緋弾のアリア~裏方にいきたい男の物語~   作:蒼海空河

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今回は当社比1・3倍の文量で少々長めです。


桜舞う春の学校

 キンジは鬱屈した思いを抱いたまま、春を迎えていた。

 幼馴染である白雪の誘いをメールチェックと嘘をついて断ったのも、もう少し考えたかったからだ。

 理由は主に二つ。

 まず一つ目が兄の件。

 “武偵殺し”を見つけ捕まえる――その目的のために、慣れない探偵科の授業の中で行動し始めたキンジ。

 だが気合いを入れたのも束の間、肩すかしを喰らう。

 他の武偵が捕まえたというのだ。悪いことではない。凶悪な犯罪者が一人いなくなったことは喜ばしいこと。

 でも欲をいえば、自分の手で決着をつけたかったのに、と思ってしまった。

 もやもやとした“なにか”だけが胸にくすぶり、今も治まる気配を見せない。

 

 そして二つ目が友人、大石啓についてだ。

 予想通り彼は依頼を受けなくなった。仲間たちに協力を要請されても、適当な理由を付けて断る。問題なのは彼に対する周囲の反応だった。

 七七件――そのほとんどは単位が多く貰える凶悪事件の解決。必須科目さえクリアすれば、卒業間近。

 更に噂の域を出なかった二つ名“円”(シルクロ)が正式に公表される見通しとの情報をキャッチしていた。

 おそらく始業式の日に教務科に呼ばれるだろう。

 ランクの低さなどで彼の実力に疑義を挟む人もいるので学校内での反応は、賞賛半分不満半分。教務科の悩みの種であった。

 強襲科から諜報科へ。そして三学期は探偵科へ。

 一つの技能を極めるスペシャリストより、多彩な場面で行動できるオールラウンダーな武偵を目指しているのだろう、という評価が多数を占める。

 だがキンジは予想していた。

(おそらくケイは来年の春にでも転校するつもりだろうな。それまでになんとかしなくちゃいけないのだが……)

 武藤と不知火にはケイのことについて打ち明けていた。

 しかし二人の反応は期待とは違っていた。

『転校するのは寂しいけどよ、別に武偵じゃなくたって会えるし、本人が辞めるっつってんのに無理やり引きとめたら轢かれるぜ?』

『僕も武藤君と同意見ですね。もちろん大石君のことは友人としてとても好ましいとは思っていますよ? ですが武偵は殉職率も高い危険な職業。要求される知識も半端ではありません。多くの犯罪を経験してきた彼は決断したんです――――僕たちのすることは笑顔で見送ることではないでしょうか?』

 二人は冷静に分析し答えを返していた。

 武偵という危険な職業は友達感覚でやっていいものではない。ときには仲間を見捨てる覚悟さえ持たなければならない。

 自分が助けると息巻いてもそれは一人よがりもいいところではないか、という考えが浮かんでは消え、結局転校について触れることもできないまま、キンジは春を迎えていた。

 

 やることなすこと裏目に出ているような錯覚を覚え、そんな気分を少しでも払おうとキンジは頭を振る。

 ぼんやりと時計を見たとき気付いた。

 

「げ、七時五五分ってバスに間に合わねえじゃねえか」

 

 急いで鞄を持つ。

 鏡を見て髪がおかしくないかだけはチェックする。

 目の前には黒髪の目つきが鋭い男がいるだけ。問題ない。

 玄関の扉をあけて、キンジは飛びだした。

 嗅ぎ慣れた都会の空気、穏やかな朝日を楽しむ間もなく、三段抜かしで階段を駆けおりる。

 

 生涯、キンジは七時五八分のバスに乗り遅れたことを後悔することになる。なぜなら――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バサバサと制服をはためかせた少女が一人。

 桃色の髪を両サイドに結び、強い意志を宿した紅紫(カメリア)の瞳はビル屋上、フェンスの上から注意深く観察していた。

 傍目からは今にも飛びおり自殺でもするのではないかとハラハラしてしまう光景だ。

 しかし少女は自殺志願者ではない。今も絶妙なバランスで仁王立ちしていた。

 万がいち転落しても、隠し持ったフック付きワイヤーを射出すれば問題なかった。

 双眼鏡を片手に遠くを見つめていた。

 ぷるんとした小さな唇が開く。

 

「来たわ。あれね……」

 

 目つきの悪い根暗そうな少年が自転車をこぎながら直進している。

 真横を走る遠隔操作されたセグウェイ。先端にはUZI。

 十四の頃から欧州で名を馳せてきた神崎・H・アリアは独自に集めた情報、経験、そしてなにより直感が、爆弾事件(ボムケース)だと見抜く。

(武偵殺し……ッ! ママに罪をさらに被せて……もう容赦しないわ! 必ずその鼻っ柱を折ってやるんだから!)

 日本に来てからアリアの母には更に罪状が追加されていた。

 狡猾な犯罪者は罪もない女性に被せ、今ものうのうと自由を謳歌している。

 ギリリッと歯ぎしりをしながら彼女は降下するタイミングを図っていた。

 そのとき少年の進路上に誰かが飛びだす。

 思わず舌打ちをした。面倒なことになった、と呟く。

 自転車に取り付けられた爆弾は集約した情報の結果、一定速度以下で作動するタイプだと推測していた。でなければ汗をかきながら激走するわけがない。爆弾さえなければ武偵高校の生徒ならセグウェイの破壊くらいできないわけないのだから。

 パラグライダーにてビルから降下。邪魔な障害物を取りのぞいたあとで救出するプランに修正を加えなければならない。

 最悪、被害者が二人になる。

 誰なんだと双眼鏡を覗くと、

 

「大石啓!? アイツ、なにやっているのよ!」

 

 いつか出会った期待外れの少年、大石啓がそこには居た。

 相変わらず眠たそうな目つき。整髪料でわざとしてるのか、天然なのか、ところどころはねた髪。

 黒い瞳は険しい表情で双眼鏡のレンズ越しにただただアリアの方を真っすぐ見つめていた。

 パチパチと数回、瞬きを繰りかえす。

(……まばたき信号(ウインキング)?)

 武偵には言葉を介さない様々なやり取りが存在する。

 チーム限定の符丁、暗号もあれば、指でのトンツーを駆使した指信号。まばたきもまた信号の一つ。

 大石啓は数回のまばたきをしたあと、いつか出会ったときとは違い、真剣な表情のままだった。

 判ったな? 不敵なまでにブレない目つきで。

 早かったので誤訳の可能性はあれど、アリアは信号を解読し、一つの答えに辿りつく。

 

「『オレガ タオス』……ね。腐っても二つ名持ちということかしら。武偵としては一応及第点の対応ね」

 

 ニヤリと楽しげに少女は笑みを深めた。

 倒す――つまり邪魔な障害物は自分が処理すると言っているのだ。

 そしてお前は救助に専念しろ、と言外に伝えている。

 大石啓は自転車を走らせ、タイミング良くもう一人の少年と併走し始めた。伝えるべきことは終わったとばかりに、アリアの方を見ないで、少年の方に顔を向けていた。頷き合う。

 

Ask and you shall receive(求めなさい、そうすれば得られる)……何事も全力で求めなければ得ることもできない。アンタが事件を解決できるかちゃんと見定めてあげるわっ」

 

 アリアは躊躇(ちゅうちょ)なくビルから飛び降り、パラグライダーを開いたのだった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全速力で自転車をこぐキンジ。

 バスに乗り遅れても、十分間に合う時間帯なのだが彼には止めることができなかった。

 

《このチャリ には爆弾 が仕掛けてありやがります 減速して も爆発しやがり ます》

 

「なんでこういう状況になってるんだ!?」

 

 

 キンジが叫びたくなるのも無理はなかった。

 ハイジャックならぬチャリジャック。

 サドルの裏からピッピッピッと死の音色が聞こえる。

 プラスチック爆弾を仕込まれた上に、九mm機関銃――通称UZIを取り付けられたセグウェイが併走して今も脅していた。

 

《助け を求めたら 爆発 しやがります》

 

 携帯をとろうと懐に手を忍ばせたところでの指摘。丁寧過ぎて泣けてくる展開だった。

 だがキンジは走りながら奇妙にも思っていた。

(爆弾にジャック……まるで武偵殺しの手法そっくりじゃないか。模倣犯、か?)

 今はそれを確かめる術はない。

 左右の足でペダルを必死に回転させつつ、せめてもと誰もいない道路を走る。

 だが正面を見ると一人の男子が横道から出てきて上を眺めていた。

(やばい! もしかして助けを呼んだことになるのかっ!? だけど追い越せば――)

 乳酸が足に蓄積されていく。

 徐々に重さを増してきたペダルをこいでいる状況ではハッキリと相手の顔を見る余裕などない。

 何を思ったのか正面の相手は、いきなりキンジと進路方向を同じにし、自転車を走らせ始めた。

 最初からスピードがのっている以上、キンジは少しずつ正面の生徒との距離を縮めていってしまう。

 進路を変える――否、減速したら最悪、相手も巻き込んで爆死。キンジだって死にたくない。

 考えた策は高所……橋や埠頭から海に向かって全力ダイブ。セグウェイも道連れにできる。落ちる瞬間にどこかに捕まればまだ助かるかもしれない。

(ならまずは巻き込まないように追いこし……ってケイじゃないか!?)

 算段を付けていたところで、相手の生徒が猛然とダッシュし始めた。

 最悪のタイミングでキンジと併走してしまう。しかもその相手は大石啓――先に学校へ行っていたはずの友人だ。

 ピンチのときに颯爽と駆けつける友。これが偶然なわけがない。

(お前、もしかしてこの状況を読んでいたのか? いや、別の可能性もある)

 確認のために聞いてみる。

 

「お、お前……はぁっ、ケイか! もしかして同じ状況かっ!?」

「うくっ……はぁはぁ……おうお早うっ、キンジ! お前もか!」

 

 最悪だ――とキンジは思った。

 模倣犯? の狙いが一人だといつから誤解していたのか。

 同時に狙う可能性もあるだろう。しかし希望もある。

(ケイは一度止まっていた……つまり爆弾はないあるいは解除済みで、セグウェイから逃げおおせたところで俺と合流したってところか)

 不運の連鎖に舌打ちする。

 キンジは横を見ると、彼はやや上方を見ていた。

 そしてこちらを真剣な表情で見つめたあと頷いた。

 普段ののんびりとした雰囲気などどこへやら。

 たった一つの目的のために戦う武偵の目をしていた。おそらく友人であるキンジのために。

 

 何を見ていたのか――その意図はすぐに判った。

(女の子!? しかも飛び降りた!? まさかあの子に助けを求めて……?)

 パラグライダーを付けた少女がビルの上から跳躍――射抜くような目でキンジだけを(・・・)見ていた。

 ガシャン!

 金属と金属が激しくぶつかり合う音。

 横を見ると、ケイはゴロゴロと歩道の上を転がり、植えられていた木にぶつかっていた。

 そしていつのまにかセグウェイはケイの自転車にぶつかったときに無理に発砲したことで暴発。その機能を停止させていた。

 

「サンキュ、ケイ!」

 

 大声で御礼をいいながら今度はピンク髪の少女に目をやる。

 巧みにパラグライダーを扱い、ふわりと浮かびながらキンジの正面にグルンと真っ逆さまになる。

 少女の狙いを理解し、思わず驚きの声が出た。

 

「お前っ、この自転車には爆弾を付けられてるんだぞ!? まさかその体勢で――」

 

 条件反射で拒絶の言葉が出てしまう。

 キンジは女性との接触を極度に嫌う。女性を守る遠山家の本能であり遺伝的才能――ヒステリアモードを発動してしまうから。

 助けられる立場で手段を選べないとはいえ、できれば遠慮したいのが本音だった。

 だが少女――アリアがそれを許さない。

 

「『武偵憲章第一条――仲間を信じ、仲間を助けよ』! 全力でこぎなさいよバカっ!」

「バカはお前だろっ、そんな助け方があるか!!」

 

 逆さの状態でパラグライダーを操作する少女。一気に接近し、キンジを助けるつもりなのだ。

 

「ごちゃごちゃうるさいわね! いいからいくわよ! アンタだけじゃない、もう一人の仲間も身体を張ったんだからアンタも頑張りなさい!」

「く……やるしかないのかよっ!」

 

 有無を言わさぬ特徴的なアニメ声に口をつぐむ。

 どちらにせよ海に突撃する作戦も周囲を巻きぞえにする危険性を孕んでいる以上、ここで助けてもらった方が得策だった。

 意を決したキンジは、両手を広げた少女に抱きついた。瞬間――

 

 ドォォォォォン!!

 

 少女の身体からだろう甘い匂いを感じる余裕もなく、爆風を受けながら第二グラウンドの倉庫へと突っ込んでいった。

 

 

 

 暗闇――数秒か、数分か、それ以上か……衝撃で気絶した時間は判らない。

 キンジと少女は防弾跳び箱の中にいた。

(いつつ……助かった、のか?)

 先に目を覚ましたのはキンジだった。

 思わず顔を起こそうとした――しかしそれが間違いだったとすぐに知ることとなる。

 最初に目に入ったのは学年が書かれてない名札。だが『神埼・H・アリア』とだけ書かれてあった。問題はもう一つ。

 

「ぶ!? 胸!? いやいや平静になれ遠山キンジ。大丈夫、大丈夫……まだセーフだ!」

 

 視界を襲ったのはカワイイブラジャーと肌色の世界。ケイなら大歓喜のラッキースケベだがキンジにとっては目に毒そのものであった。

 だがお椀というより、寿司屋にある醤油の受け皿クラス--生意気そうな口調に反してとても慎ましい胸。『バストアップブラA→B』という文字が哀愁を誘う。

 せめて服だけでも直そうとしたキンジだが運悪くアリアも目を覚ます。

 ぱちくりと愛らしいまぶたを数回動かし、状況を把握するとギャーギャーと騒ぎ出した。

 

「ちょっとアンタ、何、服を脱がそうとしているのよ! 犯罪者! 強猥! 痴漢!」

「待てって、俺はなにもしていない!」

「人でなし! 恩知らず! ヒラメ人間!」

「待て最後のは意味判らないぞ!」

 

 ポカポカとキンジを叩き始めるアリアだが長くは続かなかった。

 

 バララララララララ!

 鉛弾の嵐がキンジたちを襲う。

 間一髪で跳び箱内部にひそんだアリアが舌打ちをする。

 

「まだいたのね『武偵殺し』のオモチャが!」

「『武偵殺し』!? 模倣犯じゃなかったのか!?」

「へぇ、武偵殺しかもって思ってたんだ。ただの変態でもないのね」

「変態は余計だ!」

 

 武偵殺しを捕まえると決意したキンジは地道に調査を進めていた。兄の無念を晴らすため――その執念で武偵殺しが爆弾使いであること、狡猾で尻尾を掴ませない犯罪者であることを調べ上げていた。

 だからこそ今回の手口が武偵殺しの手口と似ていると予測したのだ。

 

「じゃあ捕まったのは――」

「偽物よ。本物は未だにお天道様の下でのさばっているわ! 今もあのオモチャで楽しそうに弾丸をプレゼントしながらねっ!」

「……なるほど、じゃあ俺が捕まえる余地がまだあるってわけだ……」

 

 キンジの感情は――純粋なまでの喜びだった。情報を受け取った脳は活力を手足に伝えていく。

 不謹慎ともいえるかもしれない。少女の言葉は誤っているかもしれない。

 だが兄の仇をとりたい――信じたい方を信じるのが人情というもの。少なくともキンジにとっては。

 人しれず手に力が入っていたキンジ。だからこそ次に起こる予想外の事態に思わず動揺する羽目になってしまった。

 バラバラバラ!

 感情を知らぬ機械が二人の命を奪おうと弾丸を撃ち続ける。

 アリアは跳び箱の隙間から撃ち返そうと更に身をかがめた。

 ぷにゅん

 ドクンッ!

(あ……やばい)

 小さくとも存在感を放つ二つのマシュマロ。

 胸を顔面に押し付けられたキンジ。

 どんなに外見が幼い少女でも女らしさを集約させた一部分にキンジの胸は際限を知らずに高鳴っていく。

 ドクンドクン――ドクンッ!!

 

(なって、しまった! ヒステリアモードに!)

 脳が目まぐるしく回転し、世界の全てが止まった錯覚すら起こす。

 熱を伴った血液は全身を巡り、脳の奥底に力を与えていく。

 UZIの銃弾が一時的に止む。

 弾丸とて無限ではない。様子見と銃身を冷やすためのクールタイム。数秒のタイムラグ。

 キンジはおもむろにアリアをお姫様だっこした。

 突然の奇行に顔をリンゴのように真っ赤に染めたアリア。

 じたばたと手足を振りまわしながら暴れる。

 

「にゃ!? こ、こここんなときににゃにすんのよぉッ!」

「……君の言葉で俺は救われた。改めて戦う意義を思いだせた。だから御礼に少しの間だけお姫様にしてあげよう」

「あああ、アンタ、頭でも狂ったの――――ひゃぅぅ!?」

 

 慈愛の黒瞳がカメリアの瞳をじっと見つめた。硬直した少女は動かない。

 そっと安全地帯(とびばこ)に降ろし、ストンと跳び箱から出る。

 キンジの目が現在の状況を分析し始めた。

(俺が無防備ならもう撃ってもいいはず。なのに撃たないのは…………なるほど、そういうことか)

 柔らかな笑みを浮かべた。

 よく見ればセグウェイの内、一台がそっぽを向いていた(・・・・・・・・・)

 視界の奥には見慣れた友人が銃口を向けて引き金を引いていた。しかし弾丸は出ない。

 銃口の向きから推測して相手を一撃で破壊できるはずなのに。

(弾なし? いや啓がそんなミスをするわけないな。そういえば、最初のセグウェイを破壊したときも自転車だった。あの時点で拳銃の弾を既に使い果たしていたか、転落時に銃が故障したかってところか。だが十分だ。俺とほぼ反対側にいる存在のせいで敵はどちらを攻撃するべきか困惑している。相変わらず、玄人好みの味のある仕事をする奴だな)

 時にブレーキの壊れた自動車のように突撃し、時に誰よりも冷静に冷徹に戦況を見極めて奇策を成立させる友人。

 今回ならキンジとアリアとの中継役を飛び入りで行う絶妙なバランサーとしての役割を演じ切っていた。

 敵に回せば身の毛がよだつ恐さ、味方ならこれ以上ない安心感。灼熱の激情を胸に抱く熱血漢。それでいて犯罪者にすら滂沱の涙を流す純粋な武偵。

 ……高過ぎた理想が武偵への道を閉ざすなどあってはならない。

 自分勝手だがやはり説得したい――――だが今すべきことをキンジは行う。

 

(ボロボロの身体で敵の注意を惹きチャンスを作った友のために。そして愛らしく可憐な少女……護るべき存在を背にした状態で、戦えない武偵など死んでしまえ!)

 二台のセグウェイに付けられたUZIが十数の猛火となってキンジに迫る。だが当たらないっ。

 キンジの双眼は敵の弾道を完全に予測していた。

 眼前に迫りくる弾丸の雨。

 頭を狙った生命を穿つ槍を紙一重に回避――

 

「機械の正確過ぎる狙いが仇になったな!」

 

 ――――しきった。黒髪が僅かに揺れる。

 動揺の欠片も見せない姿に、様子を見ていたアリアは息を飲んだ。

 

「アンタ……!」

「これで終わりだ!」

 

 バババババババンッ!

 違法改造のベレッタF92――三点バーストもフルオート射撃も可能な通称キンジモデルが敵を断罪せんと七度、火を噴いた。

 銃弾は銃口を向けていたUZIの銃身を一撃で貫き、残りは別方向を向いていたUZIを破壊した。

 敵の銃弾を避け、撃破する――一秒にも満たない神技を見せたキンジの姿をアリアは生涯忘れることはなかった。

 

 このあと、キンジがアリアに切れたスカートのゴムの代わりにベルトをあげたり、ちっちゃな容姿から小学生と間違え、アリアを激怒させたりするなどのトラブルを起こしながらも二人はこの場を去っていった。

 ケイは居なかった。

 まるでやるべきことはやったとばかりに。さりげない自転車での体当たりに囮。

 キンジは微笑む。

(ケイ……やっぱりお前は心の芯から武偵だ。辞めるなんて馬鹿らしすぎる。お前の熱意は犯罪者の心すら撃ち抜く……絶対に立ち直らせてやるからな!)

 

 アリアは激怒しながら逃走したキンジを追いかけていた。しかし内心では別のことも考えていた。

(あんの猥褻男~捕まえて風穴祭決定ねッ! ……でも銃弾を見てから避けるなんて神業ができる男がいるなんてね。それに期待外れと思ってた大石啓の戦い方も悪くない。調べが足りなかったわ。ママのためにもあいつらの実力――見定めてやるわ!)

 

 暗い路地裏を走りながら学校を目指すケイ。

(早くしないと蘭豹あたりにドヤされるー! 制服は買い換えんといけないしメンドくせぇ…………あ、今日特売でモヤシ一袋十円だっけ、買わないとな)

 それぞれの思惑を胸に暖かな春空の下を若き武偵たちは進んでいく。

 これが後に『緋弾のアリア』と世界中の犯罪者から恐れられる鬼武偵な少女と、二人の少年の硝煙の匂いにまみれた最低最悪な出会いだった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところ変わって場所は東京武偵高校に移る。

 一際小柄な少女がアスファルトを蹴り上げながら校門へと入っていく。

 

「褒められた♪ 褒められた♪ アリア先輩に褒められた~! ライカに自慢しよ~っ」

 

 一三九cmのアリアに劣らずとも勝らない(・・・・・・・・・)幼児体型。

 ちょこんと見せた八重歯。

 元気いっぱい喜びいっぱいの女の子。

 今年入学した花の一年生――間宮あかりはデレッデレな顔で先日のことを思い出していた。

(えへへっ! アリア先輩に頼まれた強襲用パラグライダー……諦めずに縫ってよかったぁ!)

 強襲科Eランクの上、射撃技能は一四四位でぶっちぎりの最下位。

 だがあかりはとにかく諦めが悪い。不屈の精神とも言っていい。

 同じ小柄な体型で大活躍中のアリアに強い尊敬の念を抱き、粘り強く試験を受けた結果、念願の戦姉妹(アミカ)契約も叶った。

 武偵としての実力はまだダメダメながら、パラグライダーも必死に編んだ結果、自分にも他人にも厳しいアリアから「いい子」と高評価され、一緒に風呂まで入った。

 スキップでもしそうな勢いで玄関に向かおうとしたとき周囲の様子がおかしいことに気づく。

 一年生たちのひそひそ声が耳に届く。

 

「あれが“円”(シルクロ)の啓……二年男子の首席候補の一人って聞くけどまじか?」

「あのボロボロの姿を見ろよ。依頼をこなしてたに違いないぜ。始業式前にちょろっとやるなんてオーラも格も違いすぎる」

「戦徒申請を三○回以上断ってるらしいわ。よほどの実力者じゃないとダメってことね」

「でも本人の実力は大したことないっていう先輩もいるらしいよ」

「犯罪検挙率一○○%、七七回連続達成中なのに?」

「先輩たちとチームを組むことが多いらしくて『コバンザメ』ってあだ名もあるとか……」

 

(なんなんだろう……?)

 頭の上にクエスチョンマークを出しながら、人垣を縫っていく。

 風に乗って男性特有の低い声が聞こえてきた。

 

「ここまで注目されちゃあ新入生のチェックも出来ねえなぁ……」

 

 ざわつく新一年生たち。

 つまり品定めをしていたのだ。

 声をかけてくれるかと何人かの生徒たちは期待した表情をケイに向けていたが、それに答える間もなく、一人の生徒がケイに近づいていった。

 

「先輩、お、お久しぶりです!」

「ん?」

「あれ……火野、ライカだっけか」

「あ、はいっ、そうっす大石先輩」

 

(え、ライカ?)

 馴染みのあるハスキーボイス。

 中学時代からの友人だった。

 いたずら好きでからかわれたことは、数えただけで両手の指を軽く超える。

 だが自分や友人たちに見せたこともない表情――憧れとも敬いとも諦めともとれる複雑な顔で一人の男性を見ていた。

 あかりは無意識に走り出した。

 

「お、おおーっ、半年ぶりか!? そうか今年から高一だもんな!」

「ええ、今度は正式に後輩ですんで、機会があればご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いしますっ!」

「教えることって言っても、あんまりないけどなー」

「そんなこと――」

「ライカー、おはよー!」

「あかり?」

 

 何故そんな顔を見せるのか?

 なんだかんだいって仲の良い友人の横顔には憂いの色が見て取れた。

 計画無しの無鉄砲娘のあかりは、気付いた時には足が動きだし、友人の元へと突撃していた。

 挨拶をしながら近寄り、もう一人の男性を見る。

 眠たそうな目つき、ボロボロの制服――身だしなみとは程遠い煤けた男。

 ライカは無神経な男子から男女と呼ばれている。そんな男子に対してあかりは少しだけ嫌悪感があった。

 無意識な敵意のせいか発した言葉に刺があった。

 

「ライカ、この人、誰なの? なんかボロボロだけど」

「馬鹿あかりっ! “円”(シルクロ)の啓って聞いたことないのかよっ。お前の大好きなアリア先輩と同じ二つ名持ちの凄腕武偵だぞ!」

「アリア先輩と同じっ!? でも、う~~ん……なんか冴えない人だけど(というか私よりトロそう……)」

 

 先輩ながら大変失礼な感想。内心も同様だった。

 ライカが目を吊り上げて怒った。

 スパン!

 チョップがあかりを襲う。

(いだい~! バカライカのバカ力~!)

 あかりは両手で頭を押さえながらライカに睨むが、当の本人はケイに頭を下げていた。

 

「見た目で判断するなっ! ……すいません先輩、あかりはこういう奴なんで」

 

 普段の不敵な態度と違い、非常に腰が低い。

 アリア先輩以上に気を使っている、とあかりは内心で思う。

 

「ま、まあ別にいいよ。実際、ボロボロだし」

「依頼でもしてたんですか?」

「いや、まあ、その……な」

「あ……すいません、依頼内容を聞くのはマナー違反ですね。先輩のことだからどーせ無茶したんでしょうけど」

「あーうん、そんなところ。それよりシルクロってどういうこと?」

「あれ先輩のところに連絡いってないんですか? 四月から正式に“円”の啓という名が世界中に公表されたって。凄い名誉なことなんですよ二つ名って。武偵の憧れですよ!」

 

 二つ名と聞いては言わずにいられない。

 あかりはなぜか自慢するように胸を張り言う。

 

「そうそうアリア先輩も双剣双銃(カドラ)のアリアって素敵で可憐な二つ名があるんですよ!」

 

 ふふんアリア先輩はアナタより凄いんだから! と言外に込めている。

 

「二つ名って……」

 

 戸惑いながらも次に出た言葉は周囲を驚かすに十分だった。

 

「いらねー……」

 

 トンデモ発言。

 むしろ迷惑だと言う風に漏らした。

 あかりは目をまんまるにしたまま固まり、ライカは驚きの声をあげる。

 

「えぇっ、二つ名ですよ。凄腕の証――」

「痛いんだよ」

「え?」

「誰が付けたか知らないけど、ただの大石啓で十分だよ。二つ名なんて栄誉でも名誉でもなんでもない。痛い目に遭うだけの重しだっての」

 

 硬直――ケイの声は周囲で耳をすましていた生徒たちにも十分に聞こえていた。

 前代未聞の「いらない発言」に問い詰めたいところだったが、

 キーンコーンカーンコーン!

 

「やばチャイムだ。始業式が始まっちまう! 火野さんとあかりさんは急がなくて大丈夫なのか?」

「あ、はい……大丈夫です。新入生は別なんでまだ余裕がありますから」

「じゃあ悪いけど俺行くから!」

 

 絶妙な間で鳴った鐘に生徒たちは声をあげるタイミングを失っていた。

 始業式に参加しない一年生たちは時間的に余裕がある。

 ゆっくり教室に向かいながら、不遜な発言をした大石啓という先輩の話題で盛り上がっていた。

 だがその内容は好感二不満八だった。

 

「おい、いくらなんでもちょーし乗ってねえかあの先輩」

「強襲科の間じゃ実力不足だって聞いたぜ。この前も女子に投げ飛ばされてたのにヘラヘラしてたらしいし」

教務科(マスターズ)の評価は高いらしいけど、実はゴマ擦ってるんじゃないのぉ? あーあ、なんかシラケちゃった」

「素直に喜べないのかねぇ。評価されるのが迷惑とか偉そうにさ」

「武偵高校の男子って碌なのいないなぁ」

「何言ってるの、不知火様と遠山様がいるじゃない! トップツーよ。よく一緒にいるし裏では……ぐへへへへへ」

 

 不穏な発言が飛び交う。だが一部の男子たちだけは違っていた。

 

「凄いなぁ~、あんな大胆発言をサラッと言っちゃうなんてそこに痺れる憧れるぅっ! …………うぅ戦徒契約は断られちゃったけど、やっぱりもう一度お願いしようかなぁ」

「あれで調子乗っているとか実力ないとかニワカばかりだね。実際問題、解決事件(コンプリート)の数は別格なのに」

「神埼アリアの方がよっぽどタチ悪いって。啓先輩はキングのK。アリアなんかより格上だからあの程度は問題ないよ」

「『過剰な評価はただの重し』……名言録にメモメモ…………謙虚さからくる発言だね……」

「……さりげなくアリア先輩が侮辱された気がする!」

 

 ピコンとツーテールの髪が跳ねながら、あかりがキョロキョロしていた。

 そんな彼女にしずしずと近づく女子が一人。

 

「あかりちゃん、ライカさん、おはようございます。今日も良いお日柄で……(あぁ、今日もあかりちゃんは太陽のように輝いてかわいいかわいいかわいい!)」

 

 佐々木志乃一年、探偵科(インケスタ)所属。長い黒髪に白百合の肌。背筋を伸ばした姿だけでも深窓のお嬢様を彷彿させる――事実、いいとこのお嬢様だったりするが。さる武人の血を引く末姫でもある。

 しかしあかりを見る目の中にはハートマークがいっぱいだった。この場でその意味を知るのはライカただ一人。少しだけ憐れみのこもった目をあかりに向けていた。

 それに気付かないあかりは手を上げながら無邪気に返事する。

 

「志乃ちゃんおっはよー!」

「おぅ、はよー」

「あら、ライカさんいつもより元気が無いようにお見受けしますが」

「それがねー」

 

 三人は仲良しでよく一緒にいることが多い。

 玄関へと向かいながら、あかりは先ほどの出来事を志乃に話す。

 下駄箱で靴を綺麗に揃えながら志乃がそういえばといいながら、

 

「その方なら噂で聞いたことがあります。なんでも通信科(コネクト)鑑識科(レピア)の男子に人気とか。今は探偵科のEランクですね。見かけたことがあります」

 

 通信科は通信ならなんでもござれでバックアップ的な技能の習得を専門とする。僅かな音声から犯人の割り出しすら行う。

 鑑識科は遺留品から科学的調査を行う。探偵科と協力する場合も多い。

 補足として日に当たらない建物内での依頼が多く、戦闘も行わないので小柄で色白の男子が多かったりする。そのぶん強い男子の先輩に憧憬のまなざしを送ることが多い。その対象は言わずもがな。

 最低ランクのEという事実に驚きを隠せないあかり。

 

「えぇーっ!? それおかしいよ! アリア先輩と同じSランクじゃないの? 比べるまでもないじゃん!」

「あかりちゃんまたアリア先輩アリア先輩って」

「志乃ちゃん?」

「いえいえなんでもないですよ、うふふふふふふ……」

 

 悪鬼のごとき表情を見せた志乃だったがすぐ笑顔に戻る。友人の少ない彼女は初めての友達であるあかりに執着する傾向があった。

 下駄箱に靴を放りなげたライカは鞄を肩にかける。

 いつもならここで適当にからかうことが多いのにまったくその素振りを見せない。

 あかりが心配そうにライカを見た。

 

「ねえライカ、やっぱり様子がおかしいけど、あの先輩になにかされたの? だったら私が――」

「アタシは一度、大石先輩とチームを組んだことがある」

 

 ライカは落ち着いた口調でぽつぽつと話し始めた。

 

「去年のワンデイミッションの話だよね? そういえば話をはぐらかされた気がする」

「まあ、な。突然だけどさ、アリア先輩って凄いよな。銃も格闘も筆記も完璧。さらには九九件連続で犯人を逃したことのない完全無欠の武偵。あかりが憧れるのも無理はないと思う」

「え? そうっ? だよねだよね、そういえば私、この前褒められてさ――」

「だけど、先輩……大石先輩もある意味凄いんだよ。なんつーか、不完全の完全っていっていーのか? アリア先輩は完璧だけど、あの人は違う意味で完璧というかー、歪んだ完全っていうか……あぁわっかんないっ!」

「ライカーこっちも意味が判らないよー」

 

 がしがしと頭をかく。

 うまく言葉にできないライカだが、考え込んでいた志乃が言いなおした。

 

「つまり宝石で例えるなら、一流の職人たちがカッティングして輝く深紅のルビーのようなアリア先輩。対して大石先輩は子供が原石からヤスリや布で磨きあげた歪つながらも怪しく輝くアメジスト……ってところでしょうか?」

「ちょっと長いけど、それだ!」

 

 我が意を得たりとしきりに頷くライカ。あかりは意味を理解できない。

 

「えぇっと、結局どういうことなの? ライカは大石先輩に憧れてるってこと?」

「そんな単純じゃないんだって……」

「だってもなにも戦徒契約でも結べばいいんじゃないの? 私のときは散々無理だの格違いだの言ってたけどさー」

「うぐ……ば、馬鹿あかりにはあの人に契約を申し込むって意味が理解できてないんだよ! 一から指導するアリア先輩と違ってさ」

「馬鹿っていった! じゃあ説明してよ。察しろみたいに言うけど、言葉にしなきゃ判らないじゃん!」

「まあまあ御二人とも落ち着いて。ホラ教室に着きましたよ?」

 

 がるるるると威嚇し合うライカとあかりを志乃が宥める。

 がやがやと騒がしい一年の教室に入り、ライカは荒々しく椅子に座る。

 そして声のトーンを落としながら二人に説明し始めた。

 

「普段は軽い人だけど、依頼じゃ人が変わったように寡黙なんだよ先輩は。しかもこっちの背筋が凍るほどの威圧感を放ちながらさ。口じゃなくて背中で語るタイプって奴」

「えぇ~そうは見えなかったけど……」

「あの人は、さ。証拠写真の撮り方が異常にうまいし、機材にも詳しいから通信科や鑑識科の男子に人気なんだけど、もう一つ人気の理由があるんだよ」

「理由……?」

「犯人に対しても涙を流す――そんな熱血漢で理想家なんだ。アタシのときは麻薬密売に手を出した双子たちに対して泣いてたよ。今でも覚えてる……双子を捕まえたあとで寂しそうに去っていった後ろ姿。昭和の刑事ドラマみたいにさ、犯人にも正面から向き合って体当たりする人だから…………アタシは尊敬してるんだ」

「でも尊敬してるなら戦徒契約でもして教えてもらえばいいのに……」

 

 素直なあかりからすればライカのいい分は納得がいかなかった。

 真っすぐに気持ちをぶつかればいいと思っていた。

 しかしライカはゆっくりと首を左右に振った。

 

「単純じゃないっていったろ。先輩の理想はアタシには……いや大半の人間には重すぎる(・・・・)んだよ。ある意味、アリア先輩より遥かに困難な道をあの人を歩いているんだ。茨の道を素足で歩くような……そんな道をさ」

 

 清き川には魚は住まない――真面目すぎる人間が疎まれるように、高尚な志を持つ者は万人に好かれるとは限らない。嫌われてはいないが、近寄ることもできない。

 

「男子は馬鹿だからとりあえずって申し込みをする奴は多いけど、アタシを含めて女子連中はそこら辺空気を読んで申請してない。最初から無理な戦いをしたくないから」

「ライカらしくないよ。だって」

「あかりちゃん、たぶんライカさんだって散々悩んで出した結論だから、そんなに問い詰めちゃだめだよ」

「志乃ちゃん……」

 

 詰めよろうとしたあかりを志乃が宥める。

 その様子を見ていたライカは窓に腰かける。

 空はどこまでも高く青かった。

 

「大石先輩についていける人はとっても限られてると思う。たぶんついていけるのは――」

 

 別れと出会いを告げる桜の花びらが宙を踊る。ライカは手の届かない高さまで舞い上がった桃色の粒を見ながら言った。

 

「機械みたいにどこまでも愚直に付き従う人か……ペットが御主人様だけに懐くように、どんな危機的状況でも先輩の背中だけを見つめていられる奴だけ………………そう一緒に笑顔で死ねるような奴だけしか――」

 

 

 

 

 

 


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