TSしたいよねっていう話

続きません

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10秒で考えて40分くらいで書きました


性癖機

 ずうん、と音が聞こえてきそうな程に巨大な姿。ごちゃついた配線や雑に外付けされたパーツが、これを自分たちが作ったという実感を持たせてくれる。

 

「本当に……完成したんだな」

 

「あぁ……苦節65年、(オレ)らの集大成だ」

 

 30を過ぎてから始めた研究だった。俺と親友のたった二人で、すべてを投げ捨てて始めた。誰からも理解されなかったが、研究を続けている時俺らは一つだったのをよく覚えている。

 

「電源、入れるぞ」

 

 親友がパチリとスイッチを入れる。真ん中の円形の土台が青く淡く輝き、まるでかつてアニメやゲームで見たテレポート装置のように見える。

 

 俺は静かに、涙を流した。

 

「まさか、俺らが生きている間にできるとはな」

 

「科学の発展ってのはすげぇな」

 

「いや、こんなん作った俺らのがすげぇだろ?」

 

「違いない」

 

 こうして話している間にも、今までの思い出が走馬灯のように脳裏を駆け巡っていた。

 集中しすぎて餓死しかけた事、気晴らしにマラソンをして骨を折ったこと、方向性の違いで解散しかけた事……。

 

「感慨に浸るのもいいが」

 

「……っと、すまん。どっちから行く?」

 

「お前が行け、親友。この研究だって、お前から持ちかけてきた話だったろう?」

 

「……あぁ、ありがとう。俺から行くよ」

 

 俺は目を瞑り、深く息を吸い込んだ。ほんの僅かな階段を、ゆっくり、杖をつきながら歩いて登る。

 

 光る土台の中心に来たとき、俺は生まれ変わったような気分になった。

 

「始めてくれ」

 

「ああ、違えるなよ!」

 

 親友が、身の丈もある巨大なレバーをガタリと倒す。青かった光が、赤へ、そして緑へと変わった。演算装置が蒸気を吐き出し、轟音を響かせる。

 

「システム、オールグリーン。出力安定、解析……終了」

 

 俺の周りが、強化ガラスでできた壁で覆われた。バチリバチリと電気が走り、全身を鋭い痛みが襲う。

 

 親友が、こちらを見て親指を立てた。それを見て俺は、一切の、何の躊躇いも無く、叫んだ──この性癖機に。

 

 

「俺は白髪赤目ロリになりたァァァァい!!!!!」

 

 

 土台が極光を放ち、全身を包む。灼かれた瞳は即座に暗闇を映し、今までに体験したことのないような激痛が全身に走った。

 

 気を失いそうになるが、歯を食いしばって耐える。95年間、俺が初めて夢を叶える瞬間なのだから。

 

 そのまま何時間経ったのだろうか。いや、もしかしたら数分、数秒しか経っていないかもしれない。突然、パチンという何かの弾けるような音と共に、全身が開放される。ウィーン、とガラスの壁が収納されていくのを見て、終わったんだということが辛うじてわかる。俺は、土台に倒れ込んでいた。

 

「大丈夫か!?」

 

 親友が走ってきて、顔を覗き込んでくる。

 

 その言葉とは裏腹に、表情は喜色満面だった。俺は、動かない体に鞭を打って、腕を持ち上げて親指を立てた。

 

「見ろ、親友……成功だ」

 

 親友はそう言って、手鏡を顔の前にかざす。そこには確かに、俺が願ったままの姿、白髪赤目長髪釣り目美ロリの姿があったのだ。

 

「へへ……こりゃいいや」

 

 絞り出した声は高く、まさに幼い少女のものだった。俺たちが成し遂げた偉大な研究に、そして80年以上抱えてきた夢が叶ったことに、改めて涙が出てきた。

 

「ほら、次はお前の番だ。高くするんだろ?身長」

 

「ああ……! (オレ)は、ヤニが似合うやさぐれ高身長お姉さんになるんだ……!」

 

 これは、俺たちだからこそ成し遂げられたんだと思う。

 TS、性転換ジャンルに魅せられた男が二人、自らの性癖を叶えるために生み出した性癖(願望)機。

 この開発で得た金で俺たちは働かずに二人暮らしを始めるのだが、それはまた別の話。




誰か作ってくれや

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