ダンジョンカードバトル   作:ノジー・マッケンジー

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44話

若干気乗りしないまま探索を再開する。

が、少し進んだところで気が付いた。

 

「…そういや、さっきみたいに山頂にしか魔物がいないんなら、山の上の方を避けて進めばいいんじゃね?」

 

一応、山裾の方にも魔物がいないとも限らないので、慎重にマップと目視で確認しながら進む。

 

 

そして一日が経過。

予想通り、この階では魔物は山頂にのみ出現するようで、山裾を移動することで一切の戦闘を行う事無く進むことができた。

しかし逆に戦闘が無かったことにより、カードも最初の戦闘以外で入手できていない。

帰る前にもう一回戦っとくか?と思ったが、今の手札では若干厳しい。ドローカードが強カードならいいが、そこまで無理する必要もないだろうと考え、今日は拠点へ帰ることにした。

 

 

 

次の日

昨日と同じように山の下半分を通ってマップを埋めていく。

各山の上には飛龍らしき影が見える。

…今の手札ならいけるが…、ま、絶対に戦わないといけないって事もないし、今はやめとくか。

マッピングスキルのレベルが高い為、ある程度の高さを通れば山頂までカバーしてくれる。

戦闘が無い事を良いことに、ひたすらウロウロしてマップを埋めていく。

そして、

 

「お、階段発見!」

 

マップ上に階段のアイコンが現れた。

しかしこの場所は…

 

「これって…、竜の巣とかぶってるじゃん…。」

 

そう、階段のアイコンが映った場所に重なって、魔物を示す赤いアイコンが表示されているのである。

 

「多分巣の中に階段があるパターンだよなぁ…。」

 

覚悟を決めて巣に向かう。

ある程度近づいたところで、上空を飛んでいた竜がこちらに気付き降りてきた。

 

「(カードを温存しておいて正解だったな…)デュエル!」

 

今日は一度も戦闘をせず強カードを温存してあるので、問題なく倒せるだろう。

 

「俺は協調の戦士を召喚。さらに手札より自立型支援ロボB-RT02の効果発動。協調の戦士の装備カードとなる。」

 

妙に名前が長くなってしまったが、元々ボロット時代に身に着けた『装備カードとなり装備者の攻撃力・防御力を200アップさせる』効果は、レベルアップしたことでその上昇量を300へアップさせた。

 

「これで協調の戦士の攻撃力は1400。飛龍に攻撃だ!」

 

戦士の攻撃でその身を光に変える飛龍。

残ったのは巣の中でちょこちょこ動いている小さな竜。

 

………くっ!!

 

心を鬼にして子竜を倒す。

落としたカードを拾いながら巣の中を覗くと、真ん中らへんにぽっかりと人1人入れそうな穴が開いていた。

 

中には階段があるだろうことは分かっているので、躊躇せずに穴へ飛び込む。

予想通り中は階段が続いており、上の階と同じように人が中に入ることで光がつく仕組みになっていた。

 

 

階段を降り、着いた先は24階等と同じ洞窟だった。

…ま、出た先も竜の巣だったら嫌だもんな。

早速簡易転移石を探し登録。

洞窟の外に出て周りの様子を確かめる。

 

……うん。空に飛龍らしき影は無し。

よし!この階は罪悪感にかられることは無い!

 

ホッと一息つき、魔物を求めて探索を始める。

とりあえず山頂を目指すって事でいいかな?

 

 

 

マップ上も目視でも魔物がいないことに嫌な予感がしつつも、特に何も起こることなく山頂へたどり着いた。

 

「…何もないな。」

 

26階の様に、山頂に何かあるわけでもなく、21~24階の様に、登山中に魔物にあう事も無い。

おや?っと思いながら、ある一つの可能性に思い至る。

 

「もしかして、この階は山の下の方にしか魔物が出ない…とか?」

 

目を凝らしても良く見えない。

うーん、行ってみるしかないか。

 

一度上った山を今度は下へと下っていく。

登りより下りの方が楽なイメージもあるが、実際は勢い余って転げ落ちたりしない様に踏ん張る必要が有るので、意外と体力を使う。

ジャンプ?いくら魔物の姿が見えないからと言っても使いません!

 

赤茶けた山肌を下る事しばし。

マップの端に赤い光点を捉えた。

 

(やっぱりこの階は下側に魔物がいたんだな。…でも山の下の方にいる魔物ってどんなんだろ?)

 

目視ではまだその姿は見えないので、マップを頼りに近づいていく。

そして、辿り着いた場所には複数の穴が開いていた。

穴と言っても、俺が階の移動に使っている洞窟のような大きさではなく、まるで何か地面に住む動物が掘ったような穴だ。

警戒しつつ近づき、中を覗いてみると、

 

 

【ドラゴンベビー A300 D300 守備表示 通常モンスター】×3

 

 

ま、またこのパターンか―――!!

 

そう頭を抱えた俺の前に、別の穴から何かが飛び出してきた。

 

【潜竜 A800 D1200 守備表示 通常モンスター】

 

も、もぐ…?何て読むんだ?

それは竜という名前がついている割には、どちらかと言えばモグラに近い様相で、体はまるで岩のように固そうだ。

まるで子供を守るかのように俺の目の前で構える。

 

「くっ!デュエル!(やりにくいなー…)」

 

客観的に見ればこちらが加害者にしか見えない。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

と、ここで先程の飛龍との戦闘で戦士とロボを使ったことを思い出す。

 

(まだデッキには何とかできるカードはある。今は耐えるか…。)

「俺はモンスターをセット。ターンエンドだ。」

 

俺の宣言後、潜竜はこちらを睨んだまま特に動きはない。

再び俺にターンが回ってくる。

 

「ドロー!……俺は力秘めし小竜(A800D800)を召喚。そのままドラゴンベビーに攻撃!」

 

子竜の爪が敵の小さな竜を引き裂き光に変える。

 

 キュウウゥゥゥウ!!??

 グルウウゥゥゥゥゥウ!!

 

他の子竜と潜竜が同時に泣き叫ぶ。

…もう完全こっちが悪者だよな。

 

「ターンエンドだ。」

 

俺の宣言により相手のターンになるが、攻撃力が足りない為こちらを睨み続ける潜竜。

増援ゲージも貯まってないし…ん?

気のせいか普段より増援ゲージが多く溜まってる…?

いつもならこちらが攻撃を仕掛けた時にはほとんど貯まらない筈なんだけど…。

マスクデータで、何かしらの行動がきっかけで溜まりやすくなったりするのか?

 

そんなことを考えているとこちらにターンが回って来た。

 

「ドロー。…俺は海蛇(A900D800)を召喚。海蛇と力を秘めし小竜で、ベビードラゴンを攻撃!」

 

残っていた2体の竜もその姿を光に変える。

残ったのは鬼のような形相でこちらを睨む潜竜のみ。

 

「た、ターンエンド。」

 

その顔に若干たじろぎつつもターンエンドを宣言する。

しかし、攻撃力800で効果のない潜竜にできることは無い。

悔しそうに空へ向かって声を上げる。

しかしここで、思いもよらぬ出来事が起こる。

俺のターンが回ってきた瞬間、増援ゲージが一気に上昇し満タンになってしまったのだ。

 

(子どもを先にすべて倒すのがトリガーか?)

 

おそらくそうなのだろう。

この様子からして、弱いモンスターが増援で出てくるとは考えにくい。

出来ればこのターンで決めてしまいたいが…

 

「俺のターン、ドロー。よしっ、魔法カード『挑発』を発動!これでお前は守備表示から攻撃表示になる。そして海蛇で攻撃!」

 

 グオオォォォォ…

 

海蛇に噛みつかれ、潜竜は光となり消えていった。

 

ふぅっと一息ついて、落としたカードを拾う。

 

 

潜竜の巣穴 罠カード

相手の攻撃宣言時に発動可能

手札よりレベル3以下の地属性モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

………んんん???

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