ダンジョンカードバトル   作:ノジー・マッケンジー

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116話

鍛え抜かれた肉体に、黄金に輝くオーラを放ち場に君臨するは絶対的強者。

 

「手札より、『終焉の雷』を発動!」

 

黄龍の効果で手札に加えたカードを使用する。

 

 

終焉の雷 魔法カード

自分の場に「聖騎士コウリュウ」又は「超騎士コウリュウ」がいる時のみ発動可能。

相手の場のすべてのカードを破壊する。

この効果は無効化されず、またこのカードに対して罠・魔法カードを使用することはできない。

 

 

「このカードは、お前の場のカードを全て破壊する効果を持つ。そしてこのカードを無効化することはできない!」

「な、なんだとおぉ!!?」

 

フィールドに轟音が響き、目を開けていられない程の光が辺りを白く染める。

そしてその光が収まった後には

 

「…ば、ばかな…。」

 

空っぽになった相手の場と、悠然と佇む1人の戦士。

 

ふと気になって相手の墓地を見ると

 

 

リフレクション 罠カード

相手モンスターの攻撃で自身のライフが0となる時に発動可能。

そのモンスターの攻撃力の数値分相手ライフにダメージを与え、自分へのダメージは0となる。

 

 

マジックリフレクション 罠カード

相手の発動した効果で自身のライフが0となる時に発動可能。

その数値の2倍のダメージを相手に与え、自分へのダメージは0となる。

 

 

デュエリストアイの効果か、そこにあるカードの詳細が見て取れた。

 

「…プッ!…ックックックッ、なんだかんだ言って超ビビってるじゃん。」

 

奴が最初から伏せていた2枚のカードは、自身が負けるギリギリに発動するカウンターカードだった。

余程初代優勝者に負けて封印されたのがトラウマだったと見える。

 

 

「きっ!きさまあぁぁぁ!!!!!!」

 

カードの詳細がばれ激昂する相手。

だがこの状況で吠えられても、もう怖くない。

 

「さぁ、これで終わりだ!バトルッ!超戦士コウリュウでダイレクトアタック!!」

 

龍の鱗のような模様を持ち、黄金色に輝くその大剣を大きく振り上げるコウリュウ。

 

「…や、やめろ…、やめろおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 

「やれっ、コウリュウ!!エレメンタルスラッシュゥゥ!!!!!!!!」

 

 

 ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!

 

 

相手LP 3200 → 0

 

 

 

   バリイィィィィン

 

 

 

 

直後、ガラスが割れるような音が鳴り、俺たちを囲っていた結界が消え去った。

と同時に、他の管理者達もこちらへ駆け寄ってくる。

 

 

「は、ははっ、やった、やったぞ!!おいお前、よくやったっ!!!やはり任せて正解だったじゃないk「馬鹿もんがーーーっ!!!!!!!!」ぶふぅぅっ!!!」

 

いの一番に駆け寄って来た管理人、確かこの結界を張って他の管理者達から怒られてた人だったはず。

その人が言葉の途中に別の管理者に殴られて飛んでいく。

 

「貴様はっ!!自分が何をやったか、何を言ったか分かってるのかぁっ!!!!」

「ぶひいぃぃぃっ!!?」

 

決勝で挨拶をしていた人、おそらく前回の優勝者で、今回の優勝者が決まるまでは実質一番トップであろう人が、殴り飛ばされた管理人の元へと走っていく。

…お?教育的指導(物理)が始まった。…ま、俺には関係ないし、いいや。

 

「…お疲れ様。そして本当にありがとう。」

 

気が付くといつもの管理人が目の前へとやってきていた。

 

「…いや、別に…。」

 

いつものおちゃらけた感じでも、先程の緊張した感じでもなく、どちらかと言えば慈愛に満ちた、皆を見守る超越者のような顔の管理人に、何となくそっぽを向く。

 

「ふふっ、君は『別に大したこと…』って思ってるかもしれないけど、君がしたことは僕たちの歴史に残る大偉業だからね。もっと胸を張っていいんだよ?」

 

普段の様子から考えられない程の優しい言葉に何となく照れてしまう。

 

「い、いや、その…、な、なんか調子狂うなぁ…。」

「そうかい?君がそう言うなら普段の感じに戻ろうか。ま、何はともあれ、これで一先ずの脅威は消えさt『どごおぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!』っ!!!?」

 

突然鳴り響いた轟音に、皆がその音の出処へと視線をやると

 

 

「なっ…、なぜ……?」

 

そう言葉を漏らしたのは誰だったのか。

その視線の先には、先程と比べればプレッシャーは大分落ちているものの、しっかりと両の足で立つ黒き厄災がいた。

 

「ば、ばかな…、封印から出たばかりで本調子ではない上に、デュエルで負けた事でかなりのダメージを食らっているはずなのに…。すぐに起き上がれる程の力が残ってるわけないのにっ!!?」

 

しかし奴はどっしりと地に足を付けこちらを睨んでいる。

 

「…なにがデュエルだ…、何が結界だっ!!我にそんなものが通用すると、本気で思っているのかぁぁぁぁっ!!!!」

 

奴の怒声に合わせ、体から黒い靄があふれ出す。

 

「ひいぃぃぃぃっ!!」

 

その様子に腰を抜かす管理者の一人。

だが…

 

(…いや、確かにプレッシャーはかなりの物だが、さっきまでの抗えない程の恐怖は感じない。やはりデュエルでのダメージはしっかりと入っているんだ…。)

 

そう考えた俺がチラッと横を向くと

 

 …コクン

 

おそらく同じ考えであろう管理人が頷く。

そして

 

 

 ひゅっ…がしっ!!

 

 

「む…?なんだこれは…!?」

 

別の管理者が奴の背後から、不思議な模様の書かれた紐を投げつけて拘束する。

 

「よしっ!これは神々ですら縛ることのできる紐だ!これで捕縛してしまえば後は我々だけでも…「ばちいぃぃん!!!」………え?」

 

自信満々に説明していた『神をも縛る紐』を、奴は力ずくで弾き飛ばし

 

「ぐはっ!!」

「「「っ!!?」」」

 

そのままの勢いに紐を持っていた管理者を吹き飛ばした。

 

「な…、な、ぜ……。」

「言ったであろう、我にそのような物等通用しないとっ!!!」

 

 

おいおいマジか…。

デュエルで勝てばそれで終わりじゃないのかよ…。

 

 

「…流石にこれは僕も予想外だった、かな…。」

 

側で管理人が呟く。

 

「…本来の予定は?」

 

奴を自由にさせない様に、連携をとりながら牽制をする他の管理者達を確認しながら短く聞き返す。

 

「…本当ならさっき彼が言った通り、立っていられない程弱まるはずだったんだけど、ね。そしたら僕たち管理者の力だけでも封印はできたはずなんだけど…。あの紐が破られるって事は、ちょっと無理かなぁ…。」

 

予想以上に奴の力が強かったって事か?

 

「そ、そうだ、それだ!封印だ!!頼む!奴を封印してくれぇ!!」

「っく…!貴様は…、どこまで恥知らずなんだぁっ!!!!!」

「ピイィィ!!」

 

あっちで例の管理者が何か言ってる。

 

「封印…ってのは?」

 

その言葉に、一瞬何とも言えない表情をした管理人。

 

「……この戦いの前に話したね。『一人のデュエリストがそのカードと自身の魂を犠牲にして封印することに成功した』…って。」

 

そうだ、確かそれが初代優勝者………ん?自身の魂…?

 

「彼の魂は彼のデッキと共に永遠にここに封じ込められることになる…はずだった。あの厄災と一緒にね。只どこかの誰かさんが何か弄ったんだろうね。おそらく初代優勝者のデッキを自分の所のプレイヤーに使わせるために。その結果、封印が緩んで奴が復活することになったみたいだけど。」

 

永遠に封印…。

かのプレイヤーは何を思いながらその決断をしたんだろうか。

 

「彼が言う封印っていうのは、その初代優勝者と同じことを君にさせようって言ってるんだ。」

 

…つまり、俺に人柱になれ、と?

 

「本当に情けない話なんだけど、今の奴は僕たち管理者が束になってもどうにもできない。限りなく良い条件が整ってようやく、僕たちの力だけで封印できる可能性が0.01%あるかどうか…ってところかな。」

 

それはもう可能性0と言ってもほぼ間違いないような話だ。

 

「今の力が弱った奴でさえそれだけの力を持っているんだ。おそらくこの世界の誰も奴を止める事はできないよ。それに、時間が経てばたつ程奴はどんどん回復してより手が付けられなくなる。」 

 

…他所からの増援は期待できない、か。

 

「でも、そんな奴を封印できる人間が、1度デュエルで奴を負かした、君…。」

「そ、そうだ!だから早く封印を…!!」

「貴様は黙っておれぇぃい!!!!!」

「ひやあぁぁ!!」

 

口を挟んですぐさま閉じさせられる。

 

な、何か大事になってきたけど…

 

申し訳なさそうな顔の管理者達の顔を見て、今の話が冗談でも何でもないことを理解させられる。

 

 

………ま、まじか…。

 

 

 

 

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