プリムローズが咲いた日   作:かぼちゃの馬車

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ホグワーツ特急

 

 

____________ 1991年9月1日

 

ホグワーツへ行く日が来た。

 

閉心術はたぶん習得できた…でも開心術を経験していないから、本当に通用するか定かではない。そこが不安だけど、うまくいけばダンブルドアには接触せずに1年を越せるかもしれない。…うまくいけばだが。

 

…自殺方法として、さまざまな方法を考えたが、もし本当に自殺できないなら複数回使える方法で、見つかっても寝ているかと思うような綺麗な死に方ができる方法を考えた。…毒薬だ。でも単なる毒薬ではない、超がつくほどの猛毒で一瞬で天に召される。わたし特製で作ったものだ、そうこれは、名付けて…自殺専用超猛毒薬!!

でもこれは、他人に渡れば危険であることに変わりないので、どう隠すかは模索中。今は手持ちトランクの中だ。少女が猛毒を持ち歩いてるなんて誰も思わないだろう。

 

プリム「どれも試してないから不安しかないな…」

トランクを握りしめながら呟いた。

そうだ。どちらも効くのかどうか試してない。

プリム「…まぁ、これからホグワーツへ行くから、必要の部屋で試せば問題ないな。」

シルビア「ホグワーツがどうかしたの?」

プリム「あ…ホグワーツ楽しみだなぁと。」

シルビア「ホグワーツはニュートスキャマンダーの母校よ、きっと素晴らしい学校だわ。」

レオナルド「それにダンブルドアが校長だからね、楽しい学校生活になるだろう。」

ええ…まぁ、それ悩みの種でもあるんだけどね。

 

レオナルド「さ、乗り遅れてしまうよ。柱を潜らないとね。トランクはしっかり持ってるかい?シャルマンは?」

プリム「はい、大丈夫ですよ、父上」

手持ちのトランク以外にカートには荷物とシルビアさんとシャルマンが一緒にいる。

 

シルビア「シャルマンはムチムチで手放したくないわね。…でもプリムのことよろしくね?」

抱かれたシャルマンは一鳴きし、どっちつかずな返事をしていた。

 

レオナルドさんと一緒に柱を潜ると目の前には、憧れていた光景が広がっていた。

プリム「わぁ…」

思わず感動した。前世の記憶が鮮明になった気がした。

後ろから、シルビアさんと一緒にシャルマンも来た。

 

プリム「あ、荷物先に預けてきますね。」

レオナルド「ああ、待っているから、迷うんじゃないよ?」

プリム「ふふ、大丈夫ですよ」

列車の後方に行き荷物を預けた。

手持ちのトランクはやめておいた。毒薬入りだし。制服もある。

 

ドラコ「プリム!」

プリム「やぁ、ドラコ。私達今日からホグワーツ生ね、ドキドキするなぁ。」

ドラコ「君と同じ学び舎で学べるのが、僕は嬉しいよ。」

プリム「本当?わたしもそう思うよ。」

ドラコ「プリムは席はもう取ったか?」

プリム「ああ…まだ」

ドラコ「じゃあ、僕のところに来るといい。」

うーん…それはちょっとまずいかもしれん。話には席について出てこないけど、ドラコと一緒にいるとわたしもチラつく可能性が高い。

プリム「あー…そうだね、空いてなかったらそうするよ。」

これがたぶんベストな返事じゃないか?

ドラコはそうかといった表情だ。よし。

プリム「そうだ、わたしドラコのご両親に挨拶しなきゃ。」

ドラコ「父上と母上ならこっちだ。」

ドラコがわたしの手を引いて導いてくれる。

まだ幼い手だ。心なしか少し汗ばんでるような気もした。

 

プリム「…父上、母上」

ドラコ「君のご両親も一緒みたいだな」

マルフォイ家とクロウリー家が集って会話しているとそこは社交界のような空気が漂っていた。

プリム「ルシウス殿、ナルシッサ殿、お久しぶりでございます。今日から、ご子息様と同じ学び舎で学べること、心より嬉しく思います。」

ナルシッサ「あら、もうそんなに固くならなくていいのよ?一族の集まりでもないし、何より、ドラコのご友人でしょ?」

え…いいの?という視線をドラコに向けた。

ドラコ「母上が言うなら大丈夫だぞ、プリム」

プリム「ドラコのお母さん好きだな。」

ドラコ「僕の母上は素晴らしいからな。」

あらあらと満面の笑みを浮かべるナルシッサさん。綺麗な人だ。

シルビア「ドラコも、プリムと仲良くしてくださるなら、自然体でいいのよ?ね?レオ?」

レオナルド「ああ、もちろんだ」

ドラコ「プリムは…僕と友達でいいのか?…いや、僕と友人になったんだ誇りに思えよ。」

プリム「…ふはっ、うん…わたしはドラコと友達になれて嬉しいし、誇りに思ってるよ。」

思わず笑みが溢れた。ドラコらしい言葉だ。

おい!笑うなと脇腹を突かれる。

ルシウス「どうか、ドラコのそばにいて頂けると嬉しいよ。プリム殿。」

プリム「はい、もちろんです。」

ドラコ「プリム、そろそろ汽車に乗ろう。席も取れなくなるぞ。」

プリム「ああ、うん、そうだった。…父上、母上、行ってきます。」

ドラコとわたしは両親に別れのハグをした。

 

______________

 

 

ドラコ「ほら、プリムが早くしないから席がないぞ。」

プリム「ドラコは取ってあるじゃないか、座ってなよ。シャルマンおいで!」

にゃおと気怠そうに返事をしながらも着いてくるシャルマン。

ドラコ「いや、君の席を見つけるまで座らない。僕のとこはクラッブとゴイルがいるから大丈夫だ。」

ああ…それはいいけど。わたしがよくないんだ!!

 

 

プリム「あ!ここは、この子だけみたい。ここにするわ。ほら!見つかったよドラコ」

ドラコ「ふん、待て。魔法使いの生まれじゃないと僕は許さないぞ。」

プリム「そんなの、こだわってたら席なんてないよ。」

ドラコ「じゃあ、僕のところに来ればいいじゃないか。」

プリム「空いてるここの席に座ってもいいじゃない。」

ドラコ「なんで僕のところの席じゃ駄目なんだ!」

プリム「駄目って言ってないわ!空いてる席があったんだから、ドラコのところじゃなくてもいいでしょって言ってるの!」

あ…感情的になってしまった。と気づいた時にはドラコは勝手にしろ!と自分のコンパートメントに行ってしまった。

 

???「あなたパーキンソン?それともグリーングラス?」

中にいた子が話しかけてきた。ブロンドの綺麗な子だ。…オリバンダーの店で見かけたな?

プリム「あー…どっちでもないわ。わたしはプリム。プリム·クロウリー。騒がしくしてごめんなさい。さっきの子はドラコよ。わたしの友人なの。」

???「クロウリー?聞いたことないな…もしかして…」

わたしの肩を掴み座らせ、扉を閉めた。

シャルマンも続いて中に入る。

???「もしかしたらだけど、あなたって前世の記憶とかある?」

…な、なんで知ってる。

聞かれたらまずい話だ。

 

“Muffliato”(耳塞ぎ)

 

杖を振って魔法をかけた。

???「ああ…やっぱり、あなた第二の転生者ね?」

プリム「…なんで転生者ってわかるの」

杖を相手に向けた。

???「待って待って!あれ?アズラエルから聞いてない?この世界は私が最初に転生先として来たんだけど、もう1人いるの、そうあなたもこの世界に転生されたんでしょ?」

プリム「…もっと細かく話して。」

アリエッタ「ああ…まず、私はアリエッタ·ロリス。マグル生まれで、あなたと同じ転生者よ。転生前は加藤めい、22歳で自殺したの。パワハラが…酷くてね…。ギフトは2つ貰ったわ、容姿端麗と体力強化。」

私は杖をおろした。同じ転生者であることは間違いない。

プリム「で、なんでわたしが、転生者だと?」

アリエッタ「んー…まず、ドラコは今の時期知り合いは多くないの。だからクラッブとゴイルと常に一緒にいる。女の子と絡むのは3年あたりね。だからパーキンソンかグリーングラスだと思ったけど、違かった。まぁ…映画ではだけど。」

あー…まぁ、そこはドラコがしつこく着いて来たのが悪い。

アリエッタ「あと、魔法ね!それが決定打よ。マフリアートはスネイプ先生が考えた呪文だから、半純血のプリンス蔵書を読まないと知らない魔法なの。まぁ新入生が使えるのも変だけど。」

な、なに!?…そうだったのか…映画と小説かじった記憶しかないから、わからなかった。気をつけておこう。

プリム「…あなたのことはわかった。私はプリム·クロウリー。改めてよろしく。」

やっと落ち着いたなというように、シャルマンが膝の上に乗る。

アリエッタ「…それだけ!?私のこといっぱい話したじゃない!プリムのことも教えてくれなきゃ納得できないわ!」

プリム「ああ…えっと、私はアメリカの純血一族の家系で育ったわ。生まれはわからない、産まれてすぐ捨てられたの。孤児院で育ったわ。転生前の記憶は…名前はサイトウケイ…年齢は11歳、あとこの世界の記憶ね。それだけよ。あまり覚えてないの。ギフトは5つよ。」

アリエッタ「待って待って、情報が多いな。えっと…生まれはわからないってことは、マグル生まれかもってこと?」

プリム「まぁ、可能性のある話ね。」

アリエッタ「え?でも純血一族の家系なの?」

プリム「引き取られたの。養子として。でも実子ってことになってるから、秘密よ?」

アリエッタ「随分と大きな秘密ね。…前は男?女?」

プリム「あー…わからないわ。今は女だから、女じゃないかしら。」

アリエッタ「男かもしれないってことね…」

プリム「可能性はあるわ。」

アリエッタ「え、じゃあ記憶そんなにないの?ハリーポッターの記憶は?」

プリム「あるわよ?まぁ…映画と小説を少しだけど。」

アリエッタ「あー…詰んだな。2人いるから大丈夫だと思ったのに。私も映画の知識しかない。」

プリム「じゃあ、お互いを合わせても小説の話になれば意味がないってことね。」

アリエッタ「そうね…詰んだわ。これ。」

待てよ?とアリエッタが考え始める。

アリエッタ「…ギフト5つって言った?」

プリム「ええ、そう言ったわ。」

アリエッタ「ほんと!?どんなギフト?」

プリム「ええと…絶対記憶力、容姿端麗、超膨大魔力、全種言語力、大天使アズラエルの守護…の5つね。」

アリエッタ「……チートじゃん。そんなん。わたしなんかクィディッチしたいから体力上げたのに!でもブスは嫌だし容姿は絶対だっていっぱい悩んだのに!」

プリム「お、落ちついてよ。あー…11歳で死んだからアズラエルがつけてくれたのよ。」

アリエッタ「そ、それは…なんか、ごめん。」

プリム「いえ、大丈夫よ。死んだ時のことはもう覚えてないし。」

アリエッタ「ところで、アズラエルの守護って何?」

プリム「ああ…それは、アズラエルが勝手につけたんだけど…自殺で迎えた死は許可されないの。まぁ、試してないから本当かはわからないけどね。」

アリエッタ「それってありえるの?てか、それ不死身ってこと?」

プリム「不死身じゃないわ。自殺ができないってこと。…なんなら試してみる?死んだら寝てるって言えばいいわ。」

アリエッタ「え、待って。どんな風に自殺するの?ナイフとかは辞めてね。」

プリム「それは…これを使ってね。これは私特製の毒薬。名付けて、自殺専用超猛毒薬。」

膝の上のシャルマンを撫でながら、トランクの中の薬瓶を1瓶出す。

 

プリム「これを飲めば瞬時に天に召されます。…たぶん。」

アリエッタ「毒薬持ち歩いてるって…あなた本当に11歳?」

プリム「それはよく聞かれる。…まぁ、アズラエルに聞きたいこともあるし、飲むから、誰か来たら寝てるって言ってね。」

ええ…と嫌そうな表情のアリエッタをよそに、一瓶飲み干した。

 

 

_______________

 

アズラエル「やぁ。ケイ。いや今はプリムだね。」

目が覚めるとアズラエルがいた。天界ってこんな感じだったのか。忘れていたな。

アズラエル「ところでどうしたのかな?どうして自殺を?」

どうせ聞かれることはわかってる上で聞いてるな。

 

プリム「世界線について尋ねたくて、アズラエル。」

アズラエル「どんなことでも力になるよ。君の為なら。」

にこにことアズラエルが微笑みを浮かべる。

 

プリム「この世界は私達の知ってるハリーポッターか?」

そう、私達2人がいる時点で違うのではないかと気づいた。

 

アズラエル「んー、その質問は…そうでもあるし、違うともいえる。」

プリム「…私達に、2人に与えられた世界だ。そうだろ。」

アズラエル「そうだね、それが一番妥当な答えだ。」

…やっぱりそうか。薄々気づいていた。どうもうまく事が進むしな。決定的なのはマホウトコロを卒業できなくなった時だ。元々ホグワーツに行くようなルートだったのだろう。

 

 

アズラエル「ハリーポッターにはいくつも世界線がある。転生者の要求が多くてね、魔法使いの世界は魅力的なんだろう。君達のいる世界は、知ってる世界なようで、違う世界だよ。私が君達に与えた世界だからね。」

プリム「与えた世界…じゃあ未来はどうなる?」

アズラエル「未来?まぁ、君達の行動次第。君達が望む世界になるんじゃないかな。」

プリム「物語が変わってしまうんじゃ?」

アズラエル「いや、そもそも物語じゃない。言っただろう?私が与えた世界だ。君達に与えた生きる為の世界。変わるんじゃない。物語なんて始まってないからね。君達の人生だ。」

プリム「じゃあ好きに生きて構わないと?」

アズラエル「ああ。もちろん。その為に私が作ったんだから。後悔のないように生きなさい。」

 

 

__________

 

アリエッタ「プリム!プリム!」

プリム「ああ…起きたよ、どうした?」

シャルマンが心配そうに鳴きながら腹の上に乗っている。重いぞシャルマン…

アリエッタ「…本当に死んだかと」

プリム「死んだよ、アズラエルに会った。聞きたいことも聞いた。」

アリエッタ「聞きたいことって?」

プリム「…それは、ホグワーツについてから話そう。必要の部屋はわかる?」

アリエッタ「うん、わかるよ。…そこで話すのね?」

プリム「ああ…その通り。組み分けが終わって、寮の説明が終わったら落ち合おう。」

アリエッタ「わかったわ。」

プリム「…ところで、誰か来た?」

アリエッタ「ああ…ドラコが来たの。でも、寝てるって言った。それでそのあと私の生まれについて聞かれて、マグル生まれって言ったら、君はプリムに相応しくないって言われたよ。」

プリム「…ドラコはそういうやつだから、許してやってよ。」

アリエッタ「わかってるよ、てか、私以上にプリムと友達になれる人なんていないよ!同じ転生者なんだから!」

プリム「まぁ…それは、そうだね。」 

 

“Finite”(終われ)

重要な話は終わったので、マフリアートを解いた。

アリエッタ「プリムは魔法どのくらい使えるの?」

プリム「…無言呪文はまだできないよ。」

アリエッタ「それはそうだろ。…それアニメーガスの本だね。まさか…もうできるの?」

アリエッタは私の横にある本を指差した。

プリム「いや、まだできない。だけど習得するつもりだよ。」

アリエッタ「わたし、プリムに勉強教えて貰おう…」

プリム「…他力本願というのを知ってるか?」

 

トランクの中の制服に着替えて到着を待った。

 

しばらくすると、ドアをノックされた。

ハーマイオニー「ねぇ、ヒキガエルを見なかった?ネビルの蛙が逃げたの。」

プリム「やぁ、ハーマイオニー。蛙は見てないよ。…シャルマンがいるから、ここには来ないのだろう。」

アリエッタ「は…ハーマイオニーだ。」

アリエッタは口をだらしなく開けていた。

 

ハーマイオニー「あら!プリムね!久しぶりに会えて嬉しいわ!私、あれからもっと勉強したの。ホグワーツの歴史も実に興味深くてね、知ってる?広間の天井は魔法がかかっていて、空のように見えるのよ。それにホグワーツでは四つの寮に組み分けられるらしいわ。方法はよくわからないけど、もし魔法の試験でも、私暗記を沢山したから自信があるの。…ところで、あなたは?」

…頭の回転が早いハーマイオニーだからできる会話だな。久しぶりのマシンガントークだ。

目の前で唖然としたアリエッタの膝を叩く。

アリエッタ「あ…えっと、わたしアリエッタ。アリエッタ·ロリス。」

ハーマイオニー「よろしくねアリエッタ?…あれ?さっきわたしの名前知ってた?」

…さっき呼んでたな。

アリエッタ「あー…それは、えっと…」

アリエッタが助けてという視線を寄越す。

あー、つまりは無意識に呼んだんだな。…全く。

プリム「わたしが教えたのよ。アリエッタはマグル生まれだから、私にもマグル生まれの知り合いがいるって。ハーマイオニーのことをね。」

ハーマイオニー「あら、そうだったのね。アリエッタもマグル生まれなのね?仲良くできたら嬉しいわ!」

アリエッタ「あ、うん!もちろん!」

握手をするハーマイオニーとアリエッタ。

友情が生まれる瞬間とは実に感動的だ。

 

ハーマイオニー「あ!わたしネビルの蛙を探さないと…じゃあまたホグワーツでね?」

プリム「ええ、ホグワーツで」

アリエッタ「またねハーマイオニー!」

 

 

わぁ…とニヤニヤしているアリエッタ。

アリエッタ「わたしハーマイオニーと話しちゃった…てか、プリムと知り合いだったの?」

プリム「…制服を作るときに少し話しただけだよ。」

アリエッタ「ハリーとも会った?」

プリム「いえ、まさか。下手に会って話を変えたくなかったもの。」

それはそうね。とアリエッタが椅子に深く腰をかけた。

 

その後は到着を待ちながらお菓子を食べていた。アリエッタは百味ビーンズを一気に食べるという馬鹿な事をしたので、しばらく気持ち悪そうだった。…映画だと学校までボートだったな。アリエッタが吐かないことを祈っておこう。

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