奴の言葉を信じるなら、次の相手のターン、再び場にガトリングボーイが現れ、場には罠カードが5枚となる。
もし奴がドローしたカードが罠カードだったとしたら…、次のターンで俺の負けが決定する。
奴が罠カード以外を引くことを期待する…いや、それは現実的ではない。
おそらくこの様子からして、デッキ内のほとんどは罠カードだろう。後はガトリングボーイと同様の効果を持つモンスターカード。
もしかしたらライフに直接ダメージを与える効果の罠カードや魔法カードもあるかもしれない。
そう考えるなら、俺が相手に勝つにはこのターンで相手のライフを削り切るしかない。
…できるのか…?
…いや、できるできないじゃない、やるしかないんだ!!
「俺のターン、ドロー!!」
カードを、デッキを信じてドロー。
!?こ、これは…。
引いたカードを見て動きが止まった俺を見て、相手は俺に成す術無しと思ったんだろう。
「…何もできないならさっさとターンエンドしてくれない?時間の無駄だからさ。」
奴はの頭の中では、ここから残りのライフ6200を削るのは難しいとでも思ってるのだろう。
だが、この本大会に出場できる人間を甘く見てもらっちゃあ困る。
俺は相手を睨み返しながら宣言。
「俺は、古の魔呪師を召喚。」
古の魔呪師 星4 闇 魔法使い族/効果
A1700 D1400
「バトルフェイズ、キメラと魔呪師でダイレクトアタック!」
相手LP6200→1700
合計4500ものダメージを受けたにもかかわらず、奴の表情は崩れない。
「…ターンエンドだ。」
俺 場 キメラ・魔呪師 伏せカード1枚 手札2枚
相手 場 精霊化(永続罠)・廃棄物A×2 手札1枚(ガトリングボーイ)
俺のエンド宣言に、奴はニヤついた表情から真顔に戻る。
「…やっぱりその程度か…、つまんないの。じゃ、僕のターン、ドロー…っと、はいおしまい。」
そして引いたカードを確認すると、ひどくつまらなそうな顔になり、そこからは淡々とデュエルを進めていく。
まるで自分の勝ちが確定されたゲームに飽きた子どもの様に。
「スタンバイフェイズ時、墓地の廃棄物B2枚は場にセットされ、1枚につき500ポイントライフを回復する。」
相手LP 1700→2700
「じゃ、メインフェイズ。ガトリングボーイの効果発動、場のトラップカードを全て墓地へ送って、合計4000の効果ダメージ。」
まるで先程のターンの焼き直し。
ガトリングボーイの銃火器から無数の弾丸が飛び出す。
「ぐうぅぅ!!!」
俺LP4800→800
「それじゃあ、さっき引いたカードを場に伏せて、もう一度ガトリングボーイの効果を発動させr「ちょっと待った!!」…???」
奴が俺にとどめを刺そうとするその瞬間、その行動に待ったをかける。
「…何?遅延行動は止してほしいんだけど?」
行動を途中で遮られた事で若干不機嫌そうな声だ。
「…お前がその効果を発動させる前に、俺はリバースカードを発動させる!」
「…ん?」
俺の場に伏せカードがあることに今気づいた。そんな表情の相手。
「強制終了。このカードを使用した瞬間、相手はエンドフェイズとなる。その代わり、次の俺のドローフェイズとバトルフェイズはスキップされる。」
強制終了 罠カード
相手のメインフェイズに発動可能。相手はエンドフェイズになる。
そして次のあなたのドローフェイズとバトルフェイズはスキップされる。
「………なんだよ、ただの遅延行動じゃん。勘弁してよホントに。」
カードの効果を聞いてより一層不機嫌そうな顔になる。
だが、このカードは遅延行動が目的ではない。
勝利の為のカードだ。
「さらにお前のエンドフェイズ時、場の古の魔呪師の効果を発動。このカードが場におり、相手から効果ダメージをくらったターンのエンドフェイズ時、そのくらった効果ダメージを相手ライフに与える!!」
古の魔呪師 星4 闇 魔法使い族/効果
A1700 D1400
あなたが効果ダメージを受けたターンのエンドフェイズ時、その受けたダメージを相手ライフに与える。
この効果は、効果ダメージ発生時と、そのターンのエンドフェイズ時に、このカードが場に存在していた時のみ発動可能。
「……………えっ…?」
ポカンとした表情で理解できていない様子の相手に、改めて伝えてやる。
「つまり俺がこのターンに受けた4000の効果ダメージを、お前にも与えるって事だ。お前の残りライフは2700。つまり…お前の負けだよ。」
俺の言葉と同時に、場の魔呪師は自身の目の前に大きな魔方陣を描き始める。
そしてそこから怨念のようなものが飛び出し、相手に向かっていく。
「う、うわああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
相手LP2700→0
「勝者、7番。」
実にあっさりと、勝利の余韻に浸る間もなくリングから降ろされる。
リング上にはすでに8番と9番の姿がある。
リング外に視線を移すと、呆然とした表情の対戦相手、6番の人がリングを見ている。
いや、顔がその方向を向いているだけで、実際彼はリングなんか見てないのかもしれない。
ともかく勝負は俺の勝ち。
次は今リング上で戦っている2人の勝者と戦うことになる。
どんなデッキを使ているのかしっかりと見ておこう。
再びリングに視線を移す。
どうやら8番はあの着ぐるみで、9番は最初にカードを見ながらブツブツ言ってた人のようだ。
序盤だがお互いにカードの展開が早い。
既にお互いの場には2体づつのモンスターの姿がある。
「ぐふ、ぐふふっ、ぼくは手札から、『爆裂の魔女フレイ』たんを特殊召喚するんだな。」
爆裂の魔女フレイ A2400 D2100
お?強そうなカード。
ってかあいつの使ってるカードって、女の子のカードばっかり…?
「………。」
それに対して着ぐるみの方は罠カードを発動。
…ん?あの着ぐるみ、首からホワイトボードをぶら下げてる…?
ぬいぐるみがカード効果を発動した瞬間、そのホワイトボードにひとりでに字がうかんできた。
【巧妙な落とし穴 罠カード 相手がモンスターを召喚・特殊召喚・反転召喚した時、そのモンスターを破壊する。】
…こいつ、喋らないキャラか?
罠の効果により破壊される魔女。
「あああーー!!!!ぼ、僕のフレイたんがーっ!!!!!」
9番の叫びが部屋中に響き渡る。
この調子なら、次の相手は着ぐるみの方…かな?