ダンジョンカードバトル   作:ノジー・マッケンジー

82 / 128
少し短め


82話

「俺のターン、ドロー!」

 

引いたカードは…朱雀。

考えろ、なにか…、何かあるはずだ。

手札のカード、場のカード、そしてデッキに眠るカードたち。

これらを使って取れる最善の方法を考えるんだ…!

 

「……俺はモンスターをセットしてターンエンドだ。」

 

手立ては…ある。あの猫をも上回る攻撃力を一瞬だが得る方法が1つだけある。

しかしそれを行うには時間が、準備が必要だ。

今は耐える…!

 

「カードをドロー。」

 

相手のターン、

カードを引いた奴はその口元を大きく歪めた。

 

「…どうやら、俺の勝ちのようだな。」

 

何?この状況で勝利宣言…。どんなカードを引いたって言うんだ?

 

「俺は装備カード『騙された猫の怒り』を使用。場の『干支になれなかった者・猫』に装備!」

 

 

騙された猫の怒り 装備魔法カード

干支になれなかった者・猫にのみ装備可能。装備したモンスターは以下の効果を得る。

・場に他の干支モンスターがいる際攻撃できない効果を消す。

・罠カード『猫の恨み』の効果で自身の効果を失っている場合、1ターンに1度場の干支モンスターをリリースして発動できる効果が復活する。その効果を使用したターンこのカードは攻撃できない。

・1ターンに1度、自分の墓地にある干支カードを除外することで、上記リリースして発動できる効果と同じ効果を発動できる。

 

 

カードを装備した猫は、装備前と比べ一回り大きくなり、その顔もより獰猛なものへと変わった。

 

「さぁ…、覚悟は良いか…?」

 

ただでさえ強いプレッシャーを放っていた相手が、より圧倒的な威圧を放ち始める。

 

 

こ、これは…無理なのか……?

 

絶体絶命。

そんな言葉が頭をよぎった瞬間、思わぬところから救いの手は現れた。

 

 

【……を発…。データ…信。正……ータをイ……トール。不具合デ………クセス…始…解析…了。原因不…。次のプロセ……進みます。現…を正常に戻……とを優先………。】

 

 

な?何だ何だ?

 

突然デュエルフィールドに1台の小型浮遊機械が現れた。

何かブツブツ言ってるけど…良く聞こえないな。

 

いきなり現れた乱入者をポカンとした表情で見ていると、先ほどまで戦っていた彼は苦虫をつぶしたような顔をしていた。

 

「っち…ここまでか…。」

 

そして俺に向かって話しかけてきた。

 

「おい、受け取れ!」

 

彼が投げ渡してきたのは1枚の真っ白なカード。

これは…前ももらったことのあるブランクカード?

 

「絶対に無くすなよ!」

 

???…えっと?

いきなりの事で頭が付いていかない。

 

「もう時間がない。後言えるのは…、カードを信じろ!デッキを信じろ!戦って分かった!お前ならだいじょう…だ!!あ…のこ…はたのん……!!!!」

 

一瞬の出来事。

瞬きをした瞬間には、すでに彼はいなくなっていた。そして

 

 

  パリィィィィィン!!!!!

 

 

ガラスが割れたような音がして、気が付けば俺は一人でデュエルリングの上に立っていた。

 

【エラー発生。確認のために少々お時間を頂きます。プレイヤー強制転送】

 

状況を理解する間もなく俺は強制的に転送され、次の瞬間には拠点のパソコンの前に立っていた。

 

 

 

………えーっと…?…だれか、状況を、説明、してください…。

 

 

 

 

 

 

その後、俺が帰ってきたことに気付いたソラに事の顛末を話し、二人して首を傾げたが結局あれが何だったのかは分からなかった。

 

そして次の日、パソコンに【メンテナンス完了】の文字が出ていたので49階へ向かった。

ガイドさんやショップのおやじさんは何も変わらず。

デュエルリングに上がってみると、昨日のデュエルは無かったことになっており、普通に別の対戦相手が現れた。

勿論強さはそれなり(38階までと比べ、こんなもんだなって言うレベル)で、間違っても昨日のあいつのレベルの相手は出てこなかった。

 

それからごく普通にデュエルを繰り返し、ごくごく普通に49階の突破条件をクリアしたので、とりあえずここでしばらくBP稼ぎをすることにした。

元々ここでポイントを稼いで、ショップのカードと交換するのが目的だった訳だし。

 

何となく心の中に釈然としないものを残しつつも時間は流れ、数日後、俺はショップのカードを3枚とも入手することができた。

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

「行ってらっしゃいませ、マスター。」

「ああ、行ってくる。」

 

ソラに見送られ、俺は転移機能で49階へ向かう。

今日は50階に挑戦する予定だ。

ショップで新たなカードを手に入れた後は、使用感を試すために何度か49階でデュエルをして、問題なさそうだったので今日50階へ挑むことにした。

 

結局あの時の事はいくら考えても分からない。

夢…ではないことは、あれからずっとEXデッキに入れているこのブランクカードが証拠だ。

 

まぁ気にはなるが、いつまでもそればかりにかまけてもいられないし、何より今日は50階。

俺の予想が正しければ、出てくるのはおそらく…

 

 

ガイドさんとショップのおやじさんに挨拶をして先へ進む。

50階への階段を降り、やって来た扉の前。

一度大きく深呼吸をして、そして扉に手を掛ける。

開いた先には……リング…?

 

いつもと違うことに少し戸惑いつつも、中央にあるリングへと上がる。

するといきなり四方にスポットライトが現れ、リング全体が照らされる。

そして

 

「…来たか。」

 

気が付くと目の前には1人の青年。

見間違えるはずもない。こいつは…

 

「さぁ、決着をつけるとしよう。今度は前回の様に手を抜いたりはせん。本気で行くぞ。」

 

 

45階で戦ったあの中ボスが、再び俺の眼前に現れた。

 

「…やっぱり、出てくるとしたらお前だと思ったよ。」

「ふん。1度まぐれで勝ったぐらいでいい気にならないことだ。」

 

お互いの視線が交錯し、同じタイミングでデュエルディスクを構える。

 

「「デュエル!!!」」

 

今ここに、戦いの火蓋は切って落とされた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。