ダンジョンカードバトル   作:ノジー・マッケンジー

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27話

想像以上の効果を持っていた蛇に、心の中で歓喜の声を上げながら(効果詳細を覚えていなかったことは棚に上げて)召喚を行う。

 

「俺は邪蛇を召喚!そして草原の王レオに攻撃だ!」

 

「シャアァァ!」

 

果敢に攻撃を仕掛ける蛇。しかし攻撃力300ではまるで力が足りず、逆にカウンターで倒されてしまう。

だが、これでいいのだ。

 

LP2000→650

 

ライフもかなり削られる。しかし

 

「俺はターンエンドだ。そしてこの瞬間、邪蛇の効果発動!お前は次の俺のターンまで守備表示になる!」

 

「グルゥ!?」

 

一瞬驚いたような顔をした…ような気がする。

こちらの言うことが理解できてるのか…?

 

ライオンは強制的に守備表示となりその体をしゃがませる。

なんとも恨めしげな表情でこちらを見ているが、強制的に守備表示にされたため動くことはできない。

ただ顔を動かし子獅子に何か指示を出したようで、子獅子2体は雑草魂に向かって攻撃を仕掛けてきた。

 

(やはり言葉を理解しているのか?)

 

先ほど雑草魂が攻撃対象になった時その効果を説明したが、今の攻撃はそれを理解したからこそ指示できたことではないだろうか?

又はゲームのCPUみたいに表側表示のカードはすべて理解できるのか?

 

蛇の効果が見事に通り心に余裕ができたからか、破壊された雑草魂を見ながらそんなことを考える。

ちなみに羊戦の時には連続で増援が出てきたが、今回は邪蛇が攻撃を仕掛け効果も発揮したことで、ゲージはさほど増えていない。

 

そしてやってきた自分のターン。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

火の玉 A300 D200

 

勝ちを確信しているため余裕の表情だ。

こちらの場には裏側守備表示のスリープ・シープ1体、あちらの場にはレオと子獅子が2体の計3体。

 

「俺はセイント・ハート・バードを召喚。そして手札よりボロットの効果発動!」

 

場に美しい鳥が現れ、その鳥に細かな機械が装着される。

 

【セイント・ハード・バード A700→900】

 

「セイント・ハート・バードで攻撃!」

 

 

邪蛇の効果で守備表示になっている草原の王レオ。

案外あっけなかったな。と思いながら攻撃の指示を出す。

俺の指示に従い、ライオンに向かって羽を広げ、いざ攻撃しようと飛び上がった時、それは起こった。

 

「…グルゥ…、グラアァァア!!!!」

 

いきなり雄たけびを上げたライオンに気圧され、思わず腕で視界をふさぐ。

だが特に何か起きたような気配は無かったため、腕を下げ改めて攻撃指示を出そうとした時に気づいてしまった。

 

(なっ!?バードが守備表示に!?)

 

そう、今まさに攻撃を仕掛けようとしていた俺のカードが、気が付けば守備表示になっていたのである。

まさか奴の効果か?という考えに至った時、ライオンの能力表記に追加で文字が現れた。

 

草原の王 レオ 星5

A1650(1800) D850(1000)

守備表示 効果モンスター

①1ターンに1度、「子獅子」を場に特殊召喚できる。この効果を使用したターンこのカードは攻撃できない。この効果で特殊召喚された子獅子は、召喚されたターンは攻撃できない。

②1ターンに1度このカードが表側守備表示の時に発動可能

このカード以外の場のモンスターカード1枚を選択し、そのカードの表示形式を変更する。

この効果は相手ターンでも使用できる。

 

(くそっ!そんな効果が!)

 

そういえば先の効果が表記された時に〝①″とあったことを今になって思い出す。

①とあるなら②がある可能性が高いという考えがすっかり抜けていた。

いや、今はそんなことはどうでもいい。

 

それよりもこのままでは…。

 

俺はできる事がなくなりターンエンドを宣言する。

するとライオンはゆっくりと起き上がり、一瞬で距離を詰めセイント・ハート・バードを切り裂いた。

 

「くっ!セイント・ハート・バードの効果…発動!」

 

墓地から雑草魂を復活させる。

しかし子獅子2体からの攻撃ですぐさま墓地へと戻ってしまう。

 

 

 

…やばい。非常にやばすぎる。

これ以上ない効果だと思っていた表示形式変更にこんな落とし穴があるなんて。

悪霊の効果で能力ダウンはされているが、どのみち俺のデッキのカードじゃあ守備表示にさせないと、とても火力が足りない。

かといって守備表示の奴に攻撃しようもんなら、今みたいにこちらの表示形式を変更されてしまう。

 

いったいどうすれば……!

 

 

手札:「風の魔躁士」「火の玉」

自分フィールド:「スリープ・シープ」

相手フィールド:「レオ」「子獅子」「子獅子」

 

 

現状を確認し、デッキ内カードの組み合わせで何とか手が無いか考える。

 

(火力アップ…いや、表示形式変更は1ターンに1度、2体以上効果力モンスターを出せれば…出せ…ないか…)

 

が、いくら考えても妙案は生まれない。

 

「(こうなったらこのドローに、カードの成長に賭けるしか…)俺のターン、ドロー!」

 

 

魔物の骨 星1 闇 アンデット族/効果

A200 D100

このカードが破壊された時、自分フィールドに骨トークン(レベル1闇アンデット族A100D100)を1体特殊召喚することができる。

 

 

ぬ?何か思ってたんとちょっと違うけど…、ど、どうする?

普通に考えれば子獅子の攻撃に耐えられる風の魔躁士を召喚するべきだが、このタイミングで成長して手札に来たということは…?

ぬぬぬ……、悩む、悩ましいが…

 

ドローした魔物の骨と、手札の風の魔躁士を見比べ、どちらを召喚すべきか悩む。

 

むー……ん、、、、ええい!もう悩んでも仕方ない!お前を信じる!!

 

「俺はモンスターを(魔物の骨)セット。ターンエンド。」

 

若干自棄になりつつも、今来たこのカードに意味があると信じ場にセットする。

 

相手のターン。

ライオンたちはどのカードに攻撃するか慎重に見定めているようだ。

 

(子獅子が羊に攻撃してくれれば1体残るんだが…。)

 

運が良ければスリープシープ又は骨トークンが場に残る。

そう期待していたが現実は残酷で、まずレオの攻撃でスリープシープが破壊。

続いて、2体の子獅子の攻撃で魔物の骨と骨トークンが破壊された。

 

俺の場にはモンスターは0。

やはりさっきのターン、魔物の骨ではなくて風の魔躁士を出しておくべきだったか…。

そうすれば今頃場にはまだモンスターが1体残っていたはずだ。

 

…いや、まだわからん。

今から引くカードによっては、風の魔躁士を召喚していた場合それが間違いになる可能性もある。

魔物の骨が破壊され墓地に送られたことに意味があるカードが来るかもしれない。

…いやいや、カードが成長する前提で考えているが、もしかしたらそんなことも無く終わる可能性だって高いはずだ。

 

 

 ふぅ~…。

 

 

一息ついて心を、頭を冷静にさせる。

 

(元々負けて当然の能力を持つ相手だ。カードの成長頼みにしているようじゃまだまだ本当に実力不足だよ。…でも、今までも色んなピンチでカードたちは、デッキは答えてくれた。もしカードが、俺を信頼してくれているのであれば、俺はそれに応えたい。運がいいだけで自分の実力じゃない?ご都合主義?何とでもいえばいいさ。ここはそういう世界で、俺にできる事は、そんなカードたちのために、共に戦うことだけだ…!ここで引いたカードが何であれ、俺は後悔しない!)

 

「行くぞ!俺のターン…、ドローーっ!!!」

 

もはや自分の力だけではどうにもできない。

ならばこれまで共に過ごしてきたカードたちに全てを賭けるしかない。

 

 

 

運命のドロー…!!!

 

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