ダンジョンカードバトル   作:ノジー・マッケンジー

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93話

「ふふ…、ふふふ……。」

 

圧倒的不利なこの状況の中、奴は嬉しそうに笑みを浮かべる。

 

「すごい、すごいよ君は…。私相手にここまでできるとは…。」

 

盛り上がった胸筋をピクピクさせながら続ける。

 

「実に面白い。…私はこの人生の中で未だかつて負けたことが無いんだよ。周りが言うには人生勝組ってやつだ。…だからこそ、私は私を負かせてくれる相手を探していたのかもしれない。…君は、私に負けを与えてくれるかい…?」

 

 ぞくぞくっ!

 

相手の雰囲気が変わる。背中がゾワゾワッとなり、一筋の冷や汗が頬を流れ落ちる。

 

「私のターン、ドロー。」

 

先程までの少し冗談交じりの態度はナリを潜め、鋭い目つきでをこちらを見つめる。

 

「私は、墓地のマッチョモンスター3体を除外し、『マッスル・キング』を召喚。」

 

 

マッスル・キング 星10 効果

A3000 D3000

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地のマッチョモンスター3体をゲームから除外して特殊召喚できる。

1ターンに1度、デッキからマッチョモンスター1体を手札に加えることができる。

このカードが破壊される時、代わりに自分の場のマッチョモンスター1体を破壊できる。

 

 

くっ!これが奴の本当のエースカードか…!

 

「私はマッスルキングの効果発動。デッキより『オーク・マッチョ』を手札に加え、そしてそのまま召喚だ。」

 

 

オーク・マッチョ 星4 効果

A1800 D1000

このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていた場合、その数値分相手に戦闘ダメージを与える。

 

 

「バトルフェイズ、マッスルキングで草原の王レオを攻撃。」

 

これは受けるわけにはいかない…!

 

「レオの効果発動!カードを1枚捨て、マッスル・キングを守備表示に変更する!」

 

しかしこれは予定通りだったのだろう。相手は続けて宣言。

 

「ではオーク・マッチョで疾風の戦士を攻撃だ。」

 

俺LP7300→6000

 

「ぐうぅぅ!!」

 

先程まで有利だと思っていた盤面がたった1枚のドローでひっくり返された。

 

「…ターンエンドだ。」

 

 

こいつ、ふざけた態度を取ってたけど…強い。

おそらく自分で言った通り、本当に人生で負けを経験したことが無いんだろう。

どことなく人の上に立つ者のオーラを感じる…気がする。

 

でも…、だからと言って俺がここで負けてやる必要は無い。

 

「俺のターン…」

 

俺にだって、こいつらの思いに応える為に、負けるわけにはいかないんだから…なっ!!

 

「ドロー!!」

 

気合一閃、カードを引き抜く。

!!こいつは…。

 

 

 

魔界の商人 星5 闇 悪魔族/効果

A1500 D1600

このカードの②の効果は1ターンに1度しか使用できない。

①このカードが召喚された時、カードを1枚ドローできる。

②あなたはデッキから任意の数カードを引く(最大4枚※ランクアップにより最大数増)。この効果を発動したターンのエンドフェイズに、あなたはこの効果で引いたカードの枚数×1000ダメージを受ける。

 

 

 

このタイミングでこのカード…。

…面白い、ここで俺を試すって訳か。

 

入手してからずっとデッキに入れているこのカード。しかし手札に引くことはかなり稀であり、こういったタイミングにまるで俺を試すかのように表れる。

 

少しニヤついた表情でこちらを見つめるカードの中の商人。

良いだろう、…さぁ、取引だ。

 

「俺は草原の王レオをリリース。」

「…ほぅ?」

 

ここまで活躍したキメラ、その素材ともなるレオを簡単にリリースする俺を見て、次手を警戒する相手。

 

「魔界の商人をアドバンス召喚!!」

 

大きな袋を持ち、ニヤニヤした表情の男が現れる。…顔じゃなくて仮面か…?

 

「このカードが召喚された時、俺はデッキよりカードを1枚ドロー。さらに、魔界の商人の効果発動。魔界商の取引!!」

 

俺の宣言により、袋から契約書のようなものが現れ、独りでに動き出した羽ペンがサラサラと契約内容を記していく。

 

「俺はカードを4枚ドロー。その代わりこのターンのエンドフェイズに俺は引いたカードの枚数×1000ポイント、つまり4000ポイントのダメージを受ける。」

 

さぁ、運命のドロー…!

 

 

「(このカード…、そうか、なら俺は最後までこいつらを信じる!)俺は、手札より魔法カード『融合蘇生』を発動!」

 

 

融合蘇生 魔法カード

自分の墓地の融合モンスター1体を自分の場に特殊召喚する。

 

 

ありったけの思いを込め発動した魔法カード。

それに応えるように、光を放ちながら(・・・・・・・)再びフィールドに甦るキメラ。

 

「ふむ。だが例え何度甦ろうとも私のキングの攻撃力には届かないぞ?」

 

そう、だからもう一手だ。

 

「さらに手札より『融合強化』発動。」

 

 

融合強化 装備カード

融合モンスターにのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力・防御力は自身のレベル×100アップする。

 

 

「このカードは装備モンスターのレベル×100ポイント、攻撃力と防御力をアップさせる!」

「何っ!?」

「キメラのレベルは8。つまり800ポイントのアップにより、攻撃力は3600となる!!」

 

 

合成魔獣キメラ A2800→3600

 

 

「バトルフェイズ!合成魔獣キマイラで、マッスル・キングに攻撃!!!」

 

 

 ォアアアアアアァァァァァッァアアアア!!!!!!!

 

 相手LP7000→6400

 

 

想像以上に野太く大きな声を上げながら倒れていくマッスル・キング。

ギガンテスに続き上級モンスターを撃破。だが…

 

「……………。」

 

奴は焦ることも動揺することもなく、変わらぬ表情でこちらを見つめている。

 

 

あの目は…、決して諦めていない目。

むしろ次のターンに再び逆転し、自分が勝利することを疑っていない目だ。

 

 

だからこそ…、俺はこのターンであいつを倒す…!

 

「手札より、速攻魔法発動!『破壊の先へ』!!」

 

 

破壊の先へ 速攻魔法

自分の場と相手の場にそれぞれ1体以上づつモンスターがいるときに発動可能。

お互いのプレイヤーは自分の場のモンスターを1体選択する。

そのモンスターを破壊する。

 

 

「このカードはお互いに自分のモンスターを1体選び、それを破壊するカード。俺は場の合成魔獣キメラを選択するぜ!」

「……ふむ、私は場のオーク・マッチョを選択する。」

 

カードの効果により、選択されたそれぞれのモンスターが破壊され墓地へと送られる。

 

「この瞬間、俺は合成魔獣キメラの効果を発動!墓地の草原の王レオ、ナイトメア、邪毒蛇の3体のカードを場に特殊召喚する!!」

「何!?」

 

破壊があるからこそ生まれるものもある。

その先の未来を思うからこそ成長(・・)できる。

そしてその成長の先に、つかみ取れるものがある。

 

俺はカードたちと共に、勝利をつかみ取って見せる!!

 

 

合成魔獣 キメラ 星8 闇 獣族/効果

A2800 D2400

このカードが攻撃を行う際、相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できない。

このカードが破壊された時、墓地の『草原の王レオ』・『ナイトメア』・『邪毒蛇』の3体を場に特殊召喚できる。

 

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