ダンジョンカードバトル   作:ノジー・マッケンジー

71 / 128
71話

「俺のターン!ドロー!!!」

 

絶対に勝つ!

 

「俺は歴戦の聖戦士を召喚!さらに手札より汎用ロボB-RT04の効果を発動。歴戦の聖戦士の装備カードとなり、攻撃力・防御力を500ポイントアップする!」

 

歴戦の聖戦士 A1900→2400 D1400→1900

 

(奴の伏せモンスターの守備力が2000を超えている可能性も否定できない…。ならここは装備したまま攻撃だ。)

「バトルフェイズ、歴戦の聖戦士で伏せモンスターを攻撃だ!」

 

流石に攻撃力2400なら破壊できないことは無いだろう。

そう思っていると、奴は不敵に笑った。

 

「今…、攻撃と言ったな?」

「…?」

「相手の攻撃をトリガーに発動するカード!トラップカード、聖なるバリアミラーフォース!!」

 

な!!?ミラフォだと!!???

 

 

聖なるバリア ミラーフォース  罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

 

「くうぅ!!」

 

奴の罠カードで、攻撃を仕掛けた歴戦の聖戦士と、装備カードとなっていた汎用ロボB-RT04が破壊され墓地に送られる。

 

「くそっ!…ターンエンドだ。」

 

俺の場はがら空き。これは不味いぞ…。

 

「俺のターン、ドロー。…ふん、俺は手札から強欲な壺を発動。」

 

何!?強欲な壺!?

 

「さらに手札より、天使の施しを発動。」

 

な!?禁止カードのオンパレードじゃねぇか!!?

てか、そんなオリジナルカードも存在するんだ!?

 

 

強欲な壺 魔法

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

天使の施し 魔法

デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる。

 

 

「じゃあ行くぜ。古のルール発動。手札から上級モンスターを召喚する!」

 

 

古のルール 魔法

手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

な、なんだ、次は何が出てくるんだ!?

 

「見せてやるよ、俺の切り札!来い!シャイニングドラゴン!!」

 

 

シャイニングドラゴン 星8 光 ドラゴン族/通常モンスター

A3000 D2500

 

 

うぉ!攻撃力3000!?

 

「さらにドラゴナイトを召喚。」

 

 

ドラゴナイト 星4 地 ドラゴン族/効果

A1800 1400

 

 

こ、これは…。

 

「バトルフェイズ、ドラゴナイトで攻撃。」

「ぐうぅ!」

 

俺LP4000→2200

 

「そして、シャイニングドラゴンで攻撃!くらえ!シャイニングブラスター!!!」

「ぐわぁぁあーー!!!!!」

 

俺LP2200→0

 

 

 

 

 

リングに倒れ伏す俺に対して奴は言った。

 

「…フン、やっぱり雑魚か。」

 

そう言い残して再び黒い靄へと姿を変え消えていく。

 

 

 

くそ…

 

 

くそっ…!!

 

 

くそっ!!!!!

 

 

 

「があぁぁあ!!!くそがぁぁあ!!!!!!!!」

 

ダン!ダン!ダン!

 

叫びながら床を叩く。

 

「うああぁぁぁああ!!!!!!!」

 

分かっていた。いつかは負ける時が来ると。

1度も負けないなんてありえないと。

頭ではわかっている。でも心はそれを拒絶する。

 

「あああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

今の俺にはもう、ただ叫ぶことしかできなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぎぃぃ…

 

音をたて扉が開く。

 

「おかえりなさいませ、マスター。」

 

俺に気付いたソラが近づいてくる。

 

「…マスター……。」

 

彼女の声色が気遣うようなものに変わる。

よほど俺はひどい顔をしているのか…

 

「わるい…、一人にしてくれ…。」

 

そう言うのがやっとだった。

重い足取りで自分の部屋へと向かう。

 

「マスター…。」

 

後ろからソラの悲しそうな声が聞こえた気がしたが、今の俺には周りを見る余裕なんてなかった。

 

 

 

 

 

 

負けた。

 

『フン、雑魚が。』

 

完膚なきまでに負けた。

 

『やっぱり雑魚か。』

 

奴の言葉と負けた瞬間の光景が頭から離れない。

くそっ、何だよミラフォって…。禁止カードじゃねぇのかよ…。

 

予想だにしなかったカードの登場に俺は動揺した。

 

ミラフォに強欲な壺に天使の施し…。あれならサンダーボルトや死者蘇生なんかも入ってそうだな…。

 

 

 

…勝てるのか?あんなデッキに…?

 

 

 

心が折れそうになる。

いや、むしろもう折れているのかもしれない。

あれだけ完膚なきまでにやられて、どうしても自分が勝てるビジョンが浮かばない。

 

「はぁ~…。」

 

もうため息しか出てこない。

あれだけ強い中ボスがいるなら、他のプレイヤーが未だ50階を突破できていないのにも納得だよ…。

41階から44階まで半日で突破して、これなら中ボスも楽勝だなって思って……、慢心してたのか…?

 

…わからない。分からないけど…、今はもう何も考えたくない。

 

ベッドに寝ころび目を瞑る。

しかし目を瞑ると、暗闇の中であいつの声が聞こえてくる。

 

『フン、雑魚が!』

『貴様に俺は倒せんよ。』

『とっとと諦めたらどうだ?』

 

 

「………くそっ…。」

 

 

眠れない時間が続いた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「おはようございます、マスt……、マスター、夕べ寝られました?」

 

部屋からのっそりと出てきた俺を見てソラは言った。

 

「…ん~…。」

 

適当な返事をする。

結局朝方まで寝付けず、少し眠れたかと思ったら夢であいつが出て来て飛び起きてしまった。

おかげで10分も寝てない。

 

「マスター…、…お願いします。今日は休んでください。」

 

ソラがそんなことを言ってくる。余程見た目酷いのか…?

 

「あ、いや、休みたいのはやまやまなんだけど…」

 

どうしても負けた事を思い出してゆっくり休めないんだ…。

 

「………、分かりました。では強制的に休んでいただきます。」

 

?きゅうに物騒な言葉が出てきたぞ?

するとソラは、椅子を引いた後俺を軽くトンっと押した。

 

「うわっ!」

 

寝てないせいでフラフラしていた俺は思わず後ろにコケて尻餅をつく…前に、ソラが引いてくれた椅子に腰を下ろすことになった。

 

「あ、あれ?」

 

スッと椅子を動かされ、目の前には朝食が乗ったテーブル。

そして何故か自分用の食事と椅子を俺のすぐ隣へ持ってくるソラ。

 

「では、いただきましょう。」

 

手を合わせ、箸を持ちおかずをつまむソラ。そして、

 

「はいマスター、あーん。」

 

それを俺の口元に持ってきた。

 

いいいぃぃ!!?

な?なになに!?突然何!??

 

動揺する俺を見つめる彼女はそこからピクリとも動かず、俺が口を開けるのを待っているようだった。

 

「マスター、あーん。」

 

さらに催促の言葉。絶対に俺にあーんをさせようという強い意志を感じる。

 

「………(ゴクリ)あ、あーん…。」

 

俺が口を開けると、そのまま彼女は箸を動かし俺の口の中におかずを入れてきた。

 

モグモグモグ…ゴクン。

 

「はい、あーん。」

 

しっかり噛んで飲み込んだ後、バッチリのタイミングで次のあーんがやってくる。

え、えーっと…?も、もしかして、ずっとこんな感じ…?

 

お、俺、どうしたらいいんだ…???

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。