「ぐっ……、忌々しい…、実に忌々しいっ!!!」
俺の攻撃を食らい、その表情を変貌させる相手。
既に詰みだと思っていた盤面からまさかの反撃。
奴からしてみれば到底許せるものではないのだろう。
「…ターンエンドだ。」
怒りに満ちた様子でこちらを睨んでくる。
「我のターン!ドロー!」
力まかせにカードを引き
「我は魔法カード『闇より出ずるもの』を発動!手札より『闇の住人・み』を除外することで、墓地の闇の住人を3体、効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!さぁ甦るがよい、闇の住人達よ!!」
闇の住人・ひ A400→900 D400→900
闇の住人・ふ A800→1300 D800→1300
闇の住人・よ A1600→2100 D1600→2100
奴の手札から1枚のカードがアビスゲートへと吸い込まれ、代わりにフィールドには3体の闇の住人が甦った。
「…さぁ、見せてやろう。本物の、闇というものをなぁっ!!!」
そう言いつつ手札の1枚を頭上に掲げる。
「我は場の3体の闇の住人共を生贄に、このモンスターを召喚する!!」
生贄…?リリースではなく…?
そう思った瞬間、世界は黒に染まった。
「ふははははっ!!!出でよっ!『闇の住人・と』!!!」
闇の住人・と 星10 闇 効果
A4000→4500 D4000→4500
それは一言で言うと、完全な闇。
全ての光を遮る完璧な黒。
1度捕まれば二度と逃げることはできない。そう思わせるような巨大な玉。
そしてその黒玉は徐々に形を変え、今対峙している邪神の様に人形へとその姿を変えた。
まるでこの邪神の分身であるかのように。
「くっくっく…、バトルだ。『闇の住人・と』で、その忌々しいモンスターに攻撃だ!トュルー・ダークネス!!」
グオオォォォ…
光り輝く龍が闇に包まれて消えていく。
だが…
「…この瞬間、墓地の『神聖なる墓守』のモンスター効果発動。」
「…何?」
神聖なる墓守 星4 光 魔法使い族/効果
A1000 D1200
墓地のこのカードを除外することで発動可能。
あなたの場のモンスター1体を選択する。そのカードはこのターン戦闘で破壊されない。
「この効果により、俺の場のシャイニングドラゴンはこのターン戦闘では破壊されなくなる。」
「ぬうぅっ…!!」
「アビスゲートの効果は『魔法・罠を無効にする』だったはずだ。ならこのモンスター効果は無効化されない!!」
「………っちぃ!先程のリセットボムの時か…。だが、ダメージは喰らってもらうぞ…!!」
俺LP1600→100
そう、俺はリセットボムを発動した際、手札に残っていた最後の1枚がこのカードだった。
疾風の戦士をセットした時どちらを出すか迷ったが、結果として神聖なる墓守を気取られずに墓地へ送ることができたので、あの判断は間違ってなかったのだろう。
「…ターンエンドだ。」
実に悔しそうな声色でそう宣言する相手。
召喚した瞬間からずっとこのシャイニングドラゴンを睨んでいるが…、もしかして昔何かあったのか?
っと、今はそんな事気にしている場合じゃない。
折角ここまで繋いでこれた道を、一瞬の油断で無にするわけにはいかない!
「俺のターン…」
何度も何度もピンチを乗り越えて辿り着いたこの場所。
後ろを振り返れば、そこにはカードたちと共に歩んできた道が続いている。
それは真っ直ぐな道だけではなく、あちこち曲がりくねったり、時にはUターンしたところもある。
でも、その要所要所であった出来事、強敵との闘い、カードたちとの絆は、まるで昨日の事のように思い出せる。
不甲斐ない、情けない主だったかもしれないけど、それでもこんな俺についてきてくれたカードたち。
共に戦い、俺を助けてくれたカードたち。
だから、今ここで引くカードが…、勝利の為の1手でない筈がない!!
「ドローッ!!!」
そして手にしたカードは、やはり俺の思い描いていたカードで…
「俺は、今引いた魔法カード『光龍の威光』を発動!!」
シャイニングドラゴンの為だけに入れた2枚のカードの内のもう1枚。
「シャイニングドラゴンが場にいる時、お前の場の魔法・罠カードを全て破壊する!!」
そして
「っ!!?我はアビスゲートの効果発動!その魔法を無効化し破壊する!!」
当然の如く無効化される。
だが…、これでいい。
「なら俺は、リバースカードオープン!『光の救済』!」
本命は、こっちなのだから。
光の救済 魔法カード
自分の場の光属性モンスター1体を選択して発動可能。
あなたの除外されたカード全てを墓地へと送り、あなたはカードを2枚引く。
その後、選択した光属性モンスターを除外する。
「俺は除外されているカード全てを墓地へと送り、2枚ドロー。そしてシャイニングドラゴンは除外される。」
「……なにを…する気だ…?」
先のターンでダメージを受けてでも場に残したシャイニングドラゴン。それを除外してまで使用したこのカード。
俺の意図が分からず困惑した様子を見せる相手。
「さらに手札より『チェンジ!』を発動。」
チェンジ! 魔法カード
自分の場のカード1枚と、自分の手札を1枚を墓地へ送る。
その後、デッキからモンスターカード1枚を選び手札に加える。
「俺は場の『封邪の結界』と、手札1枚を墓地へと送り、デッキからモンスターカード1枚を手札に加えるぜ。」
光龍の威光ならば確実にアビスゲートの効果を使用するだろうと予想し、それを囮にすることで、ようやく…、準備が整った。
「…お前が真なる闇だというのなら、俺はそれを光で切り裂いてみせる。絆という名の光でっ!!」
真っ直ぐに奴を見据え、そう宣言する。
「俺は、光の救済の効果で墓地に送られた『聖獣・朱雀』『聖獣・白虎』『聖獣・青龍』と、チェンジ!の効果で墓地へと送った『聖獣・玄武』を除外し…」
1枚のカードを頭上に掲げる。
「『聖獣・黄龍』を特殊召喚するっ!!!」
聖獣たちは、朱・蒼・白・黄の4色の玉となって黄龍へと力を与える。
「来いっ!黄龍!!!!」
聖獣・黄龍(怒) 星12 光 ドラゴン族/効果
A4500 D4500 ※(怒)になることで、攻防共に500アップ
このカードは通常召喚できない。
このカードは自分の場に『聖獣・朱雀』『聖獣・玄武』『聖獣・青龍』『聖獣・白虎』がいる時にのみ手札から特殊召喚できる。
また、このカードは、自分の墓地に上記4体の聖獣カードがある時、それらを全て除外することでも手札から特殊召喚できる。その際、このカードは『聖獣・黄龍(怒)』となる。
このカードは相手の発動する効果の対象にならない。
このカードが召喚に成功した時、デッキから黄龍の名前が記されたカードを1枚手札に加えることができる。
その姿は神々しくも荒々しく、目の前の敵へと激しい怒りをぶつけている。
「ぬ、ぬぅ…、そのモンスターは…。」
黄龍の姿を見たやつは、そのプレッシャーにたじろぐ。
「黄龍が召喚された時、デッキから黄龍の名が記されたカードを1枚手札に加えることができる。…まだまだいくぜ?さらに俺は手札から『融合の騎士』を召喚!」
融合の騎士フュージョンナイト 星4 光 戦士族/効果
A1900 D1400
場のこのカードと、聖獣モンスターカードとで融合を行う際、融合の魔法カードがなくても融合召喚を行うことができる。
最後の最後に来てくれた、俺のもう1枚の相棒。
「そして、『融合の騎士』と『聖獣・黄龍』を融合!」
俺のデュエルの最初期から共に戦い支えてきてくれた相棒と、最強の聖獣が今ここに融合する。
「森羅万象を支配し力をその身に宿し、天より来たりしは黄金の騎士。出でよ、聖騎士…、いや!超戦士コウリュウ!!!!」」
超戦士コウリュウ 星12 光 ドラゴン族/融合/効果
「聖獣・黄龍(怒)」+「融合の騎士」
A5000 D5000
このカードは相手の発動する効果の対象にならない。
このカードが場にいる時、黄龍の名が記されたカードは無効化されない。
最強の戦士が、ここに降臨した。