド隊、ワ-プロ隊。そして、ガルム隊の計16機が171国道線上空を飛行していた。
また、その後方にはウスティオ空軍に1機しかないAWACS。E-767、AWACS。イーグルアイがサポートに来ている。
《こちら、空中管制機イーグルアイ。各機へ。攻撃目標は幹線道路に布陣。作戦開始せよ>
《AWACS。上からちゃんと見てくれよ》
戦闘機のレーダーはSu系統の一部を除けば、前方の敵機しか反応しない。後方などにいる敵機はレーダーでは確認できず、目視で敵機を確認するしかない。つまり、戦闘機の死角である。
その死角を無くすための支援機。それがAWACSである。
そして、イーグルアイが使用している機体はAWACS中でもトップクラスの性能を持っている、ノースポイントが開発したE-767である。
E-767は機体上部に装備されているロート・ドームによって全方位、広い範囲をレーダーで見渡すことができ、データ・リンクも可能であり、その性能の高さから、空の目とも呼ばれている。
《各機へ。ベルカ軍はハンス粒子を散布!前方から、ベルカ軍機が接近中!迎撃せよ!》
「ピクシー。行くぞ」
《了解だ。サイファ―》
各機はスロットルを上げ、機体を加速させ、敵機との接敵に備える。
今回、ガルム隊、ロイド隊は対地攻撃がメインのため、自衛用の短距離ミサイルが4本だけで、他は全て爆弾である。中距離対空ミサイル、XAALはディアブロ隊とワープロ隊が装備しており、既にベルカ軍機をロックしている。
だが、ハンス粒子が散布されている中では、中距離から放っても、ミサイルは目標には当たらないため、ヘッドオンに勝負をかける。それはベルカ軍側も同じであり、ギリアムたちもロックオンアラートが鳴っているが、ミサイルアラートには変わっていない。
《こいつら、ウスティオから来やがったのか》
《奴らも必死というわけか。だが、ここを明け渡すわけにはいかん。ゲルマン1、エンゲージ》
《来たか。ガルム2、エンゲージ》
「ガルム1、エンゲージ」
ベルカ軍機とヘッドオン。ディアブロ隊、ワープロ隊はXAAL発射。同時にベルカ軍機からもミサイルが発射される。
「くっ!」
ギリアムはバレルロールしつつチャフ、フレアを散布し、正面から来たミサイルを回避。そのまま、真正面にいた、ベルカ軍機のSu-27にバルカン砲を撃ち込み、Su-27のエアインテークに命中。エンジンから火を吹きながら、墜ちていく。
ラリーもミサイルを回避し、バルカン砲で一機、撃墜する。
また、XAALで一機、撃墜に成功。
《くそ!ワープロ3がやられた!》
《敵地には落ちたくないが、死ぬよりはマシか…ロイド4、ベイルアウトする!》
しかし、こちらも無傷ではなかった。ワープロ3のF/A-18がミサイルの回避に失敗。脱出する暇もなく、空中で爆散した。ロイド4のF-15Eはミサイルこそは回避したものの、正面にいた、ベルカ軍機のSu-35のバルカン砲にやられて、ベイルアウトした。
《各機へ。爆装している敵機を優先的に叩k!?》
《ガルム隊、ロイド隊。敵機は我々が引き受ける!攻撃目標は任せたぞ!》
Su-35は反転し、爆装しているガルム隊、ロイド隊を追おうとするが、ディアブロ1が素早く、そのSu-35の背後を回り込み、バルカン砲を撃ち込み、それを阻止する。それに続いて、ディアブロ2、ワープロ隊もドックファイトに突入。ガルム隊、ロイド隊の追撃を阻止する。
「ディアブロ1、了解した。ガルム1から、ロイド隊へ。こっちはアーレ川をやる。そちらはエムス川を」
《了解した。ガルム1。生きて、中央橋で合流しよう》
「了解」
ガルム隊はアーレ川に向かい、ロイド隊はエムス川を向かう。
《サイファ―。見えてきた。アーレ川だ》
アーレ川を渡る橋の周辺には、戦車、装甲車が配備されており、橋を完全封鎖している。また、数両であるが、対空車両もいる。
《輸送ルートを封鎖する、ベルカ地上部隊を叩き潰せ》
「ピクシー先に対空火器を叩くぞ」
《了解》
ギリアム、ラリーは共に機体を降下させる。ギリアムはSAMにバルカン砲を撃ち、SAMは一瞬で穴だらけになり、爆散する。
ラリーは爆弾を投下、対空車両と戦車を1両ずつ吹き飛ばす。
《クソッタレ!空軍は何をしている!?》
《SAMがやられた!?ここに配備されているSAMはあれだけだぞ!》
《全車、散開!固まっていると、まとめてやられるぞ!対空車両!敵機をさっさと、撃ち落とせ!》
ベルカ地上軍の戦車、装甲車は動きだし、散開。残り4両の対空車両も移動しながら、ガルム隊の迎撃を開始。
ガルム隊は、対空機銃を、気を付けながら高度を上昇させ、次の獲物を探す。そして、ギリアムが目を付けたのは、共に行動している2両の戦車であった。
ギリアムは機体を急降下させ、急降下爆撃を仕掛ける。
《敵機直上!急降下ァァァ―――!》
《3号車!離れろ!早く!》
「遅い。投下!」
急降下してくるギリアム機のF-15Cに気付き、2両の戦車は散らばろうとするが、その前に、爆弾を投下。爆弾は片方の戦車に直撃し、鉄の塊に変える。もう1両は爆風でキャタピラが破損。走行不能になり、中から搭乗員が急いで脱出する。
ギリアムは機体を再度、上昇させ、再び降下。ラリー機を狙っている、対空車両にバルカン砲を撃ち込み、破壊する。
《やるな、相棒。こっちも負けていられない》
ラリー機も急降下を開始。装甲車に、ありったけのバルカン砲を撃ち込み、破壊。そして、機体を水平に戻しつつう、爆弾を投下。戦車1両を破壊する。
「よし、これで最後だ」
ギリアム機は最後の戦車に撃破するため、降下を開始し、爆弾を投下。戦車は急いで逃げ出すが、間に合わず、爆弾が直撃。鉄の塊になる。
《クソ!落ちろ!》
《撃て!撃て!》
残っていた、対空車両はギリアム機を狙って、撃つ。
《もう1機、いることも忘れるな》
しかし、ラリー機のことを忘れ、ギリアム機の方だけに意識を向いていなかった、対空車両は、ラリー機が降下してくることに気付いていなかった。
ラリーはバルカン砲を撃ち、片方の対空車両を穴だらけにし、破壊。そして、素早く、もう1両の対空車両に狙いを定め、先程と同じようにバルカン砲で穴だらけにし、破壊する。
《こちら、アーレ川守備隊!敵の航空攻撃によって、壊滅的な被害を受けた!繰り返す!アーレ川守備隊は壊滅的な損害を受けた!》
《エムス川、守備隊も壊滅的な損害を受けた!空軍はどうなっているんだ!?》
《ロイド1から、ガルム隊へ。こちらは片付いた。そっちはどうだ?》
「こっちも方付いた。中央橋で合流しよう」
《予定通りか。了解》
アーレ川守備隊を撃破した、ガルム隊はエムス川守備隊を撃破した、ロイド隊と合流するため、最後の守備隊がいる、中央橋に向かう。
敵機は今の所、ディアブロ隊とワープロ隊が押さえているため、こちらには来ていない。
そして、中央橋、上空に到達。ロイド隊と合流する。
《ガルム隊。一斉攻撃を仕掛ける。行けるか?》
「了解した。ロイド1」
ガルム隊、ロイド隊は一斉に機体を降下させ、爆撃コースに入り、一斉攻撃を仕掛ける。
《敵機接近!》
《よし!向かい撃つぞ!》
中央橋ベルカ守備隊は、爆撃体制に入っている、SAM、対空車両による、迎撃を開始。二台のSAMはそれぞれ、ロイド2、3をロックする。
《ロックされたか!こちら、ロイド3!すまない!ロックされた!攻撃を中断する!》
《ロイド2も攻撃を中断する!》
SAMにロックされた、ロイド2、3は攻撃を中断し、回避行動に入る。その直後に、二台のSAMはミサイルを発射。ミサイルはそれぞれの目標、ロイド2、3を追う。
《SAMは二台か。アーレ川と言い、この中央橋と言い、ここを守るには戦力不足だ。拠点を増やし過ぎたな》
SAMが二台しかないことを確認した、ラリーはそう言った。
アーレ川守備隊に配備されていた、SAMは1台。そして、この中央橋に配備されているSAMは2台。対空車両も数両しかいない。これでは、空からの攻撃を完全に防ぎ切れない。
また、装甲車、戦車もある程度あるが、ここを守るには少し少ない。誰がどう見ても、戦力不足だ。
この戦力不足の原因は、ラリーが言った通り、拠点を増やし過ぎたことである。現在、ベルカはウスティオ、オーシア、サピンなど広範囲に渡り、戦線を展開し、多数の拠点がある。だが、急激に広がりすぎた。急激に広がった戦線と急激に増えた拠点のせいで、ベルカ既に対処できなくなって行き、戦力が不足。この171国道線もその一つである。
「捉えた、投下!」
戦車、及び、装甲車を捉えた、ギリアムは戦車と装甲車に一発ずつ、爆弾を投下。それに続いて、ラリー、ロイド1も爆弾を投下する。
《敵機爆弾投下!》
《退避!退避!》
爆弾が落ちてくるのを見た、戦車、装甲車の搭乗員たちは、車両を捨て、一斉に逃げ出した。
しかし、間に合わず、爆弾は次々と装甲車、戦車に当たり、逃げ出した、搭乗員と共に吹き飛ぶ。
《さて、仕返しだ!》
《喰らえ!投下!》
ミサイルを回避したロイド2、3は再度、爆撃コースに入り、爆弾を投下。それぞれ、爆弾は2台のSAMに命中し、爆発する。
《各機へ。新たな、ベルカ軍機が接近中!警戒せよ!》
《ここで来て、増援か》
既に、アーレ川、エムス川守備隊は壊滅。中央橋の守備隊も大きな損害を与え、任務完了に近い状態である。
まさに、遅すぎた増援であった。
「ロイド隊。増援部隊はこちらでやる。守備隊は任せた」
《どの道、こっちの爆弾はすべて使い切っている》
《了解した、ガルム隊気を付けろよ》
「わかった。いくぞ!ガルム2」
《了解だ。サイファ―》
ウスティオ機の攻撃を受けていると言う、連絡を受け、171号線にいる守備隊の救援に向かう、1機のSu-37と3機のSu-35の姿があった。
その隊の名は、ベルカ空軍第18航空師団第2戦術飛行隊、レーゲンである。
《隊長。アーレ川、エムス川の守備隊は既に壊滅状態です。中央橋の守備隊も大きな損害出ています》
「遅かったか。だが、ただで返すわけには行かないな」
隊長である、レーゲン1は守備隊の損害を聞いて、遅かったと思いつつ、このまま、ウスティオ軍を帰らす訳にもいかないと思った。
「各機へ。このまま、奴らを帰らす訳にはいかん。潰すぞ!」
《《《了解!》》》
レーゲン隊は機体を加速させ、交戦空域に突っ込むとした時、レーダーに接近してくる、機影を捉えた。
《隊長!こちら、こちらに接近してくる敵機が!》
「既にこちらに気付いていたか。この対応の速さ。AWACSがいるな。まぁいい。潰すには変わりようがない。各機、やるぞ!」
《《《了解》》》
「ガルム2!ヘッドオンに備えるぞ!」
《来るぞ、ガルム!》
レーダーに4機の敵機を捉え、ヘッドオンに備え、バルカン砲のトリガーをいつでも引けるようにする。そして、敵機を目視で確認。ヘッドオン。
両者、共にトリガーを引き、バルカン砲を発砲。
ギリアム機のキャノピーのすぐ近くに、弾がすれ違うが、機体には一発も命中していない。
両者ともに、命中弾がなく、すれ違う。
《敵機、全機健在<!来るぞ!》
「向こうは4機。こちらは2機。キツイな、これは」
ギリアムはそう言いながら、機体をインメルターンし、反転。同じく、機体を反転させて、ベルカ軍機のSu-35を確認する。しかし、残り、2機の姿が確認できない。
「ガルム2。もう2機の姿が見えない。そっちはわかるか?」
《いや、こっちm…サイファ―!上だ!くそ!こっちもか!》
ラリーの警告を聞いた、ギリアムは上を見る前に、機体を右へと急旋回。その数秒後に、上から急降下していたSu-37のバルカン砲が元にいた場所に降り注ぐ。
《なかなか、良い動きだ。各機へ。気を付けろ。片方のイーグルは片羽だ。もう1機の方もいい動きだ》
攻撃を回避した、ギリアムだったが、今度は確認していた、2機の内、1機のSu-35がギリアム機の後ろを取り、ロックする。
「ロックされたか」
ロックオンアラートが鳴り響く中、ギリアムはインメルターン、ジャンデル機動を行い、ロックを外そうとするが、Su-35はピッタリと喰らい付き、ロックを外さない。
《レーゲン1、FOX2!》
《レーゲン2、FOX2!》
ギリアムの後ろを取っていた、レーゲン3と、そのレーゲン3と合流したレーゲン1はミサイルを発射。2発のミサイルはギリアム機を追う。
《ガルム1、ミサイル!1ブレイク!ブレイク!》
「くっ」
ギリアムはフレアを射出し、急降下。1発はフレアに釣られ、爆発するが、もう1発は釣られず、依然、ギリアム機を追尾する。
「フレアに釣られなかった!?ハンス粒子の散布下のはずだぞ!?」
ギリアムはハンス粒子散布下でミサイルがフレアに釣られなかったことに驚く。
本来あれば、ハンス粒子散布下で、フレアを射出すれば、ほぼ100%の確率で回避できる。
しかし、ガルム隊が交戦している、空域はハンス粒子の濃度が低く、そのために、ミサイルがフレアに釣られなかったのだ
「くっ!」
そんなことがわからない、ギリアムはミサイルを回避するため、さらに、急降下を続ける。
HUDに映っている、高度の数字はものすごい勢いで、減って行く。
「ウォォォ―――!」
川の水面にぶつかるかどうかの所で、機体を水平に戻し、水面ギリギリで飛行。
そして、今度は急上昇し、フレアを射出。ミサイルは今度こそフレアに釣られ、水面に落ちる。
「…もらった!」
《っ!?レーゲン4下だ!ブレイク!》
また、ギリアムはただ、ミサイルを回避するため、急上昇しただけでは無かった。今、ギリアムの真正面には、ラリーのF-15Cとその後しろを取っている、2機のSu-35だった。
ギリアムは素早く狙いを定め、トリガーを引く。F-15Cの20mmバルカン砲から弾が放たれ、その弾は片方のSu-35のエンジンに命中した。
《レーゲン4!脱出しろ!》
《すいません、隊長!レーゲン4脱出します!》
被弾した、Su-35はキャノピーが吹き飛び、パイロットが射出され、パラシュートが開き、揺ら揺らと地上に落ちていく。
《サイファ―、グットキル!》
ラリー機を追っていた、もう1機のSu-35は、ギリアム機の攻撃を回避するため、ラリー機の追撃を諦め、右へとブレイクしていた。
追撃が無くなった、ラリーすぐさま反撃に出る。機体を急旋回し、先程まで、後ろを取っていたSu-35の背後を取り、ロックオンする。
《しまった!ロックされた!》
《レーゲン2!レーゲン4の援護に行け》
《了解》
ギリアム機を追撃していた、Su-35。レーゲン2はレーゲン4の援護に回る。
一方、レーゲン4はロック外そうとするが、ラリーはしっかりとロック外さなかった。
《ガルム2、FOX2!》
そして、ミサイルを発射。レーゲン4のSu-35に向かっていく
《ミサイル!クソ!》
レーゲン4はシザーズを行い、フレアを射出するが、ミサイルはフレアに釣られず、Su-35の右主翼に命中。
右主翼が失った、Su-35はスピンしながら墜ちていく。
《メーデー!メーデー!こちら、レーゲン4!やられた!制御不能!ベイルアウトする!》
レーゲン4スピンしている機体をどうにかして、安定させて、ベイルアウトする。
「これで、2対2」
これで、数有利はなくなった。ギリアムはそう思いつつ、後ろにいるSu-37をどうにかして振り切りたいが、機動性はSu-37の方が高く、パイロットも技量が高いため、なかなか、振り切れない。
しかも、また、ロックオンアラートが鳴る。
《よし。ロックした》
「いい腕だ。…くっ」
ロックを外すため、スプリットSした後に、右へと急旋回。さらに、ループも行うが、ロックは外れなかった。
《レーゲン1、FOX2!》
本日3回目のミサイルアラート。このままではらちが開かないと思い、一か八かの勝負に出る。ギリアムは回避機動を取りつつ、イーグルアイにあること聞く。
「イーグルアイ。こちら、ガルム1。敵機はピッタリと真後ろにいるか?」
《その通りだ、ガルム1。敵機はピッタリと後ろにいる!》
「了解!…よし、やるぞ!」
ギリアムは覚悟を決め、回避機動をやめ、水平飛行に入るり、ミサイルを引き付ける。
「今だ!」
ミサイルをギリギリまで引き付けた、ギリアムはバレルロールを行う。ミサイルはバレルロール機動に対応できず、そのまま、真っ直ぐと進んでいく。
ミサイルを回避したギリアムはすぐさま、エアーブレーキを全開。急減速を掛ける。
《しまっ!?》
急原則に対応できなかった、レーゲン1はギリアム機を追い越し、オーバーシュートしてしまう。
ギリアムはすぐさまに、レーゲン1をロック。振り切れないように注意しつつ、ミサイルを発射する。
《ちぃぃぃ―――!》
レーゲン1はフルスロットルし、機体を加速。右、左、不規則に急旋回し、フレアを射出。ミサイルはフレアに釣られ、爆発する。
ミサイルを回避した、レーゲン1は、後方警戒レーダーでギリアム機との距離を取ったことと、真後ろにいることを確認し、賭けに出る。
機体の機首を90度に上げ、高度は変わらずに急減速を掛ける。
「この距離でコブラ機動だと。何を考えている」
レーゲン1のSu-37がコブラ機動を利用した、減速したことにギリアムは驚く。この距離で減速したら、撃墜してくれと、言っているのと同然である。
だが、それはコブラ機動ではなかった。機首は90度からさらり倒れる、クルピット軌道に突入。機首が180度になり、背面飛行に入った時、レーゲン1はアフターバーナー展開。フルスロットルで機体を加速させ、水平に戻す。
「クルピット機動を利用した反転だと!?」
その動きに驚きつつも、ミサイルが発射しようとしたが、Su-37はフルスロットルで真正面から突っ込んで来るため、下手に発射した場合、自分もダメージを受ける可能性を考え、攻撃をミサイルからバルカン砲に変更。真正面いる、Su-37に狙いを定める。
「《ガンファイヤ!》」
両機、同じタイミングにバルカン砲を発砲。それと同時に、機体を90度傾けすれ違う。
「どうだ」
ギリアムは後ろを振り向き、Su-37を見ると、火を吹きながら墜ちて行くのを確認した。
ギリアムが放った弾はSu-37のエアインテークに命中していた。
《両主翼が青いイーグル…覚えておこう》
レーゲン1はアラートが鳴り響くコックピットから、ギリアム機のF-15Cを見ながらそう言い、イジェクトレバーを引く。
キャノピーは吹き飛び、レーゲン1は空へと放り出され、パラシュートが開き、地上へと墜ちて行った。
「ガルム1、敵機撃墜!」
《ガルム2、敵機撃墜!》
一方、レーゲン2と交戦していた、ラリーはレーゲン2を撃墜した。
《よう、相棒。まだ生きてるか?》
「どうにかな。お互い無傷ではないようだな」
どうにか勝てたガルム隊であったが、無傷ではなかった。ギリアム機はsu-37のヘッドオン時にいくつか被弾していた。ラリー機もレーゲン2により、数発被弾している。
《こちら、ロイド1。地上部隊の壊滅を確認!》
《ディアブロ1から、各機へ。敵機全機撃墜!》
ガルム隊がレーゲン隊と交戦している間に、中央橋守備隊は壊滅。ベルカ軍機と交戦していたディアブロ隊とワープロ隊はベルカ軍機を全て撃墜した。
《作戦成功だ。これで連合軍の兵力輸送ルートも確保できた。各機、よくやった。悪運は今日も味方だったな【片羽】
《翼なしの帰還はもうごめんだ》
「だろうな」
ガルム隊は各隊と合流。編隊を組み、ヴァレー空軍基地へと帰還するのであった。
おまけ
今まで、登場してきた航空機の開発した国と開発経路
オーシアが開発した航空機
F-15C
開発経路 現実とほぼ同じ理由
輸出状況 ベルカ、ユークトバニア、レサス、エルジアを除き、各国に輸出している。 ノースポイントだけはライセンス生産
F-16
開発経路 現実とほぼ一緒
輸出状況 ユークトバニア、レサスを除き、各国に輸出している。
ユークトバニアが開発した
MiG-29
開発経路 現実とほぼ同じ理由
輸出状況 ベルカ、レサス、エルジア、エストバキアなどに輸出
Su-27
開発経路 現実とほぼ同じ
輸出状況 輸出状況 ベルカ、レサス、エルジア、エストバキアなどに輸出
Su-35
開発経路 現実とほぼ同じ
輸出状況 ベルカ、レサス、エルジア、エストバキアなどに輸出
ベルカが開発した機体
Su-37
開発経路 ユークトバニア及びエルジアからSu-35を発展機を作ってくれと依頼を受け、開発したのがSu-37。
外見こそはあまり変わっていないが、推力偏向ノズルなどで、機動性が大きく上がり、また、ベルカの謎の技術力のお蔭で、本来、低速度じゃないとできないコブラ機動が高速度でも可能になり、コブラ機動を利用した急減速し、敵機をオーバーシュートも可能である。
また、クルピット機動を利用した、反転も可能である。まさに、ベルカ技術力は世界一である。
輸出状況 ユークトバニア、エルジアのみ輸出
経済危機の時、Su-37を世界に輸出する案があったが、ユークトバニア、エルジアの圧力により、白紙となった。
だいぶ、遅くなってすいません。
艦これのイベント資源が(ry
燃料が6万位あれば大丈夫だよね(震え声)
ちなみに、今回出て来た、レーゲン隊はエースコンバット5 とある艦の物語 決戦で出て来た隊と同一部隊です。