今日は薬草学の授業がある。
ハッフルパフのスプラウト先生が教える授業だ。
プリム「…グリフィンドールっていつも遅くない?なんで?」
グリフィンドール生が揃うのはいつも授業が始まる直前だ。ふと不思議に思った。
パンジー「ギリギリまで寝てるのが半分以上いるって噂よ。」
プリム「あー…そうなのね。」
ロンを浮かべると納得がいった。
スプラウト「おはよう皆さんおはよう皆さん。」
「おはようございますスプラウト先生。」
スプラウト「3号温室は初めてですね2年生の皆さん。…さぁもっと寄って。」
目の前にはうねうね動く葉。…マンドレイクだっけ。確か。記憶から知識を引っ張り出す。
スプラウト「今日はマンドレイクの植え替えをやりますよ。誰かマンドレイクの根の特徴が分かる人?」
…やっぱりマンドレイクか。
ハーマイオニーが手を上げた。
スプラウト「ミスグレンジャー。」
ハーマイオニー「マンドレイクは、マンドラゴラともいい、石に変えられた人を元に戻す薬として使われます。また危険な面もあり、マンドレイクの泣き声は、聞いた人の命取りになります。」
スプラウト「その通り!グリフィンドールに10点!」
完璧だ。ハーマイオニーってやっぱり頭いいよね。…私のはギフトだから。…ドラコが悔しいという表情をしている。ドラコも頭いいんだよね。クラッブとゴイルに教えてるだけあって。そんなくだらないことを沸々と考えた。
スプラウト「…さて、このマンドレイクはまだ苗なので、泣き声を聞いても死にはしませんが、数時間は気絶するでしょう。ですから安全のために耳当てを配ります。では耳当てをつけて早く!完全にふさいで…よく見てなさい。まず、苗をしっかりとつかんで、鉢から勢いよく引き抜きます!」
瞬間、マンドレイクの泣き声が響き渡る。
プリム「…っ、」
小太りなしわくちゃの赤子みたいだ。
…あまり可愛くない。気持ち悪い。…まぁ、今回大活躍するんだけど。
スプラウト「引き抜いたら、パッと別の鉢に放り込んで、パラパラと…土をかけ寒くないように埋めてあげます。」
寒い寒くないって感じるのか。変な薬草だ。
ネビル「うぁ……」
ネビルが気絶した。
スプラウト「ロングボトムは耳当てをしなかったのですか?」
シェーマス「耳当てをしていても、気絶しました。」
スプラウト「…いいわ、ほっときなさい。」
扱いが可哀想なネビル。同情しておこう。
スプラウト「では、やってみましょう。マンドレイクをつかんで…はい、引き抜く!」
大量のマンドレイクの泣き声が響き渡る。
プリム「…」
…ふわふわなら、まだ。…いや気持ち悪いな。一瞬想像して後悔した。考えずに、早く土をかけよう。
ドラコ「はは…っ、」
ドラコがふざけて口に指を入れて噛まれる。
…何やってるんだ。
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プリム「アリエッタ、ちょっといい?」
アリエッタ「うん、どうしたの?」
プリム「…次の授業の前、確か空き時間でしょ?必要の部屋来れる?」
アリエッタ「うん、わかった。」
やらないといけないことを思い出した。今年中に。絶対に。
ディーン「ロン、君のフクロウじゃない?」
グリフィンドールの机にロンの梟が手紙を運ぶ。…かと思ったが梟が着地に失敗する。
ロン「うぅ…」
ドラコ「ははは…」
スリザリン生が嘲笑う。…まぁ、私も少し笑った。あまりに着地が下手すぎて。
ロン「あぁ…そんなぁ!」
ロンが手紙を手に取ると嘆いている。
シェーマス「みんな見ろよ、ロンに吠えメールが来たぞ!」
ネビル「開けなよロン、僕お婆ちゃんから届いたのそのままにしてたら、酷い目にあった。」
ロンが恐る恐る手紙を開ける。
…この場で?吠えメールを?
吠えメール(モリー)「ロナルド・ウィーズリー!」
ロンのお母さんの声が広間に響いた。
…まぁ、そうなるな。
吠えメール(モリー)「車を盗むとは何てことです!おとうさんは役所で尋問を受けてますよ!それもみんな、お前のせいです!よくお聞き!今度ちょっとでも規則を破ってごらん、家に引っ張って帰りますからね!あぁ…ジニーちゃん。グリフィンドールに決まっておめでとう。パパもママも鼻が高いわ。」
吠えメールは破れる。…そういえばジニーが入学したんだった。…ジニーね。
パンジー「私思うんだけど、グリフィンドールって退屈しないわよね。」
隣にいたパンジーがグリフィンドールを見ながら言う。
プリム「…スリザリンは静かだ。まぁ、目立つやつは孤立する。」
ダフネ「寮の特徴じゃない?」
ミリセント「グリフィンドールは、ちょっとお馬鹿ってこと?」
ん?…そうじゃない、それならハーマイオニーはどうなる?
プリム「頭の問題じゃない、トラブルを好むかどうか。それだけ。スリザリンはトラブルは避けたい。グリフィンドールはトラブルが好きってこと。」
パンジー「スリザリンにもちょっとトラブルがあれば退屈しないわよね。」
ダフネ「私は嫌だわ。トラブルなんて。」
プリム「パンジーの言うことはわかるよ。トラブルは退屈しない。」
今年はスリザリンがトラブルに巻き込まれる。退屈しない年になるな。
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必要の部屋。
アリエッタ「パトローナス?」
プリム「そう、来年はアズカバンでしょ?ディメンターがでるわ。」
そう、ディメンターがわんさか出てくる。どっかの犬のせいで。
アリエッタ「あー…確かにね、身を守る為にできないと駄目ね。」
プリム「でも、とても難しい魔法だから、今のうちに練習しないとって」
アリエッタ「うん、確かにね。プリムはもう、アニメーガスになれた?」
まだなれない。…とても時間がかかっている。焦ってきた。
プリム「…んーん、まだ…でも絶対なるわ。ならなくちゃ。ジェームズポッターごときに負けてられない。」
アリエッタ「…まぁ、いいや。あ!そうだ、プリム!私に開心術かけてみて!」
…開心術?何故?…もしかして
プリム「あなた、もしかして…」
アリエッタ「いいから早く早く!」
アリエッタが急かすので、開心術をかけた。
…でも何も見えない。
アリエッタ「ど、どう?」
プリム「何も見えないよ、凄い!アリエッタできるようになったのね!」
思わずアリエッタに抱きついた。
アリエッタ「まぁね!…ダンブルドアに私達の存在は気づかれてるけど、もう覗かせないわ。絶対ね。」
プリム「そうね、絶対。…開心術もできる?」
アリエッタ「もちろん!」
すごいわ!すごいわ!と更に抱き締めた。
アリエッタ「それでね、プリムがアニメーガスになるなら、私もなりたいなって。同じことができた方がいいでしょ?」
プリムがいいならだけど、とアリエッタが言う。そんなの決まってる。大歓迎だ。
プリム「うん、その方がいいかも。でも、無理しないでね?」
アリエッタ「私はプリムより体力あるのよ?」
まぁ…それはそうだ。確かにな。
私達はその日からパトローナスとアニメーガスの特訓を共に始めた。
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ロックハート「皆さん!闇の魔術に対する防衛術の新しい先生を紹介いたしましょう。…私です。」
そう…今年はこの人が闇の魔術に対する防衛術を担当する。…あんまりだ。早くルーピン先生が来てくれないかと思った。私はルーピン先生の授業は割と好きだ。ユーモアがあって。映画の記憶ではだが。
ロックハート「ギルデロイ·ロックハート…勲三等マーリン勲章受章。それに加えて闇の力に対する防衛術連盟の名誉会員であり、雑誌『週刊魔女』のチャーミング・スマイル賞5回受賞。…それは置いときましょう。妖怪バンシーをスマイルで追い払ったわけじゃない。
フフフフ…。」
…どうでもいい。すこぶるどうでもいい。
パンジー「はぁ…」
パンジーの表情が蕩けている。は?もしかして…ミリセントも、ダフネも、ハーマイオニーも!?…あぁ、そんな…みんなコイツにお熱なのか!なんてことだ…
ロックハート「…さぁ!気を付けて!魔法界の中で、最も汚れた生き物と戦う術を授けるのが、私の役目です。君達は、これまでにない恐ろしい目にあうことでしょう。だが私がいる限り、君達は安全ですぞ。どうか、叫ばないようにお願いしたい。…こいつらが暴れるから!」
ロックハートが揺れる鳥籠の布を取ると、ピクシーが入っていた。
シェーマス「コーンウォール地方のピクシー?ははは…」
ロックハート「笑うのは今のうちだ、フィネガン君。ピクシーは厄介で危険な小悪魔ですぞ。」
…確か、ハーマイオニーが魔法をかけるんだよな。これ。…どう隠れよう。机の下…はガムが付いていて嫌だ。
ロックハート「さぁどう扱うかな?お手並み拝見!」
考えがまとまらないうちにピクシーが放たれる。
パンジー「きゃあぁぁ」
ドラコ「わぁああ」
スリザリン生もグリフィンドール生もピクシーに振り回されている。
“Depulso”(退け)
ピクシーが遠くへ吹っ飛ぶ。…効果はあるみたいだ。
ピクシー「フッフ〜!」
プリム「キリがないな。…くそ」
ロックハート「捕まえなさい、たかがピクシーでしょう。」
たかがピクシー、されどピクシーだ。これだけ多いと厄介だ。…ハーマイオニー早くしてくれ。
ネビル「わぁああ!」
ピクシーに耳を掴まれるネビル。
ピクシー「それっ!お前はずっとそこにいろ!」
ネビル「下ろして!助けて〜!」
…ネビルを助けるのは私の役目じゃない。
ロックハート「ペスキピクシ・ペステルノミ!あっ!」
杖をピクシーに盗られるロックハート。
何してるんだ。
ピクシー「やった〜!」
ロックハート「君達!残ってるピクシーをカゴに戻しておきなさい。」
…役立たずめ。もう我慢できない。
ピクシーを遠くに吹き飛ばしながら、教室を出た。
ドラコも教室の外にいた。
プリム「最悪な授業ね」
ドラコ「最悪な教師だ。」
ハーマイオニー「イモビラス!」
扉の隙間から魔法の光が漏れる。…やっと収まったな。
プリム「…あいつ、ピクシーに杖を盗られてたぞ?本当にあの偉業を成し遂げたと思う?」
パンジー「あんなに大量のピクシーですもの、そんなこともあるわ。」
パンジーはロックハートにお熱だ。何を言っても無駄だろう。
プリム「ハーマイオニーの方がまだ魔法が使えるんじゃないか。」
ドラコ「そうか?教師なんだ、魔法が出来なきゃ意味がないだろ?」
プリム「どうかしらね?」
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スリザリン寮
プリム「…」
さて、これをまた使う時が来たな。
繊細な装飾が施された黒い箱を手にとり、ベッドの上へ座った。
プリム「私ちょっと寝るから起こさないでね、」
わかったわー、と隣のベッドらへんからパンジーの声がした。
プリム「…”運命を開く”」
箱の鍵穴に杖を向けて呟くと、黒い箱の装飾が動き箱が開く。…中には薬瓶が入っている。ただの薬瓶じゃない。例の毒薬だ。私特製、自殺専用超猛毒薬。この箱は合言葉を言わないと開かないようになっている。隠し物にはもってこいだ。
プリム「…おやすみ私。」
キュポンッと一瓶開け飲み干す。
真っ白な世界。覚えてる。
アズラエル「やぁ、プリム。また来たのかい?ハリーポッターの世界は満足いかないかな?」
プリム「いや、大満足だよ。とってもとってもね。」
青い大きな翼の天使。アズラエルだ。
アズラエル「ではまた、何故自殺を繰り返すのかな?」
プリム「アズラエルにしかできない相談が湧いて出てくるんだよ。付き合ってくれないの?」
アズラエル「…プリム、私は暇じゃないんだよ?まぁ、話は聞くよ。相談って?」
アズラエルがちょっと不機嫌そうだ。まぁ、目の前には何か大量に書類がある。忙しいのは嘘じゃないだろ。
プリム「ヴォルデモートは絶対に死なないといけない?その道しかない?」
アズラエル「ヴォルデモート…ああ、トムリドルのことだね?…トムリドルの魂はもう壊れてしまっている。残念だけど…もう救えない魂だ。」
プリム「そう…何度も殺人を犯したから?」
アズラエル「そうだよ…自分の死から逃げる為に人の命を絶ってしまった…大罪を犯している。」
プリム「そうなのね…やっぱり。」
救えない。トムリドルは救えない。私もベラトリックスを殺すつもりだ…私の魂も…地獄に落ちるだろうか。
プリム「あとひとつ、…私動物もどきになれないんだけど、もしかしてそういう身体?」
アズラエル「いや?そんなことはないさ…そもそも君は魔力はダンブルドア並だ。できるはずだよ?」
プリム「…努力が足りないってことね。」
アズラエル「私からアドバイスをするとすれば、なりたいものではなくて、何の為に、誰の為に、その考えが大事だ。」
…そうだったのか。それは盲点だ。
プリム「ありがとう、なんだかできそうな気がするわ。」
アズラエル「…私はプリムに甘い。」
書類に目を通しながらアズラエルが呟いた。
プリム「最後にひとついい?」
なんなりと、とアズラエルが視線を向ける。
プリム「記憶と世界が少しずつ変わってる。私達の介入によって…」
アズラエル「そのようだね、良くも悪くも変わる。君達の行動次第で。」
プリム「私達の為の世界なのに?」
アズラエル「それは、何を聞きたいのかな?」
アズラエルが掛けていた眼鏡を外す。
プリム「思ったの、私達に与えた世界…それって…アズラエルが作ったのよね?アズラエルの望む方向に変えられるんじゃ?って」
そう、アズラエルの手の上で転がされてるのでは?と考えた。
アズラエル「…少なからず変えてはいるよ。よく気づいたね?賢い子だ。流石だよ。」
…やっぱりな。
プリム「じゃあ、トロールが増えたのも、ダンブルドアが現れたのも、あなたが?」
アズラエル「正解だ。…君達の行動は私の管理下で動いている。望む展開でなければ変えている。」
…あんまりだ。アズラエルの望む展開?私達の世界じゃなかったのか?
プリム「そんなの、私達の世界じゃない…アズラエルの世界じゃないか…」
アズラエル「…プリム、それは違う。君達のいる世界は君達の記憶から作られている。だが、プリム…君達が動くことによって記憶から遠く離れた展開になってしまう。だから私は手を加えて元の記憶に近いようにしているんだ。…助けているんだよ、プリム。…プリム達がしたいことはわかっているよ。でも私が何もしなければとても危険な未来になってしまう。…それこそ、世界が闇に包まれる未来にね。」
…アズラエルは私達を助けていた。私達が動きやすいように手を加えていた。
プリム「私達の望む世界に近づけていたのね、アズラエルは…」
そうだよ、とアズラエルは私の頬を撫でた。
プリム「アズラエルは私に甘いね。」
アズラエル「君は私のお気に入りだ。…自由に生きなさい。私はいつでも君の味方だ、プリム。」
「プリム!プリム!」
誰かが私の身体を揺する。
パンジー「あなた…熟睡しすぎよ、死人みたいだったわ。」
心配したのよ、とパンジーが私を抱き締める。死人だったのは間違いない。
プリム「ごめんねパンジー、おかげでよく仮眠がとれたよ。」
パンジー「そう?ならよかったけど…そうだあなた知らないでしょ、スリザリンのクィディッチのチームに新しいシーカーが入ったのよ!誰だと思う?」
…あー、新しいシーカーね。
プリム「ドラコとか?」
パンジー「そう!ドラコ!…なんだ、知ってたの」
プリム「いや?私の中で1番箒が上手な人を挙げただけ。」
パンジー「今日練習があるのよ、見に行かない?」
プリム「あー…見に行こうかな。」