ダンジョンカードバトル   作:ノジー・マッケンジー

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103話

遂に始まった本大会。

現在2番と3番が戦っている。

 

他の参加者は自分の番以外ではこの場で観戦が出来るようだ。

…これってやっぱりシードがかなり有利だよな?

 

さて、戦況は一進一退の攻防が続いているって感じか。

お互いに探り探り攻めてる感じがする。

さらに、トーナメントで他の参加者が観戦しているこの状況から考えて、できるだけ切り札は温存しておきたい。そんな心情も透けて見える。

 

序盤はお互いに様子見。中盤に入って先に動いたのは3番。

相手の攻撃を上手くトラップでかわし、盤面上優位に立った。

その後、じわりじわりとライフを削っていき、次のターンで決着がつくという時に、2番が動く。

 

「…本当はこんなところで使いたくは無かったけど、それで負けたら意味ないもんな…。」

 

ボソッと呟いた言葉がやけにはっきり聞こえた気がした。

余裕の表情だった3番に対し、2番が切り札を切る。

形成は一気に逆転し、焦って対応しようとする3番だったが、2番の切り札の効果で一気にライフを削られ、なすすべなく敗退。

 

結果は2番の勝利となったが、結果切り札を他の参加者に見られる事となり、今後を考えるとかなり不利な状況となった。

 

 

2番と3番がリング外に移動し、次は4番と5番がリングに上がる。

どうやら負けた参加者も最後まで観戦ができるようだ。

負けた彼は呆然とした表情でリングを見ている。

 

さて、次のデュエル、4番はあのダンディなおじさま。そして5番は唯一の女性だった。

序盤からハイペースで攻める女性。コンセプトは速攻か?

しかしどれだけライフを削られても余裕の表情のおじさま。

致命傷になりそうなものだけは上手にかわし、受けても良いと思われる攻撃だけ受けていく。

その間おじさまは手札を充実させ、一気に逆転を狙う。

 

結果、女性の手札が切れて息切れしてきたところに、おじさまが一気に畳みかけて勝利。

何だか、ノリと勢いで攻める若者VS熟練の指導者って感じがしたね。

 

対戦後はお互いに握手を交わし、リング外でも仲良さげに話をしていた。

デュエルしたことで何かが芽生えたか?

 

…若い女性と仲良くお話しとか、別にうらやましくなんかないんだからね!

俺だって拠点に帰れば待っててくれる子がいるんだからね!

 

脳裏にソラの笑顔が浮かび、さらに昨晩の情事を思い出し1人ニヤニヤする。

ハッと我に返り辺りを見回すと、他の参加者のほとんどは、おじさまと女性のやり取りを恨みがましい目で見ている。

 

そんな様子に1人苦笑していると

 

「次のデュエルを始める。」

 

管理人の声と共に、俺はリング上に転移させられた。

対戦相手は…最初におやつをポリポリ食べてたやつか。

 

「では6番と7番、デュエル開始。」

 

この司会進行をしている管理者、とことん無駄を省く感じで、細かい説明なんか一切無しに物事を進めていく。

もうちょっと心の準備の時間とかがほしい。

 

 

ディスクを構えカードを引く。

先行は…相手か。

さぁ、どんなカードを使ってくる?

 

 

「僕のターン、カードを5枚セット。ターンエンド。」

 

手札全てセットだと!?

まさか全て罠・魔法カードのデッキとかか?

 

「俺のターン、ドロー!」

 

まあ相手のデッキが何にせよ、俺はカードたちを信じて戦うだけだ。

 

「俺はナイトメアを通常召喚。」

 

 

ナイトメア 星3 獣族/効果

A900 D1300

 

 

まだ仕掛けてこないか…?

 

「俺はナイトメアの効果を発動。このカードが召喚された時、デッキから『邪毒蛇』を手札に加えることができる。」

 

…動かないか。

くそっ、あれだけ伏せカードがあると気になってしょうがない。

 

「俺は手札より、魔法カード『融合』を発動!場の『ナイトメア』と、手札の『邪毒蛇』、『草原の王レオ』を融合!!現れろ、合成魔獣キメラ!!!」

 

 

合成魔獣 キメラ 星8 闇 獣族/効果

A2800 D2400

このカードが攻撃を行う際、相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できない。

このカードが破壊された時、このカードの融合素材となったカードを場に全て特殊召喚できる。

 

 

いきなりの高レベル融合モンスターの召喚に、リング外が騒めく。

 

…よし。

キメラを召喚しても相手は伏せカードを使わない。

キメラの攻撃時には相手は魔法・罠カードを使用できないから、召喚出来ればかなり有利だ。

 

「バトルフェイズ、合成魔獣キメラでダイレクトアタック!」

 

相手はまだキメラの効果を知らない。ならば間違いなくここで罠カードを使用するはず。

そうすれば相手の罠カードを1枚無駄にすることが出来て、さらに使用カードによっては相手のデッキの傾向が読めるかもしれない。

さぁ、何を使ってくる?

 

 

しかし、そんな考えは裏切られることになる。

予想の、斜め上方向に。

 

「…くらおう。」

「………え?」

 

一瞬相手が何を言ってるのか分からなかった。

あれだけ伏せカードが並んでいて、こちらの攻撃時に何もしない…?

まさかキメラの効果を知っている?いや、そんなはずはない。

この本大会参加者の情報はお互いにゼロのはずだ。

なら何故…?

 

キメラの攻撃を食らい一気にライフが減る相手。

 

相手LP8000→5200

 

「…カードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

なんだ?なんなんだ?あの伏せカード!?

この状況で1枚も使用しないことに、困惑を通り越して少し恐怖を覚える。

 

「…僕のターン、ドロー。」

 

カードを引く相手。その引いたカードを見て、口元がニヤリと動く。

 

「僕は、ガトリングボーイを召喚。」

 

 

ガトリングボーイ 星4 A500 D500 効果

 

 

(な、なんだ?このモンスター…?)

 

俺が最大限の警戒をしていると、相手は三日月形に大きく歪んだ口で宣言。

 

「ガトリングボーイの効果発動。このカードは、自分の場の罠カードを1枚墓地へ送ることで、相手に800ポイントのダメージを与えることができる。さらにこの効果は、1ターンに何度でも使用できる!!」

「なにぃ!??」

 

相手の場にある伏せカードは5枚。

あれが全て罠カードだった場合、一気に4000のダメージ…?

 

「僕は場の4枚の罠カードを墓地へと送る。つまりお前に3200ポイントのダメージだ!」

 

その言葉に従い、相手の場の罠カード4枚は墓地へと送られ、その代わりガトリングボーイの持つ重火器から無数の弾が発射される。

 

「ぐわぁ!!!」

 

俺LP8000→4800

 

くっ…、これは効いた…。

だが俺に大ダメージを与えた代償に、現在相手の場に残っているのはガトリングボーイと伏せカードが1枚のみで手札も0だ。

次のターンに再びあれだけの大ダメージを出すことはできないはず。

ならば俺は、次弾が飛んでくる前に速攻で相手のライフを削り切る。

 

つまりこれは、奴の準備が整うのが先か、俺が削り切るのが先かの勝負だ。

 

しかし、そんな俺の思いは再び裏切られる事となる。

…もちろん、悪い方向に。

 

 

「メインフェイズ2、永続罠カード発動、精霊化。」

 

相手は1枚だけ残していた罠カードを発動させる。

 

「このカードの効果は、自分のモンスターを精霊化させるもの。精霊化したモンスターは、自分のエンドフェイズに手札へと戻る。」

 

なっ!??

って事は、次のターンも確実に奴が現れる…。

本来なら俺のターンにキメラで破壊する事ができ、相手が同じ効果のカードを引くまでは安心だと思っていたが…

 

「さらにエンドフェイズ、墓地の罠カードの効果発動。」

 

 

廃棄物A 罠カード

このカードが墓地へと送られたターンのエンドフェイズ時、このカードを自分の場にセットすることができる。その際、あなたはLPを500回復する。この効果で場にセットされたこのカードが墓地へ送られた時、このカードを除外する。

 

 

「さっきガトリングボーイの効果で墓地に送った廃棄物Aを2枚、自分の場にセットし、僕はライフを回復する。」

 

相手LP5200→6200

 

な、なん…だと?

弾の補充速度が早い…!

驚愕する俺に、相手はさらなる絶望を突き付ける。

 

「…ついでに良い事を教えてあげるよ。さっきガトリングボーイの効果で墓地に送ったカードの内、2枚は廃棄物A、後の2枚は廃棄物B。Aはエンドフェイズに場にセットできる効果だけど、Bは僕のスタンバイフェイズにセットできる効果を持つ。つまり、次の僕のターンには再び場に5枚の罠カードがそろうって訳さ!」

 

 

そ…そんな……。

 

 

 

 

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