やはりTS転生した僕は奉仕部の一員にはなれない。 作:だるがぬ
本編では視点が切り替わることはありません。
八幡視点は書かない方がいいんじゃないかなーと迷いましたが、番外編として置いておきます。
変化することは、必ずしもよい結果を生むとは限らない。変化とは、改善ではなく改悪かもしれない。いつだって、変わってしまう本人やその周囲には、どちらに転ぶかわからない。そんなものは運任せのギャンブルであり、それこそ賽を投げたに等しい。
だからあの一件があっても俺は──比企谷八幡は何一つ変わらずに、修学旅行休み明け、月曜の朝を迎えていた。
「お兄ちゃん、雪乃さんと結衣さんとなんかあった?」
一緒に朝ご飯を食べていた、愛する妹の小町がそう聞いてくる。それほどまでに俺の様子はおかしかっただろうか。自覚はない。いつも通りのはずだ。
逃れるように、味噌汁に口をつけズズッと音を立てて飲んだ。
「あいつらとは何もねーよ」
嘘じゃない。確かに、戸部の告白現場の後は一切喋ってはいないのだが、別にあの二人と何かあった訳じゃない。
小町は箸を止め、俺をまじまじと見る。
「……ほんとに?」
疑われている。だがどれだけ疑惑を重ねても俺の言葉に嘘はない。あいつらとは、何もない。
サラダのトマトを避ける。これはいつも通りの俺だ。何も変わったところはない。
「なんもねえよ」
そう言って肩を竦めた。奉仕部の二人だけでなく、元々あいつとも何もなかったのだ。だから、俺の答えも変わらない。
「で、何したの?」
小町は追求を止めない。
「……何もしてねえ」
素直に言った。目は合わせられなかったが。
そう、俺は何もしていない。正しくは何もさせて貰えなかった。俺が考えた最も効率のよい最適で冴えた手段は、俺以外の手によって完遂された。
だがそれを小町に説明する必要はない。
「ふーん。じゃもう聞かない。雪乃さん達は関係ないんでしょ?」
小町はそんな俺の様子を見て諦めたようだった。素直な妹を持ってお兄ちゃん嬉しい。と思ったが、これは素直さから来るものでは無さそうだった。
「そうしてくれ。本当に、あいつらのことじゃないから」
それきり食卓での会話はなく、ただ食べ物を口に運ぶだけの作業が続く。
そのうち食べ終わった小町が、静かに食器をまとめると、流しへ持っていった。
そのまま俺の方を見ずに告げる。
「……じゃあ、何でそんな顔してるのさ」
答える間もなく、小町はリビングから出て強くドアを閉めた。……怒らせてしまったか。
俺は一体どんな顔をしてるというのか。
それは、いつもの俺とどう違うのか。
鏡のある洗面所へ行く気にもなれず、一人リビングで冷めた茶を飲みながら天井を見上げる。
そのまま時間は過ぎる。いつもの俺を実妹に否定されて、いつもの行動を取れなかった。リビングから出づらくて、テレビを付けたりスマホを眺めたりして、暫く気を紛らわせる。
ふと時間を気にすると、もう9時過ぎになってしまっていた。既にどうあがいても遅刻であり、学校に行く気にはなれない。
何より同じ教室にあいつがいることが、俺の心を強く揺さぶりそうで、俺の平常心が更に奪われそうで恐ろしく、億劫だった。
学校に行く俺よりも、あいつと会う俺の方が、いつもと変わった自分になってしまうような気がした。
茶はとっくに飲み干している。心の焦燥に釣られるように乾いてしまった喉を潤そうと、買い貯めているマッカンに手を伸ばす。
確か、最初に話したのもこれのせいだったなと、ボンヤリ黄色と黒で構成されたパッケージを眺め、回想に耽った。
そうあれは、修学旅行のちょうど一週間前──
▽ ▽ ▽
文化祭や体育祭の熱も冷めやらぬままに、大衆は次のイベントを心待ちにする。彼ら彼女らの中では既に一週間後の修学旅行はホットな話題となっていた。
反比例するように、俺の周囲は寒々しい。
「いやーそれナニタニ君だよ!」
ドッとクラスの人間が沸く。明言するまでもなく俺はクラスの内に入っていない。
このように、『ヒキタニ君をネタにしよう』ブームも、修学旅行前の熱気と同じく最高潮だった。
アンチ比企谷状態よりは随分とマシになった。だが彼らは、理解できない俺を非難するフェイズから、疎外するフェイズに移行しただけだ。本質は変わらない。
いつも通り机に突っ伏して時間を潰す。これぐらいの嘲罵やそしりはしりは俺の常であり、俺の行動もまた変わらなかった。
変わらないことは正しいことだ。つまりこの場では俺こそが正しい姿である。そう信じている。
昼休みになっても俺の行動は変わらない。マッカンを買いに自販機へと向かう。俺のソウルドリンクであるところのマッカンを摂取することは昼休みにはマストだ。寒いからホットを飲みたいだけともいう。
自販機の前で立ち止まると、お目当ての飲み物のボタンの下には赤いランプが灯っていた。
なん……だと……!?
「「売り切れ……だと……!?」」
隣から全く同じ台詞が聞こえ、首を動かす。
なんか知らん女子がいた。いや一応知ってるけど。たしか同じクラスだった……気がする。
そいつは目を見開いて驚きの表情で俺の方を向いている。俺は指名手配犯か何かか? まあ近しいもんだろう。クラスのお尋ね者だもんな。
そいつは口をポカンと開けたまま動きそうもない。……おい、なんか言えよ。
「……いや、あの、なんかすまん」
沈黙に耐えきれず先に口を開いた。まさかとは思うが一言発しただけで通報されることもないだろう。
「ごめんちょっと待って心の準備するから」
すーはーと目の前のこいつは深呼吸を始めた。いや俺と相対するだけでそんな覚悟いるのかよ。パッショーネのボスだったりするの? 俺。ちょっとカエル使って電話かけてくるわ。
手持ち無沙汰なのでそれとなく観察を始める。肩にかかるかどうかの長さの髪は、川なんとかさんより重めに青みがかっている。俺と似たようなアホ毛は、しかし俺よりも少し角度が大きめに立っている。
顔は整っているしスタイルもいい。三浦のグループにいても違和感は無さそうだ。それだけで言ったらあのブラコンさんもそうなんだが、あいつは当の三浦と相性悪そうだしな……。
「あの、同じクラスの比企谷君だよね?」
確認するようにそう聞いてくる。会話を続ける選択肢があることに少し警戒度が上がり、表情を盗み見た。
だがそこに侮蔑や嘲りの色は存在しない。
ついでにいうと俺の名前が間違ってない。
「ん、ああ……」
それが珍しく、言葉に詰まった。
俺、もといヒキタニ君といえば現在、憎まれもの改め珍獣として時代の寵児であり、目を会わせようものなら『なんかこっち見てんだけど笑』などと小粋なジョークの種にされる。キモカワイイどころかただキモいマスコットキャラとして引っ張りだこだ。
そのため、こちらの出方を探るようなこの視線は不慣れだった。
「こ、このコーヒー好きなの?」
「お、おう」
MAXコーヒーを指差された。千葉のソウルドリンクだ、と自信満々に答えてもよかったが、おずおずと所在なさげに視線を移すこいつに毒気を抜かれてしまって、普通に答えた。
毒気ついでに他人に対するトゲも抜かれてしまったらしく、気付けばなぜか俺が口を開いていた。
「あんたも、その、コレ好きなのか」
「うん、まあね。とはいっても売り切れだし……スポルトップでも買うよ」
スポルトップは俺が代用で買う飲み物だ。ポカリ系のスポーツドリンクだが、違いは何といってもその甘さにある。練乳にコーヒーを入れたのがマッカンなら、砂糖にポカリを入れたのがスポルトップだ。
言うまでもなく甘くて、あとうまい。
「あー、ちょっと待て」
はっきり言って今の俺は正常じゃなかった。クラスでの嫌な空気に当てられていたこともあるかもしれないが、それを加味しても異常だ。
ダイヤモンドの硬度を誇る俺の心も、実はちょっとばかり欠けていた。ダイヤモンドは砕けないって言うけど、あれ普通に嘘だからな。
「え、えっと……?」
困惑するこいつ──てかこいつ名前なんだよ。由比ヶ浜が呼んでたことあったか? あいつあだ名のセンス無いからあだ名から本名がわかんねえんだよな。
とにかく目の前のこいつを一旦放置して、教室の鞄からマッカンを取り出す。できればホットが飲みたくて取っておいたのだが、まさか人にあげることになるとは。
「じ、常温でもよければ、これ、やるよ」
多分俺は、初めて見つけた同好の士に多少なりとも舞い上がってしまっていたのだと思う。他の奴らは一口飲んですぐ返してくるんだよな……返されても八幡困っちゃうんだけど。
……いや中学を思い出せよ俺。こんな風に舞い上がった結果何度トラウマを作ってベッドで悶えたことか。俺のトラウマは百八式まである。全身金色のモビルスーツよりちょっとだけ多い。
「えっいいの!?」
やってしまったかと思い突き出した缶を手元に戻そうとしたところで、予想外に食い付きのいい返事が帰って来た。
驚いてしまった顔を晒すのが嫌で、顔を逸らす。
「じゃ、じゃあ、ありがたくいただくね!」
そいつはマッカンを両手でしっかりと握った。
「お、おう」
よくわからんがすごい勢いで喜ばれた。クラスメイトの中で戸塚や川崎、由比ヶ浜以外の人物があれほど好感触なのも珍しい。
謎の気恥ずかしさから逃げるようにその場を後にした。これでもう会うこともあるまい。いやクラス同じだけど。今日のこれは偶然、俺の気が触れただけで、もう二度こいつと話すようなことはないだろう。
そう思っていた。それなのに。
△ △ △
そこまでを走馬灯のように一気に思い出した俺は、思考を切り替えようとマッカンを一気に飲み干す。だが俺の脳は止まってくれず、そいつの──八千代との記憶を引っ張り出してくる。
『今日ね、依頼人を連れてきたの!』
そいつは由比ヶ浜に連れられて、放課後の部室にやって来た。
動揺を隠して会話を続け、雪ノ下に怪しまれつつもなんとか乗り切った。
それからというもの、八千代はなぜか俺にばかり話しかけるようになった。
これが、鍛え上げられた自意識による勘違いであればよかったのだが、生憎とそうではなさそうだった。
雪ノ下や由比ヶ浜よりも、俺と会話しようとする。買い物に行ったときも、修学旅行中もそうだ。二人のことはからかったりいじったりしないのに、俺にだけそういった行為をする。
正直、理解も推測も出来なかった。同性である女子よりも俺との距離の方が近いし、警戒心も薄い。
『僕、男の子だから』
──性同一性障害。言われて少ししてから、頭に浮かんだ。
唐突に言われたので面食らったし、しばらく意味がわからなかった。
が、時間が経つと今までの行動が腑に落ちた。
女子より俺との距離が近いのも、修学旅行が不安だという理由で依頼をしてきたのも、由比ヶ浜のボディタッチから執拗に逃れようとしているのも、俺に呼び捨てを強要してきたのも、すべて性自認が男性であるからだと。そう納得した。
だから、理解したつもりになっていた。それなのに。
「あー、わっかんねえ……」
海老名さんへの戸部の告白を阻止した、その理由がわからなかった。俺とは別口で、頼まれていたのだろうか。しかし修学旅行中、戸部や海老名さんの邪魔に入る様子はなかった。
そして何よりも、どうしてあの方法──今までの俺と同じようなやり方を取ったのか。
『私、女の子だから』
彼女は、嘘の告白のためにそう繕った。その理由はわかる。戸部に告白することが、周囲から見て違和感のないことだとそう言っていたことはわかる。
だが、なぜわざわざ俺にそう告げたのか。
「おーいカマクラ、わかるか?」
フゴ、とだけ鳴くとうちの愛猫は姿を消した。かわいくねえ……。愛猫とはいうが、こいつを愛してるのは俺じゃないし、俺も全く愛されてない。
「ほんとに、何だよ……どいつもこいつも」
一番気に食わなかったのは、俺があいつに、八千代に気持ち悪い同情を押し付け、勝手に憐れみの目を向けたように思えることだった。
しかし、それは違う。何よりもその感情を他者に向けることは、俺が否定したことだ。だからこれは同情や憐れみなどではないはずだ。
であれば、あんなことをしてほしくないと──どうして俺はそう思ったのか。自分の感情が何より一番わからなくて、気に食わなかった。
数少ない手札で、最善を極め、効率を追求したやり方を、自己犠牲とは呼ばせない。
だから、あいつは、犠牲などではない。
そうわかっているはずなのに、どこかで引っ掛かりを覚えている自分が、嫌だった。
× × ×
「ラーメン、食べに行こっか」
平塚先生と共に、突如として比企谷家を奇襲したこいつは──八千代はそう言った。
それは、俺の知ってるこいつとはイメージが違っていて、どこか自信ありげにこちらの目を真っ直ぐと捉えている。
「はぁ? いや、学校連れ戻しに来たんじゃ……」
ワケわからん。さっきまでの思考でもよくわからなかった八千代のことが、更にわからなくなった。
それよりもなぜこいつは俺と普通に話せているのか。それすらもわからない。
「いいからいいから」
八千代は玄関まで入ってきて背後に回ると、肩をぐいぐいと押しながら、俺を外に出そうとする。やめて欲しいのだが、ゴルゴみたく殴るわけにもいかんしな……。ちなみに材木座なら一切加減などせず全力で拳を振り抜いてるし、戸塚なら180度回転して力強く抱き締めてる。
というか、こいつが何をしたいのかこれっぽっちもわからん。そもそもこんなに積極的なやつだったか?
「……実は俺、家から出ると死ぬ病気に今日かかっちまったんだ」
「はいじゃあ今死んだね。行こっか」
俺の足はもう玄関を越えていた。宅配便だと騙されて、靴を履いて出たのが仇になった。
八千代は更に力を強めて、愛しの我が家から俺を引き剥がそうとする。
「まて、ほらあれだから。玄関じゃなくて敷地跨いだら死ぬやつだから。引き返すなら今だから」
「それも今死んだ」
俺は既に道路のコンクリートを踏んでいた。
こいつ、ラスボスみてえなこと言いやがって……。勝てるビジョンが一切見えねえ……。俺の命が12個あっても12通りの方法で殺されそう。こいつ英雄かなんかなのん?
「……せめて一回着替えさせろ。それか上着羽織らせろ」
俺は自宅用の地味な、灰色のスウェットを着ている。この季節で外に出向くにはあまりに無謀だ。これではさすがに聞き入れざるを得まい。
「そのまま家から出て来なさそうだからダーメ」
楽しそうに笑う八千代。おい鬼か。ぶっちゃけクソ寒いんだけど。いやマジで。頼むから助けて。
「あーもういい。自分で歩く」
遠慮なく押し出されて、ズリズリと磨耗する靴底と精神が気になり諦めることにした。
ご近所さんに見られてかーちゃんに告げ口されんのが一番怖い。そのあと小町に知られそうなのがマジで嫌だ。
「うん、よろしい」
そのままスウェット男と制服女は道を練り歩く。気だるげな俺とは裏腹に八千代はふんふんと鼻歌まで歌って楽しそうだ。
……マジでこいつのことがわからなくなってきた。
その調子で近所のラーメン屋に到着すると、八千代は躊躇なくガラガラ扉をスライドさせて入っていく。慌てて俺も続いた。
今日は平日だ。当然だが店内に高校の制服を来てる客は一人いない。……こいつを除いて。
店員や他の客の奇異な視線が俺たちに向けられる。それでも八千代は気にする素振りも見せず、俺に話しかける。
「何にする? つけ麺もありかな」
そう言いながら財布を取り出し、券売機に野口を入れると、豚骨ラーメンの中盛を押す。
「決まってんなら聞く意味ねーだろ……」
交代するように券売機の前に立ち、少し悩んだあと、俺は豚骨の大盛を押した。別に量で対抗しようとかそういうのじゃない。ほんとに違うんだからね!
席につき、店員さんからお冷やを貰いながら食券を渡して落ち着いたところで、話を切り出した。
「何で、学校サボってまで俺とラーメン食ってんだよ。……それは、おかしいだろ」
そう、この状況はおかしい。マッカン一本なんか恩でもなんでもないし、依頼はこいつ自身が終わりだと告げた。
こいつが俺に関わる理由がない。
「何もおかしくないよ。僕がそうしたいから」
修学旅行一日目の夜、ロビーでの別れ際にそんなことを言われたことを思い出した。
「お前……」
そして何より、その一人称に驚きを隠せなかった。
あの竹林で、それは失われたと思っていた。
俺と似たような手段を使ったことによって。
八千代が、改めて、そして堂々と僕と言ったことを、心のどこかで嬉しく思っている自分に気が付いた。
やっと自分の気持ちを理解した。俺はこいつに、ただ傷付いて欲しくなかっただけなのだと。
一週間かそこらの付き合いで、そう思ってしまった自分を認められなくて、結論が少し遅れてしまった。
とある二人の顔が同時に浮かぶ。きっと俺は、彼女らにも同じ事を思うのだろうと。逆に彼女達は俺をどう思うのかと考えた。
「男友達と学校サボってラーメンだなんて、すっごい男らしいでしょ?」
その晴れ晴れとした顔に、もう迷いや不安は存在しない。臆病な姿ばかり見てきたからか、そこに逞しさを感じずにいられなかった。
何より、面と向かって友達と言われたことが、むず痒くて照れ臭い。
「……うっせ。そういうのは不良ぽいっつうんだよ」
眩しいそいつを直視できなくて、いつの間にか目の前に来ていたラーメンに目を向け、ズズっと啜る。いやあっつ!
自分が猫舌なの忘れてたわ……。舌の感覚がない。だが、朝啜った味噌汁なんかより、よっぽど旨く感じられた。
八千代も慌てて箸を割る。……下手くそだなこいつ。手先が不器用なことを、今になって知った。
これから、少しずつ知っていけるのだろうか。
あの部室の、彼女達のように。
「あのさ、これ……やっぱスープ飲んだら太るよね?」
八千代は不安そうにこちらを見る。それは俺のよく知る姿で、少しホッとした。
「気にするところが完全に女子じゃねえか……」
彼女あるいは彼が、何を思って、あんなことをしたのかはわからない。
いずれ話せる日が来るのだろうか。
そう思って食べている姿をちらと見る。
よく見ると、目の周りが赤く腫れていた。
見てはいけないものを見てしまった気がして、気付かない振りをしようと、丼を上げてラーメンのスープをすべて飲み干した。
「……男なら黙って完飲だ」
覚悟を決めたように、八千代が真似して丼を上げる。もう顔は見えない。
朝は小町を怒らせてしまった。修学旅行では、雪ノ下と由比ヶ浜を強引にその場から引き剥がして、そのあとは喋っていない。目の前のこいつとも、核心には触れず終いだ。
問題は山積みで、解決法もわからない。
だがまあ何とかなるだろうと、苦しそうに丼を空にした八千代をみて、柄にもないことを考えた。
思いつきで書いたんですが、原作の一人称視点がある分書きやすかったです。