プリムローズが咲いた日   作:かぼちゃの馬車

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短編です。ドラコが主人公ですので、ドラコ視点となります。



ドラコマルフォイの思想 2

 

 

僕は図書室でいつものようにクラッブとゴイルと一緒に勉強をしていた。

 

ドラコ「おい、ここは何回も教えただろ?何度言われたらわかる?」

クラッブ「ご、ごめんドラコ」

ゴイル「ああ、俺ら学年末試験で死ぬのかな…」

ドラコ「たかが試験だ。何馬鹿げたことを言っている。ほら…集中しろ。」

 

正直、2人に教えるのはとても疲れる。でも、友達だから仕方ない。…プリムと教えれば楽だけど、プリムは最近忙しそうだ。

 

 

ハリー「きっとスネイプだ。…今夜ハグリッドのところへ行こう。」

 

ふとポッター達の会話が少し聞こえた。何の話かはわからない。…今夜?…何をする気なんだ。

 

_____________

 

その日の夜、寮へ戻ろうと廊下を歩いていると、ポッター達が森番のところへ行くのを見かけた。

 

ドラコ「おい、あれ…ポッター達だよな?」

クラッブ「ああ、そうだな。もう消灯時間だろ…いいのか?」

ゴイル「いや、見つかったら、グリフィンドールは減点されるぞ。」

 

減点…面白そうだ…

 

ドラコ「おい、プリムには絶対に言うなよ?」

僕は2人に忠告して、ポッター達の後を追った。

 

 

…何をしているんだろうか。分厚い扉からは中の音がよく聞こえない。

曇った窓を覗いてみた。…森番とグリフィンドールの3人がいる。

 

ドラコ「…なんだ、あれは。」

テーブルの上には大きな卵…動いているみたいだ。……大きく揺れた卵からは、ドラゴンが産まれた。

 

ドラコ「…あ、あんなの。学校で野放しにするなんて、どうかしている。」

やばい!声が大きく出てしまったのか、窓から覗いているのを気づかれてしまった。

急いでその場から逃げた。

 

はぁ…はぁ…

僕はとんでもないものを見たかもしれない。

 

マクゴナガル「おや、ミスターマルフォイ。こんな真夜中に、どうかなさいましたか?」

ドラコ「先生、大変なんです…はぁ…ポッター達が…外で…」

マクゴナガル「ミスターポッターが外出を?」

 

落ち着きなさいと先生が僕の息が整うのを待ってくれた。

 

マクゴナガル「落ち着きましたか…ミスターポッターはどこに?」

ドラコ「こっちです。森番のところにいます。」

 

ロン「やばいよ。マルフォイにまで見られちゃったし。」

ウィーズリーの声が近くで聞こえた。ポッター達も僕に見つかって、焦って帰ってきたんだろう。

 

ハリー「どうして困るの?悪いこと?」

ロン「悪いさ…」

マクゴナガル「…こんばんわ。」

 

 

 

 

マクゴナガル「いいですか。どんな理由があろうと夜中に抜け出して学校を歩き回ってはいけません。今回の規則違反の罰として、50点減点します。」

ハリー「50点!?」

僕はとても気分が良かった。何故か?そんなの決まってる。ポッターが痛い目にあった。それが嬉しい。

 

 

マクゴナガル「一人50点です。2度と同じことを起こさぬよう4人には処罰を与えます。」

…は?4人?

 

ドラコ「すみません、先生。聞き違いでしょうね?今、4人とおっしゃいました?」

 

マクゴナガル「その通りです、ミスターマルフォイ。事情はどうあれ、あなたも消灯時間を過ぎて出歩いていたのです。あなたも一緒に罰を受けるべきです。」

なんだと!?…くそ、にやけたポッターの顔が憎たらしい。

 

 

 

 

フィルチ「昔はもっと厳しい罰があった。両手の親指を紐でくくって地下牢に吊るしたりしたもんだ。あの叫び声が聞きたいねぇ。」

 

ドラコ「…」

僕は想像したことを後悔した。

 

フィルチ「今夜の処罰はハグリッドと一緒だ。一仕事してもらうよ。暗い森でな。哀れな生徒達だ。…なんじゃい、まだあんなドラゴンのことでめそめそしてんのか?」

 

ハグリッド「ノーバートはもういねぇ。ダンブルドアがルーマニアに送った、仲間の所に。」

ハーマイオニー「その方が幸せじゃない、仲間といられて。」

今回はグレンジャーがまともだ。幸せかどうかは知らんが、ホグワーツはドラゴンの飼育場じゃない。

 

ハグリッド「ほんでも、ルーマニアが嫌だったら?他のドラゴンにいじめられたらどうする?まだほんの赤ん坊なのに。」

フィルチ「いい加減にしゃきっとすることだな。これから森に入るんだぞ。…覚悟していかないと。」

…僕はまた想像して後悔した。

 

ドラコ「森へ!?冗談じゃない…森へ行くなんて。生徒は入っちゃいけないはずだよ。だって森には狼男が!」

フィルチ「それよりももっと怖いのがおる。せいぜい怖がれ。」

僕の抗議は無駄だった。

 

ハグリッド「よし、行こう。」

しぶしぶ森へ入った。

 

ハリー「ね、ハグリッド。それは何?」

ハグリッド「探してたものだ。見ろ、ユニコーンの血の痕だ。この間も一頭死んどった。こいつはだいぶひどい怪我をしてるらしい。いいか、俺達で傷ついたユニコーンを見つけるんだ。…ロンとハーマイオニーは俺と来い。」

ロン「わかった…」

ハグリッド「ハリーはマルフォイと一緒に行け。」

くそ…ポッターとだと?不安しかない。

ドラコ「OK。じゃあファングを貸して!」

ハグリッド「…良かろう。言っておくがファングは臆病だぞ。」

…怯えた顔を僕に向けるファング。役立たずめ。

 

 

ドラコ「父上が聞いたら何て言うか。こんなの召使の仕事。」

くそ…ローブが汚れた。革靴も土塗れ。最悪だ。早くユニコーンを見つけて帰るぞ。

ハリー「ドラコ、まさかとは思うけど、君もしかして怖い?」

…は?

ドラコ「怖い?僕が?…今の聞いたか?来い、ファング。」

何か唸り声が聞こえた気がした。ファングの動きが止まる。

ハリー「ファング、どうした?」

…吸血鬼だ。吸血鬼がユニコーンの血を啜ってる。…そうかあの森番め!僕達に吸血鬼を捕まえろって?…無理がある!!

ドラコ「ぅわあああぁぁぁ!助けてー!」

 

僕は逃げた。ポッターがいないことに気付いたのは、森を抜けた後だ。

 

 

ドラコ「…ふん、僕は知らない。」

そうだ、ポッターがどうなろうとどうでもいい。森番のところにランタンを返して寮へ戻った。

 

________________

 

 

寮の扉を開けた。

ドラコ「くそ、酷い目にあった。…禁じられた森で罰則だって?父上に報告してやる。」

プリム「夜間の外出は楽しめた?」

…っ!?

 

プリム「その様子だと、散々だったようだね?」

ドラコ「プリム…こんな時間まで起きてたのか。」

プリム「まぁ、ドラコがハリー達を追いかけて夜間外出したって聞いたからね。…人にあれだけ夜間外出するなって言ってるくせに。ドラコは思った以上にハリーが好きだね?」

クラッブとゴイルだな…くそ…

 

ドラコ「彼奴らめ…プリムには言うなと言ったのに。」

プリム「…禁じられた森で罰則でも受けたか?」

…なんでわかるんだ!?僕は思わず目を見開いた。

 

ドラコ「な、なんでわかるんだ。」

プリム「まぁ…勘が鋭いからね?それに、ドラコがさっき言ってた。」

ドラコ「…っ!」

しまった…声が出ていたか…

 

プリム「さて、ドラコ…夜間外出でスリザリンの点数はいくつ下がったのかな?…10?20?」

ドラコ「…5」

プリム「…5点?思ったより軽いんだね。よかった。」

プリムは笑ってる。僕に起きたことが全部わかるかのように。

 

ドラコ「…50点だ。」

プリム「なんと、50点も!…ああ、やってしまったねドラコ。たかが夜間外出で50点も…マクゴナガル先生にでも見つかったのか?」

ドラコ「…そうだ。」

プリム「スネイプ先生だったら、そんな点数は引かれなかっただろうに。運が悪いね、ドラコ。」

…僕はだんだんと、自分がしたことがとても悪いことのように思えた。ポッター達も同じことをしたのに。僕は惨めに思えた。目頭が熱くなる。

ドラコ「…プリム、どうか誰にも言わないでくれ。お願いだ。」

懇願した。お願いなんて父上にしかしたことがない。…僕は初めて父上以外の相手にお願いしている。

 

プリム「言わないよ。もちろん。」

ドラコ「ほ、ほんとか?」

涙で滲んだ世界は、拭ってクリアになる。

プリム「言わないってば。からかいたくなっただけだもの。」

 

…プリムが僕をからかった?少し悔しい。

ドラコ「からかい…満足か?」

 

プリム「ええ、どうか誰にも言わないでくれ。お願いだ。なんて言葉、プライドの高いドラコから聞けると思わなかったもの。」

大満足よ、と僕の額を人差し指で押した。僕は怯み睨みつけた。…何をするんだという意味を込めて。

 

ドラコ「ところで、なんでプリムはこんな遅くまで起きてたんだ?」

プリム「あら?友達なんだから、心配するのは当然だと思ってたけど、違った?」

…僕は胸のあたりがあたたかく感じた。

 

ドラコ「…そうか。心配をしてくれたのか。」

プリム「そうよ、この私が心配してたのよ?光栄に思いなさい?」

ドラコ「はは…すまない。心配をかけてしまって。」

プリム「何もなくてよかったわ。」

ドラコ「そうだ…実はな、禁じられた森で吸血鬼を見たんだ。」

…プリムになら教えてやろう。

プリム「吸血鬼?…」

 

ドラコ「ああ、あれはとても恐ろしかったよ。…ポッターとファング…あー、ファングは森番が飼っている間抜けな犬だ。禁じられた森にはそいつらと一緒に入ったんだ。」

プリム「…それで?」

ドラコ「ユニコーンが森で襲われているから、犯人を見つけるのが罰則だった。…それで僕らは出会したんだユニコーンの血を啜る化け物に。」

プリム「それが吸血鬼だったの?」

ドラコ「ああ、きっとそうだ。血を啜るなんて、吸血鬼くらいだろう?」

プリム「どうかしら?ユニコーンの血には力があるのよ。」

ドラコ「力?どんな?」

プリム「死に瀕していても、生きながらえることができるの。まぁ、呪われてしまうけどね。…だから化け物ってのは間違いではないわね。」

吸血鬼じゃないとすれば、瀕死の誰かが血を…誰が?

 

ドラコ「…じゃあ、死にそうなやつが、血を啜ってたのか?一体誰が?」

プリム「さぁ、わからないわ。…もう遅いわ、寝ましょうドラコ。」

…僕は考えるのをやめた。ポッター達に関わるとろくな事がないと、今日学んだ。

 

 

ああ、また明日な、とお互いの寝室へと向かった。




ハリポタとは全然関係ないことなんですが、テレビでプラダを着た悪魔を見ていて「小柄な男はプライドが高ーい」って台詞があったんです、それってドラコみたいだなぁと思ってしまいました。作者はドラコ推しなので、そんなところも可愛いと思えてしまうのですが…‪
次回も短編「ドラコマルフォイの思想」をお楽しみください!
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