ダンジョンカードバトル   作:ノジー・マッケンジー

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61話

思わずバックステップで距離を取る。

といっても後ろはすぐ壁なので、まるで距離は取れていないが。

 

階段を上って逃げる?いや、それすら許されない雰囲気だ。

赤く鈍く光る奴の眼がこちらをじっと捉えている。

…やるしか…無いのか…!!

 

覚悟を決めてディスクを構える。

 

(落ち着け…。今のデッキなら、奴の攻撃力2400を突破する方法はいくつもあるんだ。)

 

頭の中で勝てるパターンを考える。

後はデッキが、カードが答えてくれるのを信じるのみ。

 

「デュエル!俺のターン、ドロー!!」

 

 

俺:LP3000 

手札4枚+ドロー1枚

 

カードを引いて、ここで改めてボスの効果を確認する。

突然の出現に驚き、まだきちんと効果を読めていなかったのだ。

 

【無の残影 星7 A2400 D2000 攻撃表示 効果】

【効果 ①このカードの攻撃力は、自分の墓地の『残影』カードの枚数×100アップする。②1ターンに1度、このカードを対象とする魔法・罠・モンスター効果を無効化する。③???。】

 

 

………え?か、かなり強くないか…?

てか③の???って何!?

 

ま、まあいい。とりあえず③はおいておくにしても、②の【魔法・罠・モンスター効果無効】がやばい。

1ターンに1度とはいえ、この効果のせいでかなりこちらの動きが制限されることになる。

俺のデッキ内にも相手モンスターを対象に取るカードが何枚かあるし、何より、こういったボス戦で活躍してくれる『生を求めし亡霊』の効果、【自身を破壊したカードの装備カードとなりその能力を下げる】が使えないのが痛い。

効果が発動できれば攻撃力が1900まで下がり、かなり戦いやすくなったのだが…。

 

だがしかし奴を倒す方法はまだある!

そう、今引いたこのウルフの効果を使えば!!

 

「俺はモンスターをセット、さらにカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

想像以上のスペックの高さに一瞬動揺するも、勝利の鍵はすでに手の中にある。

相手のターン、奴は俺のセットモンスターに攻撃。

 

「俺のモンスターは守護の大樹(A800D1300)!このカードは1ターンに1度戦闘で破壊されない!!」

 

安心安定の大樹さん。いつもお世話になります。

相手はターンエンド、俺のターンとなる。

 

「ドロー!…俺はモンスターをセットしてターンエンドだ。」

 

今引いたカードをモンスターゾーンにセットし、ターン終了。

相手のターン、奴は今俺がセットしたばかりのモンスターに攻撃。

セットモンスターは『鬼火』。破壊され墓地へと送られるが、このカードは墓地にあってこそ真価を発揮する。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

さて、ここで攻撃力1200以上モンスターカードを引ければ、通常召喚+鬼火の効果で場にウルフを含む2体のモンスターを召喚でき、奴を倒すことができたが、残念ながら引いたのは『ナイトメア』(A900 D1300)。むむむ…。

とりあえず守備モンスターを増やすか…、いや、ここでモンスターを追加しても、ただ意味なく墓地に送られるだけの結果になってしまう。ここは召喚せずにターンエンドだ。

 

「俺はこのままターンエンドだ。」

 

次のドローで攻撃力1200以上のモンスターカードを引くことを願いターンを回す。

と、ここで俺が3ターン連続守備表示でターンを終わらせたことにより、増援ゲージがMAXになり、相手のエンドフェイズには増援が現れてしまう。

しかし盤面上は奴も特に動けずターンエンド。

そして相手のターンの終了時、奴の赤い目が鈍く光ると、どこからともなく黒い靄が現れ人の形を作り出した。

 

【戦士の残影 A1500 D1000 攻撃表示 通常モンスター】

 

まじか!?増援は残影モンスター…ってことは、こいつを倒したら奴の①の効果が発動される…。

これは早く決めないとちょっと不味いかもしれない。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

ここで引いたのは『風使いフウカ』。

 

「っし!俺は風使いフウカを召喚!さらに墓地の鬼火の効果を発動。手札からアブソーブワーウルフを召喚し、その攻撃力分のダメージを受ける。」

 

俺LP3000→1700

 

ライフは減ったがこれで決まるなら関係ない!

 

「バトルフェイズ!アブソーブワーウルフの効果発動。場の風使いフウカをリリースし、その攻撃力分、ウルフの攻撃力をアップさせる!」

 

フウカが光となり、ウルフへと吸収される。

そしてその攻撃力は1300+1300で2600まで上昇。

 

「アブソーブワーウルフで、無の残影に攻撃!!」

 

奴の攻撃力は2400。これで決まりだ!

 

攻撃を宣言し、自分の勝利を確信したその時、無の残影の赤い瞳がキラリと光った。

その瞬間、奴の隣にいた戦士の残影がものすごいスピードで、奴とウルフの間に割って入り、ウルフの攻撃を受け消えていった。

 

「………え?」

 

突然の出来事に、ポカンとした表情をすることしかできなかった。

相手の場に無の残影は健在。さらに

 

 

【無の残影 星7 A2400→2500 D2000 攻撃表示 効果】

【効果 ①このカードの攻撃力は、自分の墓地の『残影』カードの枚数×100アップする。②1ターンに1度、このカードを対象とする魔法・罠・モンスター効果を無効化する。③このカードが破壊される時、自分の場の『残影』モンスターを代わりに破壊できる。】

 

 

 

お、お、おいぃぃぃぃ!!!!!!!

ちょ、そんな強い効果を『?』で隠すなよぅ!!

何考えてんだよぅ!!!

うがーっ!!ふざけんなー!!!!!!

 

 

勝ったと思ったのもつかの間、『???』と隠されていた第3の効果により、奴を倒すことができなかった。

それどころか、①の効果も発動してしまい、ただでさえ高かった攻撃力がさらに上がる…!

 

くっ!どうすればいい!?考えろ、考えろ…!

 

何にしてもこのターンはもうどうすることもできない。

仕方なくターンを終了し、相手のターンとなる。

 

奴のターン、当然のごとくアブソーブワーウルフに攻撃。

パワーアップの効果はバトルフェイズ中のみなので、現在の攻撃力は1300。

 

「っつうぅ!」 LP1700→500

 

ウルフは破壊され、さらに俺自身も大ダメージを受ける。

 

奴はターンを終了し、こちらにターンが回ってくる。

 

(くそっ、ここから逆転する方法は…)

 

奴の攻撃力、2500に並ぶだけならばまだ方法は残っている。

例えば戦士の効果。

このカードは自身がモンスター効果の対象となる度に攻撃が200アップする。

トカゲやフェニックスの効果で場に特殊召喚できれば+200。

さらにこの効果はロボの装備時にも適用されるため、ロボ装備で+700(ロボ500+戦士効果200)。

元の攻撃力の1500と足して2400。

これに攻撃力を100アップさせる『二者択一』を使用すれば攻撃力2500になる。

 

また、前にも使ったドラゴンと天使のコンボを使えば、墓地にカードが多ければ多いだけドラゴンの攻撃力を一気に上げることができる。

 

だがしかし、それらの方法で攻撃力が上がったとしても、それは1ターン限りの物。

こちらの準備が整った時に、もし相手の場に別の残影モンスターがいれば、先程のウルフの二の舞になるだけ。

 

奴の増援を防ぎつつ、又は現れた増援を倒しつつこれらの準備を進める…。

…可能なのか?

 

ど、どうすればいい…!!

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