ハロウィンの日
豪勢な飾りが広間に広がっていた。
僕を挟むようにクラッブとゴイルが座る。
クラッブ「わぁ…すごいうまそうだな!」
ゴイル「ああ、どれから食べよう…」
席につくなり目の前のお菓子の山に手を出していく2人。口いっぱいに頬張る。
クラッブ「ドラコも食べろよ、これうまいぞ?」
ドラコ「ああ…僕はチョコレートを食べるよ。」
僕はチョコを頬張る。甘いものは嫌いじゃない。…それに今日はなんだか甘いものを食べたい気分だ。原因はわかってる。ポッターがシーカーになった。嬉しくない。僕のせいだから面白くない。…それからグレンジャーが僕より勉強ができる。面白くない。…マグル生まれのくせに。
ゴイル「ドラコ?お腹痛いのか?」
ドラコ「…大丈夫だ、気にするな。」
パンジー「プリムは甘いの嫌い?」
女子の話が聞こえてくる。プリムの話だ。思わず聞き耳を立てた。
プリム「…嫌いじゃないけど、食べなくても死なないかなって。」
パンジー「何それ?変なこと考えるのね」
プリム「果物は好きだ。程よく甘くて。」
プリムは果物が好きなのか…いいことを聞いた。プリムはこの場であまり食べないだろう…あとでりんごを渡そう。
ダフネ「お菓子は子供のうちに食べておくのよ、大人になったら甘いものなんて食べられないわ。太るもの。」
ミリセント「そうよ!それにプリムってば細すぎるわ。…ほら、いっぱい食べて!」
大量のお菓子をプリムの皿に盛り付けるブルストロード。
…プリムが困ってるじゃないか。友達なのに気づかないのか?プリムはそんなに食べない。
バタンッと勢いよく広間の扉が開く。
クィレル「トロールが!地下室に!あぁっ!トロールが入り込みました!お知らせしま…」
「あぁぁぁ!!!」
ドラコ「あああぁ!!」
僕は怖くて叫んだ。トロールが!?なんでホグワーツに!?怖くて何も考えられなかった。
ダンブルドア「しーずーまーれーーー!みな、静かに。うろたえるでない。さぁ、監督生は皆を連れて寮に戻りなさい。先生方は、わしと地下室へ。」
ダンブルドアが大声で叫ぶと全生徒が静かになる。僕もその1人だ。
ジェマ「スリザリンの皆、集まって、静かに。さぁ、急いで、皆気をつけて進んで。」
各寮の監督生が指示をして、列になって進む。
ドラコ「…プリムはどこだ?パーキンソン」
パンジー「さっきハッフルパフの子が来て、どこかに行ったわ。…忘れものかしら?」
…な、なんだと!ハッフルパフ…おそらくアリエッタだ。
ドラコ「すぐに戻るのか?」
パンジー「知らないわ。プリムのこと止めたら怒られたんですもの。」
ダフネ「プリムのことだから、すぐに戻るわよ。」
ドラコ「そうか…」
下手に動いてトロールに出くわすことを考えたら、血の気が引いた。大人しく寮で待つことにしよう。
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ドラコ「遅い…」
いくらなんでも遅い。…トロールに襲われたか?いや、まさかな。
クラッブ「ドラコ、俺達もう寝てもいいか?」
ゴイル「プリムのことなら大丈夫だよ、あいつ頭いいから。」
ドラコ「ああ…僕はプリムが来るまでまつ、先に寝てろ。」
2人はソファーから立ち上がり、部屋へ向かう。
ドラコ「なんでこんなに遅いんだ…」
バタンッと寮のドアが開いた音がした。
プリム「あれ?ドラコまだ起きてたんだ。」
…よかった。何もなかったのか?…いや、ローブが汚れてる?
ドラコ「どこに行ってたんだ。まさかとは思うが、トロール退治にでも行ったのか?」
僕はプリムの汚れたローブを掴み言う。
プリム「まぁ…そんなとこ?ハーマイオニーがトロールに襲われてたから、助けたの。」
ドラコ「君は…死んでたかもしれないんだぞ?グレンジャーを助けただって?マグル生まれと関わるなと言っただろ?」
プリム「死んでないから大丈夫よ。」
ほら、生きてるわ。と僕に抱きついてくるプリム。体温があたたかい。
ドラコ「そういうことじゃない!…僕は、君が心配だったんだぞ?わかってるのか?」
プリム「心配?何故?」
ドラコ「そんなの…友達だからだ。当たり前だろ?」
プリム「ふふ、そうね。心配かけてごめんね?ドラコ」
ドラコ「もう危険なことはするなプリム。」
プリム「それは無理。…ドラコに教えてあげる。」
プリムがキョロキョロと周りを見て、人がいないことを確認すると、話しだす。
プリム「私はプリム。プリム·ウルバッハ·クロウリー。恐怖を感じず、好奇心を得るウルバッハビーテ症候群を患ってる。だから、恐怖は私の楽しみなの。」
ドラコ「ウルバッハビーテ…」
プリム「それでも友達でいてくれる?」
…そんなこと決まってる。
ドラコ「じゃあ、君が危険なときは僕が守るさ。友達は守るべきだろ?」
プリムはキョトンとしている。…変なこと言ったか?
プリム「うん、それはとても頼もしいよドラコ。」
ドラコ「安心しろ、頭がトロール並みでも僕は友達だ」
プリム「それってクラッブとゴイルのこと?…ふは、確かにドラコが友達でよかったよ。」
腹を抱えて笑うプリム。そんなに面白いか?
ドラコ「そうだ…プリム、広間であまり食べてなかっただろ?」
プリム「ああ…あまりお菓子は食べたいと思えなくて。」
ドラコ「これなら、食べるか?」
僕はプリムに青りんごを渡した。
プリム「わぁ…ありがとう!私、果物は好きなんだ。…なんでわかったの?」
ドラコ「…さぁな。なんとなくだ。」
ふーん、とりんごを頬張るプリム。
聞き耳を立てたなんて言えない。
ドラコ「りんご食べたら寝るんだぞ?出歩くなよ?スリザリンの点が減る。」
プリム「わかってるよ…」
また明日な、と僕は寝室へ向かった。