ダンジョンカードバトル   作:ノジー・マッケンジー

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102話

管理人と共に転移で辿り着いた場所、そこは一言で言うなら体育館だった。

それも小学校とかでよく見る、奥に舞台があるタイプ。

 

ぐるりと辺りを見回すと、すでに何人か腕にデュエルディスクをはめた人間がいた。

 

(おそらく他の管理人の所の代表者…か。)

 

彼らは一瞬こちらに視線を向けたが、すぐに目を逸らす。

 

(ま、お互い今から戦う敵同士だもんな。仲良くするつもりは毛頭ないんだろう。)

 

彼らの雰囲気からそう察したところで管理人が口を開く。

 

「じゃ、僕は他に準備とかあるからこれでー。始まるまでその辺でゆっくりしててねー。」

 

そう言うと再び管理人は転移を行い消えていった。

 

(とりあえず突っ立っててもしょうがないか。)

 

転移してきた先は部屋の中央付近。

とりあえず壁際に向かい、座って待つことにした。

 

 

そのまましばらく待っていると、俺と同じように管理人と代表者であろうペアが続々とやってくる。

俺を含めて今ここにいるのは8人…と、今9人目がやって来た。って事はあと1人か。

確か管理人から送られてきた詳細には参加者は10人って書いてあったはずだし。

ちょっと今のうちに他のプレイヤーの観察でもしておこうか。

 

現在この場にいるプレイヤーと思しき人、俺を含めて9人。

その内7人は男性で1人が女性。そして性別不明なのが1人いる。

男性の内6人と、唯一の女性は、パッと見俺と同じか、その前後くらいの年に見える。

残った男性はダンディなおじさま。

俺も年取ったらこんな大人になりたい、と思わせるような風貌で、腕を組み壁にもたれかかってる。

…かっこいい。

もう1人は…、分からん。

なんか遊園地とかにいるマスコットキャラクター的な?そんな着ぐるみを着ていて、中が男性なのか女性なのか、大人なのか子供なのかすらも分からん。

まぁ、目立つのがいるからそっちに目が行くけど、他の人間も結構癖がありそうなのがそろってる。

なんかカード見ながらずっとニヤニヤしてブツブツ言ってるやつとか、どこから出したのかずっとお菓子をポリポリ食べてる人とか。

 

…こうやって見ると、俺ってあんまり特徴無い??

 

 

 

 

そんなこんなで人間観察を続けていると、ようやく最後の代表者がやって来た。

 

「お?あんだここ?…あぁん?何だてめぇら?おら!見てんじゃねぇよ!!」

 

…何かヤンキーみたいなのがやって来た。

 

「まあまあ、落ち着きたまえ。彼らは今から君が戦う相手だ。」

「ああん?………はっ!くそ雑魚ばっかじゃねぇか。わざわざ戦う必要すらねぇだろうがよ。」

 

さらに態度もデカいときた。

 

「そうカリカリするな。一応ルールに則る必要が有るからな。」

「ちっ!そうかい。ならとっとと始めてくれや。俺だって暇じゃねぇんだよ。」

「まぁ待て…む?もうすぐか…。」

 

奴と共に来た管理人は部屋の奥の舞台に目をやり呟く。

その数秒後、突如室内に鐘の音が鳴り響いた。

 

 ゴーン…  ゴーン…  ゴーン…

 

 

気が付くとその舞台には10人の人影があった。

いったいいつの間に?と思ったが、その中の1人、見覚えのあるヘラヘラした顔を見て理解した。

 

「時間だ。これより第666回『管理者序列決定代理者大会』を執り行う。」

 

その10人の中から1人が進み出て、この場にいる全員に対して宣言する。

…この大会、そんな名前だったんだね。

 

「詳細についてはすでに各管理者より通達済みであるはずなので、早速対戦の組み合わせを決める。」

 

舞台に並ぶ10人は管理人、いや、正式には『管理者』なのか。

その中で代表のように喋るこの人は、おそらく前回の優勝者なのだろう。

 

事前に管理人からこの大会にについて聞いていたが、この大会はその名の通り管理者たちの序列を決める戦いなのだ。

良い人材を育成できるイコール能力が高いという考えらしく、優勝者は次の大会までの間様々な点で優遇されるらしい。

これは昔に管理者同士でなされた契約らしく、簡単に覆すことはできないとのこと。

なので、あのいかにも喧嘩っ早そうな見た目の管理者さんも、最後に態度の悪い参加者を連れてきたいかにも悪いこと考えてますって顔の管理者さんも、おとなしくルールを守っているのだろう。(偏見)

 

 

「では…。」

 

今まで喋ってた管理者がパチンッと指を鳴らすと、まるで最初からそこにあったかのような自然さで、台と箱が現れた。

そして再度指を鳴らすと

 

「…うおっ!!?」

 

参加者の1人が一瞬で舞台上に転移させられていた。

 

「さあ、くじを引け。」

「え?あ、えっと???」

 

突然の事に戸惑う彼だったが、自分が舞台上に転移させられたことに気付くと落ち着きを取り戻し、先ほど現れた箱に手を突っ込み1枚の紙を引いた。

 

「ふむ、3番だな。」

 

その瞬間、くじを引いた彼の服の上に、大きく『3』と書かれたゼッケンが現れる。

そしてさらに、管理者たちの頭上に、トーナメント表が書かれた大きな板が現れた。

 

パチンッ

 

指を鳴らす音が聞こえ視線を下げると、そこには先ほどとは別の人がいた。

どうやら先にくじを引いた人は元の場所に戻されたようだ。

今舞台上に上がった彼は少し驚いた様子だったが、先に3番の人を見ていた為そこまで慌てることなくくじを引いていた。

 

 

 

参加者がくじを引くたびに、トーナメント表にその数字が表れる。

そして

 

パチンッ

 

突然視界が変わり、目の前には10人の管理者とくじの箱。

落ち着いて箱の中に手を入れてくじを引く。

 

ふと、いつもの管理人と目が合うが、その表情は普段と変わらずヘラヘラしていた為、特に気にすることなく紙に書かれた数字を見た。

 

「7番。」

 

管理者の言葉と同時に、俺にゼッケンが付けられ、頭上の表にも7の数字が表れる。

 

…うーむ、こうやってみると、管理者たちは俺たちを名前で呼んだりする気は無く、あくまで駒として番号呼びするつもりのようだ。

 

パチンッ

 

音と同時に元の場所に戻される。

その後もくじ引きは続き、8人の参加者がくじを引き終えた。

 

「うむ、ではこれで対戦順は決定だな。」

 

管理者がそう言うと、まだくじを引いていなかった残りの2人に、『1』と『10』のゼッケンが付けられた。

おそらく彼らの担当の管理者が前回の優勝者と準優勝者なのだろう。

…よりによってあの最後に来た態度のでかいやつが10番か…。

 

ちなみにトーナメント表だが、左から順番に1~10の数字が書かれており、第1回戦は2と3、4と5、6と7、8と9がそれぞれ対戦する。

次に2・3の勝者と、4・5の勝者が戦い、その勝者と1が戦う。

同じく6・7の勝者、8・9の勝者で戦い、勝った方と10が戦う。

最後に夫々の勝者同士で決勝戦という形だ。

 

つまり俺を含めた8人は4回勝たなければ優勝できないが、シードの二人は2回勝てば優勝となる。

…かなりシードが有利な気がするが、管理者同士の取り決めで決まった事なんだろうし、こちらが口を出しても意味が無いんだろう。

 

「では、早速だが第1回戦を開始する。」

 

管理者がそう言うと、室内の中央にデュエルリングが現れる。

 

「まずは2番と3番、前に。」

 

パチンッ

 

 

もう何度聞いたか分からない指の音が鳴ったかと思うと、リング上に2番と3番のゼッケンをつけた参加者が転移させられていた。

 

「では、デュエル開始!!」

 

 

ついに、本大会、『管理者序列決定代理者大会』が幕を開けた。

 

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