ダンジョンカードバトル   作:ノジー・マッケンジー

15 / 128
15話

邪蛇と戦闘後、もう少しだけうろついて帰還の羽で拠点へと帰った。

時間はさほど立っていなかったが仕方ない。

 

あれから数度邪蛇との戦闘があった。

見渡す限り何もない草原だと思っていたが、意外と足元には草が茂っており、足元から音もなく近づかれたら気づきにくい。

そのことに気が付いてからは、光点を見つけたらできるだけ足元に気を付けるように心掛けた。

そして数度の戦闘の後、新たな魔物が現れたわけだが、それがこちら。

 

スリープシープ 星2 獣族/通常モンスター

A400 D800

 

 

見た瞬間まず逃げることを考えたよ。

ってか戦闘に入ったら逃げれるのか?管理人にでも聞いてみよう。

で、たまたまこいつが攻撃表示だったのと、最初のドローでベビー・バードを引けたことが幸いし、ボスの時と同じ戦法で戦士の卵を特殊召喚して倒すことができたけど、ほんとに焦ったわ…。

 

入手カードは本人(本獣?)のカード。

基本的に初めて倒したときはその魔物のカードが手に入るのかな?

 

とりあえず、こんなモンスターが出てくるところを今のデッキのままでうろつくのは自殺行為だと考え、一旦拠点に戻ることにした。

 

蛇から手に入ったカードは今のところすべて蛇のカードで、他の種類は出ていない。

なので、この蛇のカードとスリープシープのカードをデッキに加え、蛇が他のカードを落とすまでしばらく狩りを続けるのがベストだろう。

掲示板情報では11階層で落とすカードが、初期カードのいづれかのレベルアップ素材に使用できる(今のところ100%)らしいし。

1枚でもレベルが2になって能力が上がればだいぶ違うだろう。

ちなみにデッキ枚数の制限は、最低20枚、最高40枚だ。蛇と羊のカードをデッキに入れるとき、能力の低いカードを抜こうかどうか一瞬考えたが、ここまで共に戦ってきてどのカードにも大分愛着が沸いている。それに『成長』というシステムがある以上、もしかしたら化けてくれる可能性だってあるので、デッキから外すことはしないことにした。

 

 

拠点に戻り少し休憩した後、再びダンジョンへと戻る。

そういえば管理人に問い合わせたところ、一度デュエルが始まると逃げることはできないとの事。

後もう一つ、ついでにと教えてくれたのだが、一度ダンジョンに入ってすぐ拠点へ戻り、再びダンジョンに入った時、システム上ドローをし直せることになるが、引くカードは変わらない(拠点に戻る前に引いたカードと同じカードが出る)そうだ。

これは以前とあるプレイヤー(自分たちより前に来た人たち)が、いいカードが出るまで転移を繰り返すことでベストの手札で探索を始めようとした事があったらしく規制されたそうだ。

ただ、一度ダンジョンに入ってから約1時間でリセットされるそうなので、しようと思えば『ダンジョンに入る→ドロー→手札が悪い→拠点へ転移→一時間拠点で待機→再びダンジョンへ入りドロー→さっきとは違うカードがドローできる』とできるが、そこまでしても欲しいカードが手札に来るかはランダム(&カードとの相性など)なので、それなら多少手札が悪くても普通に探索したほうが良い。となったらしい。

 

一応掲示板にも乗っているらしいが、俺がその記事を見てなさそうだった為教えてくれたとの事。

 

(…若干ひいき入ってる?ほかの人たちに対してはどうなんだろ?)

 

ま、ひいきしてもらえるならそれを有効活用するだけだ。ありがたく使わせてもらおう。

 

それからしばらく、蛇退治を繰り返し、蛇以外に2種類のカードを手に入れたが、いづれもカードの合成素材には使用できないカードだった。

 

(こうなったら、羊に手を出すしかないか…あんまり乗り気じゃないけど…。)

 

蛇が合成用カードを落とさない以上、可能性があるのは羊又はまだ見ぬ魔物しかない。

気乗りはしないが、さっきみたいに倒せるタイミングを見極めて慎重に戦っていくしかないか。

いったん拠点に帰り、蛇から手に入れたカードをデッキに加える。

 

飛びうお 星2 水 魚族/通常モンスター 

A400 D600

 

木炭人 星2 炎 炎族/通常モンスター

A300 D700

 

攻撃力は高くないが、防御力はかなり高い(現状)。ただどちらもスリープシープと比べると下位互換だけど。

ほんのりとパワーがアップしたデッキを使い、羊を探すべくダンジョンへ潜る。

途中何匹か蛇と戦い、そしてついにその姿を見つけた。

 

【 スリープシープ A400 D800 守備表示 】

 

あっ、こりゃ駄目だ。と思い、他の羊を探すべくその場から立ち去ろうとした時、黙々と足元の草を食べる仕草をしていた羊が突然顔を上げこちらを見つめてきた。

 

「………。」

「…………。」

 

こちらが一歩下がると向こうは一歩進んでくる。こちらが一歩進んでも向こうは一歩進んでくる。

これ、完全にロックオンされちゃってるじゃん。

表示形式は変わらず守備表示。デュエル中に攻撃仕掛けてくれるのを願うか…。と諦めのため息をつきつつじわじわと近づいてくる羊に対して宣言。

 

「デュエル。カードをドロー。」

 

 

修行中の見習い天使 星1 光 天使族/通常モンスター

A300 D300

 

恐竜ベイビー 星1 恐竜族/通常モンスター

A300 D200

 

もろ石 星1 地 岩石族/通常モンスター

A200 D400

 

「俺はモンスター(もろ石)を守備表示でセット。ターンエンドだ。」

 

俺がターンエンドすると同時に、羊の頭上(ADの数値が出ている横らへん)に一本のバーが現れた。

 

(なんだあれ?今まであんなものあったっけ?)

 

俺の疑問をよそに羊は特に何も行動を起こさず、守備表示のまま動かない。

そして俺にターンが回ってくる。

 

(攻撃してくれればまだ何とかなる可能性はあるんだが…)

 

問題は守備力が高いことなのだ。現在の俺のデッキのカードであの防御力を突破することはできない。

攻撃表示にさえなってくれれば、A400以上のカードで倒せるのだが。

 

「ドロー。」

 

スモール・キャット 星1 風 獣族/通常モンスター 

A200 D200

 

む…。

 

「モンスター(修行中の見習い天使)をセット。ターンエンド。」

 

ターンエンドを宣言すると、羊の頭上のバーがぎゅいーんと動き出す。

 

(ホントになんだあれ?このままいくと次の俺のターンの終わりにはゲージが溜まるようn…!!!)

 

このタイミングでゲージが溜まる。今までこんなバーはなかった。

そのことから考えられる可能性は、このバーが『増援タイミング』ではないか?ということだ。

 

(蛇は先手必勝で倒してたし、以前10階より前の階で守備表示で魔物を出した時にはこんなバーはなかった。なら考えられる可能性は一つ。このゲージが溜まり切ったら増援がやってくる!!)

 

デュエリストアイLv2の効果『魔物の増援タイミングがわかる』である。

普通なら増援が来た時点でほぼなす術なく負けてしまうので、タイミングが見えたところで意味がないと、掲示板では使えないスキル扱いされていた。

 

(だがタイミングが分かったところでどうにもできん!)

 

羊は依然として動きを見せず、守備表示ののままこちらにターンが回ってきてしまう。

 

「(くそっ!)カードを、ドロー!」

 

戦士の卵 星1 地 戦士族/通常モンスター

A500 D200

 

引いたのは、いつでも頼りになるデッキ内最高攻撃力モンスター。

だがいかにデッキ内で攻撃力が最強だろうと、今の状況をどうにかすることはできない。

 

「戦士の卵を攻撃表示で召喚。…ターンエンド。」

 

そしてついにバーのゲージがいっぱいになる。

俺のターン終了後、それまで特に動きを見せなかった羊が急に顔を空に向け鳴き始めた。

 

 メ~~、メ~~。

 

すると、どこからともなく羊が一匹現れ、先ほどまで鳴いていた羊のそばへとやってきた。

 

【 スリープシープ A500 D800 攻撃表示 】

 

まじかよ…。

バーが増援のタイミングという考えは当たっていたが、それが分かったところでどうしようもない。

さらに現れた羊の攻撃力は100アップしている。

状況はかなり悪化している。

だがこの増援、ルールでいうところのエンドフェイズに発動されるらしく、すぐに俺にターンが回ってきた。

 

(どうしたら…ん?あれ?増援バーのゲージが0に戻ってる……まさか!?)

 

ふと目に入った増援タイミングが分かるようになるバー。先ほどMAXまでそのゲージが溜まったばかりだが、2匹目の羊が現れてからは0へと戻っている。

これを、もう増援が出なくなると考えるのは少々浅はかだろう。

十中八九また増援が出るだろうと考えると、状況は悪化どころではない。ほぼ詰みだ。

 

(まじかよ…。だがボスの時だって絶望的な状況から勝利できたんだ。それに今回は成長促進のスキルだってある!ここはデッキを、カードを信じるしかない!!)

 

「俺のターン!ドロー!!(頼む!!)」

 

 

弱き力の悪霊 星1 闇 悪魔族/効果

A300 D300

このカードが戦闘で破壊されたとき、このカードを破壊したモンスターの装備カードとすることができる。

このカードを装備したカードの攻撃力・守備力は、このカードの元々の攻撃力・守備力の半分の数値分ダウンする。

 

 

俺の願いが通じたのか、引いたカードは『成長』し、通常モンスターから効果モンスターになっていた。

 

「(だが…、これは賭けだな。でもやるしかない!)俺はモンスターをセット。ターンエンドだ!」

 

増援でやってきた羊がこのカードを破壊すれば、相手の攻撃力は350まで下がり、A500の戦士の卵で倒せるようになるが、もし最初の羊に倒された場合は、増援の羊と戦士の卵が相打ちするしかなくなる。そうなればデッキからA400のカードを引き当て、最初の羊と相打ちにするしかない。

 

どうにかうまく攻撃を仕掛けてくれることを願う俺だったが、実はこの時重大なプレイングミスをしていた。

弱き力の悪霊の効果が発動するのは『戦闘でこのカードが破壊された時』だ。つまり相手からの攻撃でなくとも、自らの攻撃で破壊された場合でも効果は発動するのだ。

もちろん攻撃力の差分自分のライフも減ってしまうが、確実にA500の羊に装備させることができる。

 

このことに気づかなかったせいで、俺はさらなるピンチを迎えることとなる。

 

 

 

 




今日の入力ミス
お題【ターンエンド!】

・ターネンド!
・単年度!
・ターン粘土!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。