たまにはしっかりとした料理をお出ししますよ。
味は保証致します。どうぞご堪能ください。
いつも通る並木道を通っていたら、いつの間にか見知らぬ場所にいた。
いや、聞いたことはあった。そう…ここがあの…。
SCPレストラン…。
いらっしゃいませ。
ようこそ、ねこのSCPレストランへ。
…あぁなるほど、あなたは財団の研究員の方ですか。
何何、私に協力を、と。
まぁまぁそう焦らず、当店はレストランですので、まずはお食事を。
前菜
「ポテトフライ~おかわり自由、トマトソースを添えて~」
まずはこちらです。えぇ、ただのポテトフライではありません。もちろん、SCPです。当店の特性は知っているようですので説明は省きます。おかわり自由、と言えば分かるでしょう?それに、このトマトソースもですよ。えぇ、冗談ではありません。冗談でしたら、厨房からトマトが吹き飛んで来ますから。普通ならケチャップで食べるポテトですが、当店の本日のメニューはトマトソースで頂いて貰うスタイルです。
スープ
「牛肉のコンソメスープ~葱をたっぷり添えて~」
次はスープです。牛肉は一度焼肉にして余分な脂を落としてから、同じく牛肉の骨を煮込んで味を引き出したスープと一緒にもう一度煮込んでおります。この牛肉も、もちろんただの牛肉ではありませんよ。植物の風味が少し強いので、それを打ち消すためにコンソメを使っております。…ご安心を。コンソメはただのコンソメですので。そして、植物の風味を打ち消すためにもうひとつ、葱をたっぷり入れております。あぁ、食べても別に、体の部位を失うことはありませんので。
魚料理
「岩喰魚のバターソテー~レモンソースの風味~」
魚料理は、えぇ、名前の通りです。あなたにはKクラスシナリオの防止に協力していただきます。魚自体の味は別に岩の味もなく、美味しいですよ。バターでソテーしてありますので、お好みでレモンソースをかけてください。あぁそうでした、美味しいからといって、食べ終わるまでは決して指は鳴らさないでくださいね。そうすれば、美味しく料理を楽しんでいただけるかと。
肉料理
「ラム肉のステーキ~桜風味にビリッと効くスパイス~」
…肉料理に入る前に一つだけ。先程の魚料理、バターを使っていないと言ったら、あなたは信じますか…?さて、では肉料理です。本日の肉料理はラム肉になります。花を使った料理は沢山ありますが、この料理は少々特殊な調理法をしております。羊の肉に桜の花弁を刺しこんで風味を移しながら焼いています。こうすることで、刺した桜の花弁によって風味と同時に適度な切れ込みが生まれ、柔らかくて食べやすくなっております。ビリッと、軽い電気のような感覚が癖になる一品です。…あぁそうそう、無いとは思いますが、肉の間に残っている花弁がありましたらご注意を…。…え?さっきの魚料理のバターですか?もうその話はいいでは無いですか。
ソルベ
「木曜日のミルクのシャーベット~プラムの実を添えて~」
お口直しのシャーベットです。ミルクと砂糖をしっかりと混ぜ合わせて、口の中に入れた時にとろりと溶ける食感を実現しています。またプラムは、良い肥料を使うと共に、天然水を使用して育てております。また肥料の中には少量の鉱物を混ぜる事で、プラムの味に仄かな変化を加えています。…そういえば、お客様は葡萄はお好きですか?好き?なるほど、では美味しく頂いてもらえることでしょう。仄かに高級赤ワインの香りが漂う、極上のプラムを…。
ロースト
「鹿のロースト~ワイン仕立て、ガーリックパンと共に~」
次はローストです。こちらの鹿も、先程食べていただいたプラムに使われた鉱物を与える事で、肉に予めワインの風味を付け加えています。こちらは一緒にお持ちしましたガーリックパンと一緒に食べていただくと、また違った味わいを楽しめるかと。…何もそんなに怖がらなくても、もうこんなに食べてしまったじゃないですか。ご安心ください。当店はSCP食材の良い所だけを抽出しています。悪い面や副作用は一部を除いて一切発動しませんので、ご安心を。
生野菜
「サグラダ・ファミリア~スライム・ドレッシング和え~」
もう名前でおわかりですね。はい、もう説明もしません。中に住んでいた生物は全て取り払っているため、苦味は感じないと思われます。また、若干の苦味を抑えるためにドレッシングをかけてあります。そのままかぶりつくも良し、切り分けて食べるも良し、食べ方次第で、様々な味を楽しむことが出来るでしょう。
甘味
「アップルパイ~たっぷりの棺の蜂蜜をかけて~」
デザートはアップルパイです。しっかりと焼き上げたアップルパイに、たっぷりと蜂蜜をかけています。えぇご安心を、このアップルパイを焼き上げても、宇宙はなくなりませんから。また蜂蜜も、AB型の人が摂取しても問題ないように調整してありますのでご安心を…。更にその上にソフトクリームを載せることで、ボリュームあるデザートとなっております。
ドリンク
「マーシャル・カーター&ダーク・ワイン」
こちらも極上のシャンパンをご用意致しました。飲めば飲むほど飲みたくなるシャンパン。どの料理にも合うことでしょう。暗い気持ちも吹き飛ぶほどの美味しさです。…飲みすぎ注意、ですが…。
堪能していただけたでしょうか。
えぇ、堪能していただいたのならばうれしいです。
お会計は9999円になります。あぁ…カードは取り扱っていないので、現金でよろしくお願いします。
…え?協力の話?なんの事でしょうか。…大丈夫ですよお客様。明日は週末前の金曜日…きっと、木曜日の今日の事なんて思い出しませんから…。
協力の話、ですか。ですが、ねこは気ままに生きたいのです。それに、動画の編集と投稿もありますし。これ以上仕事が増えては、ちおびたが何本あっても足りなくなってしまいますからね。
それにしても、久しぶりにこんなに料理の腕を奮いましたね。ユイレさんにじっけ……試食していただいて好評だったのでお出ししてみましたが…喜んでいただけたようで何よりでした。
…まぁ、あの方の記憶には、何も残りませんが…。
それが、残念でなりませんね。
補遺1:当該レストランに入店したとされる職員を発見しました。対象職員は○○県○○市の並木道で倒れているのを保護されました。職員はインタビューに対し、「いつも通り帰宅していたら、あの並木道の先にレストランがあった。中には猫耳のウェイトレスがいたが、そこから先の記憶が無い。それよりも、昨日は何曜日だ?木曜日だったと思っていたんだが…。」と回答しており、SCP-113-KOの副作用が確認されましたが、当該職員が使用した経歴はありませんでした。また、当該職員はレストランの記憶を忘れているだけで思い出す可能性もあるため、現在記憶の復元のために治療を行っています。
番外編
ねこのクッキング
ここでは、各料理に使われたSCPと調理法を簡単に紹介します。
よろしくお願いします。
前菜
「ポテトフライ~おかわり自由、トマトソースを添えて~」
使用SCP
SCP-1689「じゃがいも入れの袋」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-1689)
SCP-504「批判的なトマト」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-504)
じゃがいも入れの袋から取り出した適量のじゃがいもを好みの大きさにカット。油で焦げ付かないように揚げ、適度に火が通ったら油から上げて網やクッキングペーパーに乗せて油を落とす。
トマトソースは黙々とトマトの皮を剥き、適度な大きさにざく切りにする。オリーブオイル、塩コショウ、ニンニクと一緒にフライパンで加熱。コツは、無駄な事は喋らない事。いつトマトが牙を剥くか分からない。そんな事されたらとまっとものではな【編集済】。
スープ
「牛肉のコンソメスープ~葱をたっぷり添えて~」
使用SCP
SCP-843「牛の種」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-843)
SCP-893-JP「焼く身」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-893-jp)
牛の種から育った牛を解体し、骨はコンソメスープと一緒に数時間〜1日煮込む。肉をレア程度に焼き、余分な脂を落としてからコンソメスープに入れる。
葱は細く切り、スープの上に散らして完成。
魚料理
「岩喰魚のバターソテー~レモンソースの風味~」
使用SCP
SCP-1238「トンネルフィッシュ」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-1238)
SCP-123-J「素晴らしきバター様物質!」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-123-j)
SCP-3424「これはレモンではない(Esto No Es Un Limon)」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-3424)
トンネルフィッシュの内蔵を取り除き、血合い等を洗い流し、切り身にします。SCP-123-Jをフライパンにたっぷりと引き、中火から弱火でじっくりと焼きます。
レモンを別の容器にたっぷりと搾り、塩コショウとオリーブオイルを入れてしっかり混ぜます。この時、胡椒は塊が大きいブラックペッパーを使うと良いかも知れません。
肉料理
「ラム肉のステーキ~桜風味にビリッと効くスパイス~」
使用SCP
SCP-594「電気羊」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-594)
SCP-143「刃桜」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-143)
電気羊を捌く時は、ステンレスなどなるべく金属でない包丁を選びましょう。静電気で感電する可能性があります。ラム肉に刃桜の花弁を埋め込み、同じく刃桜の幹のチップの上に置いて香りを移します。
刃桜をしっかりと肉から抜いたら、塩コショウで焼いて完成です。もう一度言います、刃桜を取り除くことを忘れずに。
ソルベ
「木曜日のミルクのシャーベット~プラムの実を添えて~」
使用SCP
SCP-113-KO「永遠の木曜日」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-113-ko)
SCP-1147「適応性プラム」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-1147)
牛乳と砂糖を混ぜ合わせて一度凍らせ、シャーベット状にします。それを球状に整えます。
ワインを吸わせて育てたプラムを適度な大きさに切り分けて飾れば完成です。
ロースト
「鹿のロースト~ワイン仕立て、ガーリックパンと共に~」
使用SCP
SCP-972-JP「角に魅入られて」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-972-jp)
SCP-032-JP「バッカスの紫水晶」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-032-jp)
SCP-3464「 オリーブガーデンは魔王の終わりなきガーリックパンを召喚するため、悪魔実体と定期的に交流する」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-3464)
鹿の肉を骨から外すと共に、角を細かく砕いて一緒に焼きます。角はバッカスの紫水晶の味になっているため、ワインを入れて焼く必要はありません。塩コショウをふりかけて味を整え、盛り付けた後に更に上から角のパウダーをふりかけて完成です。
鹿の肉の脂とワインの風味、そしてガーリックパンの相性は抜群です。
生野菜
「サグラダ・ファミリア~スライム・ドレッシング和え~」
使用SCP
SCP-2026-JP「サグラダ・ファミリア(遺伝子組み換え)」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-2026-jp)
SCP-447「緑のスライム」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-447)
この料理はお客様の自由で食べていただくため、サグラダ・ファミリア
をそのまま皿に盛り付け、中に住んでいる生物だけはしっかりと取り除きます。上からスライムをかけます。見た目はアレですが、味は保証致します。切ってよし、砕いてよし、そのまま食べてもよし、食べ方は人それぞれです。
甘味
「アップルパイ~たっぷりの棺の蜂蜜をかけて~」
使用SCP
SCP-3049「ゼロから作るアップルパイ」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-3049)
SCP-1176「ミイラのはちみつ漬け」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-1176)
SCP-1689-JP「空飛ぶでっかいソフトクリーム」(http://scp-jp.wikidot.com/scp-1689-jp)
アップルパイを作ったあと、棺からはちみつを取り出してアップルパイにかけます。その後、空からソフトクリームを切り出して盛り付けたら完成です。手抜き?いえいえ、れっきとした料理ですよ。何せアップルパイだけで宇宙をひとつ消費しているのですから。
まぁ、料理のレシピを載せた所で皆さんの参考にはなりませんけれどね。
この小説はSCP財団のSCP-040-JP(http://scp-jp.wikidot.com/scp-040-jp)を中心としたSCP二次創作SSになります。
この作品は、SCP-040-JP「ねこですよろしくおねがいします」に対して独自の解釈が有ります。
このコンテンツは、クリエイティブ・コモンズ 表示-継承3.0ライセンス(http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja)の元で利用可能です。
またこの小説は、YouTubeチャンネル「ねこのSCPレストラン」の応援小説です。
「ねこのSCPレストラン」に対しての独自の解釈が多く含まれています。
「ねこのSCPレストラン」チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCsUE9GXFRsb1ISA2PE0q96A
「ねこのSCPレストラン」Twitter
@040_jp_resto
作品内に登場した他SCPは、ねこのクッキングで紹介しています。